【突撃取材】カスタムカー専門店「Brat」に聞く、アウトドアカスタム「買い方」と「売り方」のすべて!(前編)

人気のSUVやミニバンを購入している方の中には、人とは違うカスタムをしてみたい!ゴツくてカッコいいアウトドアカスタムをしてみたい!という憧れを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?1月に開催されたカスタムカーの展示会「東京オートサロン」でも、カスタムパーツを扱うメーカーのブースでは展示されていた多彩なデモカーに多くの人が注目していました。

しかし実際にカスタムカーがほしい!と思っても、どうすればいいのかなかなかわかりませんよね。そこで今回は、IDOMグループが展開するアウトドアカスタムの専門店「Brat」を訪れて、カスタムカーの“買い方”と“売り方”に関するあらゆることを聞いてみました。お話いただいたのは、IDOM Brat事業部の鳥海健太郎さんと、Brat郡山店(福島県)ストアマネージャーの水野谷優里さんです。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

Brat(ブラット)とは?

「Bart」は、中古車の「ガリバー」を運営するIDOMグループが展開するアウトドアカスタムの専門店。「SUV専門店」「ハイエース専門店」を展開しており、福島と千葉にはカスタムのデザイン・設計を行う専門組織「Bratカスタム基地」があります。また、カスタムカーの販売・買取だけでなくアウトドア用品のレンタルやアウトドアイベントの開催なども行っており、自然を楽しむライフスタイルを提案しています。店内はウッディな内装や落ち着いたBGMで居心地の良さを追求。購入してからもお客様と繋がれるクルマ屋さんを目指しています。

Bratのサイトはこちらからチェック!

本格的なアウトドアカスタムからファッション感覚のライトカスタムまで幅広く対応

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    まずはこの「Brat」というお店がどのようなコンセプトで作られたのか教えて下さい。

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    この「Brat」は最初はSUV専門店としてスタートしたのですが、その後に「NATURE×CAR▶PLAY!」というコンセプトのアウトドアカスタムの専門店へと進化しました。

    クルマを単なる移動手段として捉えるのではなく、多くの方に「より遠くに出かけよう」「自然を楽しむ楽しいお出かけをしよう」と思っていただけるよう、既存のクルマにアウトドアテイストの趣味性や機能性を加えたカスタムをご提案しています。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    店内もアウトドアグッズがあちこちに展示されていたり、アウトドアアクティビティの提案があったり、とても素敵ですね!アウトドアテイストのカスタムについては具体的にどのようなアイテムに人気があるのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    外装についてはタイヤですね。ブロックタイヤというオフロード用のタイヤに装換される方が多いです。舗装されていない悪路の走破性に優れていて、釣りをされる方やサーファーの方に人気です。

     

    ただ最近では街乗りの用途でもブロックタイヤをはじめアウトドアカスタムをする方が増えていて、例えばアウトドアファッションブランドの服を着て街に出ていくようなファッションの感覚でアウトドアカスタムされる方も多いですね。お客様の層としても、アウトドアを実際に趣味にされている方とファッション感覚でカスタムされる方は半々くらいだと思います。

実はアウトドアカスタムは若い人に人気なんです!

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    確かにアウトドアカスタムをしたクルマが街を走っていたらついつい注目してしまいますね。お客様のお話が出てきましたが年齢層としてはどれくらいの年代が多いのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    中古車の「ガリバー」よりもお客様の年代は若いと思います。20代〜40代のお客様が中心で、なかでも20代の若い方が多いのが特徴だと思います。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    若い方がカスタムに興味を持たれる背景には、どのようなニーズがあるのでしょう?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    これはデータにもなっているのですが、現在クルマを乗っている方のなかでも2割くらいの方は装備やカラーリング、デザインなどに対して「ここがちょっと気に入らない」という思いを持っているんですね。

