自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が今年発売された新車をバッサリ斬る! 【2024年新車総括】自動車情報のプロが2024年に発売された新型車を本音で評価!

2024年もあと僅か、今年もさまざまな新車が発売されました。ワタクシ編集部YAは自動車業界に触れるのも初めてなので、メーカーや車種、専門用語を覚えるのにも必死でした。
そういえば、2024年に発売された新型車は、それぞれいつ頃発売されたんでしたっけ?それぞれどんな特徴があったんだろう?クルマに詳しい方から見て、各車種にどんな良いところや気になるところがあったのだろうか?
というわけで、もうすぐ大晦日。新年を迎える前に、CORISMの大岡編集長の本音トークで新型車の特徴を語ってもらいながら、2024年に発売されたクルマたちを振り返ってみましょう!

【リセバ総研編集部員】YA

リセールバリュー総合研究所 編集部員

主に記事の執筆・編集・取材などを担当している。書籍の編集プロダクション、雑誌の編集プロダクション、バラエティ雑貨メーカー、PR会社などを転々と渡り歩き、様々なジャンルのコンテンツを制作してきた。クルマよりも電車が身近な東京都23区で生まれ育ってきたため、クルマについては現在勉強中。割とガジェット好きな一面があり、某フリマアプリで売買を繰り返しては、色々なガジェットを試している。

【自動車情報のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

2024年2月15日 三菱 新型ピックアップトラック「トライトン」発売

三菱 トライトン
  • 【リセバ総研編集部員】YA

    それでは2024年の新型車を振り返る、一発目は大きなピックアップトラックです。日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーにも選ばれました。

三菱 トライトンの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    トライトンは、トラックと同じように「ラダーフレーム」というプラットフォームを使用して作られている。

    ラダーフレームは頑丈ではあるものの、どうしても乗り心地が悪くなったり車体が重くなりがちであったりするが、このトライトンに関してはトラックっぽくなくて乗り心地が良いのでビックリした。

    これまでピックアップトラックはウルサくて隣の人と会話をするのが億劫になるレベル、という印象があったが、トライトンに関しては遮音性も高くなっており、普通のSUVに近づいているという印象。

三菱 トライトンのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    まぁピックアップトラックなので仕方ないが、とにかくデカい。

    全長5320mm以上、全幅1865mm以上という巨体は、どうしても日本の交通事情を考えると辛い。停められる場所も限られる。
    コンビニの駐車場に入れても、他のSUVと比較すると、頭一つ分出てしまう。

    そして快適性がSUVに近づいてきているとはいえ、今までの一般的なSUVに比べてしまうと、どうしても乗り心地や静粛性の面では勝てない。

    これらの点から、イメージ先行で「SUVが欲しい」層が安易に購入すると、使い勝手や乗り心地、静粛性などが想像とは違って、後々後悔する、なんてことになるかもしれない。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    都市部では駐車場を借りるのも大変そうですよね。

    でも、大陸を感じさせるスタイルがいいですね。

2024年3月1日 BMW「MINI クーパー」発売

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    ご存知、かわいくおしゃれなクルマの定番ですね。

    こちらも日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーに選ばれました。

MINI クーパーの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    デザイン全体はMINIらしさを残しながらも、インパネのデザインは(これまでのモデルと比べて)結構雰囲気が変わっている。

    そのへんは斬新でありながらも、MINIシリーズとして守るべきものは守っている印象を受ける。
    MINIのインパネのデザインの特徴である、真ん中に大きくて丸いお盆のようなモニターも、新型に引き継がれている。

    また、長年MINIで採用されてきたトグルスイッチなど、古くから取り入れられている要素は残しつつ、周りは結構新しくなっている。

    そして、今回はEVが追加されたが、相変わらずゴーカートみたいにキュンキュン走る「ゴーカートフィール」も健在。

    走行性能面では、BEV(バッテリー電気自動車)の方が好み。

    内装には再生ポリエステル糸を使用した高品質のニット素材を採用するなど、サステナビリティ面でも高く評価できる。

MINI クーパーのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    斬新なインテリアデザインなのはよいが、少しインテリアの質感は低いように思う。

    素材感が少しチープというか、プラスチッキーな印象を受ける。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    インパネが斬新ですね、ガジェット感も満載で。

