自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が決めた! プチ神コスパ中古車:トヨタ RAV4 PHV(50系)306PSの激速SUVがたった3年で最大約4割オフ

2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のRAV4(50系)の中でも最強のシステム出力306PSを誇るRAV4 PHV。新車購入時の補助金や新型登場の影響なのか、3年落ちの中古車相場は新車価格の約62〜83%。電動で95km走行できる経済性、スポーツカー級の加速と静粛性が中古車で手に入るコスパぶりを解説する。

リセールに強いトヨタの人気SUV「RAV4」が「PHV」になると弱い?

中古車市場で「リセールバリューが高いクルマといえば?」と問われれば、間違いなく「トヨタ車」と答えられる。それはリセバ総研が提供しているデータで一目瞭然だ。そのトヨタの人気SUVでありながら、中古車相場がじわじわと手頃になっているモデルがある。2020年6月に登場した、歴代RAV4初のプラグインハイブリッド車、RAV4 PHV(50系)だ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

PHVとは、「プラグイン・ハイブリッド・ビークル」の略称。自宅のコンセントから駆動用バッテリーを充電し、ふだんはその電力で電気自動車(EV)として走る。電力を使い切ると、ガソリンを使うハイブリッド車として走行できる。電欠が心配でBEV(バッテリー電気自動車)に踏み切れない層から注目されているシステムだ。一般的には「PHEV」という略称が使われていて、トヨタでも現行の車種はPHEVという表記になっている。

そんな先進的なPHEVであるRAV4 PHV(50系)だが、2026年3月に新型RAV4(60系)のPHEVが登場して旧型となり、新車登録から1回目の車検を迎える3年落ち(2026年比)でも、新車価格に対し最大約4割オフ状態になった中古車も出回っているのだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

専門家が「とても良いクルマ!」と断言できるのに、需要が少ないためにリセールバリューが伸びず、中古車価格が手頃になっているモデル、それがCORISM大岡の提唱する「神コスパ中古車」だ。

RAV4 PHVは神コスパとまでは言えないものの、十分にコスパが高い「プチ神コスパ中古車」に当たる。新型が出た今、旧型となった50系が「中古車で買うべき1台」である理由を紐解いていこう。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    多くの神コスパ車は、不人気なセダンや補助金の大きいBEVが中心。

    どんなタイプの車種でもリセールに強いトヨタ車で、しかも人気のSUVがプチ神コスパになるのは、かなり珍しいケースだ。

トヨタ RAV4 PHV(50系)はシステム出力306PSを誇る激速SUV

GA-Kプラットフォームで生まれ変わった5代目RAV4

RAV4は、3代目30系が2005年から2016年まで日本国内で長期にわたりラインナップされていた。2013年には先々代となる4代目RAV4(40系)が海外で投入されていたのだが、日本では販売されなかった。2019年にフルモデルチェンジした先代の5代目RAV4(50系)は日本市場にも投入され、約3年ぶりの復活となった。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

この5代目は劇的な進化を遂げ、プラットフォームを最新のGA-Kに刷新。低重心・高剛性の骨格を得たことで、動的性能が飛躍的に向上している。

搭載エンジンは2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドの2タイプ。最終モデルの燃費は20.6km/L(WLTCモード、以下同)と、今でも高い水準にある。

こうした完成度の高さが評価され、5代目RAV4(50系)は2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

ハイブリッドをベースにフロントモーターを強化したRAV4 PHV

RAV4 PHVが投入されたのは、やや遅れて2020年6月。2.5Lハイブリッドシステムをベースに、主にフロントモーターを高出力化した。その結果、SUVとしては異例のシステム出力306PSを実現し、今でも「激速SUV」と呼べるレベルにある。

アクセルをグッと踏み込むとエンジンも始動し、フル加速状態に移行する。後輪モーターはイッキに最大トルクを立ち上げ、後ろから押されるような、後輪駆動車的な加速が始まる。高回転域のエンジン音は少々大きめだが、スムーズでありながら豪快な加速が長く続き、ちょっとしたスポーツカーに乗っている感覚になる。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

