小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。
2026年3月更新:中古車相場下落のトヨタ アルファードにいったい何が起きていたのか?データで真相に迫る
昨年、ミニバン市場のトップに君臨して高いリセールバリューを誇ってきた「トヨタ アルファード」の中古車相場に異変が起きていると話題になりました。あれから時間が経ち、2026年の現在、アルファードの相場はどこに着地したのでしょうか。"バブル崩壊"と騒がれた下落は止まったのか、それともまだ続いているのか。最新の買取査定データで検証します。
ミニバンの“王者”たるトヨタ アルファードの中古車相場にいったい何が起きていたのか。ガリバーでの査定データを振り返りつつ、リセバ総研所長の解説でこれまでの経緯を紐解いてみました。
目次
トヨタ アルファードとはどういったクルマなのか?
ライター

トヨタ アルファードは、トヨタが誇るフラッグシップミニバンで、ミニバン市場における最上級モデルとして常に市場を牽引してきました。広い室内空間と快適な乗り心地、そして洗練された高級感を備えているのが特徴で、乗用車としてだけでなく、ハイヤーなどビジネスシーンでも活躍しています。
現行モデルは押し出しの強い大型のフロントグリルとLEDヘッドライトによる威厳と存在感あふれるエクステリアが特徴で、インテリアは上質な素材を使用した高級感と高い静粛性、様々な快適装備によって航空機のファーストクラスのような快適な居心地を実現しています。もちろん、トヨタの安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」も採用されており、高い安全性も提供されています。
パワートレインは、ガソリン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の3種類をラインナップしており、車両本体価格はベースモデルとなるガソリン車の「X」が510万円から。最上位モデルとなる「Executive Lounge」は、ハイブリッド車が860万円から、プラグインハイブリッド車が1065万円となっています。
ちなみに、同じくトヨタの高級ミニバンである「ヴェルファイア」は、アルファードと共通のプラットフォームをベースにデザインや走行性能、パワートレインをよりスポーティーに味付けした兄弟車にあたります。
トヨタ アルファードの中古車価格はなぜ高騰したのか?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
では、そもそもトヨタ アルファードの中古車価格はなぜここまで高騰していったのでしょうか。そこには様々な要因が考えられます。
ひとつは、人気モデルであることによる新車への注文殺到です。
メーカー側が大量のオーダーを抱えてしまうと、新車を注文しても実際に納車されるまで長期間待たされてしまうため、「すぐにアルファードに乗りたい」と考える消費者は状態の良い中古車に注目。その結果、中古車の需要が高まって価格が高騰していきます。
特に、コロナ禍に端を発する世界的な半導体不足は日本の自動車産業にも大きな影響を与え、メーカーの生産能力が低下したことによって、新車納期の延長と中古車価格の高騰に拍車を掛けました。
もうひとつの要因は、海外需要の高まりです。
トヨタ アルファードは日本国内のみならず海外からも富裕層を中心に人気が高く、状態のよい中古車は海外市場向けに高値で取引されています。しかも昨今の円安によって、海外から見るとクルマの価値に対して相対的に安いクルマに見えていました。
こういった要因によって、国内の中古車価格も押し上げられていったのです。
そして、「アルファードは高く売れる」というムードが顕在化すると、そのリセールバリューの高さに注目して投機目的でアルファードを購入するという層も出現し、相場価格をさらに押し上げていきました。
買取査定データの推移からどういったことが見えるのか?
このように“バブル”とも言える価格高騰を経験したアルファードですが、最近の値動きはどのような状況なのでしょうか。ガリバーの買取査定データから、査定件数と平均売却予想額の推移を検証してみましょう。

平均売却予想額とは?
