自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語る! ホンダ スーパーワン試乗記:大ヒット受注停止のBEVでもリセールバリューに補助金の影?
N-ONE e:をベースに、ブリスターフェンダーとBOOSTモードで“操る喜び”を加えたホンダ スーパーワン。国と東京都の補助金で受注停止の大ヒットだが、2027年1月の減額でトーンダウンか? ゴーカートのような走り、賛否両論の疑似エンジン音、補助金ありきのリセールバリューまで、試乗記を解説とともにお届けする。
自動車情報メディア「CORISM」編集長
やってくれたな! ホンダ!! N-ONE e:をマッチョに仕立てたスーパーワン
初めてホンダ スーパーワン(Super-ONE)を見たのは、ジャパンモビリティショー2025だった。この時はまだプロトタイプだったが、ファーストインプレッションは「やってくれたな! ホンダ!!」だった。

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【自動車のプロ】大岡智彦
初めて見たスーパーワンは、N-ONE e:譲りのかわいいクリクリおめめに、バッキバキに張り出したブリスターフェンダー。
かわいいのに、マッチョで速そうで楽しそう。
このギャップに萌えた。
ベースとなるN-ONE e:は、軽ハイトワゴンのBEV(バッテリー電気自動車)だ。こうした実用車をあえて使い、レーシングカー的なエッセンスを加えたカスタマイズは、今も昔も話題になる。これもいわゆるギャップ萌えだ。
本来なら、ホンダアクセスや無限が手掛けそうなモデルである。それをホンダ自らがやったことに、大きな意味がある。
というのも、最近はメーカーが直接チューニング&カスタマイズしたモデルの人気が高い。トヨタはGR、日産はNISMO、スバルはSTIと、各社が個性的なカスタマイズ車を投入し、こうしたモデルが各メーカーのブランドイメージを引き上げているのだ。
スーパーワンはHRCによるモデルではないものの、薄れてきたホンダのスポーティイメージを再び引き上げる1台として期待される。その走りとリセールバリューを、試乗を通して解説していこう。
実はオジサン狙い!? ホンダ スーパーワンに隠されたマーケティング
ホンダの調査によると、「チャレンジング精神のあるメーカーイメージ」は、2020年以前はホンダが圧倒的なナンバー1だった。ところが2020年以降は徐々に右肩下がりとなり、直近では他社が肉薄している。
さらに、メーカー別・年代別の好意度を見ると、年齢層が下がるにつれてホンダへの好意度が下がっていく傾向があるという。
実際のマーケットも、その通りになっている。売れているのはN-BOXを筆頭に、フリードやヴェゼルといったコンパクト系の実用車。「チャレンジング精神のあるメーカーイメージ」とはかけ離れた車種ばかりだ。ホンダ=実用車メーカー、そんなイメージになってきているのだろう。
プレリュードに続く第2の刺客がスーパーワン
こうしたイメージを打開するべく投入されたのがプレリュード・・・

・・・なのだが、購入者の多くは高齢層。車両価格が高額なため、若年層にはリーチできなかった。まぁ、ホンダもそこは想定どおりだろう。
第2の刺客として投入されたのが、このスーパーワンだ。ホンダは、1983年にデビューしたシティターボⅡ(通称:ブルドッグ)をオマージュしたかのようにアピールする。背の高い実用車にブリスターフェンダーを与えたスポーツモデル、という点では確かに似ているようにも見える。