後輪モーターはハイブリッド車と共通で、最高出力54PS、最大トルク121N・mとスペックも同じ。それでも、その存在感は十分だ。通常の悪路なら何の問題もないが、ヘビーな悪路ではもう少し最大トルクが欲しいところだろう。

なお、先代の50系では「RAV4 PHV」という名称だったが、新型の60系ではRAV4の「PHEV」というグレードの扱いに変わっている。

画像:トヨタ 新型RAV4(60系) 2026年式「ハイブリットZ」

速いのにハイブリッド超えの燃費22.2km/LとEV走行95km

これだけ豪快な走りを見せながら、燃費はハイブリッド車を上回る22.2km/Lを達成。EV走行距離(充電電力使用時走行距離)も95kmと十分なものになっている。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    速くて、燃費も良くて、電気だけでも走れる。

    欲張りな要求に全部応えてしまったのが、RAV4 PHVだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

トヨタ RAV4 PHV「Z」の中古車相場は3年落ちで新車の約62~83%

では、実際の中古車相場はどうか。2022年10月の改良で唯一のグレードとなったZ(E-Four)の2023年式で確認してみよう。

トヨタ RAV4 PHV(50系)Z(E-Four) 価格
新車価格(2023年当時) 約563万円
3年落ち(2023年式)の中古車相場 約350~470万円
新車と中古車の価格比 約62~83%
4年落ち(2022年式)の中古車相場 約280~410万円
※中古車情報メディア調べ 2026年10月時点

RAV4 PHV Zの中古車相場は、3年落ち(2026年比)で約350~470万円。新車価格に対する比率は約62~83%で、人気の高いSUVカテゴリーとしては、やや低めの数値。

さらに4年落ちの2022年式なら、約280万円から手が届く。まさに、これぞ中古車購入の醍醐味ともいえる買い得感だ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

多くの中古SUVは、3年落ち程度の高年式だと新車価格に近く、中古車として買い得感がない車種がほとんど。それだけに、RAV4 PHVの中古車は貴重。

人気SUVで、しかもPHEVで高性能、さらに燃費もよいと、全方位で優れたモデル。新車時は約563万円と高額な高性能車が、リーズナブルに購入できるチャンスだ。

では、ほかのPHEVのSUVはどうか。同じ2023年式で、トヨタ ハリアーPHEV、三菱 アウトランダーPHEV、マツダ CX-60 PHEVと比べてみよう。

車種 新車価格(2023年式) 3年落ち(2023年式)の中古車相場 新車と中古車の価格比
トヨタ RAV4 PHV 563.3万円 約350~470万円 約62~83%
トヨタ ハリアーPHEV 620.0万円 約370~520万円 約60~84%
三菱 アウトランダーPHEV 526.8万円 約290~410万円 約55~78%
マツダ CX-60 PHEV 610.0万円 約370~440万円 約61~72%
※中古車情報メディア調べ 2026年10月時点。中古車相場は車両本体価格。新車価格はIDOM査定データの2023年式の新車価格中央値。ハリアーPHEVは2022年10月発売のため、2022年式はほとんど流通していない

新車価格に対する比率は、どのモデルも下限が55~62%、上限が72~84%に収まる。RAV4 PHVの約62~83%は、PHEVのSUVの中でむしろ平均的な水準だ。

つまり、人気SUVであるRAV4が、仕様の違いだけでここまで中古車相場が低くなるのは、やはり「PHEVだから」という側面が大きそうだ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    3年落ちで新車の5割台から。

    PHEVのSUVは、どれも中古車になると驚くほど手頃になる。

トヨタ RAV4 PHV(50系)の中古車相場が低いのはクルマのせい?ではなく補助金が影響

中古車相場は、需要(輸出も含む)と供給のバランスによって決まる。新車時の人気も大きく影響するが、それだけではない。クルマの性能とも直接の関連はない。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

