“神コスパ”な車種が盛りだくさん! 中古EVはなぜ安い?3年落ちリーフの買取相場は新車の26%!日産やテスラのリセールバリューに見る補助金の影

新車では高価になりがちなEVも、中古車なら日産 リーフやサクラが支払総額の中央値で約131万円。3年落ちの買取相場はリーフが新車価格の26%、テスラ モデル3とモデルYが35%と、リセールバリューの低さが買う側には大きなメリットになっています。
2027年1月にはCEV補助金が減額され、中古EVのコスパはいっそう際立ちそうです。そこで今回は、中古EVが安い理由をリセバ総研所長とともにデータでひも解き、狙い目の車種や購入時の注意点、充電サービスの仕組みまで解説します。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

中古車のEVを選ぶ3つのメリット

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    メリット(1)

    中古EVの最大の魅力でもある、コスパの良さ。

EVは駆動用バッテリーのコストが車両価格に大きく影響するため、新車では同クラスのガソリン車より高めの価格帯になりがちです。しかし中古市場では、中古EVに対する需要の低さや中古バッテリーの品質に対する不安などから、年式が進むにつれて価格が下落しやすい傾向があります。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    メリット(2)

    EVはモーターで走るため、発進から力強く、エンジン音や振動がありません。また、重いバッテリーを床下に積む車種が多く、その低重心がどっしりと安定した走りをもたらします。この乗り味は年式が古くなっても基本的に変わらない部分です。

信号や停止の多い市街地では、この静かさとなめらかさが体感しやすく、走行中に二酸化炭素を出さない点も含めて、価格を抑えながらEVらしさを味わえるのが中古ならではといえます。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    メリット(3)

    EVは移動手段としてだけでなく、外部に電力を供給する電源としても活用できます。

AC外部給電コネクターを使えば、屋外でも電化製品が使えるようになりますし、V2H(Vehicle to Home)機器と呼ばれる充放電設備を自宅に設置すれば、クルマに蓄えた電気を家に送ることができます。停電時の非常用電源や、太陽光発電の余剰電力の受け皿としても活用することができるのです。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    EVの中古車価格が新車価格に比べて大幅に安くなる傾向は、買う側から見れば大きな魅力。

特に、通勤や買い物、送り迎えといった1日あたりの走行距離が短距離になる使い方であれば、バッテリーの状態がフレッシュとは言えない中古のEVでも、実用上の支障は小さく収まります。

夜間に自宅で充電できる環境を整えれば、外出先での充電に頼る場面もそれほど多くありません。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    高いコスパで電気自動車の特徴を最大限に体験できるのが、中古EVの大きなメリットだと言えるでしょう。

どうして中古のEVはこんなにリセールバリューが低いのか?

新車価格では決してお手頃とは言えないEVが、中古になるとなぜ“神コスパ”と言えるほどのお手頃価格で手に入るのでしょうか?大事なポイントとなるのが、相場価格の大前提となるEVのリセールバリューです。リセバ総研所長の床尾一法が解説します。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    そもそも中古車の価値は性能や新車価格の高さだけで決まるわけではありません。そのクルマを欲しがる人がどれだけいるかで決まります。

    欲しい人が多ければ高値で取引され、少なければ値は下がります。

つまり、リセールバリューがほかのクルマより低いということは、中古車として欲しい人がそれだけ少ないということになります。

ハイブリッド車に比べて格段に低いEVのリセールバリュー

では、比較的まとまった査定件数があるEVのリセールバリュー値(残価率)を見てみましょう。

集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
テスラ モデルYのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 595.0万円

¥3,300,000

55%

2年落ち 2024年式 622.6万円

¥2,850,000

46%

3年落ち 2023年式 652.6万円

¥2,305,000

35%

4年落ち 2022年式 738.5万円

¥2,320,000

31%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
テスラ モデル3のリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 576.6万円

¥3,060,000

53%

2年落ち 2024年式 591.6万円

¥3,110,000

53%

3年落ち 2023年式 561.3万円

¥1,990,000

35%

4年落ち 2022年式 596.4万円

¥1,890,000

32%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
日産 アリアのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 842.9万円

¥4,110,000

49%

2年落ち 2024年式 820.8万円

¥3,760,000

46%

3年落ち 2023年式 720.1万円

¥3,050,000

42%

4年落ち 2022年式 720.1万円

¥2,395,000

33%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
日産 リーフのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 — — —
2年落ち 2024年式 454.5万円

