研究員YAが調べるシリーズ ペットと快適なクルマ旅!自動車選びで知っておくべき5つのポイントとリセールバリューを保つコツ

ペットと一緒にドライブや車中泊を楽しみたい!でも、愛犬や愛猫と快適に過ごせるクルマ選びとなると、意外と難しいものです。広さは十分?安全性は大丈夫?臭いが気になる?そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、ペットとの楽しいカーライフには、クルマ選びのポイントがいくつかあるんです。今回は、あなたとペットの幸せな時間を約束する、クルマ選びの5つのポイントをご紹介します。クルマを選ぶ際にこれを押さえれば、きっとペットも大喜び?

【リセバ総研 外部研究員】YA

クルマのことを調べならが学ぶ外部研究員

電車移動が基本の都内で生まれ育ってきたため、研究員として自動車市場を調べながらクルマの知識を猛勉強中。主に記事の執筆・編集・取材を担当している。これまで書籍や雑誌の編集プロダクション、バラエティ雑貨メーカー、PR会社などを転々と渡り歩き、様々なジャンルのコンテンツを制作してきた。割とガジェット好きな一面があり、某フリマアプリで売買を繰り返しては、色々なガジェットを試している。

ペットと快適に過ごせる車内空間の作り方

「フルフラットシート」になる車種がおすすめ!

車中泊の人気の高まりとともに、ペットと車中泊を楽しむ人も増えています。ペットとのドライブや車中泊を快適するために、まず考えたいのが車内空間を整えることです。
   
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    そこでおすすめなのが、「フルフラットな車種」です!

フルフラットシートが可能な車種であれば、シートを倒して人が横になれるほどの平らなスペースを作ることができ、ペットがリラックスして過ごせる環境が整います。たとえば、中型犬なら広々と寝そべることができ、小型犬や猫なら自由に動き回れるスペースが確保できます。

完全にフラットになるモデルが理想的ですが、多少の段差が出てしまうモデルもあります。その場合は、車中泊用マットを使えば解決できます。マットは寝心地を向上させるだけでなく、ペットの関節への負担も軽減します。
   

室内のスペースは、ペットのサイズに合わせて確保する

クルマの室内サイズの広さは、ペットとの快適な旅行に大きな影響を与える要素の一つです。広い車内空間があれば、ペットが自由に動き回ることができ、ストレスなく過ごせるでしょう。    
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    たとえば、ミニバンやSUVは、セダンと比べて天井が高く、後部座席も広いため、中型犬や大型犬でもゆったりと過ごせます。

車中泊向けに人気のある車種は、ミニバンでは、日産 セレナやホンダ ステップワゴン、SUVではトヨタ カローラクロス、日産 エクストレイルなどが挙げられます。3列シートを備えたモデルなら、ペットと荷物のスペースを分けられるという利点もあります。

一方、車中泊にはホンダ N-BOXやスズキ スペーシアのような軽自動車も人気があります。フルフラットシートのものはもちろん、シートアレンジが工夫された車種なら、小型犬や猫との旅行にも便利です。
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    クルマを選ぶ時は、ペットのサイズや性格を考慮し、快適に過ごせる十分なスペースがあるかどうかをイメージして選びましょう。

車種タイプ ミニバン・SUV コンパクトカー
特徴 広い室内、高い天井 工夫されたシートアレンジ
適したペット 中型犬・大型犬 小型犬・猫

ペット用シートカバーやハンモックを活用する

クルマのシートの傷や汚れを防ぐカバーには、ペット用のものも市販されています。ペットとの快適なドライブのために、ぜひ用意しておきましょう。    
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    ペット用シートカバーには、助手席に着けるタイプ、後部座席をカバーするタイプ、後部座席と前列の間を覆うハンモックタイプなど、様々な種類があります。

前後座席の間を覆うタイプは、ペットが座席の隙間に足を挟んだり、足元のスペースに落ちてしまったりすることも防げるので、安全性も高めることができます。前の座席側がメッシュ窓付きのシートカバーなら、運転中でも愛犬の様子を確認できて安心です。

さらに、ベッド型、バスケット型、ボックス型などのシートカバーもあります。小型犬には、助手席にも置けるベッド型やバスケット型、大型犬には、後部座席全体を覆うタイプがおすすめ。防水機能付きなら、万が一の汚れも簡単に拭き取れます。    
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    なお、運転中の飛び出し防止のために、リードやハーネスを着けられるタイプを選ぶのがおすすめです!

ペットの安全を確保する車内設備と装備

ペット用シートベルトやキャリーの選び方

運転中にペットが車内で思わぬ動きをしたり、窓から飛び出したりすると、大きな事故につながることがあります。安全を守るためのペット用のシートベルトやキャリーは欠かせません。   安全を守るために、運転中はペット用キャリーを使うのが最適です。ペット用キャリーには、ハードタイプのクレートやバッグ型、カート型など様々なタイプがあり、シートベルトで固定しやすいドライブ専用のものもあります。  
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    通気性がよく、ペットが飛び出しにくい耐久性があるものを選びましょう。飛び出し防止のリードやハーネスが着けられるものもおすすめです!