    ゴーカートフィール!?いちど味わっていみたいです。

2024年3月22日 ホンダ インド生産の新型SUV「WR-V」発売

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    リセバ総研で2024年にもっとも注目を集めた記事が、大岡さんが執筆したこのホンダ WR-Vの試乗記でした。

ホンダ WR-Vの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    ずばり、サイズ感の割に安い。これに尽きる。

    コンパクトSUVとしては大きめなのに、その割に値段が安いのは魅力的。

ホンダ WR-Vのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    おしいなぁと感じたのは、最近はほとんどお目にかからない手引きのサイドブレーキ。最近は軽自動車でも、電子制御パーキングブレーキを装備しているのに・・・

    他にも、各所でコストダウンの影響がやたらと目立つ。「アジア向けに、なるべく安く作った」のがよくわかる。

    運転支援機能である前走車に追従して走行するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)も、コストダウンの影響を受けている。
    電子制御パーキングブレーキの装備を見送ったことで停止維持ができないため、車速が25km/h未満になったときに機能が自動でオフになる。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    高めな軽ハイトワゴンと差がないぐらいの価格帯で話題を集めましたが、それが最大にして唯一の特徴・・・といったところですかね?

2024年6月28日 ホンダ 新型「フリード」発売(2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞)

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    2024年の主役、と言ってもいいかもしれませんね。

    ミニバンで初めて名誉ある賞を受賞しました。

ホンダ フリードの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したベストカー。

    先代のプラットフォームを使いながら、快適な乗り心地など走りの質感が、より熟成された。

    また、不具合が多発した従来のハイブリッドシステムは、この新型から「e:HEV」という新しい仕組みのハイブリッドに代わり、燃費性も向上。

    塊感のあるデザインも魅力的。

ホンダ フリードのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    欠点らしい欠点は、とくに見当たらない。

    クルマをツールとして考えている人々には、いい買い物ではないかと個人的に思う。

    さすが、日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれただけのことはある。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    ソツのなさスキのなさが受賞の要因でしょうか。

    塊感と可愛らしさを演出したデザインも好感が持てますね、リセバ総研の所長も欲しがっていました。

2024年9月20日 スズキ SUVテイストのハイトワゴン 新型「スペーシア ギア」発売

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    アウトドアテイストを演出するハイトワゴンの元祖。

    今では他社からも同様のテイストのクルマがたくさん発売されています。

スズキ スペーシア ギアの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    先代のキープコンセプトって感じのクルマ。

    生活感がある印象のスーパーハイト系両側スライド車の中でも、アウトドア要素もあって個性を感じられる。遊び心のあるデザインが好印象。

    「どこか行きたくなる」ような気持ちにさせてくれるクルマ。

    基本的なスペックは、現行のスペーシアとほぼ同じ。

    なので、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」(自動ブレーキ・広角カメラ・単眼カメラ)が装備されていている。
    安心感もあるし、運転機能に関しても充実している。軽自動車の中では、装備含めて、かなりおすすめできる。

スズキ スペーシア ギアのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    乗り心地が硬い。

    最近のスズキの足回りは「クルマをロールさせない(大きく傾けさせない)」傾向だが、路面の凹凸が大きい道を低速で走っていると、ちょっとゴツゴツした突き上げ感がある。まぁ、ある程度速度を上げると、少し落ち着きはするのだけど・・・。

  • リセバ総研所長

    スペーシアギアには思いい入れが強い私も割り込んで・・・

    現行のスペーシア共通に言えることですが、個人的にはホンダ N-BOXに似たCピラーのデザインになってしまったのが少し残念。

    先代スペーシアギア(MK53S型)のサイドシルエットは、ドアサッシのボディカラーと屋根色とつながる黒いCピラーのコントラストがピックアップ風に見えていました(私だけかもしれませんが)。ルーフレールと相まって、道具っぽいかっこよさとディフォルメされた可愛らしさが融合していたデザインだと解釈しています。

    現行型のスペーシアギアは、デザイン面での他車との差別化要素が減少してしまったように(個人的には)思えます。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    わ、ご贔屓なクルマだからって、割り込んでこないでください所長。

    ちなみに編集部YAも所長も、あくまで個人の主観による意見として語っていますので、念の為。

2024年10月16日 スズキ インド生産の新型コンパクトSUV「フロンクス」発売

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    2024年の後半にもまたまたインド生産のクルマが話題になりましたね。こちらも日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーに選ばれました。

