自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が決めた! プチ神コスパ中古車:レクサス ESは「買い」だ!たった3年で3割超オフの高級セダンが欲しくなる3つの理由

レクサスのラグジュアリーセダン「ES」は2026年6月にフルモデルチェンジしたが、旧モデルとなった先代10系の中古車が買いだ。値引きゼロ戦略で高いリセールバリューを誇るレクサスながら、2023年式ES300h Fスポーツの中古車相場は新車価格比で約64~81%。3年落ちで最大3割超オフという水準にまで下がっている。

快適性にこだわったESの実力から、人気SUV・NXとのリセールバリュー比較、相場が下がった理由、買いたくなる3つの良いところ、中古車選びの注意点、お勧めグレードと年式、改良の歴史、スペックまでを専門家の視点で解説する。2026年6月に新型ES(20系)が登場し、旧型となった10系ESが「今、中古車で買うべき1台」である理由をみていこう。

目次

レクサス ES(先代10系)ってどんなクルマ?

グローバルで7代目となるレクサスES(10系)は、2018年10月に登場した。この7代目ESから、最新の中型前輪駆動用GA-Kプラットフォームが採用され、走りの質も大幅に向上している。基本的なメカニズムはトヨタ カムリとほぼ同じで、2.5Lハイブリッドシステムなどを共通化。ESはハイブリッド車のみの設定で、全車前輪駆動(FF)だ。燃費性能は2020年8月の改良モデルから22.3km/L(WLTCモード)へと向上し、今でもクラストップレベルの低燃費性能を維持している。

ESは、北米をメインターゲットとしたラグジュアリーセダン。全長4,975mmと大きなボディサイズをもつ。この大きなボディをよりスタイリッシュに魅せているのが、レクサス独自のスピンドルグリルだ。鋭利に折り返すフレームと、波紋のように連続する縦フィン形状のグリルメッシュを組み合わせ、ESのシャープなノーズを強調。さらに、小型の3眼LEDヘッドランプが、睨みの効いた迫力あるフェイスを生み出している。

とにかく快適性にこだわったラグジュアリーセダンがES

ESのホイールベースは2,870mm。同じGA-Kプラットフォームを使うカムリより45mm長い仕様となっていることもあり、後席はとくに広い。後席に大切な人を乗せる機会が多い人に向くセダンだ。

こうした広い室内の魅力をさらに高めるため、快適性にもこだわった。「スウィングバルブショックアブソーバー」を当時世界で初めて採用。このショックアブソーバーにより、低速域から高速域まで快適な乗り心地を得ている。高い静粛性も備え、まさにラグジュアリーセダンといえる快適空間に仕上げられている。

加えて、乗り心地とラグジュアリーさを重視したバージョンL、スポーティなテイストをプラスしたFスポーツという2つの個性を用意。好みによって選択できる。

そして、先進性でも注目を浴びた。量産車として世界初のデジタルアウターミラーを採用。ドアミラーの代わりに小型カメラを設置し、その映像をフロントピラー部に設置された5インチディスプレイに表示する。装着率こそそれほど高くなかったが、ESを象徴する先進装備だった。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ESの美点は、とにかく後席が快適なこと。

    カムリより45mm長いホイールベースは、そのまま後席の広さになっているのだ。

    低・中速域での乗り心地はデビュー当時、フラッグシップのLSをも超えていたほど。大切な人を後席に乗せる機会が多い人には、これほど向くセダンはないだろう。

レクサス ES(先代10系)Fスポーツの中古車相場を確認してコスパチェック

レクサス車は、新車購入時に値引きゼロ戦略をとっている。この戦略と、高い人気を背景としたブランド力により、多くの車種が高いリセールバリューを誇っている。人気のSUVは、とくに高い。

