最新の中古車市場と相場情報をプロから学ぶ 中古車のプロに聞いてみた(第20回):変化した中古車市場で人気のカテゴリー

【中古車相場のプロ】〝OKB〟

中古車マーチャンダイジング部門管理職

大学生時代は自動車研究部でジムカーナや耐久レースに没頭し、2009年入社に旧ガリバーインターナショナル(現IDOM)入社。 ガリバーの店舗で営業職を2年経験した後、本社に異動。電話によるクルマ買取サービスを2年担当する。その後、マーチャンダイジング部門で中古車買取価格の設計、オークションでの売却担当などを歴任。 現在はマーチャンダイジング部門の管理責任者として、中古車の仕入れや商品構成の設計を統括する。お客様のご来店を促進させる在庫構成を設計する、中古車のスペシャリストだ。

リセバ総研所長 床尾一法

リセールバリュー総合研究所 管理運営者

中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。

※当記事のインタビューは2026年4月上旬に行われています。

※当記事の内容は、各担当者の経験に基づく主観的な感想や予想を中心とした個人の見解です。

<<第19回 最新中古車市場 第21回>>

「高性能な軽はいらない!」低価格帯の中古軽自動車が人気に

  • リセバ総研所長 床尾一法

    前回の続き

    国内需要の話ですが、軽自動車の国内需要はまだまだ強いですね、ご時世もあって。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    1−3月の軽自動車販売は好調でしたね、相当なもので。

    なかでも低価格の在庫に人気が集まっていた印象です。

    これまではN-BOXやタントのようなスライドドアの比較的新しいモデルが売れていましたけど、最近は平成25年(2013年)式から平成30年(2018年)式あたりの、価格にすると30万円〜50万円くらいの在庫が売れています。

経年(年落ち)を固定して軽自動車の平均売却予想額(買取相場)を比較
期間比較:2025年1月1日(水)〜2025年3月31日(月) vs 2026年1月1日(木)〜2026年3月31日(火) 当期間査定件数
軽自動車の平均売却予想額 35,619 件
経年 年式 前期間
2025年1月1日〜2025年3月31日
年式 当期間
2026年1月1日〜2026年3月31日
比較
当年式 2025年式
¥1,569,142
2026年式
¥1,449,615
▼ 92%
1年落ち 2024年式
¥1,449,909
2025年式
¥1,463,862
▶ 101%
2年落ち 2023年式
¥1,298,813
2024年式
¥1,359,574
▲ 105%
3年落ち 2022年式
¥1,216,722
2023年式
¥1,211,044
▶ 100%
4年落ち 2021年式
¥1,075,548
2022年式
¥1,101,280
▲ 102%
5年落ち 2020年式
¥945,298
2021年式
¥981,022
▲ 104%
6年落ち 2019年式
¥809,644
2020年式
¥860,475
▲ 106%
7年落ち 2018年式
¥686,186
2019年式
¥745,357
▲ 109%
8年落ち 2017年式
¥548,260
2018年式
¥625,269
▲ 114%
9年落ち 2016年式
¥442,510
2017年式
¥471,148
▲ 106%
10年落ち 2015年式
¥385,328
2016年式
¥411,924
▲ 107%
11年落ち 2014年式
¥267,578
2015年式
¥304,471
▲ 114%
12年落ち 2013年式
¥204,963
2014年式
¥251,069
▲ 122%
13年落ち 2012年式
¥146,942
2013年式
¥165,424
▲ 113%
14年落ち 2011年式
¥134,078
2012年式
¥150,999
▲ 113%
15年落ち 2010年式
¥91,055
2011年式
¥110,807
▲ 122%
16年落ち以上 2010年式以前
¥90,098
2011年式以前
¥99,879
▲ 111%
表は中古車販売の相場ではなく、経年を固定した平均売却予想額(買取相場)の第1四半期の比較だが、〝OKB〟の所感を裏付けるかのように、低年式の買取相場が上昇している。
  • リセバ総研所長 床尾一法

