ガリバーの中古車マーチャンダイジングを担うプロにインタビュー 【中古車仕入れのプロに突撃取材(2)】中古車業界の変化

中古車仕入れのプロである〝OKB〟さんへのインタビュー連載企画。第2回は最近の「中古車業界の変化」についてうかがいます。現場の第一線にいるからこそ見えてくる、中古車業界の変化とは?後半ではオススメの旬な中古車2車種を教えてもらいました!

【中古車仕入れのプロ】〝OKB〟

中古車マーチャンダイジング部門管理職

大学生時代は自動車研究部でジムカーナや耐久レースに没頭し、2009年入社に旧ガリバーインターナショナル(現IDOM)入社。
ガリバーの店舗で営業職を2年経験した後、本社に異動。電話によるクルマ買取サービスを2年担当する。その後、マーチャンダイジング部門で中古車買取価格の設計、オークションでの売却担当などを歴任。
現在はマーチャンダイジング部門の管理責任者として、中古車の仕入れや商品構成の設計を統括する。お客様のご来店を促進させる在庫構成を設計する、中古車のスペシャリストだ。

いま中古車業界に起きている「変化」

(編集部:AK)前回は昨年2023年の振り返りをお聞きしたので、今回は最近の中古車業界について教えてください。何か「変化」のようなものはありますか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)変化といいますか、最近の中古車業界では、「中古車の価格が新車よりも高い」という現象がいろんな車種で発生していますね。

(編集部:AK)中古車の方が新車より価格が高いのですか?同じ車種で?

それだと中古車を選ぶ意味がないのでは?

(中古車仕入れのプロ:OKB)たしかにお客様の視点に立ってみると、それじゃぁ「それなら新車で買えばいい」という話になるかと思うんですが、「信頼できるお店に希望の装備が付いた良い在庫があるなら中古でもいい」とか「むしろ納期の短い中古車の方がいい」という考え方のお客様も増えてきているのでは、と感じます。新車の販売店で(クルマの在庫や担当者と)良いご縁がなかったということもあるんじゃないかと思います。

ディープラーニングの開発ミーティングで、中古車相場と在庫ラインナップのあり方について指摘する、仕入れのプロ〝OKB〟。

(編集部:AK)では、新車よりも高い中古車を買うメリットは、「いますぐ乗れる」というところでしょうか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)はい、いまだに新車の供給が不足している車種も多くて、「納車は3年後」なんてクルマもあります。

その点、納期待ちの長い行列が続いているような車種でも、中古車であればすぐに納品可能で、ほしいクルマがすぐに手に入ることが最大のメリットだと思います。それに好みの装備や稀少なオプションが装備されていれば、お客様によってはお買い得に感じられるかもしれません。

ただ(新車が手に入りにくい)中古車を買うにしても、中古車店の店頭での確認や、信頼できる店員から情報を得てたりして、適切な相場感覚をもって選ぶことも大事です。ネットで仕入れた情報だけを鵜呑みにして頼ると(第1回参照)、信用できない情報に翻弄されて適切な価格を見誤ってしまうことになります。

(編集部:AK)たしかに、本当に自分にとってその価値があるのかも見極めないといけませんね。

ところで、なぜ新車価格よりも高い中古車が出てきてしまうんですか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)さまざまな要因で新車の出荷台数が少なかったり供給不足が続いていた、というのもあるのですが、円安の影響もあって海外への輸出も盛んです。特にコロナ禍以降に関しては中古車市場全体の相場そのものが数十万円のレベルで高くなっていってます。

査定件数とは、株式会社IDOMが運営するガリバーの店舗においてクルマ買取査定に持ち込まれ、査定検査を行った件数です。

平均売却予想額とは、買取査定に持ち込まれ査定検査したクルマがオートオークション等で落札または売却される際の金額を予測し、全査定件数で平均化した金額です。

(編集部:AK)たしかに、ガリバーでの平均売却予想額の推移を見ていると、中古車売買の相場自体が2020年以降に大きく変化してますね・・・

(中古車仕入れのプロ:OKB)そうですね。たとえば、10万円ぐらいの安い中古車って以前はよくみかけたかと思うんですが、今は海外に輸出したり、部品として売ったほうが利益が大きいんで、国内に流通されにくくなったんです。

為替や物価の上昇幅を考えれば、性能が良くて壊れない日本車は外国から見ると安くてお買い得、ということになります。その傾向が強まっていて、今は国内に低価格の中古車が少なくなってきています。

輸出品としての人気が特定の車種に集中したり、その車種が不足すれば他の車種にといった感じで、日本国内の中古車相場は海外からの需要の影響を大きく受けるようになったのです。

新車価格を超える中古車の車種とは?