とはいえ、最近は徐々に例外が出てきている。それがセダン系だ。すでに神コスパ中古車では、フラッグシップセダンであるLSを紹介した。その低リセールバリュー傾向の流れが、徐々にレクサスのセダン全体に広がってきている。中古車流通量の少ないESでさえ、セダン不人気の流れを受け、リセールバリューが安価傾向になってきた。神コスパまではいかないものの、プチ神コスパレベル。ブランド力のあるレクサス車としては、かなりリーズナブルな中古車相場になっている。優れた高級車が安価に買える大チャンスだ。

レクサスES(先代10系)の新車価格と中古車価格を比較

ここで、主力グレードである「ES300h Fスポーツ」の価格を見てみよう。

レクサスES300h(10系)Fスポーツ価格
新車価格(2023年当時)約654万円
中古車相場(2023年式)
※中古車情報メディア調べ 2026年8月時点
約420~530万円
新車と中古車の価格比約64~81%

レクサス ESの新車価格に対する中古車価格比は、わずか3年落ち(2026年比)で約64~81%にまで落ちている。中古車相場が高値水準にある中、ここまで下がっている車両は数少ない。高年式中古車なのに、買い得感タップリの中古車価格になっているのだ。

レクサス NX(20系)350h Fスポーツと比較

このレクサス ES(先代10系)と同等価格帯で、人気SUVであるNX 350h Fスポーツと比べてみよう。

レクサスNX350h(20系)Fスポーツ(FF)価格
新車価格(2023年当時)約618万円
中古車相場(2023年式)
※中古車情報メディア調べ 2026年8月時点
約560~630万円
新車と中古車の価格比約91~102%

NXの新車価格比は約91~102%。ESより約20%以上も高く、新車価格を超える値付けの中古車すら存在する。さすが、レクサスの人気SUVといったところだ。リセールバリューはほぼ新車価格比に比例するので、いかにESの中古車に買い得感があるかが分かる。

レクサス ES(先代10系)が「プチ神コスパ」な中古車となるワケ、それは・・・

中古車相場は、需要(輸出も含む)と供給のバランスによって決まる。新車時の人気も影響するが、それだけではない。クルマの性能とも関連はない。つまり、ある車種の中古車が欲しいという人がたくさんいるのに、中古車の供給が少ない場合に中古車相場はアップ。中古車相場が下がるのは、その逆となる。

ESのリセールバリューが下がっている主な要因は、以下の通りだ。

不人気のセダンセダン需要そのものが縮小。不人気=需要が少ないという状況になっている。
新型ES(20系)の登場2026年6月に8代目ES(20系)が発売され、10系は旧型となった。人気低下をマーケットが先に織り込み、相場を下げた。
下取り車の流入新型への乗り換えで下取りに入った10系が中古車マーケットに流入。供給過多となり、相場をさらに押し下げる可能性が高い。

ひとつ目は、やはり不人気のセダンであること。不人気=需要が少ないという状況になる。

二つ目は、フルモデルチェンジだ。10系ESは2026年春に受注を終了し、同年6月には新型ES(20系)が発売された。新型の登場が決まった段階で、旧型となる10系の人気がさらに下がり需要が減ることをマーケットが見込み、中古車相場は先行して下がったと考えられる。その上で、新型ESへの乗り換えで下取りに入った10系が中古車マーケットに流入。供給過多になり、さらに中古車相場を下げる可能性が高い。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    不人気=ダメなクルマ、ではないのだ。

    ESの完成度は高いのに、セダン不人気と新型登場が重なって相場が下がっただけ。

    下取り車の流入で相場がもう一段下がる可能性もあるが、流通量の少ないESで程度のいい高年式車に出会えたら、それが買い時だろう。

プチ神コスパ中古車「レクサス ES(先代10系)」を買いたくなる3つの良いところ

良いところ1:スピンドルグリルを核とした精悍さとエレガントさを兼ね備えるデザイン

この世代のレクサス車は、ユニークなデザインが際立ってきた。ESも同様で、レクサス車を象徴するスピンドルグリルは、フロントフェイスの半分以上の面積を占めるほど。しかも、スピンドルグリルのデザインは、オブジェのような波紋形状が連続する縦フィンタイプ。見事なほどに、華麗なラグジュアリーセダンを表現している。