つまり、ある車種の中古車が欲しいという人がたくさんいるのに中古車の供給が少なければ、中古車相場は上がる。求められなければ下がる。そんな市場の動きの中でたまに現れるのが、良いクルマなのに中古車相場が低い「神コスパ中古車」だ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    さらに、RAV4 PHVの相場に大きく影響していると考えられるのが、新車購入時に交付されたCEV補助金だ。

新車時のCEV補助金55万円を差し引いた実質価格が相場の基準に

2023年当時で、RAV4 PHVには55万円のCEV補助金が設定されていた。中古車相場は、新車価格から補助金を引いた実質購入金額がベースとなるケースが多い。そのため、中古車相場は安価になる。

中古車は新車より安いはず、という買い手の論理に立てば、比べる相手は補助金を差し引いた実質の新車価格になるからだ。

これを、IDOMの査定データで確かめてみよう。同じ「RAV4」のPHV以外のモデル(ガソリン車・ハイブリッド車)と「RAV4 PHV」の、リセールバリュー値(平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値)を比べた。

集計期間は過去90日間(7月27日~10月24日)で、全グレードが対象。なお、リセールバリュー値は補助金を勘案せずに計算している。

画像:トヨタ RAV4 2025年式「ハイブリッドG」
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
トヨタ RAV4のリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
当年式 2026年式 470.0万円

¥4,530,000

96%

旧モデル
1年落ち 2025年式 386.5万円

¥3,550,000

92%

2年落ち 2024年式 379.1万円

¥3,310,000

87%

3年落ち 2023年式 379.1万円

¥2,900,000

76%

4年落ち 2022年式 359.5万円

¥2,610,000

73%

5年落ち 2021年式 339.1万円

¥2,340,000

69%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
トヨタ RAV4 PHVのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 566.2万円

¥4,040,000

71%

2年落ち 2024年式 563.3万円

¥3,350,000

59%

3年落ち 2023年式 563.3万円

¥3,190,000

57%

4年落ち 2022年式 499.0万円

¥2,730,000

55%

5年落ち 2021年式 499.0万円

¥2,630,000

53%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

「PHV」以外の「RAV4」は、3年落ち(2023年式)のリセールバリュー値が76%。対する「RAV4 PHV」は57%と、その差は19ポイントにもなる。1年落ちでも92%と71%で、「RAV4 PHV」は早い段階から値を下げている。なお、「RAV4 PHV」の査定件数はそれほど多くないため、あくまで参考値として見ておきたい。

金額で見ると、この差はさらに分かりやすい。3年落ちの新車価格の中央値は、「RAV4 PHV」が563.3万円、「RAV4」が379.1万円で、約184万円もの差がある。ところが平均売却予想額(買取相場)は、「RAV4 PHV」の319万円に対して「RAV4」は290万円と、その差はわずか約29万円まで縮まっている。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    新車で約184万円あった差が、3年後の買取相場では約29万円。

    RAV4 PHVとそれ以外のRAV4との価格差は、中古車になると一気に縮まるのだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

そこで、新車価格の中央値563.3万円から補助金55万円を差し引いた約508万円を基準にすると、3年落ちの平均売却予想額319万円は約63%に当たる。「RAV4 PHV」と「RAV4」との差は、19ポイントから13ポイントまで縮まる。差の一部は、やはり補助金が影響していると見られる。

それでも13ポイントの差が残る。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    補助金を差し引いた実質価格で見てもなお、RAV4 PHVの相場は割安なのだ。

    これこそ、RAV4 PHVがプチ神コスパ中古車と呼べる理由といえる。

ハリアーもCX-60もアウトランダーもPHEVは3年落ちで5割台

この傾向はRAV4だけのものではないようだ。PHEVを設定しているトヨタ ハリアーとマツダ CX-60でも、PHEVとそれ以外を比べてみた。

画像:トヨタ ハリアーハイブリッド
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
トヨタ ハリアーハイブリッドのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
当年式 2026年式 508.9万円