¥1,480,000

33%

3年落ち 2023年式 454.5万円

¥1,200,000

26%

4年落ち 2022年式 418.2万円

¥915,000

22%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

みなさまご存じ、EVの代名詞とも言える「テスラ」と、国産の量産EVとして販売実績を積み上げた日産「アリア」「リーフ」のリセールバリュー値です。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    3年落ち(2023年式)のリセールバリュー値を見てみると、テスラ モデルYとモデル3はともに35%、アリア42%、リーフ26%。

    4年落ちになると、モデルY、モデル3、アリアの3車種は31〜33%程度、リーフに至っては22%にまで低下します。

では、同様にハイブリッド車のリセールバリュー値を見てみましょう。

比較に選んだのは、同じようなクラスといえる、トヨタの元祖ハイブリッド「プリウス」と、カー・オブ・ザ・イヤーも受賞した日産「オーラ」です。

集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
トヨタ プリウスのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 384.7万円

¥2,950,000

77%

2年落ち 2024年式 342.0万円

¥2,800,000

82%

3年落ち 2023年式 342.0万円

¥2,670,000

78%

旧モデル
4年落ち 2022年式 314.5万円

¥1,840,000

59%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
日産 オーラのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 310.8万円

¥2,310,000

74%

2年落ち 2024年式 304.1万円

¥1,980,000

65%

3年落ち 2023年式 291.3万円

¥1,730,000

59%

4年落ち 2022年式 286.9万円

¥1,540,000

54%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
  • リセバ総研所長 床尾一法

    リセールに強いトヨタ、プリウスのリセールバリューは3年落ちで78%、例に挙げたテスラ2車種と日産 リーフに対してはダブルスコア以上の残価率となります。

    一方の日産 オーラは、3年落ちで59%。その走行性能やクルマとしての実力に対してリセールバリューが低く、リセバ総研でも「プチ神コスパ」として取り上げています。

    それでも、テスラ2車種の約1.7倍、リーフとは2倍以上の残価率です。

さすがのプリウスも、旧モデルの型式となる4年落ちのリセールバリュー値は59%。新旧のモデル差があるとはいえ、3年落ちに対して19ポイントも低下しています。日産 オーラは現行型のモデルということもあってか、3年落ちの残価率に対して4年落ちは5ポイントの低下。

例に挙げたEV4車種のうちテスラ2車種も、中古車の価値が一段下がりやすい3年落ちと4年落ちでリセールバリュー値にそれほど差はなく、モデルYでは35%→31%で4ポイント低下、モデル3では35%→32%と3ポイント低下。ハイブリッド車のオーラに近い落ち方です。

しかし、日産 アリアの場合、4年落ちは33%で、3年落ち42%に対して9ポイントの低下と、差が出ています。

いずれにしても、中古車の節目となる3年落ちと4年落ちで比べてみても、EVとハイブリッド車のリセールバリューには明確な開きがあります。

EVのリセールバリューに影を落とす補助金の存在

  • リセバ総研所長 床尾一法

    EVのリセールバリュー値(残価率)は、もちろん新車価格(車両本体価格)に対して補助金を勘案せずに計算しています。

    しかし、中古EVの買取相場をみていると、補助金を差し引いた「実質価格」を前提に形成されているように見受けられます。

例として、日産 サクラのリセールバリュー値を見てみましょう。

集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
日産 サクラのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 270.9万円

¥1,260,000

47%

2年落ち 2024年式 265.9万円

¥910,000

34%

3年落ち 2023年式 254.9万円

¥945,000

37%

4年落ち 2022年式 239.9万円

¥855,000

36%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

4年落ち(2022年式)は、新車価格中央値239.9万円に対して買取相場が85.5万円で、リセールバリュー値は36%。当時の国の補助金55万円を引いた約185万円で割り直すと、46%まで上がります。

3年落ちは37%から47%、2年落ちは34%から43%に、補助金が57.4万円だった1年落ちでは47%から59%になります。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    新車価格に対し、使用済みで劣化も見られる中古車の価格は、相対的に安くなるはずです。

    もしも目当ての車種の中古車より新車のほうが安ければ、新車の購入を選ぶ人が大半でしょう。

となると、中古車流通で基準となる価格も、補助金を勘案した実質的な新車価格に対して判断され、中古車の相場が形成されていくことになります。買い手側も、EVの所有者が新車購入時に補助金を受け取っているものとみなしているのでしょう。

