ガリバー八王子みなみ野店 高橋店長インタビュー 【前編:中古車販売のプロがぶっちゃける】中古車を買う時、どんなポイントに注目すべき?
中古車のガリバーで「中古車販売のプロフェッショナル」として日々お客様と接している、八王子みなみ野店の高橋店長にインタビューを実施! 普段は聞けない裏側の話を聞き出すべく、中古車を買うときに失敗しないポイントや、「このお客様は鋭い!」と感じるポイントなどを赤裸々に語っていただきました。この記事を読んでからクルマの購入検討をはじめれば、良いクルマに巡り会える確率も上がる!?まずは前編から。
ガリバー八王子みなみ野店 ストアマネージャー(店長)
購入後の幸せを考え「その後のお付き合い」を意識
-
(編集部:AK)まずは簡単に、高橋店長の経歴や、お店の特徴を教えてください。
-
(高橋)八王子みなみ野店 店長の高橋です。ガリバーには2010年に入社して、現在は14年目で、店長歴は8年ほどになります。
お店の特徴は、展示しているクルマの台数が約200台(※1)ぐらいで、ガリバーの中でも台数は多いほうですね。また、八王子という商圏は購入したクルマを10年以上乗り続ける方は少なく、車検の2年や4年などのタイミングで買い替える方が多いので、リセールバリューを意識したラインナップを揃えています。(※1:2024年5月現在の在庫数です。売約状況によって変動します。)
-
(編集部:AK)短いスパンで新しいクルマに買い替える方が多いんですね。その商圏の中で、高橋店長はどのような「お店づくり」を意識していますか?
-
(高橋)入社してからずっと、中古車販売は「お客様ありき」の商売だと思っているので、全て「その後のお付き合い」を考えて意思決定しています。
販売や買い取りをして終わりではなく、その後も「どれだけ足しげくお店に通ってもらえるか」「リピーターになってもらえるか」を考えています。そのためには、ただ売るだけではなく、購入後にお客様が損をしないこと、真剣にお客様の幸せを考えることが重要です。
購入や買取に限らず、点検整備でも、ただ立ち寄ってもらうだけでも、どれぐらいこの店に戻ってきてくれるかを考えてお客様と向き合うことを心がけていますね。
中古車を購入する時は「評価点」に注目
-
(編集部:AK)ここからは中古車販売のプロである高橋店長に「中古車を買う時のポイント」を教えてもらいます。まずは、「中古車購入を視野に入れるメリット」は何でしょうか?
-
(高橋)新車では購入できないグレード・品質のクルマを購入できることや、予算をマックスまで使わなくても欲しいものが買える可能性があることだと思います。
たとえば予算が200万円のときに、その金額の新車を選ぶのか、または新車では600万円のものを200万円で買える中古車を選ぶのか。グレードや品質によって金額は大きく異なるので、その中から予算に合わせて選べることも中古車のメリットで、いろいろと探してみると予算よりもリーズナブルなクルマに出会えることがあることも、中古車の魅力やメリットですね。
-
(編集部:AK)実際にお店でも、新車と中古車の両方を比較検討した結果、中古車を選ぶという方はいますか?
-
(高橋)たくさんいらっしゃいますよ。
店舗に来たお客様からは「思ったよりも中古車の品質がいい」と、よく仰っていただけていますね。それに加えて、私達は買った後のお客様のことを考えて接客をするので「接客がいい」という理由で契約される方も少なくないんですよ。
-
(編集部:AK)中古車の品質に満足している方が、たくさんいるんですね。ガリバーの「品質へのこだわり」を教えてください。
-
(高橋)中古車には「評価点」という5点満点の評価ポイント制度があり、5点に近いほど良質なクルマであることを示しています。
この評価点は、私達が勝手につけているものではありません。自動車業界全体でほぼ共通の制度で、ガリバーの場合はオートオークション会場という中古車競り市場で検査員さんが検査してつけた評価点と、さらに外部の評価を専門に行う会社により、o.5点刻みで点数を決めています。
八王子みなみ野店を含む東京のエリアは、高品質のものを好まれるお客様が非常に多いため、 4.5点以上のものをなるべく仕入れるようにしています。
「走行距離10万キロ以上は要注意」は気にするな⁉
-
(編集部:AK)中古車を購入する際にどのようなポイントに気を付けるべきですか?
-
(高橋)やはり「評価点」に一番注意した方がいいですね。
うちの場合は高い評価点のものを揃えるようにしていますが、そこはお店によって方針は異なるので、どういう方針の会社やお店かということも見てみるとよいと思います。
-
(編集部:AK)よく「走行距離が10万キロ以上は注意」と聞きますが、そこはどうですか?