¥4,005,000

79%

1年落ち 2025年式 487.1万円

¥3,650,000

75%

2年落ち 2024年式 448.4万円

¥3,370,000

75%

3年落ち 2023年式 448.4万円

¥3,120,000

70%

4年落ち 2022年式 442.9万円

¥2,710,000

61%

5年落ち 2021年式 441.0万円

¥2,690,000

61%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
画像:トヨタ ハリアーPHEV
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
トヨタ ハリアーPHEVのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
2年落ち 2024年式 620.0万円

¥3,680,000

59%

3年落ち 2023年式 620.0万円

¥3,525,000

57%

4年落ち 2022年式 620.0万円

¥3,375,000

54%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

ハリアーハイブリッドの3年落ちは70%、ハリアーPHEVは57%で、13ポイントの差がある。ハリアーPHEVの57%は、RAV4 PHVとぴたりと同じだ。

ハリアーPHEVにも2023年当時は55万円の補助金が交付されており、それを差し引いた実質価格を基準にすると約62%。ハイブリッドとの差は8ポイントまで縮まる。

画像:マツダ CX-60
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
マツダ CX-60のリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
当年式 2026年式 459.8万円

¥3,555,000

77%

1年落ち 2025年式 435.1万円

¥2,775,000

64%

2年落ち 2024年式 413.3万円

¥2,325,000

56%

3年落ち 2023年式 403.7万円

¥2,340,000

58%

4年落ち 2022年式 526.3万円

¥2,770,000

53%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。
画像:マツダ CX-60 PHEV
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
マツダ CX-60 PHEVのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 646.2万円

¥3,460,000

54%

2年落ち 2024年式 — — —
3年落ち 2023年式 610.0万円

¥3,085,000

51%

4年落ち 2022年式 584.6万円

¥2,900,000

50%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

PHEVを除くCX-60の3年落ちは58%、CX-60 PHEVは51%。CX-60 PHEVは査定件数がごく僅かで参考値ではあるものの、ここでもPHEVのほうが低い。

PHEVをSUVに投入した先駆者である三菱 アウトランダーPHEVも見ておこう。現行モデルはPHEVのみのラインナップのため、PHEV同士の比較になる。

画像:三菱 アウトランダーPHEV
集計期間:2026年7月27日(月)〜2026年10月24日(土)
三菱 アウトランダーPHEVのリセールバリュー値(過去90日間:平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値で算出)
経年 年式 新車価格中央値※ 平均売却予想額の中央値
(買取相場)
リセールバリュー値
1年落ち 2025年式 631.4万円

¥3,960,000

63%

2年落ち 2024年式 588.0万円

¥3,350,000

57%

3年落ち 2023年式 526.8万円

¥2,950,000

56%

4年落ち 2022年式 499.6万円

¥2,795,000

56%

5年落ち 2021年式 495.1万円

¥2,355,000

48%

※新車価格は、その年式が販売された年の車両本体価格。査定データに実在する型式の全グレード・全月の価格から中央値を求めています。
リセールバリュー値=平均売却予想額の中央値÷新車価格の中央値。中央値は一部の高額・低額な車両に左右されにくいため、代表的な残り方を示します。

アウトランダーPHEVの3年落ちは56%。2~4年落ちが56~57%に並ぶ推移も、RAV4 PHVやハリアーPHEVとよく似ている。

メーカーや車種を問わず、PHEVのSUVは3年落ちで5割台。補助金を勘案すると差は縮まるものの、PHEV以外より相場が低めに出る傾向は共通している。

内燃機関とEVのいいとこ取りというPHEVのメリットがまだ浸透していない

補助金を差し引いても残る差には、PHEVという仕組みの認知度も関係していそうだ。PHEVは、近距離は電気で走り、遠出ではガソリンで走れる。電欠の心配がなく、内燃機関とEVの両方のメリットを持つクルマだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