キャリーを極端に嫌がる場合は、ペット用シートベルトも選択肢になります。ヘッドレストやシートベルトのバックルに固定でき、ペットの体格に合わせて調整可能なタイプが人気です。

エアコンの性能とペットの体調管理

車内の温度は、ペットの体調に大きく影響します。ペットと安全にドライブを楽しむためには、エアコンの性能をよく確認しておく必要があります。運転席側は快適でも、後部座席はエアコンの効きが悪いということもあるので、前席と後席で温度設定を変えられるデュアルエアコンを装備したクルマも人気です。
また、エアコンフィルターの状態も確認しておきたいポイント。臭いやカビが発生していると、エアコンの効きが悪くなる可能性があります。定期的なクリーニングやフィルター交換を心がけましょう。  
夏場は熱中症のリスクが高まるため、エアコンに加えて保冷剤やファンを用意するのもおすすめです。また、エアコンをつけていても、キャリーを置いている場所に日が当たり続けた場合など高温になってしまうことがあります。運転中もできるだけペットの様子に気を配る必要があります。   一方、冬の寒さ対策には、毛布やペットヒーターなどを用意するのがおすすめです。快適な温度を保つことで、長距離ドライブでもペットが体調を崩すことがないよう気を配りましょう。

ペットの体調管理と車内の換気

ペットにとって、ふだんとは環境が変わるドライブや車中泊は、ストレスがかかりがちです。適切に休憩をとるほか、こまめな換気を心がけましょう。  
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    ただし、走行中の換気には注意が必要です。換気のために開けた窓からペットが飛び出すことがないように、キャリーに入れる、ペット用シートベルトを着けるなどの対策をとります。窓の開いている部分をカバーする車窓用のガードなどを併用してもいいでしょう。

また、走行中は一か所だけ窓を開けるよりも、対角線上の2箇所の窓を開けると、車内に空気の流れが生まれ、効率よく換気することができます。サンルーフのある車なら、ペットの飛び出しをそれほど気にせず換気しやすいでしょう。   車中泊向けに人気のあるミニバンやSUVでも、サンルーフがあるモデルが増えています。ペットとのドライブのためにクルマを選ぶ際は、参考にしてみてはいかがでしょうか。    

ペットと一緒の車中泊を楽しむための工夫

車中泊に適したボディタイプの特徴

ペットとドライブや車中泊を楽しむ車を選ぶなら、ボディタイプにも注目しましょう。快適に過ごすためには、室内の広さと高さが鍵となります。      
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    ハイエースなどのワンボックスは、広さも高さも充分で、ペットとの車中泊に最適です。ミニバンも十分な室内空間を確保でき、ファミリーカーとしての実用性も兼ね備えています。ミニバンでは、ホンダ 、日産 セレナなどが人気です。

ホンダ ヴェゼル、トヨタRAV4などのもSUVも、車中泊に人気のボディタイプ。乗用車としての汎用性が高く、走行性能も重視する方におすすめです。   軽自動車でも、バンやワゴンなどのボディタイプは、コンパクトながらシートアレンジ次第で大人とペットがくつろげる空間を作れます。ホンダN-VAN、スズキ エヴリィ ワゴンなど、車中泊向けオプションや装備が用意された車種もあるので、ペットとの旅行スタイルに合わせて選びましょう。   快適な睡眠には、足を伸ばして横になれる広さと、天井までの適度な高さが必要です。これらの条件を満たす車種を選ぶことで、ペットと一緒に快適な車中泊を楽しむことができます。  
ボディタイプ ワンボックス ミニバン SUV 軽バン
特徴 広々とした車内空間 十分な室内空間 乗用車としての汎用性 コンパクトながら工夫次第で広々
おすすめポイント ペットとの車中泊に最適 ファミリーカーとしての実用性も兼ね備える 走行性能重視の方におすすめ 車中泊向けオプションが充実

季節別の暑さ対策・防寒対策グッズ

ペットとの車中泊を快適にするためには、季節に応じた対策グッズも欠かせません。  

夏場は、車内の温度が上がるのを抑えるため、遮熱シェードや日よけカーテンを活用しましょう。ペット用の冷却マットや保冷剤入りのクールベッドも効果的。気温が高い時は、クーラーバッグに保冷剤を用意しておくと便利です。熱中症対策のため、こまめに水が飲めるように準備しておくことも大切です。