買取査定に持ち込まれ査定検査したクルマがオートオークション等で落札または売却される際の金額を予測し、全査定件数で平均化した金額です。
※平均売却予想額は、あくまで中古車流通における売却金額の予測値を平均化した数値であり、ガリバー店頭での買取金額とは異なります。
※ガリバー店頭での実際の買取金額は、クルマのグレードや装備、使用状態によって異なります。
現行型(40系)アルファードの平均売却予想額の値動きを見てみると、2024年1−3月期をピークに価格は徐々に下降傾向に。特にハイブリッドモデルは2025年6月まで滑り落ちるように価格が下がっているのが見て取れます。対する査定件数の推移は、価格の下降傾向と反比例する形で増加傾向に。売却査定件数の増加=売却意向のユーザーの増加が平均売却予想額を押し下げていることを示唆しています。
| トヨタ アルファードの平均売却予想額(買取相場)推移 | ||||
| 動力 | ガソリン | ハイブリッド | ||
| 型式 | AGH40W | AAHH40W | ||
| 2023年8月 | ¥7,809,091 | 前月比 | ¥9,166,667 | 前月比 |
| 2023年9月 | ¥8,210,000 | 105% | ¥9,580,000 | 105% |
| 2023年10月 | ¥7,943,750 | 97% | ¥9,233,333 | 96% |
| 2023年11月 | ¥8,050,000 | 101% | ¥9,633,333 | 104% |
| 2023年12月 | ¥8,171,818 | 102% | ¥9,000,000 | 93% |
| 2024年1月 | ¥8,083,333 | 99% | ¥9,875,000 | 110% |
| 2024年2月 | ¥8,284,375 | 102% | ¥10,064,286 | 102% |
| 2024年3月 | ¥7,637,586 | 92% | ¥10,700,000 | 106% |
| 2024年4月 | ¥7,207,143 | 94% | ¥9,110,000 | 85% |
| 2024年5月 | ¥7,318,333 | 102% | ¥9,386,667 | 103% |
| 2024年6月 | ¥7,275,000 | 99% | ¥8,468,750 | 90% |
| 2024年7月 | ¥7,507,636 | 103% | ¥8,666,250 | 102% |
| 2024年8月 | ¥7,558,163 | 101% | ¥8,115,217 | 94% |
| 2024年9月 | ¥7,438,219 | 98% | ¥7,559,000 | 93% |
| 2024年10月 | ¥6,945,211 | 93% | ¥7,192,857 | 95% |
| 2024年11月 | ¥6,635,735 | 96% | ¥7,022,500 | 98% |
| 2024年12月 | ¥6,427,945 | 97% | ¥7,071,000 | 101% |
| 2025年1月 | ¥6,658,496 | 104% | ¥6,766,250 | 96% |
| 2025年2月 | ¥6,243,333 | 94% | ¥6,463,333 | 96% |
| 2025年3月 | ¥5,479,038 | 88% | ¥6,056,061 | 94% |
| 2025年4月 | ¥5,402,917 | 99% | ¥6,100,000 | 101% |
| 2025年5月 | ¥5,608,250 | 104% | ¥6,379,697 | 105% |
| 2025年6月 | ¥5,652,826 | 101% | ¥5,950,976 | 93% |
| 2025年7月 | ¥5,512,688 | 98% | ¥6,028,519 | 101% |
| 2025年8月 | ¥5,535,190 | 100% | ¥5,742,609 | 95% |
| 2025年9月 | ¥5,546,292 | 100% | ¥6,055,500 | 105% |
| 2025年10月 | ¥5,509,352 | 99% | ¥5,847,500 | 97% |
| 2025年11月 | ¥5,629,890 | 102% | ¥5,882,000 | 101% |
| 2025年12月 | ¥5,752,698 | 102% | ¥5,760,000 | 98% |
| 2026年1月 | ¥5,776,514 | 100% | ¥5,757,778 | 100% |
| 2026年2月 | ¥5,530,114 | 96% | ¥5,839,714 | 101% |
中古車市場でトヨタ アルファードに何が起きていたのか?
それでは、こうしたアルファードの中古車相場動向について、リセバ総研ではどうみているのでしょうか。所長に聞いてみました。
リセールバリュー総合研究所 管理運営者
中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。
当記事は筆者の個人的な主観・考察による内容で構成されています。公式の見解ではございませんのでご注意ください。
※コメントは特記以外2025年8月掲載時点のものです。
※2026年3月コメントを追記しました。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
アルファード40系の発売以降、中古車買取市場ではこれまでどのような動きだったのでしょうか?