とはいえ、こうしたメリットは一般には十分に浸透していないと考えられる。PHEVを積極的に選ぶのは、クルマに詳しい人が中心という傾向もありそう。加えて、エンジンと大容量バッテリーの両方を積むぶん、車重は重くなるし、ガソリン走行時の燃費にも影響する。詳しい人たちなら、なおさらそういった点を気にする人もいるかもしれない。

中古車として欲しい人が限られれば、相場は補助金を差し引いた実質価格をベースに、さらに控えめに形成されるのだろう。

補助金込みで実質約515万円の新型RAV4のPHEVが旧型の割高感を際立たせる

2026年3月に登場した新型RAV4(60系)のPHEV「Z」は600万円。CEV補助金は85万円(2026年10月時点)と手厚く、実質約515万円で購入できる。EV走行距離は約150kmに延び、50系にはなかった急速充電にも対応した。

新車がこれだけ魅力的な条件で買えるとなれば、旧型の中古車には相応の安さが求められる。新型の登場も、50系の相場を押し下げる要因になっている可能性が高い。

ディーラー営業マンがPHEVの販売を避けてたかも!?

販売営業の視点で見ると、PHEVは売るのが面倒という話がある。充電設備がない顧客だと充電設備の手配が必要だし、さらにCEV補助金の申請に関する問い合わせもある。PHEVの販売は、ハイブリッド車の倍以上に手間がかかるというのだ。

こうした手間を嫌い、PHEVが欲しいという顧客にハイブリッド車を勧めるケースもあるという。その結果、販売台数は伸びず人気も低迷し、リセールバリューが下がるという悪循環になっていたのではないだろうか。

新車価格がそもそも高過ぎ!ハイブリッド車より約130万円以上高い

RAV4 PHV(50系)の新車価格は、ハイブリッド車に対して約130万円以上も高額だった。これだけ高額なのに対して、稼げる燃費の差はわずか。差額を払うだけの明確な理由がそれほどないというのが、販売低迷の理由のひとつになっていたと考えられる。

一方、新型のRAV4(60系)ではその価格差が若干だが改善され、PHEVとハイブリッドの差は約110万円からになっている。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    RAV4 PHVの中古車相場が低い理由に、RAV4 PHV自身の欠点はほとんど入っていないと考えられる。

    不人気=ダメなクルマ、ではないのだ。

中古車価格は、あくまで需要と供給のバランスで決まる。補助金込みで実質約515万円の新型が買えるうちは、RAV4 PHV(50系)の相場は上がりにくいだろう。

もっとも、CEV補助金は2027年1月以降の登録分から減額されることが発表されている。新型の実質価格が上がれば、50系の中古車に目を向ける人が増える可能性もある。

3年程度で手放すつもりなら、買取相場の下がり方が緩やかになる2年落ち以降の個体を選びたい。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    長く乗るつもりなら、改良後のZを少しでも安く手に入れ、電気で走る経済性を長く味わうのが賢い買い方だろう。

それでもトヨタ RAV4 PHV(50系)を選びたくなるスポーツカー級の走りと高級SUVの静けさ

ガソリン価格の高止まりに強いEV走行95km

中東情勢や物価高の影響で、ガソリン価格は高止まりしている。いつ高騰するか分からない中、節約志向になるのは当然のこと。クルマ選びも、なるべく燃費重視になるはずだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

そんな人にとって魅力的なのがPHEVだ。家庭用の電源から駆動用バッテリーを充電できるので、ガソリンで走るより安価に移動できる。EV走行距離は95kmと十分で、通勤や送迎、買い物といった近距離の移動なら、ほとんどガソリンを使わない生活も送れる。

0-100km/h加速6秒!2代目86並みの速さと後輪駆動車のようなハンドリング

RAV4 PHV(50系)のシステム最高出力は306PS!この高出力により、1,920kgと決して軽くない車重ながら、0-100km/h加速はわずか6秒(トヨタ発表値)。

