9年ぶりフルモデルチェンジのマツダ CX-5!人気のディーゼル廃止で中古車相場に変化は?
デビュー以来、マツダのブランドを支えてきたミドルサイズSUV「CX-5」が約9年ぶりにフルモデルチェンジし、2026年5月21日に3代目となる新型モデルが発売されました。洗練された「魂動(こどう)デザイン」とマツダがこれまでこだわってきた「人馬一体の走り」で世界中から支持されてきたCX-5ですが、今回の新型モデル登場で大きなインパクトとなったのが「クリーンディーゼルモデルの廃止」です。
今回は、CX-5歴代モデルの変遷を振り返りながら、新型CX-5の概要と初動の販売台数・納車見込み、そしてクリーンディーゼルモデルの廃止がリセールバリューや中古車市場に与える影響についてまとめていきます。
ライター
目次
マツダの“大黒柱”となったCX-5歴代モデルを振り返る
改めて、CX-5歴代モデルの変遷を振り返っていきましょう。2012年にデビューしたミドルクラスのクロスオーバーSUVであるCX-5は、デザインテーマ「魂動-SOUL of MOTION」と、優れた走行性能・環境性能を極限まで追求した「SKYACTIV技術」を、マツダ車として初めて全面的に採用した記念碑的なクルマとして誕生しました。
現在では世界100以上の国と地域で累計500万台以上を販売しており、国内ではマツダの乗用車販売台数の約4分の1をこの1台が占めています。まさにマツダにとって大黒柱と言える存在にまで成長しました。
初代 CX-5(2012年〜2017年/KE型):次世代技術「スカイアクティブ」の先駆者

初代モデル(KE型)は2012年2月に発売されました。マツダの象徴的なカラーリングとなる「ソウルレッドクリスタルメタリック」の塗装と躍動感あふれるスタイリッシュなデザインは、大きな注目を集めます。
スペック面での最大の特徴は、新開発の2.2Lクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」を搭載したことです。当時、日本では環境対応車の主流がハイブリッドへと傾く中、マツダは「圧倒的なトルクと優れた燃費効率」を持つクリーンディーゼルを独自の武器として投入。エンジン車による超低燃費に挑戦したこの戦略は、クルマ好きや長距離ドライブを好むユーザーから高い支持を受けました。2015年4月には、世界累計生産100万台を達成しています。
2代目 CX-5(2017年〜2026年/KF型):プレミアム性の追求と執念の年次改良

2017年2月、CX-5は2代目(KF型)へとフルモデルチェンジを行います。初代のスポーティさに加え、品格のある大人のスタイルへと洗練された魂動デザインを採用。トレッドを10mm拡大して走行安定性を高めるとともに、ドア周りの密閉性を引き上げることで「圧倒的な静粛性」を実現し、プレミアム路線へと大きく舵を切りました。
2代目KF型のポイントは、発売後も毎年実施された年次改良にあります。約9年というロングセラーを実現した背景には、一部改良を繰り返すことによるモデルの進化・ブラッシュアップの努力があったのです。
2018年の一部改良では、ガソリンエンジンにマツダ初の「気筒休止技術」を採用。ディーゼルエンジンも燃焼システムを改善し、実用燃費をさらに引き上げました。さらに、最高出力230ps、最大トルク420Nmという2.5Lガソリンターボ「SKYACTIV-G 2.5T」を追加。クリーンディーゼルモデルに希少な「6速MT」を新設定するというマニアックな改良も話題になりました。2020年には、ディーゼルエンジンの最高出力を200psへ向上。2021年にはマイナーチェンジを実施し、前後ランプやグリルのデザインを一新したほか、乗り心地がさらに熟成されました。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
2代目CX-5は一部改良を頻繁に繰り返していることから、在庫の年式によって装備やスペックが大きく異なる場合があります。中古車を選ぶ際には2021年のマイナーチェンジを前期・後期を分けるひとつの基準としながら、検討する在庫の装備やスペックをしっかり確認するようにしましょう。
3代目となった新型CX-5の特徴は?初動の販売状況や想定納期は?

2026年5月21日に9年ぶりとなるフルモデルチェンジを行った3代目 CX-5は、開発コンセプトに「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」を掲げ、これまで続いてきた「魂動デザイン」と「人馬一体の走り」を継承しつつ、居住空間と荷室の実用性を大幅に向上させました。
先代と比べてホイールベースを115mm延長し、定員乗車時でもゴルフバッグ4つまたはスーツケース4つを収納できる466Lの荷室容量を確保。後席乗車時にベビーカーを縦置き収納できる荷室長も実現しているなど室内空間が広くなっているのが特徴です。

