海外でも大人気!日本ならではのかわいくて便利なあぜ道のヒーロー 【調べてみた】農業用軽トラックの中古車を購入するためのポイント

農業の現場で欠かせない存在となっている軽トラック。しかし、新車購入は大きな出費となるため、中古車選びに目を向ける農家も多いのではないでしょうか?ただ、中古車選びには不安も付きまといます。「どんな点に注意して選べばいいの?」「おすすめのモデルは?」「維持費はどのくらいかかるの?」そんな疑問にお答えしながら、前編では、農業に適した中古軽トラックの選び方とおすすめモデルをご紹介します。あなたの農業をサポートする最適な一台を見つけましょう!

【リセバ総研 外部研究員】YA

クルマのことを調べならが学ぶ外部研究員

電車移動が基本の都内で生まれ育ってきたため、研究員として自動車市場を調べながらクルマの知識を猛勉強中。主に記事の執筆・編集・取材を担当している。これまで書籍や雑誌の編集プロダクション、バラエティ雑貨メーカー、PR会社などを転々と渡り歩き、様々なジャンルのコンテンツを制作してきた。割とガジェット好きな一面があり、某フリマアプリで売買を繰り返しては、色々なガジェットを試している。

農業に適した中古軽トラックの特徴と選び方

農業用軽トラックに求められる性能とは

  • 【リセバ総研 外部研究員】YA

    農業用軽トラックには、一般的な軽トラックとは異なる特別な性能が求められます。

農作業に軽トラックを用いるためには、悪路走破性が重視されます。未舗装の農道やぬかるみ、傾斜地を走行するためには、駆動力が安定している4WDが必須です。また、ぬかるみ等でスタックした時に脱出しやすくするデフロック機能が備わっているとより安心です。さらに、超低速ギア等を使える副変速機があれば、圃場や砂利道で軽トラックを使う際の作業効率が格段に向上します。

次に、積載能力が高いことも重要なポイントです。農作物や肥料などの重量物を運ぶため、頑丈なサスペンションと荷台構造のものを選びましょう。さらに、荷台フロア長が十分にあり、多数の荷台フックがあれば、効率的な積載が可能になります。

その他、堆肥等による錆びを防ぐ防錆対策や、朝方や夜間作業のための荷台作業灯なども便利な機能です。最近では、農家の高齢化に対応し、自動ブレーキや衝突被害軽減機能等の安全性能の強化も進んでいます。

このように、農業用軽トラックは過酷な環境での使用を想定し、耐久性や作業効率、安全性を高める機能が充実しているのが特徴です。

中古軽トラック選びの重要なポイント

中古車を選ぶ際の最初のチェックポイントは、走行距離とメンテナンスの履歴を確認することです。

一般的に走行距離が短い中古車程、状態が良いとされます。比較的新しいクルマがほしいなら3万km前後、状態は程ほどで良いなら5万km前後、古くても安いほうが良いなら10万km以下というように、走行距離と車体の状態、価格を比較して検討しましょう。

走行距離が長くても、適切に修理や部品の交換が行われていれば、状態は良いという場合もあります。車両の整備履歴や修理歴等のメンテナンスの記録を確認することも大切です。

農業用に軽トラックを選ぶなら、荷台の状態も確認が必要です。錆びや腐食がないか入念に調べましょう。4WDと2WDの切り替え機能や超低速ギア等の副変速機の有無も確認しておきたいポイントです。さらに、積載能力や燃費も考慮しましょう。試乗して、実際の乗り心地や操作性を確かめることも大切です。

重要ポイント 走行距離 荷台の状態 性能 整備履歴
確認事項 10万km以下が目安 錆び、腐食の有無 4WD・2WD切替、副変速機の有無 定期的なメンテナンス、適切な交換