内燃機関のクルマの中には、リセールバリュー値が100%超え、つまり新車価格を上回る車種も少なくありませんが、決して需要が高いとは言えない使用済みの一般的な量産のEVで、そのような車種が出てくることはなかなか考えにくい状況です。

中古車市場でのEV需要はまだまだこれから

サクラと同じ日産の軽自動車で、こちらもスライドドアではないオーソドックスな5ドア形状の「デイズ」ともリセールバリュー値を比べてみましょう。

集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
日産 デイズのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 191.5万円

¥1,115,000

58%

2年落ち 2024年式 181.8万円

¥1,000,000

55%

3年落ち 2023年式 166.7万円

¥975,000

59%

4年落ち 2022年式 165.4万円

¥765,000

46%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

日産 サクラの補助金を勘案した場合の残価率(4年落ち46%/3年落ち47%/2年落ち43%/1年落ち59%)と比べると、デイズは4年落ちが同じ46%、1年落ちは1ポイント下回る58%です。

ところが、2年落ちは55%、3年落ちは59%と、いずれもサクラを12ポイント上回ります。3年落ちの平均売却予想額も、サクラの94.5万円に対してデイズは97.5万円。新車価格の中央値ではサクラが90万円ほど高いにもかかわらず、買取相場ではデイズのほうが若干上回ります。

両車種とも月間の査定件数が約50件のため、あくまで参考値ですが、中古車としての旬とも言える経年2〜3年で、これだけの差がついています。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    サクラもデイズも、通勤や買い物といった街乗りの需要が多いと考えられるタイプの軽自動車です。

    もともとEVは近距離の移動に適した素性を持つのですが、中古車相場=需要という側面で見ると、やはりガソリン車に軍配が上がるというのが現状です。

需要が伸びない理由はさまざま考えられますが、自宅で充電できる人に限られていることも大きな要因でしょう。バッテリーの劣化への不安も、中古車市場ではまだまだ根強く残っています。

また、技術の進化が速いことも影響しているでしょう。新型が出るたびに機能もアップデートされ、航続距離が伸びる傾向にあります。

リーフの数字がEVのなかでも低いのは、2025年10月に新型へ切り替わった影響もあるでしょう。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    EVは、経年で陳腐化しやすい電子部品の比重が、内燃機関車より大きくなります。

    旧型となったEVの性能に対する不満や、サポートや信頼性についての疑念といった心理的な作用も働きやすいのではないでしょうか。

加えて、補助金には4年間の保有義務があります。期間内に手放すと補助金の一部を返納することになるため、4年を過ぎてから売ろうと考えるオーナーは少なくありません。

その結果、同じ時期に登録された車両がまとまって市場に出る傾向は、内燃機関車よりも補助金の対象となるEVのほうが強く、相場が上がりにくくなっていることも考えられます。

日産 アリアのリセールバリュー値が、4年落ちと3年落ちで差が出ているのも、こういった要因が影響している可能性があります。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    中古EVが安いのはけっしてクルマの出来が悪いからではなく、まだまだ低い需要と補助金の仕組みによるものと考えられます。

    不人気=悪いクルマ、ではありません。

2027年1月からはCEV補助金が減額され、新車EVの実質価格は上がります。新車との価格差が広がれば、既存の中古EVが持つコストパフォーマンスはいっそう際立つでしょう。同時に、今後は現行型EVのリセールバリューが上昇する可能性もあります。

中古EVの相場がどう動くかはまだ見通せませんが、中古車でもEVを手頃に試してみるというなら、今は悪くないタイミングだと見ています。

中古車在庫の多さが期待できる日産の「リーフ」と「サクラ」

中古車は、そもそも新車時に多く売れたクルマほど在庫が豊富で購入希望車の選択肢も増えます。特に日本におけるEVのパイオニアである日産自動車は、2010年の初代リーフ以来、長年にわたりEVを量産・販売してきたメーカーで、中古車市場に出回っている在庫も豊富です。そこでここでは、比較的在庫を見つけやすい日産の「リーフ」と「サクラ」について、その特徴を整理しましょう。