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リセバ総研所長 床尾一法
査定件数の動きでは、2024年9月から一気に増えています。平均売却予想額は厳密にはさらに前の7月頃からもう崩れ始めています。
平均売却予想額のピークは2024年1月から3月の(中古車流通の)繁忙期あたりでしたね。その後に相場は下降傾向で、下落率も徐々に拡大しています。
2024年末の改良で中古車流通が増えたという意見もありますが、実は2024年の夏あたりから相場は下がっています。ただし、これは「アルファードの価値が下がった」というよりは「これまでの流通価格が特殊だった」と考えています。以前は新車価格を超える在庫もありましたが、最近では大体500万円から800万円台のイメージです。いわゆる“高級車の中古車らしい価格帯に落ち着いた”とも言えると思います。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
アルファードはなぜここまでバブル的な価格の上昇が加速して、そして収束しているのでしょうか?
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リセバ総研所長 床尾一法
価格の高騰については、新車の納期が長く世の中に新車が出回っていなかったことと、輸出需要が大きな要因です。
ただ、最近の新車販売台数の動きを見てみると、2024年7月に販売台数を一気に伸ばしていて、その後生産ラインのストップなどもあって9月に掛けて販売台数は一気に落としているものの、その後に再び復活しています。
買取査定に持ち込まれる数も同時期に一気に増えており、平均売却予想額の下落幅も大きくなっています。

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【クルマ大好きライター】井口裕右
もうひとつの要因だった輸出関係の動きはどうでしょうか?
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リセバ総研所長 床尾一法
1つは海外市場での飽和が関係しているのではないかと考えられます。
単純にアルファードを買いたいという人が減ってきたということです。
もう一つは輸出に関わるバイヤーさんの増加です。
輸出ビジネスに関わる方が増えて、供給も過多になってきたという状況のようです。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
アルファードの中古車価格高騰は、一般的なユーザーの目にも留まるぐらい知られた事象になっていましたね。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうですね。これまでは、新車の在庫不足が話題となり、輸出需要の高まりもさらに加速させる要因となって、どんどん相場が高騰していきました。
ですが、現在では国内の流通は新車の供給も安定していますし、中古車在庫も潤沢です。
海外の需要も頭打ちになったことで、これまでのような特殊な相場の高騰はないであろうと考えられます。
それでも、異常な高騰から普通に戻ったというだけで、クルマの価値そのものが下落したわけではありません。リセールバリュー値(残価率)も十分に高いスコアを維持しています。
追記:2026年のアルファード買取相場はどのように動いているのか?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
記事公開から約半年が経ちました。
アクセス数は依然として高いとお聞きしています。「残クレアルファード」と騒がれた時期もありましたが、人気が衰える気配はありませんね。
2026年に入ってからの動きはいかがでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
全体的には、昨年後半の急な下落から一段落して、相場としては落ち着いた状態です。
やはりというか、それでもリセールバリューの絶対値は高いままですね。
2026年2月28日集計の最新データを見ると、現行型(40系)アルファードのガソリン車(AGH40W型「Z」)の平均売却予想額は、3年落ち(2023年式)で約543万円。リセールバリュー値(残価率)は101%です。
他の人気車種と比べれば、依然として破格の残価率ですよね。

| 集計期間:2026年2月1日(日)〜2026年2月28日(土) | 査定件数 | |||
| トヨタ アルファード(AGH40W型)「Z」 | 149 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額(買取相場) | リセールバリュー値 |
| 当年式 | 2026年式 | 555.0万円 | ¥5,920,000 | 107% |
| 1年落ち | 2025年式 | 555.0万円 | ¥5,844,737 | 105% |
| 2年落ち | 2024年式 | 540.0万円 | ¥5,558,235 | 103% |
| 3年落ち | 2023年式 | 540.0万円 | ¥5,434,500 | 101% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| ※リセールバリュー値の算出対象は査定件数の多い量販グレードを選択 | ||||
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【クルマ大好きライター】井口裕右
それにしても、ガソリン車のリセールバリューは全年式で100%以上(※2026年2月時点)というのは、流石は「王者アルファード」といったところですね。
ハイブリッド車はどうでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