スポーツカーである2代目86とほぼ同等のタイムだ。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

駆動方式は、後輪をモーターで駆動する4WDシステム「E-Four」。それほど大トルクのモーターではないものの、後ろから押されるように加速する。そのため、カーブでは後輪駆動車のようにアクセルを踏みながら曲がっていける。

引き締まったやや硬めのサスペンションで、フラットな姿勢を保ったまま軽快にカーブを抜けていく。SUVとしては、かなり爽快感のある走りだ。

街中ではエンジンがかからない高級SUV並みの静粛性

スポーツカーのような走行性能を持ちながら、ふだんのRAV4 PHVはEVとして走る。街中ではほとんどエンジンが始動しないため静粛性は高く、まるで高級SUVに乗っているような感覚だ。

この二面性も、RAV4 PHV(50系)の大きな魅力といえる。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」
  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    普段は静かなEV、踏めばスポーツカー。

    この二面性を中古車価格で味わえるのは、かなりオイシイ。

トヨタ RAV4 PHV(50系)の中古車選びはリコールへの対応と充電環境の確認から

定期点検整備記録簿でリコール対策と点検履歴をチェック

RAV4 PHV(50系)では、DC-DCコンバーターの不具合によるリコールが発生している(2023年届出、2020~2022年式の一部が対象)。先進技術の塊のようなクルマなので、リコール対策が済んでいるかはもちろん、定期点検をしっかり受けてきたかも重要なポイントだ。

加えて、メーカー保証の継承をきちんと行えるかも確認したい。

最小回転半径5.7mと小回りは苦手

RAV4 PHV(50系)の最小回転半径は5.7mと大きめだ。ライバルのスバル フォレスターは5.4mなので、狭い道やタイトな駐車場での取り回しには注意が必要になる。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

急速充電は非対応なので自宅の充電環境が前提

RAV4 PHV(50系)は急速充電に対応しておらず、普通充電のみとなる。最近の新築マンションでは普通充電に対応した駐車場が増えてきたとはいえ、既存のマンションの多くは充電できないのが実情だ。まずは、充電できる環境かどうかを確認したい。

一戸建てでも、200V電源の工事や屋外コンセントの設置に別途費用がかかる。この工事費も予算に組み込んでおきたい。

標準装備の充電ケーブルが付属しているか

どの年式でも、標準装備の充電ケーブルが付属しているかを確認したい。付いていない場合、新たに購入するとなるとかなり高価になるからだ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    中古のPHEVは、クルマより先に「自宅で充電できるか」を確認したい。

    充電できなければ、ただの重いハイブリッド車になってしまう。

トヨタ RAV4 PHVの狙い目は2022年10月改良以降の「Z」グレード

では、RAV4 PHV(50系)の中古車はどのグレードと年式を買うべきか。答えは「選択肢はほとんどない」だ。

デビューから2022年10月の改良までは、G/G“Z”/BLACK TONEの3グレード構成。Gがエントリー、G“Z”が中間、BLACK TONEが上級グレードだ。中古車の流通台数はG“Z”とBLACK TONEがほぼ同じくらいで、Gは非常に少ない。

G“Z”とBLACK TONEは、合成皮革シートと前席ベンチレーションシートを標準装備する。両者の装備差は、BLACK TONEにヘッドアップディスプレイと全ドア対応のスマートキーが付く程度。この時期のモデルなら、G“Z”かBLACK TONEかを好みで選べばよい。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「GZ」

お勧めは、2022年10月改良後のZだ。この改良でグレードは最上級グレードベースのZのみに整理され、予防安全装備「トヨタセーフティセンス」もアップデートされた。交差点での右折時の対向直進車や、右左折時に対向方向から横断してくる歩行者も検知できるようになり、現在でも高いレベルにある。

