2026年5月調査レポート GWで懲りた?夏のクルマとの向き合い方 — 現状維持5割と抑制3.6割が並ぶ守りの初夏
2026年5月、リセールバリュー総合研究所では、全国の20代〜50代の運転免許保有者432名を対象に「GWドライブとクルマとの向き合い方に関する意識調査」を実施した。GW期間のクルマ移動実態や困りごとに加え、今後の付き合い方、今夏の費用感や節約意識、車中泊への関心の男女差、買い替え検討の動向を多角的に分析してみよう。
リセールバリュー総合研究所 管理運営者
目次
2026年GWのクルマ移動 — 外出した人は55%
2026年のGWはどう過ごされたのか。クルマでの行動を4分類で問うと、最も多かったのは「そもそも遠出・旅行の予定がなかった」で38.2%。次いで「一般道中心の近場の外出をした」が31.0%、「高速道路を使う遠出をした」が24.1%、「クルマでの外出はしなかった」が6.7%だった。
クルマで何らかの外出をした層は55.1%、外出しなかった層は44.9%。両者がほぼ拮抗する格好になっている。高速道路を使う遠出は4人に1人にとどまり、長距離移動は決して多数派ではない。GW=大移動という連想は、足元のデータと必ずしも一致していないようだ。
子供の有無で見ると差がより鮮明になる。子供有りの世帯では「高速遠出」が29.7%、「近場外出」が35.8%と外出率が65.5%に達するのに対し、子供無し世帯では外出率45.0%にとどまる。子育て世帯がGW移動の中心にいる構図は変わっていない。一方で性別差も明瞭で、高速遠出は男性28.7%に対し女性は19.4%。男性のほうが運転負荷の大きい長距離移動を担っている可能性がうかがえる。
GWドライブの困りごとはガソリン代がトップ
GWでクルマ外出をした238名に、特に疲れた・困ったと感じたことを複数回答で挙げてもらった。最も多かったのが「ガソリン代が高かった」で33.6%。次いで「駐車場が混んでいた・高かった」26.5%、「運転そのものの疲労」25.6%、「高速代が高かった(休日割引なし)」23.5%、「渋滞にはまった」21.8%が並んだ。
同じ困りごとでも、高速道路を使う遠出組と一般道中心の近場組では大きな違いがあった。高速遠出組では「ガソリン代」44.2%、「渋滞」36.5%、「高速代」32.7%、「運転疲労」32.7%といずれも3割を超え、複数の不満が重なっている。一方で近場組は、これらの数字がいずれも2割前後で「特に困ったことはない」が37.3%とトップだ。遠出をするほど不満が積み上がる構造がはっきり見える。
「現状維持」5割と「抑制」3.6割 — 二つの大きな塊
これらのGW体験を経て、今後どうクルマと付き合っていくか。回答者は4つの選択肢から1つを選んでいる。
50.9%が「現状維持」、36.3%が「抑制」。両者を合わせて87.2%という大きな塊を形成している。「積極活用」は4.9%。「離脱」は7.9%。クルマへのお金や手間を増やそうとする層は20人に1人しかいない計算だ。
「現状維持」が約半数を占めるとはいえ、その内訳は決して安定したものではない。後述のQ16(クルマにお金をかける考え)で「現状維持」を選んだ層を見ると、「お金をかけたくない」「最低限にとどめたい」が合わせて54.5%にのぼる。今のお金のかけ方を続けたいという表明は、必ずしも積極的な肯定ではなく、現状で精一杯あるいは余分にお金はかけたくないという受動的な維持を含んでいる可能性が高い。
GW外出者と非外出者で異なる「離脱」率
注目すべきは、GWにクルマで外出した層と外出しなかった層で、今後の付き合い方が大きく異なる点だ。外出者238名のうち「離脱」を選んだのはわずか1.3%(3名)にとどまるのに対し、非外出者194名では16.0%(31名)が「離脱」を選んでいる。両者の差は12倍以上に開く。
GWに出かけて困りごとに直面した層よりも、GWにそもそも出かけなかった層のほうが、クルマを手放そうという気持ちに傾いている。これは見落とされやすい示唆だ。連休のドライブで疲れたから乗り換えたいという反応ではなく、連休ですら使わなかったから保有意義を問い直す層が浮かび上がっている。クルマの使用機会そのものが薄れた層から、サイレントに保有離脱が進んでいるのだ。