ハイブリッド車(AAHH40W型「ハイブリッドZ」)の同じ3年落ちは約546万円で、新車価格620万円に対してリセールバリュー値は88%。ガソリン車に比べると下落幅が大きくなっています。
同じ3年落ちでガソリン車が101%ですから、その差は歴然です。
ハイブリッド車は元々の新車価格が高く、輸出需要が少なめで国内人気の方が高いということもあって、中古車として流通したときにはガソリン車より100万円前後高めの価格設定です。リセールバリューの観点でガソリン車と比べてしまうと、ちょっとモヤモヤするかもしれませんね。
それでもハイブリッド車の価値は高く、燃費や走りで十分に満足できるはずです。

| 集計期間:2026年2月1日(日)〜2026年2月28日(土) | 査定件数 | |||
| トヨタ アルファード(AAHH40W型)「ハイブリッドZ」 | 49 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額(買取相場) | リセールバリュー値 |
| 当年式 | 2026年式 | 635.0万円 | ¥7,615,000 | 120% |
| 1年落ち | 2025年式 | 635.0万円 | ¥6,126,111 | 97% |
| 2年落ち | 2024年式 | 620.0万円 | ¥5,664,167 | 91% |
| 3年落ち | 2023年式 | 620.0万円 | ¥5,460,000 | 88% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| ※リセールバリュー値の算出対象は査定件数の多い量販グレードを選択 | ||||
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【クルマ大好きライター】井口裕右
先ほど「一段落した」とおっしゃいましたが、もう底を打ったと考えていいのでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
「底を打った」と断言するのは難しいですね。
例えば、40系で最も査定件数が多い=最も新車が流通したとみなせる、「2024年式」のガソリン車「AGH40W型」に注目して見てみましょう。
平均売却予想額は、2026年の年初に約580万円前後で推移していました。しかし繁忙期のピークとなる2月に入ると、2週目までに約560万円台前半、2月後半には約550万円前後まで急落しています。
2024年後半に見られた「滑り落ちるような下落」は一段落したものの、こういった段階的な下落は続く可能性があります。
あとは中東の情勢と為替の動きによるでしょうね。中古車の輸出需要が高い車種は、世界の情勢変化(による海運の動向)や為替の動きによって乱高下するので注意が必要です。

| サンプル年式 | 集計対象となる型式 | ||
| 2024年式 | トヨタ アルファード(AGH40W型) | ||
| 集計期間(日曜から土曜) | 査定件数 | 平均売却予想額(買取相場) | 予想額前週比 |
| 1月4日〜1月10日 | 13 件 | ¥5,844,615 | 101% |
| 1月11日〜1月17日 | 21 件 | ¥5,843,810 | 100% |
| 1月18日〜1月24日 | 26 件 | ¥5,793,846 | 99% |
| 1月25日〜1月31日 | 25 件 | ¥5,802,400 | 100% |
| 2月1日〜2月7日 | 10 件 | ¥5,632,000 | 97% |
| 2月8日〜2月14日 | 22 件 | ¥5,625,000 | 100% |
| 2月15日〜2月21日 | 17 件 | ¥5,492,941 | 98% |
| 2月22日〜2月28日 | 19 件 | ¥5,500,526 | 100% |
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【クルマ大好きライター】井口裕右
たしかに、いろいろな意味で世界情勢の動きから目が話せない時代になりました。
平和が訪れることを祈っています。
追記:輸出と為替の影響はどう変わったのか?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
ところで、アルファードは輸出需要が相場を押し上げたということですが、日本の中古車輸出は現在どのような状況なのでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
円安が続いていることもあって、日本の中古車輸出そのものは引き続き好調です。
2025年の年間輸出台数は170万台を超えて過去最高を更新しています。
ただし、2026年に入ってからは伸びが鈍化しているという見方もあります。それとホルムズ海峡の状況がどうなるのか。
そのあたりは統計的数字が出る前ですから、この3月にOKBさんへのインタビューで聞き出すことにしましょう。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
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リセバ総研所長 床尾一法
例えば、アルファードの主要な輸出先であるマレーシアでは、AP(Approved Permit)と呼ばれる輸入許可証の年間発行枠が約35,000台に制限されています。
毎年、年の後半にはこの枠が埋まって流通が鈍るというパターンです。
それと、現地の関税と物品税を合わせると、最終的に中古車の価格がCIFという「海上保険込み原価」の2〜3倍にもなるようですね。
