【お金のプロが調べてみた】ペットとの家族旅行を車中泊にしたらどれくらい節約できる?

「円安傾向で海外旅行は無理でも国内旅行には行きたい!」と考えているご家族は少なくないと思いますが、最近は、インバウンドや人手不足などの影響もあり、国内のホテルや公共交通機関の料金が軒並み値上がりしています。そこで、注目されているのが、車中泊を利用した家族旅行。今回は、私のお客様の事例を元に、車中泊のお得度について見てみましょう。

(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
目次
国内旅行にかかるお金はどれくらい?
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【お金のプロ】高山 一恵
今回は東京都在住の30代のご夫婦と小学生のお子さん1人(7歳)の3人家族で、犬1匹を飼っているCさん一家の例を見てみましょう。
Cさんご一家は、毎年、年に1回は家族の思い出作りとして国内旅行に行くことを希望しています。今回旅行先として検討しているのは広大な動物園や遊園地などがあり、子どもが喜びそうな観光スポットが満載の那須。家族のワンちゃん(犬)も連れていく予定です。
そこで、東京から那須までの交通費やホテル代がどれくらいかかるのか調べてみました。
主な交通費
・東京駅から那須塩原駅までの新幹線代(指定席)
大人1名:片道5820円 往復11640円
子供1名:片道2910円 往復5820円
・普通手回り品切符代
ペットを新幹線に乗せる場合には、普通手回り品切符代が必要になります。
ペット1匹:片道290円 往復580円
・交通費の合計金額
夫・妻2人分2万3280円+子供分5820円+普通手回り品切符代580円=2万9680円
ホテル代
犬も連れていくとなると、ペットが宿泊可のホテルを探す必要があります。
参考までにペットも宿泊できる那須で大人気のホテル、「エピナール那須」の宿泊代を調べてみると、
・大人2人、子供1人、犬1匹、朝食付
1泊 約4万5000円(季節や日程により変動あり)
交通費、ホテル代の合計金額
交通費2万9680円+ホテル代4万5000円=7万4680円
他に細かい交通費や観光、食事代などを含めると、10万円程度の出費はありそうですね。
車中泊にかかるお金はどれくらい?
Cさんご一家は、都内にお住まいですが、駅から徒歩20分程度のところに自宅があるため、車を所有しています。今後、お子さんが増えるかもしれないことを考えて数年前に6人乗りのワゴン車を購入したそうです。
では、東京から那須まで車で移動し、車中泊を利用する場合の費用はどれくらいになるのでしょうか。
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【お金のプロ】高山 一恵
車中泊の場合、ホテル代はかかりませんが、交通費や駐車場代、入浴代などがかかります。ざっくりではありますが、調べてみました。
主な交通費
・高速代(普通車・ETC)
東京IC〜那須IC:片道約6000円 往復約1万2000円
・ガソリン代
距離約200km 燃費15km/L ガソリン185円/L:片道約2500円 往復5000円
駐車場代
最近は、那須などの観光地では、車中泊ができるRVパークができており、ペット可のところがほとんどです。
参考までに東日本最大級のRVパーク、「那須塩原ニワトコRVパーク」の料金を調べてみました。
・1泊1台につき2000円程度(車種などにより異なる)
ただし、駐車場代を節約したいという場合には、道の駅などを利用すれば無料で利用できるケースもあります。
入浴代
RVパークに付帯している入浴施設を利用したり、近くの入浴施設を利用したりすることができます。
・那須塩原ニワトコRVパーク内の入浴施設を4名で利用した場合 3000円
・近隣の入浴施設を利用した場合 大人1名800円 子供(小学生)1名500円
大人2名+小学生の子供1名利用=2100円
交通費、駐車場代、入浴代の合計金額
高速代1万2000円+ガソリン代5000円+駐車場代2000円+入浴代2100円(近隣の入浴施設利用)=2万1100円
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【お金のプロ】高山 一恵
他に観光、食事代なども考慮しなければいけませんが、ホテルに宿泊した場合と比べると、かなりリーズナブルなのがわかりますね。
具体的に金額で見比べてみると、
ホテル宿泊の場合の合計金額
交通費2万9680円+ホテル代4万5000円=7万4680円
車中泊の場合の合計金額
高速代1万2000円+ガソリン代5000円+駐車場代2000円+入浴代2100円(近隣の入浴施設利用)=2万1100円
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【お金のプロ】高山 一恵
7万4680円―2万1100円=5万3580円もお得になります。

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【お金のプロ】高山 一恵
もちろん、車中泊する場所や移動距離、食事内容などによって費用には差がでてくるため、あくまでも目安の金額としてみてください。
とはいえ、工夫することで、ホテル宿泊よりは、かなり費用を抑えられそうですね。
車中泊に適したクルマと必要な準備
車中泊は車の居住性にも気を配りましょう。車中泊を意識して車を選ぶ際には、座席の座り心地はもちろん、座席を倒したフルフラットの状態も快適かどうかを確認することをおすすめします。最近のミニバンやワゴンは、車中泊やキャンプを意識した装備も充実していますが、実際に車内を見て気になる点がないかを入念にチェックしましょう。
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リセバ総研所長
特に軽自動車のハイトワゴンと呼ばれる形状の車(N-BOXやスペーシアなど)は、お子さんが小さなうちは家族で快適に過ごせる空間が確保されているものの、夫婦+子供2人で乗車すると荷物を乗せるスペースが少なくなります。
1〜2泊程度の荷物であればなんとか積めますが、キャンプ用品やレジャーに必要なギア類を積みたい場合は、子どもたちの足元に置ける薄型のコンテナボックスに収納したりと、工夫が必要です。ルーフキャリアに積むことも考えられますが、高速道路の横風によるふらつきが発生するなど、安全運転にも影響が出る点には注意しましょう。
また、ペットがいる場合は、車内を清潔に保つためにシートカバーや汚れ対策も必要になります。長旅であることを考えれば、運転中の安全対策やエアコンの影響によるペットの体調管理も大切です。このあたりは下記の記事を参考にしてみてください。
車中泊でつらい思いをしてしまうと、せっかくの楽しい家族旅行が台無しになってまいます。「やっぱりホテルに泊まればよかった・・・」とならないためにも、お金のことだけを気にして車中泊を選択するのではなく、「車中泊そのものがレジャー!」という気持ちで楽しんだほうがよいかもしれませんね。
推し活など幅広いシーンで車中泊を検討する人も
上記の家族旅行の例の他にも、最近流行の「推し活」で車中泊を利用しているというお客様もいました。
この方は、とあるアイドルの推し活のため、全国のライブ会場に足しげく通っているというOLの方ですが、ライブ会場に遠征するための新幹線代や飛行機代、ホテル代を合わせると1ヶ月に10万円程度かかってしまう時も多かったようです。
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【お金のプロ】高山 一恵
そこで、推し活費用を節約するべく、女友達と車中泊を決行することに。女性なので、RVパークに宿泊したり、外から車内を見えないようにしたり、ドライブレコーダーを取り付けたりとセキュリティ面には気をつけています。
もちろん、その分の出費はありますが、それでもホテル宿泊していた時よりは、費用が半額以下に抑えられるようになったので、貯蓄できる余裕も生まれたそうです。
物価高の今、レジャーや趣味を思い切って楽しめないという方も少なくないと思いますが、今回ご紹介した車中泊を活用するなど、工夫次第で費用を抑えつつ、レジャーも趣味も楽しめそうですね。ぜひ、参考にしてみてくださいね。