とはいえ、シティターボⅡと聞いてオッと思うのは、おそらく50歳代から上のオジサン世代。「昔の名前で出ています」的で、若者世代にはピンとこないだろう。
これもホンダにとっては想定内なのだろう。ホンダにとって最高となるシナリオを予想してみた。
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【自動車のプロ】大岡智彦
子離れしたオジサン世代には、懐かしさでプレリュードを購入させる。
そこへ追い打ちをかけるように、ノスタルジーを刺激するスーパーワンを投入。
「普段の足としても使えるし、おもちゃ感覚で楽しめますよ。補助金もいっぱい出るのでお得ですよ」的なトークで、オジサンは瞬時に増車決定。
若年層を取り込むのは難しいから、容易に取り込めるオジサンにターゲットを絞ったのか、ホンダ?
その一方で、若年層には、ちょっとヤンチャなホンダのスポーティさをアピールしながら、補助金によるコスパで購入を促す。こんな狙いもあるのだろう。賢いな、ホンダ。
ホンダ スーパーワンはN-ONE e:よりひと回り大きい普通車
そんなスーパーワンを、まずはベースモデルのN-ONE e:とボディサイズで比べてみた。
| 車名(グレード) | N-ONE e:(e: L) | スーパーワン |
|---|---|---|
| 車両区分 | 軽自動車 | 普通車(小型乗用車) |
| 新車価格(税込) | 3,198,800円 | 3,390,200円 |
| 全長 | 3,395mm | 3,580mm(+185mm) |
| 全幅 | 1,475mm | 1,575mm(+100mm) |
| 全高 | 1,545mm | 1,615mm(+70mm) |
| トレッド(前/後) | 1,305mm/1,305mm | 1,345mm(+40mm)/1,345mm(+40mm) |
| ホイールベース | 2,520mm | 2,520mm(±0) |
| 車両重量 | 1,030kg | 1,090kg(+60kg) |
| タイヤサイズ | 155/65R14 | 185/55R15 |
| 最高出力 | 47kW(64PS) | 70kW(+23kW)/95PS(+31PS)※BOOSTモード時 |
| 最大トルク | 162N・m | 162N・m(±0) |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 295km | 274km(−21km) |
| オーディオ | 標準スピーカー | BOSEプレミアムサウンドシステム |
| 走行演出機能 | なし | 仮想7段シフト/エンジンサウンド再現 |
| *( )内はN-ONE e:に対する増減 | ||
ボディサイズを比べると、スーパーワンはN-ONE e:より、ひと回り大きい。もっとも、変更部分は前後のバンパーとブリスターフェンダーなので、室内スペースに大きな変化はない。

全高が70mm高いのは、大径の15インチタイヤを履いたことと、ルーフスポイラーによるもの。最低地上高はN-ONE e:と同じ140mmだ。
全高1,615mmで立体駐車場の1,550mm制限はNG
N-ONE e:は、都市部の集合住宅に多い全高制限1,550mmの立体駐車場に入るサイズだった。ところが、スーパーワンはこうした立体駐車場に入らなくなった。購入前に駐車場を確認しておきたい、残念なポイントだ。
ブリスターフェンダーが軽ハイトワゴンの細高さを打ち消したスーパーワンのデザイン
スーパーワンらしさをアピールしているのが、片側50mmも張り出したブリスターフェンダーだ。

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【自動車のプロ】大岡智彦
軽ハイト系や軽スーパーハイト系に言えることだが、デザイン的に見るととにかく細高い。
重心がとても高く、不安定に見えるのだ。
スーパーワンは全幅が合計100mmもワイドになったことで、やや背高でも安定感のあるシルエットになった。
ホンダ スーパーワンのインテリアは派手なメーターとスポーツシートで差別化
スーパーワンのインテリアは、基本的にN-ONE e:と同じだ。とはいえ、スーパーワンらしさを表現する装備がいろいろと用意された。

水平基調のシンプルなインパネデザインは共通だが、ブラックをベースにブルーのアクセントが入る。加えて、Googleサービスに対応した9インチのHonda CONNECTディスプレーも標準装備だ。

液晶メーターであることも共通だが、スーパーワンのメーターはとにかく派手。バッテリー温度計・瞬間電費計・出力計のトリプルメーターは、SPORTモードとBOOSTモードで瞬間電費計がタコメーターへと変化する。
普段はリラックス、攻めればしっかり支えるスポーツシート
スポーツドライビングの必須アイテムであるスポーツシートも装備する。シットリとした肌触りで、なかなか気持ち良い。グレー、ブルー、ホワイトの色味も良く、高級シート的でオシャレだ。

意外なほど大きめのシートで、通常時はリラックスして運転できる。それでいて、いざスポーツドライビングとなると、しっかりと体を支えてくれるのだ。なかなか万能なシートといえる。
もっとも、インパネやドアパネルはプラスチック感がタップリ。このギャップには萌えなかった。
普通車登録で95PS! ホンダ スーパーワンのBOOSTモードは高速域まで伸びる
さて、試乗。運転席に座り、ゆっくりとアクセルを踏んでいく。おやおや、N-ONE e:と同じく穏やかに走る。
アクセルをグッと踏み込んでも、N-ONE e:とそれほど変わらない。そもそも最大トルクは162N・mもあるので、十分に速いのだ。