    そうした不満=ニーズを埋める手段がカスタムなのではないかと思っています。また、これは私たちの仮説なのですが、日本人は「みんなと同じがいい」という指向性がありながら「ちょっとだけ人と違うことがしたい」という思いももっていたりするのではないかと。同じクルマだけれども自分なりのアクセントを加えて個性を表現したいという意向があるのではないかと思います。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    確かに、スマートフォンに例えると他の人と同じ機種を持っているけれどスマホケースでちょっと人と違う個性を出したいという人は多いですよね。それに近い感覚なのかもしれませんね。

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    そうですね。実は「Brat」のカスタムには車両全体をカスタムする「フルカスタム」と一部分だけカスタムする「ジャストライト」という2種類のカスタムがありまして、この「ジャストライト」というのが他のクルマと違いすぎない=目立ちすぎないカスタム、「ちょっとだけ変える」ちょうどいいカスタムを提供しています。

    例えば、アルミホイールだけ変えてみたり、車名のロゴの部分を変えてみたり、シートカバーやハンドルカバーを変えてみたり、ちょっと変えることで「ここが人と違う」というアクセントをつけることができます。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    内装などは少し変えただけでも運転するときの気分が大きく変わりそうですね!「フルカスタム」と「ジャストライト」でどれくらいの割合になっているのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    はい、ぜんぜん違うクルマに乗っている感覚になると思いますね。内装については統一感を持たせて自分好みのアイテムを取り付ける方が多いです。お客様のご意向としては「フルカスタム」と「ジャストライト」で半々くらいだと思います。

専門知識を持ったプロフェッショナルが“世界に1台だけのクルマ”をデザイン

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    「フルカスタム」についてはクルマのイメージが大きく変わると思いますが、「Brat」のカスタムではどのような点にこだわっているのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    カスタムのスペシャリストが1台1台カスタムのデザインや設計を行っていく点ですね。「Brat」では福島県郡山市と千葉県野田市に「Bratベース」というデザイン拠点を置いていて、既存のカスタム用パーツやBratオリジナルのパーツを組み合わせてそれぞれの車種に合わせてデザインを行っています。

    カスタムは中古車をベースに行いますので、それぞれのクルマの状態に合わせて使用するパーツや塗装の仕方などを決めています。なので、仕上がったクルマは世界に1台しかないオンリーワンの価値があるものになります。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    スペシャリストがベース車両に最適なカスタムをデザインしてくれるというのが、カスタム専門店ならではの強みなのですね。

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    カー用品店でパーツを買ってきてご自身でDIYをされる方もいらっしゃると思いますが、注意すべき点は車検に対応できるかという点だと思います。

    「Brat」でデザインしたクルマはもちろん車検に対応した形でカスタムしたり、車検の「構造変更申請」に必要な専門知識を備えていたりしますが、個人でカスタムするとクルマの全長・全高・全幅・重量などが変わってしまい不正改造扱いになってしまう場合があります。本格的なカスタムをされる場合にはぜひ「Brat」のような専門店にご相談いただきたいですね。

  • 【Brat郡山店(福島県)ストアマネージャー】水野谷優里

    ちなみに、新車を仕入れてカスタムしてお客様に販売するケースもあります。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    新車も取り扱っているんですか??

  • 【Brat郡山店(福島県)ストアマネージャー】水野谷優里

    はい、ありますよ。お客様としては新車を購入してカスタムしたいと思っても、新車ディーラーですと対応できることに限界があります。とはいえ、新車を購入したあとに自身でセレクトショップを探して持ち込むのも面倒だし不安がある。なので、「Brat」で新車の仕入れからオーダーメイドのカスタムまでをワンストップで行いお客様に販売しています。

    新車をカスタムしてコンプリートカーとして販売もしており、カスタムカーに興味のあるお客様にとって入りやすい入口になっているのではないでしょうか。実際、中古車を見に来たけれど「新車のカスタムもいいね」と考えを変える方もいますし、コンプリートカーを見て「違うグレードのクルマを同じようにカスタムできないか」とご相談される方もいらっしゃいます。

アウトドアカスタムはSUVだけじゃない!過去に188車種をデザイン

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    「フルカスタム」と「ジャストライト」で必要な費用も大きく異なると思いますが、カスタムの予算はどれくらいのゾーンが多いのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    予算感については、一般的な「ガリバー」の店舗よりも圧倒的に高いと思います。店頭で販売しているクルマは車両価格が200万円を超えるものが多く、これにご自身でカスタムを加えると、カスタムの程度にもよりますが300万円近くになります。