地域や用途を考慮した軽トラック選び

実際に軽トラックを使用する地域や用途を考慮することも、農業用の中古軽トラックを選ぶ上で大切です。

まず、どんな農地で使うのかを考えましょう。例えば、傾斜地や狭い農道が多い地域では、小回りの利く車体と4WDを選ぶ必要があります。一方、平坦な大規模農地では、積載量の大きいモデルが適している場合があります。農道等の悪路を走ることが多い場合は、オフロード用のタイヤを選ぶのも選択肢の一つです。

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    また気温が氷点下以下になるような寒冷地では、エンジンの始動性を高める特殊なスターターやオイル等を使った寒冷地仕様車を選んだほうが安心です。

農業向き軽トラックのおすすめ車種とリセールバリュー

人気メーカー別おすすめモデル

農業用に中古の軽トラックを探すなら、まず人気車種の農業グレードをチェックするのがおすすめです。

農業グレードの軽トラックは、外観は標準グレードとほぼ変わりませんが、4WD/2WDの切り替え、デフロック、荷台作業灯等の、農業に役立つ機能が標準装備されています。なお、ATよりも悪路走破性が高い5速MTとなっているのが一般的です。また、最新モデルでは各社のブレーキ支援システム等の先進安全技術が搭載されているものがほとんどです。

ここでは、農業グレードがある代表的な軽トラックを3台紹介します。

スズキ キャリイトラック

スズキ キャリイトラックは、荷台のフロア長が2,030mmと広く、荷台床面地上高も650㎜と低めに設定されています。荷物の上げ下ろしがしやすく、たくさん積めるため、道具や作物の運搬に適しています。ボディに防錆合板を使用していて錆に強いのも特徴の一つ。荷台が完全に分離する構造になっているため、もしもの時は荷台だけを交換することも可能です。農業グレードには「農繁スペシャル」等があります。

ダイハツ ハイゼット

ダイハツ ハイゼットは、頑丈な作りと高い積載能力が魅力です。荷台フロア長は2,030mmとキャリイと同等の広さがあるのに加え、農業グレードのモデルを中心に、25個のフックや首振り機構付きのLED大型荷台灯等、荷物の積み下ろしに便利な機能が備わっています。また、サスペンションを強化する4枚リアリーフスプリングを採用しているため、重い荷物を運ぶのに適しています。ボディーカラーのバリエーションが豊富なので、個性のあるカラーを探している人にもおすすめの車種です。

ホンダ アクティ・トラック

ホンダ アクティ・トラックは、乗り心地の良さと安定した走行性能に定評があります。ホンダのミッドシップ・リアドライブ方式による安定した走りに加え、キャビン室内は足元から頭上まで余裕のある空間が確保されているので、長距離の移動も快適です。農業グレード「ATTACK」には、超低速ギアも装備され、悪路や坂道も安心して運転できます。なお、アクティ・トラックは2021年4月に生産終了となっています。

軽トラックには、農業グレード以外のモデルも多数あるため、農業用に中古の軽トラックを探す際には、自分の目的に合った装備や機能があるかを、よく確認することが大切です。

メーカー スズキ ダイハツ ホンダ
モデル キャリイトラック ハイゼット アクティ・トラック
特徴 荷物が積みやすい、広い荷台 頑丈、積載能力が高い 乗り心地の良さ、安定した走行性能

軽トラックを購入するならリセールバリューにも注目

軽トラックを購入しようとするなら、リセールバリューにも注目したいところです。軽トラックはモデルチェンジのサイクルが長いこと、仕事で長く使う人が多いこと等から、乗り換える人が少ない、つまり供給が少ない車種です。一方で、需要は高く、普通車のように新しさや内外装のきれいさはそれほど重視されないため、中古車でも意外に高い買取価格がつく傾向があります。

まとめ

軽トラックのリセールバリューが意外に高いことを知っておけば、将来の乗り換えを有利に進めることができるでしょう。ただし、残価率は年式よりも車両状態や走行距離に大きく影響されます。軽トラックの購入や乗り換えをする時は、信頼のおける販売店で相談したほうが安心です。