今夏のクルマ費用は「変わらない」が6割 — ただし出費の上振れ予感も
続いて、この夏のクルマ関連費用(整備・メンテナンス・カー用品・レジャー等)が昨夏と比べてどうなるかを問うた。「変わらない」が60.6%で最多。「減らしたい・減りそう」15.3%、「わからない」14.1%、「増えそう」10.0%という構成だ。
注目したいのは、GWのドライブ往復費用が高かった層ほど「増えそう」と答える比率が跳ね上がる点だ。GW費用が10,000〜20,000円だった層では「増えそう」が33.3%、20,000円以上だった層では同じく33.3%。実需としてレジャーや遠出に費用を投じている層では、夏も同じ水準の支出が続くという見立てが立っている。
節約意識の表れ方は具体的だ。この夏の意向(複数回答)では「ガソリン代の節約を意識する」が41.2%とトップで、「高速代を抑える(下道利用・深夜割引)」25.2%、「遠出を絞る・近場で済ます」24.8%が続く。この3項目はいずれもガソリン高・高速代増という日々の出費に直結する。
節約系3項目のうちいずれか1つ以上を選んだ層は全体の52.5%にのぼる。「ガソリン代節約」「高速代抑制」「近場で済ます」のうち1つ以上を意識する層が回答者の過半を占めるのが、2026年夏の標準像と言ってよい。
性別差もはっきり出ている。「ガソリン代の節約を意識」は男性44.4%、女性38.0%とどちらも高いが、「クルマ利用そのものを減らす」は男性12.5%に対し女性7.4%、「カー用品・カスタムにお金をかける」は男性5.6%に対し女性0.9%。男性のほうが「絶対量を減らす」「逆にお金をかける」の両極ともに強く出ており、女性は中庸の維持を選ぶ傾向がある。
車中泊・アウトドアは少数派が積極派 — 男女差は10ポイント
夏のクルマ活用の象徴的テーマである車中泊・アウトドアに目を向ける。「すでに具体的な予定がある」7.2%と「やりたいと思っている(予定は未定)」23.8%を合わせた能動層は31.0%。3人に1人がクルマを使ったレジャーに前向きな姿勢を示している。一方で「関心がない」とする層が46.3%と半数近くを占めており、関心層と無関心層の二分が鮮明だ。
男女差が大きいのが特徴で、能動層(具体的予定+やりたい)は男性36.1%、女性25.9%と10ポイント以上の開きがある。逆に「関心がない」は女性が56.0%と男性36.6%を20ポイント近く上回る。クルマを使ったアウトドアレジャーは、男性主導の関心領域として根強い性格を残しているようだ。
準備したいアイテムを問うと、上位は「マットレス・寝具類」9.7%、「車載冷蔵庫・クーラーボックス」9.7%、「車中泊用カーテン・目隠し・網戸」8.8%、「タープ・テント・チェア類」8.8%、「ポータブル電源」8.6%と僅差で並んでいる。一方で「車中泊・レジャー向きのクルマへの買い替え」はわずか2.3%。装備の追加で対応する層が中心で、クルマ自体の買い替えに踏み込む層は限定的だ。
買い替え検討者の半数が「夏レジャー向き」を理由に挙げる
クルマの買い替え・買い増しを「具体的に検討している」は8.1%、「なんとなく考えている」が22.2%。両者を合わせた検討層は30.3%にのぼる。残り69.7%は「検討していない」。GWで何らかの不満や気づきを得ても、すぐに買い替え行動に直結する層は限られている。
性別では「具体的検討」が男性12.5%、女性3.7%とおよそ3倍の開きが出た。男性の方が買い替え行動の予備層を厚く抱えている。20代では「具体的検討」13.0%+「なんとなく」37.0%=50.0%が検討段階で、ライフステージの変化を背景にした買い替えニーズが強い世代と読み取れる。
検討理由のトップは「夏のレジャー・車中泊に向いたクルマが欲しい」で48.1%。検討者の半数近くが、夏の使い方を想定して買い替えを意識している計算だ。次いで「燃費・維持費の安いクルマ」29.8%、「古い・故障が増えた」26.7%、「車検タイミング」26.0%と続く。