パワートレインは、マイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を搭載した2.5L直噴ガソリンエンジン「e-SKYACTIV G2.5」を国内モデルとして初採用。足回りは、国内の道路環境に合わせてバネレートを低めに設定することで、突き上げを抑えた乗り心地を実現しています。また、先代のパワーステアリング制御を見直し、操舵力を軽くしながらもドライバーへのフィードバックを確保したハンドリングを追求しています。
情報・安全面では、新電子プラットフォーム「MAZDA E/E ARCHITECTURE+」を採用し、15.6インチまたは12.9インチの大型タッチパネル式センターディスプレイとマツダ初のGoogle搭載インフォテイメントシステムによりユーザーインターフェイスを一新。また、ドライバーがアクセルペダルを離した際に減速をアシストする「プロアクティブ・ドライビング・アシスト」を初採用したほか、シースルービューや強化されたドライバー異常時対応システム(DEA)など最新の先進安全技術(i-ACTIVSENSE)を複数搭載しています。

車両本体価格は、約330万円から約447万円。国内の月間販売計画台数は2,000台となっています。なお、現在新型CX-5のパワートレインはマイルドハイブリッド一択ですが、2027年にはストロングハイブリッドを採用した新たなパワートレインが投入される予定だと言われています。燃費性能が大幅に向上することが期待されることから、燃費重視で購入を検討している方は今後の情報に注目すべきでしょう。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
3代目になってクリーンディーゼルが廃止されてしまったのは残念なところです。
ですが、2026年6月9日時点でマツダのウェブサイトを見ると、カーラインナップには先代モデルも並んでおり、しばらくの間は先代と新型で併売するものと思われます。
ただし、先代モデルのページや工場出荷時期の目安を公表しているページには「選択されるモデル・仕様によって、納期が大きく異なる場合や販売できない場合がございます」という注意書きがあり、在庫限りとなっている可能性もあることから、先代のクリーンディーゼルモデルを新車で購入したい場合には販売店に必ず確認するようにしましょう。
なお、一般社団法人日本自動車販売協会連合会がまとめた2026年5月の新車登録台数によると、CX-5の5月の登録台数は1,771台。ただし、これはナンバープレートを取得した登録台数のデータであるため、この台数の大半は先代モデルであると推測されます。発売から10日程度と日の浅い新型CX-5の登録台数が反映されるのは、6月以降になるものと思われます。
納期については、マツダがWebサイトで公表している工場出荷時期の目安によると、新型CX-5の全てのグレードで「1.5〜2か月程度」としており、記事公開時点で入手困難という状況ではないようです。
クリーンディーゼル廃止で先代CX-5のリセールバリューはどうなる?
新型CX-5からマツダの人気を支えてきたクリーンディーゼルエンジンモデルがなくなったことで、今後先代モデルの中古車相場やリセールバリューはどのように変化していくことが予想されるでしょうか。最近の中古車相場の動向と併せて、リセールバリュー総合研究所・所長の床尾一法が解説します。
リセールバリュー総合研究所 管理運営者
中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。
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リセバ総研所長 床尾一法
CX-5のディーゼルに魅力を感じていた方にとって、新型CX-5(KM系)に設定されなかったのは残念かもしれませんね。
一方で、次のSUV選びの最中という見込み顧客にとっては、それよりもハイブリッドというワードの方が響くのではないでしょうか。
さて、新型CX-5のリセールバリューを予想する前に、まずは先代の2代目CX-5(KF系)最終モデルのリセールバリュー値(残価率)を確認してみましょう。
最終モデルは流通量が少なめですが、2026年6月6日時点から過去90日分の買取査定データを元に、比較的件数が確保できるディーゼルとガソリン(2.0L/2.5L)、量販グレードと特別仕様車を選んでみました。
| 集計期間:2026年3月9日(月)〜2026年6月6日(土) | 査定件数 | |||
|---|---|---|---|---|
| マツダ CX−5 KF2P型 XD エクスクルーシブモード(ディーゼル・FF) | 96 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 1年落ち | 2025年式 | 399.4万円 | ¥2,800,000 | 70% |
| 2年落ち | 2024年式 | 399.4万円 | ¥2,415,000 | 60% |
| 3年落ち | 2023年式 | 393.9万円 | ¥2,301,250 | 58% |
| 4年落ち | 2022年式 | 384.4万円 | ¥2,023,333 | 53% |
| 5年落ち | 2021年式 | 380.1万円 | ¥1,947,692 | 51% |
| 6年落ち | 2020年式 | 374.6万円 | ¥1,703,125 | 45% |
| 7年落ち | 2019年式 | 365.6万円 | ¥1,587,586 | 43% |
| 8年落ち | 2018年式 | 365.6万円 | ¥1,305,833 | 36% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
| 集計期間:2026年3月9日(月)〜2026年6月6日(土) | 査定件数 | |||
|---|---|---|---|---|
| マツダ CX−5 KF2P型 XD ブラックトーンエディション(ディーゼル・FF) | 67 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 2年落ち | 2024年式 | 355.9万円 | ¥2,414,000 | 68% |
| 3年落ち | 2023年式 | 339.4万円 | ¥2,119,500 | 62% |