日産 リーフ(ZE1型): 「はじめてのEV」に最適な1台

日本初の量産乗用EVであるリーフの2代目にあたるZE1型は2017年10月に発売され、2025年10月に後継モデルへ切り替わるまで販売されました。バッテリーは40kWh車と、大容量の「e+」の2本立てです。一充電走行距離(WLTCモード)は40kWhバッテリー搭載車が322km、60kWhバッテリー搭載車が450kmとされています。

 

販売期間が長く、年式やグレードの選択肢が多いことが中古で探す際の利点です。ただし、同じZE1型でも年式によってバッテリー容量や装備が異なるため、カタログ上の数値をそのまま当てはめず、実車の仕様を確認する必要があります。予算に余裕があれば、後期型で航続距離が長い「e+」を狙うとよいでしょう。

日産 リーフ(ZE1型)の中古車はこちらをチェック>>

日産 サクラ(B6AW型): 街乗り中心で活躍できる軽EV

サクラは2022年に登場した軽自動車規格のEVです。バッテリー総電力量は20kWh、航続距離はWLTCモードで最大180km。充電時間は普通充電で8時間(バッテリー残量警告灯点灯位置から100%まで)、急速充電で約40分(同じく80%まで)とされています。

 

航続距離はリーフと比較すると短く、長距離移動を前提とした使い方にはあまり向きません。その代わり、軽自動車ならではの取り回しの良さがあり、自宅で充電できる環境があって日常の走行距離が短いのであれば、数字以上に不便を感じにくい1台と言えるでしょう。

日産 サクラの中古車はこちらをチェック>>

あの高級EVも中古車になると“神コスパ”に?

ご紹介した「リーフ」や「サクラ」ほど在庫は潤沢ではありませんが、トヨタの「bZ4X」、日産の「アリア」、テスラの各モデルなど、新車価格が高額だったクルマも、中古車市場でコスパ高い在庫として流通している場合があります。発売時期が比較的最近であることから、高年式・低走行距離の掘り出し物が見つかることもあるため、こまめに在庫状況をチェックしてみるとよいのではないでしょうか。

トヨタ bZ4Xの中古車はこちらをチェック>>

日産 アリアの中古車はこちらをチェック>>

自動車情報メディア「CORISM」大岡編集長による車種解説はこちら

中古車のEV購入を検討する際の注意点

中古でEVを買う場合には、メリットだけでなく注意点も踏まえておく必要があります。ここからは、中古EVの購入を検討する際に気をつけたいポイントについて整理しておきましょう。

国のCEV補助金や自治体のEV補助金は対象外

まず必ず押さえておきたいのが、国のCEV補助金や地方自治体のEV購入補助金は中古車では対象外となっている点です。次世代自動車振興センターの応募要領には、新車新規登録(新車新規検査届出)された自家用車両に限られ、中古車および事業用車両は対象外であると明記されているほか、自治体の補助制度についても、多くはCEV補助金の適用要件を補助の条件としています。なお制度の内容は自治体ごとに異なるため、気になる場合はお住まいの自治体の補助金制度をご確認ください。

バッテリーの状態を確認しよう

中古EVでもっとも気になるのがバッテリーの劣化です。上記で紹介した日産車の場合、メーター内のアドバンスドドライブアシストディスプレイに「リチウムイオンバッテリー容量計」が表示され、状態のおおよその目安を把握することができます。またその他のメーカーのEVでも、バッテリーの状態を確認する方法がありますので、販売店に確認するようにしましょう。

リーフの場合、メーター内のディスプレイにバッテリー状態が表示される

メーカー保証の引き継ぎ(保証継承)を忘れずに

新車時の保証が残っている中古車を購入した場合、そのまま自動的に保証が引き継がれるわけではありません。例えば日産自動車の場合は、保証書、メンテナンスノート、クルマを日産自動車の販売店に持ち込み、必要な点検整備(有料)を受けて、保証できる状態にあることが確認できれば、保証の継承手続きを受けられるとされています。

 

手続きが済んでいない状態での不具合は保証の対象にならないため、購入後は早めにメーカーの販売店へ相談するのがおすすめです。点検費用や手続きの可否はケースバイケースなので、購入前の段階で確認しておきましょう。