それでも売れるほど人気があるわけです。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
先程おっしゃっていた為替の影響はどの程度あるのでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
円安の影響はかなり大きいでしょうねぇ。
海外のバイヤーから見ると、円安のおかげで日本の中古車が相当割安に見えている状態が続いています。
もし今後円高に転じれば、その割安感がなくなるわけですから、輸出向けの買い付け価格にはマイナスに作用します。逆に、円安がさらに進めば輸出需要は底堅いでしょう。
アルファードの相場を見るうえでは、為替と輸出先の規制動向は引き続き無視できない要素です。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
アルファードやランクル一族のようなクルマの場合、国内の需要というより海外からどれだけ引き合いがあるかで相場が上下に振れる状態は、しばらく変わらなさそうですね。
追記:先代アルファード 30系の相場はどう動いているのか?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
ここまで現行型の40系を中心に見てきましたが、先代の30系の買取相場はどうなっているのでしょうか。
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リセバ総研所長 床尾一法
実はコッチもなかなかいいんです。
まずは30系の量販グレードでリセールバリュー値を見てみましょう。
下記はアルファードで査定件数最多のガソリン車(AGH30W型)でグレード「S Cパッケージ」のデータですが、3年落ちの30系最終モデルとなる2023年式の場合、平均売却予想額は約420万円程度でリセールバリューは90%となっています。
とても高いですね。

| 集計期間:2026年2月1日(日)〜2026年2月28日(土) | 査定件数 | |||
| トヨタ アルファード(AGH30W型)「S Cパッケージ」 | 210 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額(買取相場) | リセールバリュー値 |
| 3年落ち | 2023年式 | 468.1万円 | ¥4,195,909 | 90% |
| 4年落ち | 2022年式 | 468.1万円 | ¥4,129,412 | 88% |
| 5年落ち | 2021年式 | 468.1万円 | ¥3,831,897 | 82% |
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【クルマ大好きライター】井口裕右
40系が出て旧型になってもこの相場ということは、相変わらず中古車市場で人気が高いということですよね。
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リセバ総研所長 床尾一法
はい、リセールバリューは需要と供給によって決まりますからね。
アルファードは「暴落」で話題になってますけど、40系の中古車はまだまだ高価で新車価格を超えていますからね。車両本体価格だけでも600万円超えです。
予算的に手が届かない方にとっては、最終型が300万円台後半から選べる30系の方が現実的な選択肢でしょう。それでも400万円を超える車両が大半ですが。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
型落ちの中古車とはいえ、トヨタの最高級ミニバンが300万円台から探せて選べるというのはアリですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
30系は結構な台数が売れて査定件数も多いですからね。
年式や走行距離の組み合わせによっては、コスパの高い在庫に巡り会えるかもしれません。
次は型式単位で経年別のデータ(2026年2月28日の集計)を見てみましょう。
型式別の査定件数で最多となる30系のガソリン車(AGH30W型)は、5年落ち(2021年式)でも平均売却予想額が約350万円です。
平均走行距離は約44,000kmと1年1万Kmを切っていますので比較的低走行と言えますが、新車価格が約360〜468万円だったことを考えると、それでも相当に高い残価率を保っています。

| 車種内順位 | 集計期間:2026年2月1日(日)〜2026年2月28日(土) | |||
| 1位 | トヨタ アルファード(AGH30W型) | |||
| 経年 | 年式 | 査定件数シェア | 平均売却予想額(買取相場) | 平均走行距離 |
| 3年落ち | 2023年式 | 6.6% | ¥4,065,000 | 32,954 km |
| 4年落ち | 2022年式 | 13.3% | ¥3,799,231 | 38,407 km |
| 5年落ち | 2021年式 | 27.1% | ¥3,501,604 | 44,357 km |
| 6年落ち | 2020年式 | 13.3% | ¥3,011,346 | 59,980 km |
| 7年落ち | 2019年式 | 11.3% | ¥2,872,500 | 59,461 km |
| 8年落ち | 2018年式 | 9.5% | ¥2,541,892 | 79,624 km |
| 9年落ち | 2017年式 | 6.9% | ¥1,875,556 | 93,762 km |
| 10年落ち | 2016年式 | 6.6% | ¥1,684,615 | 108,419 km |
| 11年落ち | 2015年式 | 5.4% | ¥1,630,000 | 104,371 km |
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リセバ総研所長 床尾一法