加えて、シャープな3眼LEDヘッドランプは、華麗さの中に精悍さをプラス。彫りの深い複雑な造形で、レクサスの生産技術の高さを感じさせる。

良いところ2:デカいのに超低燃費

ESには、直4 2.5Lハイブリッドシステムのみが搭載されている。2018年デビュー時の燃費は20.6km/L(WLTCモード)。2020年8月の改良で、ハイブリッドバッテリーをニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変更し、燃費値を22.3km/L(WLTCモード)へと向上させた。全長4,975mmという大型ボディをもつセダンながら、この低燃費性能は驚異的だ。さらに、システム最高出力は218psと十分なレベルにある。

良いところ3:当時、レクサス車最良ともいわれた乗り心地と静粛性

ESは、ラグジュアリーセダンとして乗り心地と静粛性にこだわった。デビュー時は、ランフラットタイヤなどにより乗り心地面で苦しんでいたフラッグシップセダンのLSをも超える乗り心地を手に入れていたほどだ。とくに、低・中速域での乗り心地はとても快適。低・中速域メインの日本に合う仕様ともいえる。

静粛性では、徹底した風洞実験による車体形状、吸音材・遮音材の最適配置のほか、ノイズリダクションホイールや遮音性の高いアコースティックガラスを採用。フラッグシップセダンLSで培った技術を継承し、日本人好みの優れた静粛性を実現している。

レクサス ES(先代10系)中古車を選ぶときに気をつけるべき2つの注意点

注意点1:小回りは苦手なので注意

人気グレードのFスポーツの装着ホイールは19インチ。バージョンLは18インチホイールを履く。ES中古車の場合、この2グレードが大半を占める。この2グレードの最小回転半径は、なんと5.9m! ホイールベースが3mもある大型ミニバンのアルファード&ヴェルファイア並みだ。狭い駐車場の出し入れや、狭い道を頻繫に使う人だと少々扱いにくいので注意が必要だ。

注意点2:デジタルアウターミラーは要チェック

先進的なデジタルアウターミラーは、しっかりとチェックしたい。まず、好みに合うかどうかだ。デジタルアウターミラーは、ドアミラーの代わりに小型カメラを設置したもの。その映像をフロントピラー部に設置された5インチディスプレイで確認できる。このディスプレイに映る映像が、ドライバーにより見やすいか見やすくないかという差が起きやすい。見やすくないと思うのであれば、避けた方がよい。加えて、加齢により目の老化が進んでいると、ピントが合わないなど視認性でマイナスになるケースもある。実際に試乗するなどして、確認することをお勧めする。

さらに、安価な装備ではないので、機能面では画面に欠けがないかなど、シッカリと映っているかを確認したい。

レクサス ES(先代10系)の中古車はどのグレードと年式を買うべき?答えは「好みによって異なる」

「バージョンL」か「Fスポーツ」か、選択はキャラクター次第

ESのグレード体系は、特別仕様車を除き、基準車となる「ES300h」、ラグジュアリー仕様の「ES300hバージョンL」、スポーティ仕様の「ES300h Fスポーツ」という3グレード体系。実際の中古車マーケットでは「バージョンL」と「Fスポーツ」が大半を占めているので、ほぼ2択という状況だ。

この2択は、購入者の好みによる部分が大きい。というのも、バージョンLとFスポーツではキャラがまったく違うからだ。バージョンLは、ESのラグジュアリーセダンとしての価値を明確化したグレード。内装はラグジュアリー仕様で、乗り心地重視の仕様となっている。ラグジュアリーな空間と乗り心地への優先順位が高い人には、バージョンLがお勧めだ。