クルマより先に充電環境を準備しよう

EVの使い勝手を左右するのは、充電できる環境が整っているかどうかという点です。自宅で普通充電できる環境を準備する場合、戸建てであれば200VのコンセントやEV用の充電器を設置する工事が必要になり、集合住宅の場合は共用部の工事にあたるため、管理組合での合意形成が前提になります。また、自宅外での充電を前提に考える場合は、自宅の近くにEVの「ガソリンスタンド」にあたる急速充電スポットがあるかどうかも、日常使いでは重要なポイントです。このあと紹介するEV充電サービスのウェブサイトなどで最寄りの充電スポットを調べておくこともおすすめです。

EVの利用に不可欠な「充電サービス」を理解しよう

EVに乗り換えるうえで、もっとも分かりにくいのが充電まわりの仕組みなのではないでしょうか。自宅で充電する場合と、外出先で充電する場合に分けてポイントを整理してみましょう。

充電は「自宅で普通充電」または「外出先で急速充電」

EVの充電は、自宅などで時間をかけて行う「普通充電」と、外出先で短時間に行う「急速充電」に大きく分かれます。自宅に充電設備を整備した場合、日常の使い方の中心になるのは前者で、外出先の急速充電はあくまで移動中の継ぎ足しという位置づけです。普通充電と急速充電の違いについて、日産 サクラを例にまとめたのが、下記の表になります。

普通充電 急速充電
主な設置場所 自宅、宿泊施設、商業施設の駐車場など 高速道路のSA・PA、道の駅、カーディーラー、ショッピングモール、コンビニなど
充電時間の目安 日産 サクラで約8時間(残量警告灯点灯位置から100%まで) 日産 サクラで約40分(残量警告灯点灯位置から80%まで)
主な使い方 夜間にゆっくり充電しておく 移動の途中で必要な分だけ補う
充電費用 自宅なら家庭の電気料金 サービスごとの料金体系による(主に月額費用+充電費用)

外出先でEVの急速充電ができる「充電スポット」の使い方

外出先でEVの充電を行う場合には、街中でよく見かける「EV充電スポット」を利用することになります。これがガソリン車におけるガソリンスタンドの役割を果たすのです。ただし、このEV充電スポットは誰でも無料で使えるものではなく、会員登録をして充電費用を支払う必要があります。

 

国内最大級の充電ネットワークを運営するe-Mobility Power(eMP)を例にすると、充電スポットは月額料金を払う会員プランと、充電の都度料金を支払うビジター利用のどちらかで使うことになります。会員プランは、急速充電器と普通充電器の両方を使える「急速・普通併用プラン」と、普通充電器のみの「普通充電プラン」の2種類があり、いずれも月額料金が発生します。会員登録すると「充電カード」というものが発行され、それを充電スポットでかざすとEVの充電が行われます。充電料金は一部の充電スポットを除いて充電時間単位で支払う仕組みで、ランニングコストは「月額費用+充電料金」という形になります。なお、会員にならなくてもビジターとして利用できますが、その場合も事前の登録が必要で、ビジターの場合の充電料金は会員料金と比較して割高になります。

 

ちなみに、日産自動車をはじめEVを販売する自動車メーカー各社は、eMPの充電スポット利用にも対応した独自の充電サービスを展開しています。購入を検討しているEVメーカーのサービスについて、加入条件や料金体系などを事前に確認しておくとよいのではないでしょうか。

 

自宅に充電設備があり、外出先の急速充電をたまにしか使わないのであれば、月額費用のかからないビジター利用で十分な場合もあります。一方で、自宅で充電できない、あるいは長距離移動が多く週に何度も急速充電を使うのであれば、会員プランのほうが総額を抑えられる場合があります。利用シーンに応じて検討するとよいでしょう。

まとめ

新車のEVを取り巻く環境が変わるなかで、初期費用を抑えてEVに乗れる手段として、今後は中古EVも選択肢のひとつとなっていくのではないでしょうか。ただし、中古EVには中古EVなりの確認事項があります。国の補助金は使えないこと、バッテリーの状態と保証の残り期間を確かめること、保証継承の手続きが必要なこと、そして何よりEVを充電できる環境を準備すること。この4点を押さえたうえで検討すれば、「はじめてのEV」に対する不安はかなり減らせるのではないでしょうか。

ただし、自分自身に中古EVが向いているかどうかは、日常的な走行距離や利用シーン、準備できる充電環境などによって決まります。価格やスペックの比較に入る前に、まずは自分自身の利用シーンに中古EVが合っているかを考えてみるとよいでしょう。