ただ、ご注意いただきたいのは、輸出先の年式規制との関係です。
例えばケニアやタンザニアでは製造から8年未満の車両しか輸入できない。30系の2018年式や2019年式はまだこの条件をクリアできるので、輸出需要が残っています。
ところがこれが2017年式以前になると、対象国が絞られてくる。経年9年の2017年式は平均で約188万円、8年の2018年式は約254万円と、ここで65万円ほどの差が開いています。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
年式を把握しておかないと、輸出の対象になれるかどうかで相場が大きく変わってくるので、売却時には要注意ですね。
アルファードはリセールバリューが高いうちに売却するべきクルマなのか?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
こうした相場の動きがある一方で、アルファードのオーナーのなかには高いリセールバリューを念頭に残価設定型ローンなどを組んで早期売却を検討している方も多いと思います。
今後どのように判断すべきでしょうか?
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リセバ総研所長 床尾一法
リセールバリューの高いうちに早期売却するという選択肢もあるでしょうが、維持できる状況なのであれば長く乗り続けるのもアリなのではないでしょうか。
本来の「カーライフを豊かに過ごそう」という考えから高級ミニバンを買ったのだとするならば、長く乗ることがクルマにも環境にも一番良いのではないかと個人的には考えてます。
一方で、リセバ総研は「リセールバリュー」という資産価値を意識して中古車ライフを楽しもうという視点で運営しています。中古車としての価値が高いうちに乗り換えて、いろいろなクルマを乗り換えて楽しもうという考え方もあります。
どちらもアルファードに限った話ではありませんが、相場に合わせて右往左往して判断するというよりは、納車から1年が経った頃、あるいは車検を迎える3年目や5年目に「このままこのクルマとカーライフを楽しもうか?」それとも「今のリセールバリューで売却して次はどんなクルマを楽しもうか?」と、ご自身のカーライフの価値観を重視して判断していただきたいですね。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
例えば、5年以上乗り続ける、5万キロ以上乗るといった中長期的な乗り方をしても、アルファードのリセールバリューは他のクルマと比べて落ちないのでしょうか?
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リセバ総研所長 床尾一法
クルマの状態や使われ方によりますが、基本的には極端には落ちないでしょう。アルファードのリセールバリューそのものが他のクルマと比較して断然高いですから。
なんだか金額的価値が高いクルマという見られ方をしてしまっていますが、そもそも性能の高さや快適性で人気がある高級ミニバンなのですから、長く乗って、できるだけリセールバリューを保って売るという乗り方には向いているクルマだと思います。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
そうですね、クルマとしての評価も高いですし、良いミニバンであることには変わりませんね。
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リセバ総研所長 床尾一法
ただ、「人気」という観点でのリセールバリューへの影響度合いで言えば、今後のことはわかりません。
現在の高級ミニバン人気に陰りが生じた場合には、リセールバリューの見通しは怪しくなってきます。すでにその兆候が2025年から見えてはじめていて、物価高騰による消費の変化もあってか、比較的高価なミニバンは中古車の動きが鈍くなっています。
それに、もしも今後のモデルチェンジなどをきっかけにアルファードのイメージが大きく変わってしまった場合、旧型となる現行型の人気がさらに増すことも考えられますし、逆に一気にデザインが陳腐化する可能性もあります。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
モデルチェンジに向けた動きが見えてきたら、現行モデルのオーナーはリセールバリューの変動に目を配ったほうが良いですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
現在の路線を踏襲してモデルチェンジした場合には、旧モデルのリセールバリューが極端に(年式なり以上に)下落するということはないと踏んでます。
来たるべき新型の快適性能は更に磨かれることでしょうが、基本的な性能差がそれほど大きくなるとは思えないからです。
むしろ型落ちになることで中古車としての価値(コスパなど)が高まることで需要が再び伸び、リセールバリューがそれほど下がらずに維持し続ける、あるいは上昇してしまう可能性もあります。
最近(2025年夏)でいえば、スバルの旧型(SK系)フォレスターや、ノマド発売後のジムニーシエラがその傾向です。いずれも輸出需要の影響が大きいですが。それに、現行モデルに乗っているオーナーは「次のモデルチェンジまで大切に乗り続けて高級ミニバンのカーライフを楽しむ」という選択肢もあるのではないでしょうか。
次期モデルが出たタイミングというのは、旧型モデルにとっては“中古車として高品質で魅力的な価格帯”に入ることになるので、そういったタイミングを見定めて売却すれば、リセールバリューの水準を高めに維持したまま買い取られる可能性も高いでしょう。
リセールバリューを踏まえたクルマとの向き合い方とは?
