CORISM+リセバ総研のクルマギョーカイ振り返り:勝手にSUVポジションマップ
自動車業界で日々生まれる様々なトピックスについて、リセバ総研の"ご意見番"であり日本カー・オブ・ザ・イヤーの運営にも関わっている自動車webサイトCORISM編集長の大岡智彦と、リセバ総研所長の床尾一法の二人が本音で語り合う「クルマ放談」。今回は、今やクルマの「標準的なカタチ」となったSUVに焦点をあてて語り合いました。
自動車情報メディア「CORISM」編集長
リセールバリュー総合研究所 管理運営者
ポジションマップが映すSUVトレンドの変化
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リセバ総研所長 床尾一法
実は大岡さんに以前作っていただいた国産SUVのポジションマップを、最新のラインナップに更新してみたんですよ。あくまでリセバ総研+CORISMの勝手な分類ですが。
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【自動車のプロ】大岡智彦
右半分はトヨタ車でほぼ埋まってるよね。
そしてこれが、今の日本の乗用車ラインナップそのものだという。
セダンやコンパクトが、そっくりSUVに置き換わったってことだよ。

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リセバ総研所長 床尾一法
昭和から生きてる私からすると、なんだか感慨深い。
トヨタのSUVラインナップって、ヤリスクロスあたりが昔のカローラ、ライズやターセルやコルサの立ち位置で、カローラクロスがコロナやカムリあたりかな、と勝手に考えてます。
当時のセダンやコンパクトハッチが、まるごとSUVに置き換わって網羅されている印象なんですよね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
クラウンなんて、今はスポーツ、クロスオーバー、エステート、セダンと4タイプあるけど、あれはユーザーのニーズに細かく合わせてるんだよ。
クロスオーバーで後ろが狭いと感じた人にはエステート、という具合にね。
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リセバ総研所長 床尾一法
昔のマークII三兄弟(チェイサー、クレスタ)のように、顔だけ変えて中身はほぼ同じ、というのとは違うんですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
あれは「販売店ごとにパーツを分けとけばいいや」くらいの発想。
ノア、ヴォクシー、エスクァイアも当時のトヨタ店・ペット店・ネッツ店・カローラ店といった販売チャネルごとに売らせるための”売り手都合”だった。
それが今は、なるべく買い手に合わせたものを作ろう、という方向になってる。
ユーザーにとって「自分にぴったりのクルマ」になるように工夫しているから、満足度も高い。
こんな芸当ができるのはトヨタだけだよ。

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リセバ総研所長 床尾一法
クラウンエステートだけは、昔ながらのステーションワゴン的な流れとも思えますが。
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【自動車のプロ】大岡智彦
いや、あれも相当SUV寄りだよ。
昭和の高級ワゴンは、会社のクルマと家のクルマを兼ねる、みたいな役割だったけど、今のエステートは中身がすっかり現代のSUVだね。その名残があるだけで。
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リセバ総研所長 床尾一法
レクサスがUX、NX、RX、RZと細かく分けているのも、同じ狙いでしょうか。
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【自動車のプロ】大岡智彦
そうだね。
レクサスは従来のトヨタでは届かなかった層にリーチできるプレミアムブランドで、大きなSUVは北米で売れるから、必然的にフルラインになる。
ちなみにプラットフォーム(車台)でいうと、NXやRXはハリアーと同じGA-K系を専用にチューニングしたもので、EVのRZも一部をGA-K系を使っている。
つまり中身は兄弟でも、キャラクターと仕立てで差をつけてる。
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リセバ総研所長 床尾一法
ベースがトヨタの兄弟車といっても作りや味付けは別でしょうが、レクサスの顧客的にそういった要素はあまり気にしていないのでしょうかね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
“レクサスだし”という満足感(笑)
同じ車台でも、100万円プラスしても欲しいと思わせる。それがレクサスというブランドの立ち位置なんだよ。奥様がLBX、ご主人がRXみたいに、富裕層の家庭にまるごとリーチできるのも計算のうち。
大きなレクサスに乗るご主人いて、奥さんが、近所の買い物や送迎に使うのがLBX、という位置づけだったり。
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リセバ総研所長 床尾一法
で、NXのベースとなるハリアー自体、価格帯がとても広いですよね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
300万円台から500万円を超えるグレードまであるからね。
ハイブリッドは高くて買えないけどハリアーには乗りたい、という人の受け皿にガソリン車がなってる。
中古で買えば、と言いたくなるけど、そこがトヨタのうまいところ。
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リセバ総研所長 床尾一法
ハリアーのガソリン車は、輸出も国内需要も強い。
ところで、このマップで見ると、ハリアーとカローラクロス、ヤリスクロスの間の価格帯って、意外と空いていますよね。