    世間での評判も販売台数も上々のようですが、早くもリコールが出ましたね。

スズキ フロンクスの良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    同じくインドで生産される、ホンダ WR-Vと対局にあるクルマ。
    WR-Vは「なるべく安く、コンパクトSUVを売ろう」
    としている、いわゆるコストパフォーマンス特化型のクルマ。

    WR-Vと同じくインドで販売されているスズキ フロンクスは日本市場への導入にあたり、日本人を満足させるための「日本専用装備」がてんこ盛りになっているのが大きな特長。

    たとえば、電子制御パーキングブレーキであったり、マイルドハイブリッドを日本専用に用意している。

    インド仕様にはない4WDを日本専用に採用したりと、日本人の所有欲を満足させるような装備が盛りだくさん。「安くて良いクルマを作ろう」という意識が高いクルマに仕上がっている。

    また、サイズが全幅1765mmと小さめなので、幅が狭めの昔のマンションの立体駐車場にもSUVを入れられる。

    加えて、最小回転半径が4.8m。

    このクラスではトップクラスの小回りの利き方をしている。この最小回転半径を重視して、ライバル車と比べると少し小さい16インチホイールになった。

    デザインもよい。良くも悪くもスズキらしくなくて、お金がかかっている。テールランプも立体的に発光する凝ったデザインのLEDコンビネーションランプ。

    スズキ史上で一番デザインのコストがかかっているかも?

スズキ フロンクスのちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    とくに、大きな懸念点は見つからない。

    電動アシストのマイルドハイブリッドのみで、モーターのみでも走ることができるストロングハイブリッドがないところぐらい。

    ちなみに、室内の後席の頭上部分は少々タイト。

    足元自体は広いが、屋根がクーペ状で後ろに下がっている。とくに、身長が180cm以上ある方は窮屈に感じると思う。

    とはいえ、その部分を変更すると、今のデザインバランスは保てないだろう。難しいところだ。

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    所長がめちゃくちゃ欲しがっていました。デザインとコンパクトな取り回しが気に入ったようです(試乗したわけでもないのに)。

スズキ フロンクスのリセールバリューはこちらをチェック!

2024年10月10日 マツダ 3列シートのSUV「CX-80」発売

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    マツダの「魂動デザイン」にまた新しい数字が加わりました。早くCXシリーズの記事を更新しないといけませんね。

    こちらも日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーに選ばれています。

マツダ CX-80の良いところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    CX-60のロングホイールバージョン。

    SUVで3列シートになっていて、かつ高級感がある点が特徴。

    基本的なメカニズム面も、CX-60とほぼ共通。走行性能面では、ロングツアラー系な乗り味。デザインについては、マツダ車全般に言えることではあるが、質感が高くてお洒落だ。

    また、エンジンの選択肢も多いプラグインハイブリッド車(PHEV)もあれば、ディーゼルターボのマイルドハイブリッドディーゼルターボなどがある。

    そして、後輪駆動ベースのプラットフォームなので、走りが楽しい。走り出すと、ボディの大きさを感じさせず軽快で気持ちよく走れる。

マツダ CX-80のちょっと気になるところは?

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    CX-80では、CX-60で発生したリコール部分など、物足りない所が随分改善された。

    ただ、「もう少し、詰めが足りないかな」という印象

    たとえば、低速でストップ&ゴーを繰り返すと、ミッションがギクシャクしたような動き、グレードによってサスペンションが少し硬めで少しはね気味になる点など、気になる部分がいくつか見られる。

    マツダは、毎年改良を加えて熟成させていくメーカーなので、今後の進化に期待したい。

     

  • 【リセバ総研編集部員】YA

    選べるエンジンのラインナップが多いですね。マツダらしい今後の熟成にも期待です。

    2025年には「5」の刷新に関するウワサ話も流れていますが、はたして?

まとめ

というわけで、2024年に発売されたクルマをCORISM大岡編集長と振り返ってみました。今後、これらのクルマが中古車業界でどのくらいのリセールバリューを保っていくのか、注目していきたいですね。
編集部YAはコレで仕事納め、2025年のクルマ業界は一体どんな年になるでしょうか?みなさまも良いお年をお過ごしくださいませ!