| 4年落ち | 2022年式 | 336.1万円 | ¥2,039,230 | 61% |
| 5年落ち | 2021年式 | 336.1万円 | ¥1,719,285 | 51% |
| 6年落ち | 2020年式 | 336.1万円 | ¥1,730,000 | 51% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
| 集計期間:2026年3月9日(月)〜2026年6月6日(土) | 査定件数 | |||
|---|---|---|---|---|
| マツダ CX−5 KFEP型 20S ブラックトーンエディション | 51 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 1年落ち | 2025年式 | 323.9万円 | ¥2,630,000 | 81% |
| 2年落ち | 2024年式 | 323.9万円 | ¥2,520,000 | 78% |
| 3年落ち | 2023年式 | 307.4万円 | ¥2,487,333 | 81% |
| 4年落ち | 2022年式 | 304.1万円 | ¥2,437,647 | 80% |
| 5年落ち | 2021年式 | 304.1万円 | ¥1,770,000 | 58% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
| 集計期間:2026年3月9日(月)〜2026年6月6日(土) | 査定件数 | |||
|---|---|---|---|---|
| マツダ CX−5 KF5P型 25S スポーツアピアランス | 37 件 | |||
| 経年 | 年式 | 新車価格※ | 平均売却予想額 (買取相場) |
リセールバリュー値 |
| 1年落ち | 2025年式 | 381.3万円 | ¥2,620,000 | 69% |
| 2年落ち | 2024年式 | 381.3万円 | ¥2,364,000 | 62% |
| 3年落ち | 2023年式 | 358.2万円 | ¥2,291,538 | 64% |
| 4年落ち | 2022年式 | 348.7万円 | ¥2,179,166 | 62% |
| 5年落ち | 2021年式 | 348.7万円 | ¥2,025,000 | 58% |
| ※車両本体価格(当該年の後半に改定された価格は翌年に反映している場合があります) | ||||
| © 2026 IDOM Inc. リセールバリュー総合研究所 | ||||
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リセバ総研所長 床尾一法
ご覧の通り、CX-5のリセールバリュー値は、新車価格が高いグレードほど低く、安価なグレードほど高く出る傾向にあります。
売れ筋のディーゼル車「XD エクスクルーシブモード」が1年落ちで70%なのに対し、安価で充実装備の人気のガソリン車である「20S ブラックトーンエディション」は81%に達します。
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リセバ総研所長 床尾一法
これは、中古市場での評価としてある程度さだまったCX-5に対する値付け(相場感)があるためで、2026年6月時点での平均売却予想額は1〜2年落ちでおおよそ240〜280万円、3〜4年落ちでおおよそ200〜250万円程度に収まっています。
そのため、新車のグレード価格差分は中古価格には上乗せされにくく、高いグレードほどリセールバリュー値は見かけ上低くなります。
「ブラックトーンエディション」の場合、特別仕様車だからリセールバリュー値が高いというわけではなく、同じ「ブラックトーンエディション」でもディーゼルの「XD ブラックトーンエディション」では60%台にとどまります。
扱いやすいガソリン車で装備充実なのに低価格という、コスパの良い「20S ブラックトーンエディション」の立ち位置が、CX-5の買取相場の中で相対的にリセールバリュー値を押し上げているのです。
新型CX-5も、過去の慣例に従って特別仕様車が発売されることになれば、グレード選びによってリセールバリュー値は大きく変わってくるでしょう。もし先代CX-5(KF系)と同様に、グレードに左右されにくい中古車相場を形成した場合、コスパの高いグレードほど残価率は高くなると予想されます。
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リセバ総研所長 床尾一法
新型CX-5の市場評価は、ディーゼルエンジンの有無よりも、将来的にストロングハイブリッドが搭載予定であるということの方が影響が大きいのではないかと考えています。
スバルの現行型フォレスター(SL系)はストロングハイブリッドを搭載したモデルが用意され、「待ってました」とばかりにヒットしています。マツダCXシリーズが気になっている方の中には、ついにストロングハイブリッド搭載モデルが出るならば待ってみようという方もいらっしゃることでしょう。
初期型モデル(2026年式)の場合、初回車検の時期を迎える経年3年落ちとなる頃は、本命のストロングハイブリッドモデルが発売された2年後となる2029年頃。過去モデルの例から見て、リセールバリュー値はおそらく58〜60%程度ではなかろうかと推察します。
もちろん、ベースとなる新車価格はストロングハイブリッドモデルの方がより高価になるでしょうから、現行のマイルドハイブリッドモデルと価格帯で棲み分ける可能性も高くなります。
そうなると、中古車として店頭に並ぶ際に、高価なストロングハイブリッドモデルと手頃なマイルドハイブリッドモデルで価格帯で差別化し、価格面での選びやすさを際立たせてくるでしょう。ならば必然的に、初期型モデルは中古車販売店が仕入れやすい低めのリセールバリューで市場が形成される可能性が高まります。
もしリセールバリューを高める要因があるとすれば、輸出人気がスポット的に高まることですが、既存のCXシリーズの中古車流通の動向を見る限り、その可能性は低いでしょう。CX-5はすでに100カ国以上でグローバルに販売されており、どちらかというと日本国内で低評価の車両を円安差益で安く仕入れて輸出することのほうが多いと思われます。