冬季はペットが体温を保てるような対策グッズも必要です。厚手のブランケットや電気毛布を用意しましょう。ペット用ヒーターも便利です。   また、床からの熱や冷気を防いでくれる断熱マットも、四季を通じて使えるため用意しておきたいグッズの一つです。ポータブルの換気扇や扇風機を活用すれば、車内の換気に役立つのに加え、エアコンの暖気や冷気を循環させ、車内の気温差を減らすことにも役立ちます。これらのグッズを上手に組み合わせることで、季節を問わず快適な車中泊が楽しめるでしょう。

ペットのストレス軽減のための車内環境作り

ペットとの長時間ドライブや車中泊では、ストレス軽減のための環境作りも必要です。   ペットが安定したスペースで過ごせるように、クルマ用のフラットボードやドライブボックスも市販されています。これらはシート座面の凹凸をなくしたり、足元のスペースを埋めたりできるので、滑りにくいフラットなスペースを作り出すことができます。さらに、お気に入りの毛布やクッションを置くことで、より安心できる空間に。    
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    ふだん使っているおもちゃやおやつで気を紛らわせるのも効果的です。また、定期的な休憩を取り、ペットが身体を動かしたり、水分補給したりできる時間を設けましょう。

車内の温度管理も重要で、エアコンや換気に気を配ることが大切です。

ペットとすごしたクルマのリセールバリューを保つには?

リセールバリューを保つポイント(1)お手入れのしやすい内装素材を選ぶ

ペットとのドライブでは、ペットの毛や汚れ、爪による傷なども想定しておきたいポイントです。ペットとの車中泊に適した車を選ぶには、内装の素材選びも考慮しましょう。お手入れしやすく、長期的な使用に耐えられる内装がおすすめです。
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    内装でまず注目したいのは、シートの素材です。レザーシートは耐久性が高く、毛が絡みにくいため、お手入れが比較的容易です。

一方、布製シートは通気性に優れていますが、水分がしみ込むと掃除にくく、毛が絡みやすいというデメリットがあります。車中泊向けの車種の中には、防水、防汚機能があるシートや内装になっているモデルもあります。

どれを選ぶにせよ、ペット専用のシートカバーを使用すると、より効果的にペットの毛や汚れ、傷からシートを守れます。

内装素材 レザーシート 布製シート シートカバー
特徴 耐久性高、毛が絡みにくい 通気性良好、毛が絡みやすい 内装保護に効果的
お手入れ方法 専用クリーナーで拭き取り 掃除機、粘着ローラー使用 取り外して洗濯可能

リセールバリューを保つポイント(2)ペットの毛や汚れをこまめに掃除する

ペットと長く過ごした中古車のリセールバリューを保つためには、内装のお手入れとこまめな掃除、ペットによるダメージを予防することが重要になります。クルマを売却する際に、内装に傷や痛みが発生していなくても、ペットの毛や汚れが残っていると中古車として販売するために内装のクリーニングが必要になるため、汚れ具合によっては買取価格にも影響することがあります。
ペットと旅した大切な思い出が詰まったクルマのリセールバリューを落とさないためにも、ペットの毛は掃除機や粘着ローラーで、汚れは専用のクリーナーでこまめに掃除するように心がけましょう。特に、ドアの隙間や座席の溝など、細かい部分にも注意が必要です。
たとえ愛車を売却する予定がなくとも、定期的なメンテナンスを行うことで車内を清潔に保てば、人にもペットにも快適なドライブが長く楽しめます。

リセールバリューを保つポイント(3)ペット臭対策にも気を配る

ペットとのドライブや車中泊では、消臭対策も考えておきたいポイントです。 ペットをクルマに乗せる機会が多いと、ペット特有のにおいが車に付いてしまうことがあります。
一度、臭いが付いてしまうと、いざ中古車として売却しようとする際に、査定検査で臭いが指摘されてることがあります。 臭いの程度によっては、内装全体のクリーニングが必要になってしまうこともあります。その場合は買取価格にも影響します。
もし将来的にクルマの買い替えをする予定がある場合は、ペットと過ごした思い出のクルマのリセールバリューを下げないためにも、車内の臭い対策には気を使いましょう。 なるべく臭いが付くのを抑えたい時は、エアコンを外気導入モードにするなどして換気をしましょう。こまめな換気を心がけることで、車内の空気を循環させ、ペット臭の蓄積をある程度防ぐことができます。
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    さらに、長期的な臭い対策としては、フロアマットを水洗いしたり、シートや天井の内張りなどを消臭効果のある重曹水で拭いたりと、内装全体の掃除を定期的に行うのもおすすめです!

また、エアコンも嫌な臭いが発生しやすい箇所です。エアコンの匂い対策には、消臭効果の高い活性炭を使ったフィルターに交換するのもおすすめです。日常的なケアとしては、消臭スプレーや置き型の消臭剤を常備しておいても良いでしょう。こうした製品は、ペットに優しい原料を使っているかどうかも確認しておくと安心です。