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【自動車のプロ】大岡智彦
その辺はアーバン志向の中〜上級という帯だけど、今は都市型スタイルのSUVよりもアウトドアスタイルの方が売れていると捉えてる。
だから薄くなってるんではなかろうかと。ちょうど本格派のランドクルザーFJがその価格レンジに入る。
逆にホンダやマツダは、ちょうどその微妙に空いた位置にいて、少し中途半端に見えなくもない。
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リセバ総研所長 床尾一法
マツダはCX-3やCX-30あたり、プラットフォームの違いは理解していますが、名称も位置づけも分かりにくいと感じます。
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【自動車のプロ】大岡智彦
CX-3はBセグメントでCX-30はCセグメント、ボディサイズが1クラス違うしね。
まぁ、ここは上手く造り分けているいるけど、次期CX-3は無くなる予定らしい。
難しいのが、同じCセグメントのCX-30とMX-30。プラットフォームやエンジンは基本的に共通なのに、内装も外観も作り分けていて、すごく手間がかかってるんだよ。
ただ、デザインがね、どうも一般受けしないのがMX-30で、しかも観音開きドアという・・・。
コルク素材を使った内装材とか、凄くチャレンジしてるんだけど、マツダの営業も売り分けしにくいだろうなぁと。また、ちょっと選びにくいクルマになんっているよねMX-30は。
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リセバ総研所長 床尾一法
あの観音開きは興味を惹かれたんですが、小さい子どもがいる家庭の選択としては厳しいと聞きました。
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【自動車のプロ】大岡智彦
後席の人の乗り降りは、結構大変だと思うよ。
アウトドア回帰の潮流はパジェロ復活の勝算となるか
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リセバ総研所長 床尾一法
改めてポジションマップを俯瞰してみると、全体としてクルマのトレンドがアーバン志向からアウトドア志向へ移ってきていますね。
タイミングよくRAV4やCR-Vも新型に切り替わりました。
このゾーンは今後さらに増えていく予感がありますが。

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【自動車のプロ】大岡智彦
これからはそっちが主流になっていくと思うよ。
日産のエクストレイルも、ロッククリークという武骨な仕様が北米で人気で、日本に持ってきたら結構売れてるらしい。トレンドは完全にこっち側だね。
むしろマツダは、無理にこの一番混んでいるゾーンで勝負するより、独自性で行った方がいいような気もする。
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リセバ総研所長 床尾一法
そんなトレンドの中、三菱がパジェロの車名復活を正式発表しました。
トライトンのラダーフレームをベースに、2026年秋の世界初公開予定です。
ポジション的には、やはりゴリゴリの本格クロカン路線で来ますかね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
歴代のキャラクターを考えたら、本格オフローダーでしょ。
マップでいえば右下、アウトドアの最右翼だね。
価格はトライトンが500万円台だから、そのラダーフレームの改良版となると、ランクル250の少し下あたりを狙わないと厳しいんじゃないかな。
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リセバ総研所長 床尾一法
50代以上の”おっさん”には響く名前ですが、それだけでは厳しいのではないかと。
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【自動車のプロ】大岡智彦
よっぽどの三菱ファンじゃないと厳しいよね。
それで出したからってどうなるの、という難しさはある。
ただ、カローラもクラウンも復活したんだから、三菱にもできるはずと思うのは当然かも。
頑張ってほしいよ。
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リセバ総研所長 床尾一法
つくづく思ったんですが、「SUVマップ」なのにセダンを象徴するカローラ、クラウン、そしてセンチュリーまで並ぶんですよね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
センチュリーもそうだけど、あの辺は歴史がありすぎて、もう捨てられないんじゃない。
カローラなんて日本で70周年に近いわけで、俺より全然年上だよ(笑)
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リセバ総研所長 床尾一法
20年前の人にこのマップを見せて「未来ではカローラもクラウンも、みんなハリアーみたいな形状になってる。」なんて言っても、信じてもらえないでしょうね。
カローラがカローラクロスへ、そして次世代のマルチパスウェイを担う新プラットフォームの柱として、無節操とも思えるほど姿を変えても、確立したブランドは守り受け継いでいますね。
トヨタのような超大企業の商品が、そのバランスを取りながら商品を進化させ続けているのは、本当にすごいことだと思います。
