中古車相場のマメ知識 【中古車相場のプロに聞く(1)】リセールバリューとはいったい何なのか?

そもそも、クルマのリセールバリューとは何なのか、どのようにして数値を出すのか、そこから何がわかるのか?年間45万台以上のクルマを査定するガリバーの「相場のプロ」に聞いてみよう!
今回はIDOM社内で査定金額を算定する部門を率いる〝IK〟さんにインタビュー。中古車売買の際によく使われる言葉「リセールバリュー」について聞きました。さらに、リセールバリューが高いクルマの特徴など、根掘り葉掘り聞いてみましょう。

【中古車相場のプロ】〝IK〟

中古車売買の査定部門管理職

株式会社IDOM(旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)で中古車マーチャンダイジングチームの査定部門に所属。中古車の販売価格や売却価格を決める「査定」の仕事に20年以上携わっている、中古車相場のプロ。
ちなみに自身は、同じクルマを長く乗り継ぐタイプ。

ガリバーの公式サイト221616.comに掲載されている「リセールバリューランキング」とは?

(編集部:AK)よろしくお願いします。今回はクルマの売買で使われる「リセールバリュー」という言葉について、いろいろ教えていただこうと思います。まずリセールバリューとは何を表すものなのでしょうか?

(相場のプロ:IK)クルマを手放すときに「どのくらいの価値があるのか」を指す数値です。
リセール(resale)=再び売る」+「バリュー(value)=価値」=「再び売るときの価値(resale value)」として中古車業界で使われている用語です。中古車業界以外でも使われることがあるようですが。

(編集部:AK)つまり、クルマの価値が将来どのぐらい変動するか示す指標ということですね。一般のユーザーはリセールバリューの数値をどういったところで調べることができますか?

(相場のプロ:IK)リセールバリューの正確な指標を知るためには専門家向けの業界紙などを見る必要がありますが、なかなか見られる機会がないかもしれませんね。
ただ、ガリバーでは公式サイトの「221616.com」で弊社が独自に集計した「リセールバリューランキング」を掲載していて、いろいろなクルマのリセールバリューの変動割合を調べることができます。まずはここを見てみるとよいでしょう。

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主要な車種のリセールバリューの変動割合をランキング形式で表示されている。

(編集部:AK)リセールバリューランキングを見てみると、「指標の数値」に加えて、「相場傾向」も前月から「ほぼ同じ」や「急下降」などの状態も具体的に記載されているのでわかりやすいですね。

(相場のプロ:IK)そうですね。リセールバリューは需要と供給の関係など、まさに相場とリンクしている指標なので、常に一定ではなく変動しています。流行やモデルチェンジによっても大きく変わるので、現在のリセールバリューの変動割合はあくまでも「参考値」として捉える必要があります。

(編集部:AK)リセールバリューの数値に、例えば「111%~184%」といった幅があるのはなぜですか?

(相場のプロ:IK)同じクルマでも「型式(モデルやグレード、年式)」によってリセールバリューは大きく異なるからです。このランキングでは価値の異なるグレードモデルが複数ある車種の場合、車種ごとの変動値を最小から最大で表示しているため、幅が出てしまっているんです。

リセールバリューを意識すれば賢い乗り換えができるかも?

(編集部:AK)リセールバリューの数値はどのような計算で出しているんですか?

(相場のプロ:IK)買取平均金額 ÷ 新車時平均価格 x 100 = リセールバリュー(%)という計算式になります。たとえば、新車時の価格が200万円だったクルマの平均買取金額が100万円だった場合、そのクルマのリセールバリューは50%ということになります。

(編集部:AK)シンプルですね。でも、平均の買取金額を正確に出すのはむずかしそうですが。

(相場のプロ:IK)そうですね。ガリバーの場合は、弊社の直近6ヶ月の査定・買取実績データからリセールバリューを算出していて、取扱件数も多いためデータ量もとても多く、信頼性が高いデータと言えるのではないかと考えています。

(編集部:AK)ちなみに、リセールバリューが50%だった場合、どのように捉えればよいのでしょうか?

(相場のプロ:IK)たとえばあるクルマの3年落のリセールバリューが50%だったとします。「3年落ち」とは、新車として運輸支局に登録されてからの経過年数が3年経ったクルマという意味です。そのクルマを新車で仮に100万円買った場合、3年後に50万で販売できると予想することができます。ただ、これは繰り返し言うように予測値なので、変動するものということは理解しておいてください。
※編集部注:ガリバー店頭での実際の査定額は、グレードや装備、クルマの状態によって異なりますのでご注意ください。

(例)トヨタ アクアのリセールバリュー(2024年4月16日現在)
トヨタ アクアのリセールバリュー
車種にもよるが、年式やグレードによってリセールバリューは大きく異なる。

(編集部:AK)なるほど。現時点での予測値ではあるものの、当然ながらリセールバリューが高いクルマのほうが、将来的にそのクルマを手放すときに高値で売れる可能性があるということですね?

(相場のプロ:IK)そうなります。クルマを手放すときに高値で売ることができれば、また次に買うクルマの予算に充てることができるので、定期的にクルマの乗り換えを考えている方は、リセールバリューを意識しておくとオトクで賢い乗り換えができるかもしれませんね。

リセールバリューが高いクルマの特徴とは?

(編集部:AK)ところで、リセールバリューの「平均値」はいったいどのぐらいなのでしょうか?

(相場のプロ:IK)平均的には3年落ちで50~60%、5年落ちで40~50%程度といったところですかね。

(編集部:AK)「リセールバリューランキング」を見ていると、値が100%を超えているクルマもいくつかありますが、リセールバリューが高いクルマの特徴はどんなところなのでしょうか?

(相場のプロ:IK)モデルチェンジされたばかりの新型のクルマで、まだ市場に出回っていない車種や新車の納期が長い人気車種ですね。その他、根強いファンが多いクルマ、生産台数が少ないクルマ、耐久性に優れたクルマなど、いくつかの特徴はあります。そのあたりも「リセールバリューランキング」を見ていると、共通点が見えてくるかと思います。

(例)リセールバリューが100%を超える車種(2024年4月16日現在)
リセールバリュー値が100%を上回る車種の例
海外でも人気のある稀少な車種や、新車の納期が長い人気車種などが中心だ。

(編集部:AK)最後に、そのほかにもリセールバリューについて「知っておくとよいポイント」があれば教えてください。

(相場のプロ:IK)軽自動車は今や国内の新車販売台数の約4割を占めるほどに中古車市場でも需要が高く、リセールバリューも高い傾向にあります。一方で、輸入車はそれほどは高くはありません。また、車種だけでなくグレードやボディカラー、装備でも左右され、日本では黒、白、シルバー系のボディカラーが人気というところもおさえておくとよいでしょう。

ちなみに「人気すぎるクルマ」にも注意が必要です。というのも、人気が出すぎると供給が過剰になって市場にあふれ、リセールバリューが下がることもあるからです。

(編集部:AK)なるほど、人気車種だからといってリセールバリューが高く維持されるとも限らないのですね(つづく)。

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