さらに、コネクティッドナビ対応の10.5インチディスプレイオーディオを採用。クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」(有料サービス)にも対応し、デジタルインナーミラーには録画機能が加わった。予防安全装備はとても重要なので、より安全で便利になった改良後のモデルを選びたい。

画像:トヨタ RAV4 PHV 2021年式「ブラックトーン」パノラマムーンルーフ

中古車ならではのうまみもある。メーカーオプションだったパノラマムーンルーフの装着車なら、さらにお勧めだ。新車では予算の都合で見送りがちなオプションも、中古車なら装着車を選ぶだけで手に入る。

2023年式のZの中古車相場は約350~470万円。上限でも当時の新車価格より約93万円安く、新型RAV4のPHEVの補助金込みの実質価格約515万円と比べても、約45万円以上の開きがある。2022年式なら約280~410万円とさらに手頃だが、改良前のモデルも多く含まれるため、グレードと装備を1台ずつ確認したい。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    狙うなら、2022年10月改良後のZで決まり。

    パノラマムーンルーフ付きを見つけたら、迷わず候補に入れたい。

トヨタ RAV4 PHV(50系)の新車価格

グレード 販売時期 新車価格(税込)
Z(E-Four) 2022年10月~2024年12月 563.3万円
Z(E-Four) 2025年1月~(最終モデル) 566.17万円
*2022年9月以前はG/G“Z”/BLACK TONEの3グレード構成。新型RAV4(60系)のPHEVはZ 600万円、GR SPORT 630万円

プチ神コスパ中古車のトヨタ RAV4 PHV(50系)は「買い」なのか?

もちろん、RAV4 PHV(50系)は「買い」だ。306PSの豪快な加速、EV走行95kmの経済性、高級SUVのような静粛性。どれも中古車になっても色あせない魅力がある。

価格を押し下げているのは、補助金を前提とした相場形成や新型の登場、PHEVのメリットの浸透不足といった、クルマの外側の事情にすぎない。

新車ではPHV以外のRAV4と約184万円の差があったが、3年落ちの買取相場では約29万円差。買う側から見れば、最上級のRAV4に割安で手が届くということだ。

これこそ、プチ神コスパ中古車と呼ぶにふさわしい理由だ。

狙うのは2022年10月改良後のZ。リコール対策の実施と充電環境の確保さえ押さえておけば、満足度の高い1台になるはずだ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    不人気=悪いクルマではない。RAV4 PHV(50系)は、その典型だ。

    走りも燃費も一級品で、人気SUVのRAV4の中で最も贅沢なモデル。

中古車で選ぶなら、まず自宅で充電できるかを確かめ、次に改良後のZかどうか、リコール対策が済んでいるかを確認したい。条件のそろった個体を相場の下限近くで見つけられれば、それはもう神コスパ中古車と呼んでいい1台だ。

トヨタ RAV4 PHV(50系)の燃費やボディサイズなどスペック

トヨタ RAV4 PHV(50系)Z(最終モデル)
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 4,600×1,855×1,695mm
ホイールベース 2,690mm
車両重量 1,920kg
最小回転半径 5.7m
乗車定員 5名
駆動方式 電気式4WD(E-Four)
エンジン型式 A25A-FXS型 直列4気筒DOHC
総排気量 2,487cc
エンジン最高出力 177PS(130kW)/6,000rpm
エンジン最大トルク 219N・m(22.3kgf・m)/3,600rpm
フロントモーター最高出力 182PS(134kW)
フロントモーター最大トルク 270N・m(27.5kgf・m)
リヤモーター最高出力 54PS(40kW)
リヤモーター最大トルク 121N・m(12.3kgf・m)
システム最高出力 306PS
駆動用バッテリー リチウムイオン電池
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTCモード燃費 22.2km/L
EV走行距離(充電電力使用時走行距離) 95km
タイヤサイズ(前後) 235/55R19
サスペンション(前/後) ストラット/ダブルウィッシュボーン