リユース市場探訪 中古車と中古ブランド品でリセールバリューの考え方に違いはあるのか？ブランドオフに聞いてみた（前編）

ブランドオフは、1993年に石川県で創業しました。創業当初は並行輸入のビジネスを行っていましたが、お客様からのご要望に応じて中古ブランド品の買取・販売事業を始めました。

現在までに、国内外に68店舗（2024/10/8現在、フランチャイズ店を含む）を展開しており、海外では香港・台湾・上海にも出店しているほか、オークション事業も展開しています。2019年にはコメ兵ホールディングスのグループ会社となり、現在の体制になっています。

取り扱い商品としては主に宝石、時計、バッグ、衣料品という4つのジャンルで、買取事業を始めた当時からブランドバッグに強みを持っているのが特徴です。

取り扱いブランドは非常に多岐に渡り、その数は100を超えると思います。ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスといった認知度の高いブランドから通好みのニッチなブランドまで幅広く扱っていますが、どのブランドを取り扱うかは世の中のニーズやブランド価値を踏まえて判断しています。

1番人気はエルメスですね。“ブランドオフといえばエルメス”と呼ばれるほど、エルメスのバッグは全体の売上に占めるシェアも非常に高いです。

またルイ・ヴィトンも国内外で人気が高いですね。

もちろん地域によって人気ブランドにも違いがありますが、私たちとしては当初からエルメスを中心にシャネルやルイ・ヴィトンなどハイブランドの中古バッグが買えるお店、売れるお店を目指して店舗作りをしてきたので、人気商品もこれらのブランドになっています。

弊社も中古車の場合と同じくコンディションによって査定は大きく変わると思います。

たとえば、アウトレットで買えるようなブランドでかなり使い古されている品については、お値段をつけさせていただくのが難しいケースもありますね。お値段がついてもお引き取りに近いような金額を提示させていただくケースもあります。

かつては人気のブランドであれば「若干コンディションが悪くても価格がお手頃ならば買う」というお客様もおりましたが、最近は日本でも海外でも品質や品物の状態を意識する傾向に変化してきていて、「ちょっと高価でもいいから綺麗なものを買いたい」というお客様が多い傾向ですね。

そうですね。この傾向は、店舗でもECサイトでも見られます。

ただ、もちろん全ての商品が必ずしも綺麗な状態であるわけではありませんし、20年以上前のビンテージと呼ばれる商品もあります。

中古車も同じかもしれませんが、現在のお客様が関心を持たないような使い古された商品に対してどのように価値を再定義するか、どのようにお客様に提案していくかというのが、これからのテーマなのかなと感じています。

お店に行っても簡単に買えないという意味では、まさにエルメスがブランドバッグの世界でのアルファードやランドクルーザーに当たるのかもしれませんね。

あまり知られていませんが、エルメスの「ケリー」や「バーキン」といったバッグはブランド直営店で手に入りにくいという希少性があり販売需要が高いです。

買取査定でもそれを踏まえた評価をさせていただきます。

そうですね。

加えて私たちのビジネスの強みというのは、ひとつのお店で様々なブランドの商品を比較できるという点だと思います。

ブランド直営店では特定のブランドの商品しか見れませんが、ブランドオフのお店では様々なブランドの商品を価格で比較したりできますし、年式やコンディションでも商品を選択できる。

こうした点がブランドオフのメリットとしてお客様に評価いただいていると思います。

中古車と同様で需要と供給のバランス次第ですが、限定商品という理由だけではリセールバリューは高くなりません。

いわゆるコレクターズアイテムとして人気が出て需要が高まればリセールバリューが高くなります。

ただしそういった商品を買われるのがまだまだブランド直営店だけというお客様も多いのが特徴として挙げられるかもしれません。

一方でニーズは高いけれど流通量が少ない定番商品は、リセールバリューが大きく上がります。