    「Brat」でのクルマの買い方には2パターンあり、ひとつは「Brat」がおすすめのカスタムを施したコンプリートカーをご購入いただくパターンと、ノーマル状態のクルマを選んでいただきその車両をベースにパソコンを使ってご自身でカスタムを考えていただくパターンです。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    カスタムのイメージがある方は自分でパーツなどを選んで、具体的なイメージはないけれどカッコいいカスタムカーに乗りたい方はコンプリートカーを購入する形なんですね。ちなみに、「Brat」ではどのような車種に人気が集まっていますか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    スズキ ジムニー、トヨタ ランドクルーザープラドやFJクルーザー、三菱 デリカD:5などが人気ですね。また「Brat」の特色としては、確かに大型SUVがカスタムのベース車として定番ですが、トヨタのプリウスやシエンタ、ホンダのフリードやN-BOXなど幅広い車種をアウトドア仕様にカスタムしています。これまで過去5年で188車種をカスタムしてきました。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    188車種とはすごいですね!あらゆるクルマのカスタムが相談できるということですね。ちなみにお客様のカスタムに関する相談ではどのようなものが多いのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    2つのパターンがあって、アウトドアカスタムのイメージが固まっていて「こんなカスタムがしたい」「このコンプリートカーがほしい」と明確な動機があって来店される方はあまり相談事というのは少ないですね。一方で、当店のInstagramなどを見てカスタムに興味を持ってくださった方は明確に「こうしたい」というイメージが固まっていない方が多いです。

    そのような方には、過去に行ったカスタムをお見せしながら「こんなことができますよ」というご提案をしています。ちなみに「Brat」のウェブサイトでは過去に実施したほぼ全てのカスタムをギャラリーで公開していたり、カスタムされたお客様の声も掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。

Bratのギャラリーをチェック!
  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    ゼロからカスタムについて相談できるのは心強いですね!

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    ありがとうございます。「興味はあるけど、どういう風にやっていいかわらんない」「カスタムを自分でやる自信がない」「そもそもカスタムでどんなことができるかわからない」という方は、ぜひ一度ご来店いただければ嬉しいですね。

     

    アウトドアカスタムに興味はあるけれど知識がないという方が気軽に相談できるアットホームなお店を目指しています。

  • 【Brat郡山店(福島県)ストアマネージャー】水野谷優里

    クルマをこんな風にカッコよくしたいというご要望をお伺いした上で、実際にできるのか、できないのかをお伝えしながらベストなカスタムを目指して一緒に伴走するのが私たちの役目だと思いますので、気軽にご相談いただきたいですね。「Brat」の魅力は“普通のクルマ屋さんにはできない選択肢が選べる”という点だと思いますので、これからもお客様の幅広いご要望に応えていきたいと思います。

お店とお客様が交流してアウトドアを楽しむ文化を広げていく

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    店内を見渡すとまさにアウトドア一色で、まるでコテージのなかにいるような居心地の良さですが、クルマ以外にアウトドアアクティビティの提案などもしているのでしょうか?

  • 【IDOM Brat事業部】鳥海健太郎

    はい、ここ「Brat郡山店」では「Brat Lovers」という店舗スタッフとお客様が交流できるイベントを開催していて、2023年には猪苗代湖で水上アクティビティやバーベキューを楽しみました。Bratの全店舗でこのようなイベントを実施しているわけではないのですが、お客様と店舗が交流するイベントは各地で開催しています。

    アウトドアのアクティビティには興味があるけれど実際にやったことがないという方にとってはひとつのきっかけになりますし、友人なども誘って参加いただければアウトドアカスタムに興味を持ってくださる方も増えていくのではないかと期待しています。

(https://brat-suv.com/koriyama-blog/64946 より引用)
  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    なるほど、そういった交流イベントがあれば、さらにカスタムも楽しめそうですよね。

    ありがとうございます。次回も、よろしくお願いいたします!

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