違いは、やはりBOOSTモードにある。スーパーワンはボディサイズが大きくなったことで普通車登録となるため、軽自動車の最高出力64PSという自主規制の対象外だ。そのため、最高出力は95PSに高められた。

ステアリングに装着されたBOOSTボタンをポチっと押し、アクセルをグッと踏み込むと、ブーンという疑似エンジン音が車内に響き、ちょっと豪快に加速する。パワーが上がった分、より高速域まで伸びのある加速が楽しめた。
疑似エンジン音は必要? スーパーワンのアクティブサウンドコントロール
この疑似エンジン音を奏でるアクティブサウンドコントロールは、標準装備のBOSEプレミアムサウンドシステムを使う。なんと仮想7段ギヤで、アクセル操作に応じてキレのあるアップシフトと、ブリッピングを伴うダウンシフトを演出する優れモノだ。

多くの人が、このアクティブサウンドコントロールを「楽しい」と高く評価する。
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【自動車のプロ】大岡智彦
だけど、個人的な意見としては「必要ない」。
静粛性の高さを誇るBEVで、なぜ疑似エンジン音を聞かされなければいけないのか疑問が残る。
スーパーワンは、疑似エンジン音がなくても、高Gがかかるような優れた旋回性や走る楽しさを十分に感じ取れるクルマだ。
エンジンのないBEVに、疑似エンジン音で刺激を与えるような仕組みは、あまり楽しいとは思えなかった。そもそも、ガソリン車とBEVは違う乗り物。加えて、疑似エンジン音はどこまでいっても疑似だ。

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【自動車のプロ】大岡智彦
大豆ミートが、いかに肉に近い味でも、肉ではないのと同じ。
とても良いクルマなのに、ちょっとオモチャ的になるのが残念だった。
ゴーカートのようにギュンギュン曲がるホンダ スーパーワンのハンドリング
スーパーワンの走行性能の魅力は、なんといってもモータードライブ車らしい圧倒的なレスポンスと強大なトルク、そしてギュンギュン曲がるハンドリングにある。
スーパーワンが得意とするのは、小さなボディを生かせるタイトターンが連続するような道だ。こうした道では、右へ左へと、まるでゴーカートのように走り抜ける。

大きく重いバッテリーを床下に置いて低重心化したことで、やや背の高いスーパーワンでも、ペタっと路面に張り付いて走る。バッテリー搭載位置の最適化で前後重量配分も改善され、ノーズも軽い。クルリクルリと向きを変え、ちょっとした交差点を曲がるだけでも楽しい。
アルミ鍛造ロアアームまで投入! スーパーワンの足回りは新開発パーツが満載
ホンダ、凄いなぁ、と思ったのがスーパーワンの足回りだ。ワイドトレッド化に合わせてサスペンションセッティングをちょっと変えました、という程度ではなく、多くの新開発パーツが投入されている。

フロントサスペンションには、専用設計のアルミ鍛造ロアアームを採用した。
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【自動車のプロ】大岡智彦
アルミ鍛造?
もはや本格的なスポーツカーに使われる高コストなマテリアルが、スーパーワンにも使われているのだ。
スポーツカー好きなら、アルミ鍛造と聞いただけでよだれが出そうになるくらいの特別なマテリアルだ。
これで軽量化と路面追従性を向上させた。そのほか、ハブ剛性のアップ、左右等剛性ドライブシャフトによるトルクステアの抑制、電動パワーステアリングの最適化、ブレーキの強化も行われている。
リヤサスペンションは、アクスルビームの板厚を高め、ダンパー減衰力やスプリングレートを最適化。さらに、ブッシュゴムの高硬度化も実施した。

ワイドトレッドになったスーパーワン用に大改良されたサスペンションは、接地点横剛性がガソリン車のN-ONE RSに対してフロント約37%、リヤ約57%高められ、旋回時の安定性を向上させている。
リヤが「ピョコピョコ」跳ねても意外と不快ではない乗り心地
こうした大改良の恩恵で、ギュンギュン曲がる楽しいBEVとなったスーパーワン。街中では、路面状態が良ければサスペンションの硬さもあまり感じず、スーッと滑らかに走って快適だ。