一方、とにかくスポーティ仕様が好きな人にお勧めなのがFスポーツ。スポーティな内外装に19インチホイール、年式にもよるがサスペンションの減衰力を変えることができるAVSを装備。ややスポーティな走りが楽しめる仕様となっている。マーケットではFスポーツの人気がやや高い傾向にあり、リセールバリューもやや高めだ。

お勧めの年式は多岐にわたり深化した2021年8月改良後のモデル

年式は、予算にもよるが、2021年8月の改良後モデルがベスト。この改良は多岐にわたり、総合力がアップした。まず、ESらしさの象徴である静粛性と乗り心地の向上。リヤサスペンションメンバーブレースを1枚板による構造から2枚の板を合わせた構造に変更し、剛性をアップ。とくに、ねじりや曲げに対する剛性を高めたことで、乗り心地と操縦安定性を向上させている。そして、Fスポーツには当時最新鋭のリニアソレノイド式AVSを採用。減衰力可変タイプのショックアブソーバーとすることで、スポーティな走りと乗り心地の良さを両立した。

内外装デザインは、新デザインのスピンドルグリルや3眼ヘッドライトを採用。インテリアは、マルチメディアシステムをタッチディスプレイ化し、内装マテリアルの質も向上させた。

その上で、重要な予防安全装備「レクサスセーフティシステム+」も最新仕様にアップデート。交差点右折時の対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になり、衝突回避または被害軽減が可能となった。さらに、ドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や、低速時の事故予防をサポートする低速時加速抑制などの機能を追加している。

この2021年8月改良後モデルの中古車の中で、Fスポーツではパーキングサポートブレーキ[PKSB]後方歩行者、パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)、ハンズフリーパワートランクリッド、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)の装着車であれば、さらにお勧め。これらの装備は、バージョンLでは標準装備されている。Fスポーツは少々オプション設定が多いので、オプションフル装備仕様の車両がお勧めとなる。

Fスポーツ&バージョンL共通で、装備されていればさらにお勧めなメーカーオプションは、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステムだ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    グレード選びに正解はない。

    ラグジュアリーな空間と乗り心地を求めるならバージョンL、スポーティさが欲しいならFスポーツと、素直に好みで選べばいいのだ。

    とはいえ、年式だけは譲れない。2021年8月改良後モデルは、乗り心地も安全装備も別モノといえるほど進化しているので、多少高くてもこちらを狙いたい。

お勧めグレード、年式、装備まとめ

★お勧めのグレード
好みで選ぶ。ラグジュアリー&乗り心地重視なら「ES300h バージョンL」、スポーティ重視なら「ES300h Fスポーツ」

★お勧めの年式
2021年8月改良後モデル

★「Fスポーツ」を選ぶなら欲しい装備
パーキングサポートブレーキ[PKSB]後方歩行者、パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)、ハンズフリーパワートランクリッド、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)

★共通のお勧めメーカーオプション
マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム

レクサス ES(先代10系)新車価格(2022年7月改良時)

グレード(全車FF)新車価格(税込)
ES300h6,020,000円
ES300h Fスポーツ6,540,000円
ES300h バージョンL7,180,000円
特別仕様車 ES300h “Graceful Escort”7,280,000円
※2022年7月一部改良時のメーカー希望小売価格

レクサス ES(先代10系)燃費やボディサイズなどスペック

代表グレードES300h Fスポーツ(FF)
ボディサイズ[mm]全長4,975×全幅1,865×全高1,445
ホイールベース[mm]2,870
車両重量[kg]1,710
最小回転半径[m]5.9
定員[名]5
駆動方式FF(前輪駆動)
エンジン型式A25A-FXS型 直列4気筒DOHC
総排気量[cc]2,487
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm]131(178)/5,700
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]221(22.5)/3,600-5,200
システム最高出力[ps]218
駆動用バッテリー種類リチウムイオン電池
使用燃料レギュラーガソリン
燃料消費率WLTCモード[km/L]22.3
タイヤサイズ前後235/40R19
サスペンション前/後ストラット/ダブルウィッシュボーン