    昨年の対談でもその話は出ていましたが、しかしそこまで低年式までシフトしてますか。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    軽自動車は性能がどんどんよくなり、新車価格もどんどん上がっています。

    登録車のコンパクトカーに近いですよね。

    でも逆に「そこまでの性能、いらなくない?」となっている方も結構いらっしゃるんです。高度な運転支援機能はいらないし、スマホやタブレットがあれば大型ディスプレイの最新ナビも必要ないと。

    それよりも、移動手段として安く買いたいという意向のようですね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    国産登録車に目を向けると、品質と価格のバランスが良い200万円台の中古車在庫は輸出にどんどん出ていってしまっているという話は以前からしていますが、市場の飽和やホルムズ海峡の影響でもこの状況は変わっていないでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    若干流れが変わってきているとは思いますが、まだまだ輸出需要が勝るゾーンですね。

    ただ、流通の停滞で輸出が落ち込んだりして相場が下落すると、国内でも買いやすくなってくるのではないでしょうか。

    それと先ほどの話に出たように、国内市場で安価な軽自動車が強いことを考えると、コンパクトカーの需要は伸びないのではないかと予測しています。

    日産 ノートあたりはレンタカーやリースで使用されてきた中古車が4月から市場に放出される気配があるので、国産登録車のコンパクトカー市場はさらに飽和する可能性があります。

買取査定件数からコンパクトカーの動向を見る
コンパクトカーの査定件数
経年2021年2022年2023年2024年2025年
全査定
すべての年式
426,944件 429,366件 453,449件 494,931件 496,714件
コンパクトカー
すべての年式
75,294件 73,148件 75,259件 80,904件 79,340件
当年式 328件 348件 459件 355件 373件
1年落ち 1,121件 1,187件 1,315件 1,395件 1,057件
2年落ち 2,612件 1,938件 1,974件 2,208件 2,036件
3年落ち 3,911件 3,168件 2,635件 2,781件 2,593件
4年落ち 4,212件 4,095件 3,804件 3,091件 2,981件
5年落ち 4,902件 4,985件 5,209件 4,820件 3,706件
6年落ち 4,871件 4,155件 5,087件 5,348件 4,255件
7年落ち 6,790件 5,339件 5,379件 6,281件 5,878件
8年落ち 6,921件 6,504件 5,753件 5,697件 6,084件
9年落ち 8,110件 7,593件 7,605件 6,817件 6,371件
10年落ち 4,897件 6,790件 6,999件 7,417件 6,399件
11年落ち 5,778件 5,450件 7,741件 8,812件 8,249件
12年落ち 3,936件 4,145件 4,151件 6,773件 6,733件
13年落ち 4,851件 4,716件 4,677件 5,106件 7,515件
14年落ち 2,994件 3,233件 2,895件 3,180件 3,205件
15年落ち 3,318件 3,280件 3,271件 3,475件 3,742件
16年落ち以上 5,742件 6,222件 6,305件 7,346件 8,163件
16年落ち未満の割合 92% 91% 92% 91% 90%
16年落ち以上の割合 8% 9% 8% 9% 10%
こちらの表も中古車販売の相場ではなく買取査定件数だが、コンパクトカーのシェアは下がり続け、経年も老い続けている。
  • リセバ総研所長 床尾一法

    高年式の中古車が大量に流通するようになって、相場が大きく変動する可能性があるということですよね。

    引き合いが弱くなった高価格帯のクルマが下落する要因が増すという。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうなっていくと考えられますね。

    新車販売もそれほど好調ではなさそうなので、なおさらだと思います。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    こういう状況だと、高年式の軽自動車を売るつもりだった方は売り時を逃してしまったかもしれませんね。最近の軽自動車は長く乗られる傾向もあるので、高値売却が全てというわけでもないでしょうが。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    いやー、イロイロな要因が重なって相場は激しく上下するので、これからまた何かが起きて相場が急騰する可能性だってあるかもしれませんよ、