ところが、ちょっと凸凹のある路面だと、リヤサスペンションがピョコピョコと跳ねる。
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【自動車のプロ】大岡智彦
思わず「ウサギかっ!」と突っ込みを入れたくなるくらい。
とはいえ、ドンドンと突き上げてくるような感じではないので、意外と不快ではなかった。
むしろ、このピョコピョコするリヤサスもギュンギュン曲がるハンドリングを支えるひとつと思えば、愛しくなるから不思議だ。
国と東京都の補助金で受注停止の大ヒット! ホンダ スーパーワンは1月の減額でトーンダウンか?
さて、このスーパーワン。N-ONE e:よりも、多くの人に価格的なメリットがある。軽自動車から普通車になったことで、国のCEV補助金が大幅に増額されているのだ。
2026年12月31日までに登録すれば、スーパーワンの補助金は130万円。補助金を引いた実質的な購入価格は約209万円で、N-ONE e:の上級グレード「e: L」より約53万円も安くなる。若年層でも十分に手が届く価格だ。
| 項目 | スーパーワン(2026年内に登録) | N-ONE e:「e: L」(2026年内に登録) | スーパーワン(2027年1月以降に登録) | N-ONE e:「e: L」(2027年1月以降に登録) |
|---|---|---|---|---|
| 車両価格 | 3,390,200円 | 3,198,800円 | 3,390,200円 | 3,198,800円 |
| 国のCEV補助金 | −1,300,000円 | −580,000円 | −780,000円 | −458,000円 |
| 補助金適用後の実質価格 | 2,090,200円 | 2,618,800円 | 2,610,200円 | 2,740,800円 |
| 実質価格の差 | 基準 | +528,600円(N-ONE e:のほうが高い) | 基準 | +130,600円(N-ONE e:のほうが高い) |
| *補助金額は2026年10月時点。2026年12月31日までの登録分と2027年1月1日以降の登録分で金額が異なる。現行の補助金は予算の上限に達しだい受付終了。自治体の補助金は含まない | ||||
さらに、東京都在住ならZEV車両購入補助金の90万円も加わる。国と都の補助金を合わせると220万円で、実質価格はなんと約119万円だ。
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【自動車のプロ】大岡智彦
339万円のクルマが、東京都なら実質約119万円。
そりゃぁ売れるわね。
そう、2026年12月までなら・・・
こうして、スーパーワンは発売から1か月ほどで1万台を超える受注を集め、受注停止に追い込まれた。増産を発表して再開したものの、9月下旬には再び受注停止と報じられている。
2027年1月以降の登録は国の補助金が78万円に減額
ところが、この大ヒットに水を差しそうなのが、2026年10月21日に発表されたCEV補助金の改定だ。2027年1月1日以降に登録するクルマから補助金が引き下げられ、スーパーワンは130万円から78万円に、N-ONE e:は58万円から45.8万円になる。
受注停止が続くなか、これから手に入れる人の多くは、登録が2027年以降になる可能性が高い。その場合の実質価格は約261万円で、N-ONE e:「e: L」との差は約13万円に縮まる。補助金は契約日ではなく登録日で決まるので、販売店で登録時期の見込みを必ず確認したい。
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【自動車のプロ】大岡智彦
実質約209万円が約261万円へ。
買う側の感覚的には52万円の値上げと同じだろうから、さすがに勢いはトーンダウンしそうだ。
とはいえ、実質価格では依然としてN-ONE e:「e: L」より約13万円安い。
リセールモンスターかと思いきや補助金ありき? ホンダ スーパーワンのリセールバリュー予想
最後に、スーパーワンのリセールバリューを予想してみよう。
リセールバリューは、そのクルマの中古車需要と供給で決まる。いいクルマか否かは関係ない。中古車人気が高く、需要が供給を上回ればリセールバリューはアップ。中古車人気が低く、供給が需要を上回ればリセールバリューはダウンする。
スーパーワンの場合、中古車人気がどうなるのか、まったく予想ができない。BEVは補助金を引いた金額が実際の価値とされる傾向があり、総じてリセールバリューが低めになる。一方で、スーパーワンは発売から1か月ほどで1万台を超える受注を集め、受注停止となった人気BEVだ。
こうした状況になると、内燃機関のクルマの場合は中古車価格が新車価格を大きく上回るという異常現象が起きやすい。納車まで待てない人が、新車より高い価格で高年式の中古車を買うケースは、最近の人気車でたびたび見られる。
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【自動車のプロ】大岡智彦
もしそうなれば、スーパーワンも「小さなリセールモンスター」化する・・・かもしれないが、そこはリセールに不安がつきまとうBEV。
どうなることやら、予想しがたい。
人気すぎて受注停止になったとしても買取相場はやっぱり補助金控除後の実質価格が基準?
では、実際の買取相場を見てみよう。リセバ総研が集計しているデータでは、過去90日間(7月27日〜10月24日)のスーパーワンの査定件数はごく僅か。いや、発売から半年足らずで、すでに査定があるというべきか。
査定データを見る限り、平均走行距離が1,000km以上はあるようなので、ディーラーの登録済未使用車とは考えづらい。しかも受注停止になるような車種のため、なおさらだ。