(編集部:AK)なるほど、中古車業界の変化は為替や輸出の影響も大きいのですね。新車の納期問題に加えて、中古車相場の高騰にも連動して新車の価格を超える中古車が出てくる、ということなんですね。

それでは、新車よりも価格が高くなってしまっている中古車とは、いったいどのような車種ですか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)主にトヨタ車ですね。人気があるのはアルファードやランドクルーザー プラド(※2024年5月現在)。

これらのクルマはリセールバリューも高くて、ちゃんとしていれば高値で売却できます。

買うお客様にとっては納期との兼ね合いもあるとは思いますけど、「新車じゃないとダメなのか?」「中古車じゃダメなのか?」という判断が購入のポイントですね。

(編集部:AK)トヨタ車以外で中古車が新車の価格を超えるものはありますか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)あります。 三菱のトライトンですかね(※2024年5月現在)、その状態が長く続くかどうかはわかりません、すでに怪しくなってきてはいますが・・・

トヨタ車以外でも、注目度が高いクルマは当分の間は人気が高い状態が続くのですが、それが1年後、2年後となると・・・相場が一気に下がってしまう傾向にあります。

でも、トヨタ車の場合はそういった相場が一気に下がるような傾向がなくて、価格が落ちづらいですね。

(編集部:AK)中古車相場の中で、「価格が高止まりしているなぁ」という車種はありますか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)うーん、いわゆる旧車になりますかね、スポーツタイプの。180SXやシルビアとか、RX-7、R32型のGT-Rのような。

ですが、旧車や稀少なスポーツタイプのクルマは、中古車相場の高騰の影響というよりも稀少価値が高まって価格がつり上がった結果なので、中古車相場の市況の変化とはまた違う話になりますね。

ガリバー公式サイト「221616.com」リセールバリューランキングの常連、RX-7(2024年5月16日時点のデータ)。リセールバリューが190.8%ということは、新車価格の1.98倍の価値がある中古車も存在する、ということになる。
海外でも人気が高い車種で、高額で取引されている。他車種のような中古車相場の高騰による影響というよりは、稀少価値の高さゆえの結果である。

買いドキな旬の2車種(2024年5月現在)

2024年上半期の旬な中古車(1)ハリアーハイブリッド

(編集部:AK)いま、「買いやすい、選びやすいクルマ」、 あるいは「前よりは買いやすくなった」という車種や形状はありますか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)ハイブリッド車ですね。SUVやコンパクトタイプのハイブリッド車はおすすめできます。

(編集部:AK)たとえば、どんな車種ですか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)やっぱりトヨタ車、ということになっちゃますが、人気どころのSUVでいえばハリアーのハイブリッド(※2024年5月現在)。

電気自動車への転換の流れがありますが、主流になるのはまだ先の話だと思うので、いまだとハイブリッド車を選びますね。燃費は普通のガソリン車よりもかなり良いですし。

(編集部:AK)ハリアーの場合はどういったところに値頃感あるのですか?

(中古車仕入れのプロ:OKB)基本的に、常に人気車種ということがあります。性能的には現行のハイブリッドシステム(A25A-FXS型エンジン)はTNGAという車両づくりの基盤システムで設計されていて、その中では一番優れていると個人的には感じます。あの車体でリッター20数キロの燃費(※ WLTCモード 22.3km/L[ 4WD車 21.6km/L ])で走ったりしますから、信じられないぐらいですよ。

(編集部:AK)今の話を聞くだけでも、なんだか「お買い得感」を感じますね。

(中古車仕入れのプロ:OKB)そうなんです。そのあたりのことは他にもいろいろな方の動画レビューがYouTubeなんかに投稿されているので参考になりますよ。

ただ、「実際にはどうなの?」というところは車種によって意外と評価が人によって変わるので、旬の中古車の情報はいろんなところで見聞きして、信頼できる情報を見つけることが大事だと思っています。

2024年上半期の旬な中古車(2)インプレッサスポーツ

(編集部:AK)他にも「このメーカーやクルマがお買い得」というものがあれば教えてください。

(中古車仕入れのプロ:OKB)たくさんありますよ。個人的にはスバルのインプレッサスポーツはお買い得です(※2024年5月現在)。

(編集部:AK)意外なところですね。

(中古車仕入れのプロ:OKB)他のライバル車種とか同格車と比べると知名度はないかもしれないのですが、価格、コスパも含めていいですね。

エンジンは1,600ccと2,000ccが選べますが、私は1,600ccの方がオススメです。「アイサイト」(※スバルの運転支援システム)が付いて100万円を切っていますから。

(編集部:AK)アイサイト搭載車が100万円を切っているとなると、お買い得に感じますね。

(中古車仕入れのプロ:OKB)それで見た目もかっこよくて、低重心のエンジンで走りもいい。どのクルマに乗るか迷っていて、なるべく価格も抑えたいという方にはおすすめですよ。

(編集部:AK)今後も「旬」な中古車のレコメンドをお願いいたします!(第3回につづく)