節約志向(燃費・維持費)と能動的レジャー需要(レジャー向き)が同時に並ぶ構造に注目しておきたい。「お金は抑えたい、けれども夏は使いたい」という二律背反のニーズが買い替え検討者の中に同居している。この層がアプローチを受けるのは、ハイブリッド車やコンパクトSUVなど、燃費と積載性・走破性を両立するモデルだと考えてよいだろう。「中古車相場が高いうちに売りたい」を15.3%が選んでいる点も無視できない。高止まりする中古車相場を背景に、いまのうちに高値で売って次に乗り換えるという動きが、検討理由の一角を占めるまでに成長している。
クルマにお金をかけたくない人が6割超 — ただし20代だけが例外
最後に、クルマにお金をかけることへの根本的な姿勢を問うた。「できればお金をかけたくない」が36.6%、「必要な範囲で最低限にとどめたい」が30.1%。両者を合わせた節約志向は66.7%にのぼる。「レジャーや趣味のために積極的に使いたい」は23.4%、「将来の価値(リセールバリュー)を考えて使いたい」は10.0%にとどまった。
年齢層別に見ると、20代だけが特異な姿を示す。「レジャー・趣味で積極的に使う」が41.3%でトップになり、「かけたくない」が26.1%まで沈む。30代以降は逆転して「かけたくない」がトップに立ち、40代では38.9%、50代でも38.5%が「かけたくない」を選んでいる。
20代の特異性をどう読むか。20代はライセンス取得から日が浅く、クルマを生活インフラというより嗜好品・趣味として扱う傾向を反映していると考えられる。家族維持コストや住宅・教育費がのしかかる30代以降になると、クルマは家計負担の対象として再評価される。20代に見えている「楽しみとしてのクルマ」は、ライフステージの推移とともに「コストとしてのクルマ」に置き換わっていく構造が、この年齢別データに浮かび上がる。
注目しておきたいのが、「将来の価値(リセールバリュー)を考えて使いたい」が30代で15.1%と他世代より高く出ている点だ。住宅購入や子の教育などまとまった支出を控えた世代だけに、所有資産としての車両価値を意識する眼が育っている。リセールバリューという発想は、若年層ではまだ普及しておらず、ある程度の家計責任を負う30代から芽生え始めていることがわかる。
「見直すつもりはない」が6割、ただし保有縮小の伏流が3.6割
クルマの出費・使う頻度の見直し動向を最後に確認しておく。「見直すつもりはない」が63.2%と最多で、こちらが現状維持の本流にあたる。残り36.7%は何らかの形で保有・利用の縮小を意識しており、内訳は「使う頻度を減らす」16.4%、「複数所有を減らす・小さいクルマへ乗り換え」15.7%、「クルマを手放す」4.6%という構成だ。
「複数所有を減らす・小さいクルマへ乗り換え」15.7%は、ダウンサイジング需要を直接示す数字だ。中古車市場では軽自動車やコンパクトカーへの引き合いがすでに強い。本データは、その需要が依然として補充され続けていることを傍証している。「クルマを手放す」を選んだ4.6%が、Q5の「離脱」7.9%とほぼ重なる層と考えられ、保有自体をやめる小さな潮流が、表面には出にくいながらも数字として確認できる。
まとめ
22026年のGWを経て、ドライバーはどうやら守りの姿勢でクルマと向き合っているようだ。「現状維持」5割と「抑制」3.6割が並んで全体の9割近くを覆い、「積極活用」は5%にも届かない。クルマにお金をかけたくない層が6割超に達し、20代以外のすべての年齢層で「かけたくない」が首位を占めている。
このクルマに対して億劫な感覚が垣間見える中でも、2つの特徴が見えてきた。ひとつは買い替え検討者の半数近くが挙げる「夏のレジャー・車中泊向きクルマ」への能動的なニーズで、節約志向のなかでも夏のレジャーはやっぱり外せないというところだろう。もうひとつはGW非外出者から出始めている離脱の傾向で、連休にクルマを使わなかった経験が、クルマの保有そのものを問い直す機会になっているようにも見える。
リセバ総研では引き続き、アンケート調査でクルマと生活者の接続点を追っていく予定だ。
調査名:GWドライブとクルマとの向き合い方に関する意識調査
調査時期:2026年5月18日
調査方法:インターネットリサーチ(サーベロイド)
調査対象:全国の20歳〜59歳の男女(運転免許保有者)
有効回答数:432名(男性216名、女性216名)
調査主体:株式会社IDOM リセールバリュー総合研究所