納車後それなりに使用され、半年足らずで手放されたクルマだと思われる(実車を見ているわけではないので明言はできない)。
| 集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土) | ||||
|---|---|---|---|---|
| ホンダ スーパーONEのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出) | ||||
| 経年 | 年式 | 新車価格中央値※ | 平均売却予想額の中央値 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 当年式 | 2026年式 | 339.0万円 |
¥2,170,000 |
64% |
| ※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。 | ||||
| リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。 | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
平均売却予想額の中央値は217万円で、リセールバリュー値(残価率)は新車価格の64%。受注停止の人気車で、しかもほぼ新車の状態としては、意外なほど低い。査定件数がごく僅かのため、あくまで参考値として扱いたい。
もっとも、この64%は補助金を勘案せずに計算している。補助金130万円を引いた実質価格の約209万円と比べると約104%で、ほぼ実質価格そのものだ。
つまり、スーパーワンの買取相場は、補助金を差し引いた実質価格を基準に形成されていると考えられる。
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【自動車のプロ】大岡智彦
受注停止の大ヒットだから、新車価格越えのリセールモンスターかと思いきや・・・。
やっぱり、買取相場は補助金を引いた実質価格とほぼ同じ。
スーパーワンも補助金ありきのEVリセールバリューだった。
(いまのところは、だが)
補助金を受けた新車オーナーには4年間の保有義務があり、期間内に手放すと補助金の一部を返納することになる。
今回査定されたスーパーワンたちも、返納を伴う売却だった可能性がある。こうなると、スーパーワンが中古車として出回る台数は、当面限られるだろう。
ベースのN-ONE e:とサクラは1年落ちで新車価格の4〜5割
一方、ベースとなったN-ONE e:の買取相場はどうか。
| 集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土) | ||||
|---|---|---|---|---|
| ホンダ N-ONE e:のリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出) | ||||
| 経年 | 年式 | 新車価格中央値※ | 平均売却予想額の中央値 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 1年落ち | 2025年式 | 294.9万円 |
¥1,240,000 |
42% |
| ※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。 | ||||
| リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。 | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
N-ONE e:の1年落ち(2026年比)のリセールバリュー値は42%。ただし、査定件数が極めて少ないため、あくまで参考値として扱いたい。
そこで、査定件数の多い軽BEV、日産 サクラも見てみよう。過去90日間の査定件数は131件だ。
| 集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土) | 査定件数 | |||
|---|---|---|---|---|
| 日産 サクラのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出) | 131 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格中央値※ | 平均売却予想額の中央値 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 1年落ち | 2025年式 | 270.9万円 |
¥1,260,000 |
47% |
| 2年落ち | 2024年式 | 265.9万円 |
¥910,000 |
34% |
| 3年落ち | 2023年式 | 254.9万円 |
¥945,000 |
37% |
| 4年落ち | 2022年式 | 239.9万円 |
¥855,000 |
36% |
| ※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。 | ||||
| リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。 | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
サクラの1年落ちは47%で、2年落ちでは34%まで下がる。3年落ちが37%と2年落ちを上回っているのは、走行距離や状態といった個体差の影響と考えられる。軽BEVは、1年落ちで新車価格の4〜5割というのが現在の相場だ。