-
(高橋)みなさんそうおっしゃるんですが、10万キロを超えていたら悪いということは全くありません。何不自由なく乗っている方がたくさんいるので、うちもそれをデメリットとしてお伝えすることはないですね。
他のメディアの記事でそういうのを見ると「何を言ってるんだろう」と思ってしまいます。
走行距離がかさめば消耗パーツと言われるものはもちろんダメージを受けやすくなりますが、そこに対しては定期的にメンテナンスを行うことが大切です。
「ここまで乗ったら乗り換えでしょう」というのは、おそらく日本人ぐらいじゃないですかね。ドイツでは20万キロとか平気で走ってますよ。
-
(編集部:AK)10万キロは都市伝説なんですね! あとは事故を起こしたクルマかどうかも気になりますが、その点はいかがですか?
-
(高橋)前提として、ガリバーは一部の店舗を除いて修復歴車(※1)を販売していません(※2)。修復歴車は修復をしたクルマを指し、弊社では「車体骨格部位の損傷や修理・交換を行ったクルマ」を修復歴車と定義しています。パネル交換などの修復はここには当てはまりません。
そのうえで、私達が修復歴のあるクルマを買い取ったとしても、「どの程度の事故を起こしたか」は、正直、当事者しかわからないものです。ただ、我々はクルマのプロなので、チェックすることでダメージや修理の度合いは、確定はできないもののだいたいわかります。そこは一般の方が見てもなかなか判別できないと思うので、信頼できる中古車販売の店員さんに聞いて、教えてもらうと良いと思います。
※1:修復歴車:修復歴があるクルマとは骨格部位の修理や交換をしたクルマのことを指します
※2:当社基準による調査の結果、修復歴車と判断された車両は一部店舗を除き、販売を行なっておりません。万一、納車時に修復歴があった場合にはご契約の解除等に応じます。
7割のお客様が「評価点」を知らない
-
(編集部:AK)「このお客様は鋭い!」と高橋店長が感じるのはどのようなときですか?
-
(高橋)評価点を聞いてくるお客様ですね。業界の方なのか、それともクルマをたくさん買い換えている方なのかなと思います。
あとは、「この車のリセールって過去どんな感じだった?」と聞かれることもあります。要はこれまでにどのぐらいの価格で販売されてきたかの履歴ですね。そこも聞かれればもちろん答えますし、「過去の取引額からこの価格であれば損はしないのではないか」などもお伝えします。
鋭いと思うのはこの2つで、評価点を聞かれることは全体の3~4割で、リセールの履歴は1割程度のイメージですね。
-
(編集部:AK)ということは、7割の方が中古車販売購入時に重要なポイントである「評価点」を知らずに購入検討をしているとも言えますね。
-
(高橋)そうなんです。大半の中古車を購入する方は、まずはネットでほしいクルマを探して、お店に来て実物を見て、次に金額、装備と見ていく流れがあります。評価点の話が出なければ、お店のルールとして必ずこちらから伝えるようにしています。
お客様からは「同じようなクルマが他の店でもっと安かった」と言われることがありますが、中古車に同じクルマはありませんし、評価点も違う可能性が高いです。評価点が違えば品質も異なり、価格も変わるので、価格だけでお話を進めようとされるお客様には「価格だけでお話されるのはご遠慮いただきたい」と伝えることもあります。
-
(編集部:AK)ガリバーさんの場合は「販売価格」はどのようにして決めるんですか?
-
(高橋)弊社の場合は、本社に中古車の市場価格のデータベースがあるので、それと照らし合わせながら仕入れた金額と評価点を中心に決めていきます。そのため、店員が「個人の感覚」で決めているわけではなく、社内全体で価格決めの基盤があります。そういう価格決めの方針も中古車購入の際にはチェックしておくとよいかもしれませんね。
-
(編集部:AK)嫌な見方をすると、お店によってはお客様が評価点の知識がないことをいいことに、低い評価点のものを綺麗に磨いて「良い品質のクルマ」として売っている可能性も……。
-
(高橋)ありますね。そこは本当に注意していただきたいところです。評価点が違えば仕入れの値段=販売額も明らかに違うのですが、評価点の視点がないとそれがわからないですよね。何となく「綺麗だから」と中古車を買ってしまうのはよくないことだと思います。
-
(編集部:AK)なるほど、ありがとうございます。購入する側にも最低限の知識は不可欠ですね。続いて、後編のインタビューもお願いいたします。
注釈
※修復歴車:車体骨格部位の損傷や修理・交換を行ったクルマのこと。