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【クルマ大好きライター】井口裕右
まとめると、アルファードを巡る相場状況は、これまでの高騰が特殊な状態で、現在はそれが一般的な人気の中古車としての相場感に落ち着いていると理解すればいいのですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
今までのアルファードの扱われ方は特殊だったと思います。
ここ数年は、クルマ以外の様々なジャンルで同様の現象が起きています。私が見える範囲でも、国産メーカーでありながら日本の市場が縮小した国内の出荷よりも海外出荷を優先し、手に入らいないという工業製品も増えました。
ただ、中古車が他のプロダクトと異なるのは、主にオートオークションで流通する際の取引価格で相場が形成されていることです。
流通量の少なく需要が高い中古車はオートオークションでも新車価格を超える高値がつくこともありますし、需要が減退して流通量が過多になれば相場は下落します。それが中古車販売店の店頭価格に反映されます。高すぎるとお客様の購入意欲も下がってしまうことがありますし、販売店側もこういった相場の高騰は仕入れにくさや売りにくさにもつながるので、苦慮しているようです。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
確かに、希少な限定車や趣味性の高い車種ならともかく、流通相場で語られることも多いミニバンというのは特殊ですね。
さて、今回はトヨタ アルファードの中古車相場高騰と下落の変遷をまとめてきましたが、最後にリセールバリューを起点としたクルマとの付き合い方として、リセバ総研所長の意見をお聞かせください。
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リセバ総研所長 床尾一法
わたくしゴトで恐縮ですが、自分の乗っているクルマが新車購入から5年目で、リセールバリューも節目に当たります。
リセバ総研の平均売却予想額のグラフも5年落ちまでですから、来年は我が家のクルマもリセバ総研ベンチマークの対象外です。おそらくリセールバリューも下落するでしょう。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
それは悩ましいタイミングですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
売却して次のクルマを探そうか、それとも子どもたちの成長を5年間見守ってきた「家族」としてまだまだ一緒にいてもらうか、正直悩んでいます。
思い出や愛着はお金に変えられませんし、でも所有する資産の価値も落としたくない。リセールバリューはそういったカーライフの節目に有効な判断材料だと考えます。
あくまで個人の意見ですが、常に相場情報左右にされて「もっと乗り続けたいけれどリセールバリューが落ちるから泣く泣く手放した」という結果に至るのも悲しい気がします。
自分が乗って満足できるクルマを選び、売りたいタイミングでリセールバリューの傾向をチェックする。相棒として長く乗り続けたいのであれば、末永く乗り続ける。そんなカーライフが理想ではないかと思います。
一方で、人気のクルマやリセールバリューの高いグレードを購入し、モデルチェンジのタイミングで中古車需要が高いうちに売却して、また次のクルマに乗り換え続ける・・・という指向性もカーライフのひとつのあり方だと思います。
私も若かりし頃はそうやってハイパフォーマンスカーを乗り換え、楽しんできました。
自分自身にとってどのようなカーライフを実現したいのか、自分にとっての「クルマの乗り方」の価値観を明確にすることが大切だと思いますね。