サクラの1年落ちを、2025年度の補助金57.4万円を引いた実質価格(約214万円)で見ると約59%になる。サクラも実質価格を前提に相場が形成されているが、1年で実質価格の6割ほどまで下がっているわけだ。
スーパーワンの買取相場が実質価格並みなのは、受注停止で新車がすぐに手に入らない「いまのところ」の話だろう。
仮に1年後、サクラと同じく実質価格(約209万円)の約59%まで下がれば約123万円。新車価格に対しては約36%と、N-ONE e:やサクラを下回る計算になる。
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【自動車のプロ】大岡智彦
補助金130万円は、新車価格の約4割。サクラの約2割と比べて、補助金の割合が倍もある。
補助金が大きいほど、新車価格に対するリセールバリューは低く出る。
スーパーワンのリセールバリューには、その補助金の大きさ分が影となってつきまとう。
数年後は大量放出される可能性も?3年落ちのリセールバリューは約40〜50%と予想
多くのBEVは、中古車マーケットでの人気が低めだ。新車では人気のスーパーワンも、中古車人気がイマイチとなれば、新車で売れた大量のスーパーワンが数年後に中古車市場へ流通する。供給が需要を上回り、リセールバリューは下がるだろう。とくに補助金の保有義務が明ける4年後は、売却が集中する恐れがある。
その一方で、2027年1月からは補助金の減額で、新車の実質価格が約261万円に上がる。補助金が新車価格に占める割合も約2割と、サクラと同程度になる。買取相場が実質価格を前提に形成されるなら、中古車相場の下支えになる可能性もある。
こうした点を踏まえ、3年落ち(2029年時点)のリセールバリュー値は約40〜50%、買取相場で約136〜170万円と予想した。補助金130万円を受けた実質価格(約209万円)に対しては約65〜81%、2027年以降の登録で補助金が78万円の場合(実質価格約261万円)では約52〜65%となる。
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【自動車のプロ】大岡智彦
中古車の買取相場は、あくまで需要と供給のバランスで決まる。受注停止になるほど新車が売れても、BEVの買取相場は補助金を差し引いた実質価格が基準になりやすい。
スーパーワンは補助金の割合が大きい分、新車価格に対するリセールバリュー値は低く出る可能性が高い。受注残が解消して中古車が増えれば、なおさらだろう。
補助金の保有義務が明ける4年後は、売却が集中しやすい。売るなら放出が本格化する前、買うなら放出で相場がこなれたタイミングが狙い目だろう。
ホンダ スーパーワンは「買い」なのか?
スーパーワンは、N-ONE e:をベースにしながら、アルミ鍛造ロアアームまで投入して足回りを作り込み、ゴーカートのように曲がる楽しいBEVに仕上がった。ノスタルジーを刺激するブリスターフェンダーのフォルムも、オジサン世代にはグッと刺さるはずだ。
疑似エンジン音は個人的には不要だが、BOOSTモードの95PSと高い旋回性能だけで、走る楽しさは十分に伝わってくる。全高1,615mmで立体駐車場の制限に引っかかる点と、内装のプラスチック感は割り切りが必要だ。
価格面では、年内に登録できるなら実質約209万円で、文句なしの「買い」。2027年以降の登録で実質約261万円になっても、N-ONE e:「e: L」より約13万円安く、走りの楽しさと装備を考えれば十分に「買い」といえる。
ただし、リセールバリューに過度な期待は禁物だ。受注停止の大ヒットでも、BEVの買取相場は補助金控除後の実質価格が基準になりやすい。リセールで得をするクルマではなく、乗って楽しむクルマとして選びたい。
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【自動車のプロ】大岡智彦
スーパーワンは、実用車ベースのBEVで操る楽しさを味わえる貴重な1台だ。補助金が減額されても、新車価格では約19万円高いスーパーワンのほうが、実質価格ではN-ONE e:「e: L」より約13万円安い(2026年10月時点)。
購入を考えるなら、まずは販売店で登録時期の見込みを確認したい。補助金は登録日で決まるので、ここを押さえておけば損はしないだろう。
ホンダ スーパーワンの航続距離・電費など主要諸元
| ホンダ スーパーワン(JG6型) | |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 3,580×1,575×1,615mm |
| ホイールベース | 2,520mm |
| 最低地上高 | 140mm |
| 車両重量 | 1,090kg |
| 乗車定員 | 4名 |
| 荷室容量 | 155L |
| モーター型式 | MCF7 |
| モーター最高出力 | 70kW(95PS)※BOOSTモード時 |
| モーター最大トルク | 162N・m(16.5kgf・m) |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 274km |
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
| バッテリー総電力量 | 29.6kWh |
| 電費(一充電走行距離÷バッテリー総電力量) | 約9.3km/kWh |
| 駆動方式 | 前輪駆動(FF) |
| サスペンション形式(前/後) | マクファーソン式/車軸式 |
| タイヤサイズ(前後) | 185/55R15 |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| 新車価格(税込) | 3,390,200円 |
| 国のCEV補助金 | 130万円(2026年12月31日までの登録)/78万円(2027年1月1日以降の登録) |