    といっても、判断材料がないので現時点では何もわからないですけど。

なぜ先代フォレスターは海外で強いのか

  • リセバ総研所長 床尾一法

    次はSUVの市場動向についてお聞きします。

    スバルのフォレスターは以前からロシア市場で人気でしたが、ハイブリッド車の輸出規制もあって特に先代モデルのガソリン車が人気でした。

    2025年12月にはロシア税制改正で輸出環境も変わりましたが、最近の相場の動向はいかがですか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    1.8リッターか2.0リッターのガソリン車が強いですが、広く輸出という視点で見ると1.8リッターのハイブリッド車も強いですよ。

    2.5リッターのガソリン車はなかなか流通してこないですね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    以前の記事でホンダのCR-V、トヨタのRAV4、そしてスバルのフォレスターで相場価格の比較をしてみたのですが、流通台数に違いはあるもののフォレスターの相場価格が下がってきていました。

    やはりロシアの税制による影響でしょうかね?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    すんません、話は逸れますが・・・

    比較対象のCR-Vで選んだグレードが「EXマスターピース」というところ、なかなかいい目の付け所です(笑)

  • リセバ総研所長 床尾一法

    集計対照として流通量と査定件数を鑑みてこのグレードにしただけですが(笑)

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    めちゃくちゃいいクルマですよ。

    ハイブリッドの「EXマスターピース」は。

    最上位モデルで装備がとても充実している。今までは輸出需要の影響で相場価格が高かったのですが、今後下落していく可能性のあるクルマで、恐らく200万円を切ってくるでしょう。

    フォレスターやRAV4の高級グレードは同じ価格帯で買えないので、中古車のコスパはとてもいいですよ。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    それは相場情報を深堀りしてみたいですね。

    それで話を戻して・・・

    日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞した現行のフォレスターですが、中古車は(前モデル同様に)海外でも人気になるでしょうかね?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    どうでしょうねぇ・・・私個人はそれほど需要は伸びないんじゃないかなと。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    私も同意見ですね。

    ハイブリッドになって性能は向上したのですが、価格も上がったので(安価な中古車を求める)海外からの需要は伸びないんじゃないかと。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうですね。

    実は日本から輸出する理由が正直ないというのもあって。

    スバルは海外でもフォレスターを生産しているので、現地生産のクルマを買うと思うんです。あえて日本から輸入して乗りたいという人は、新型じゃなくて旧モデルのフォレスターを安く買いたいという意向だったり、あえて日本仕様のクルマを買いたいという意向が強いんですね。

    日本人が左ハンドルの輸入車に乗るときに考えることと同じ嗜好です。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    現状はロシア市場の影響を受けてフォレスターの相場価格は下落しているように見えますが、それでも広く輸出の観点で見ると、引き合いはまだまだ強いんでしょうね。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうですね。いずれまた相場価格は上がっていくと思います。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    そのロシア市場ですが、今後どのようなクルマの需要が上がってくるでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    ロシアではやはりというか4WDが圧倒的に人気ですから、ガソリン車の4WDが設定された車種はほぼ網羅されていると思います。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    もう特定の車種というよりは、輸出が可能な4WD車ならば需要はあると?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    ロシアはいま自国でクルマを生産することがほぼできませんから、需要は高い状態が続くでしょう。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ちなみに、その(経済制裁の要因になった)ロシアとウクライナの紛争でもそうでしたし、今度の中東情勢の緊迫も影響して、原油価格の高騰が相次いで起きていて、ガソリン価格も高騰を繰り返しています。

    こうした状況は中古車選びにやはり強く影響してきていますでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    当然、影響は出てきていますね。

    クルマを所有するコストって高騰しているわけですし、車両価格も上がってきています。

    ガソリン価格も高騰している中で(まもなく)税金も支払わなければならない時期もやってくる。

    そうしたなかでどうやってコストを削るかというと、ランニングコスト=燃油代になっていくことになります。結果的にハイブリッド車を選んだり、ディーゼルエンジンのクルマを選んだりという方向性になっていくのではないかなと考えてます。

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