ガリバー八王子みなみ野店 高橋店長インタビュー 【後編:中古車販売のプロがぶっちゃける】中古車を買い替えるタイミング、どのように見極める?

前編に続き「中古車販売のプロフェッショナル」であるガリバー八王子みなみ野店 高橋店長へのインタビュー。後編は中古車を買い替えるタイミングの見極め方に迫ります。すぐに買い替えたほうがいいのか、はたまた故障するまで乗り続けたほうがいいのか、プロならではの答えはいかに? リセールバリューを意識して、なるべくコストをかけずに買い替えのサイクルを回していきたい方には必見の内容です!

【営業のプロ】高橋店長

ガリバー八王子みなみ野店 ストアマネージャー(店長)

株式会社IDOM(旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)に2010年に入社して以降、14年間中古車売買の業務に従事している。店長(現ストアマネージャー)歴8年目。

クルマの価値が高い時を教えてくれる営業マンを見つける

(編集部:AK)高橋店長は、クルマはどのようなタイミングで「買い替え」を考えるべきだと思いますか?

(高橋)買い替えたいときに買い替えるのが一番ですね。

その前提のうえで個人的な意見としては、所有するクルマの価値・価格が高い状態のときに売却して、新しいクルマを考えるといいと思います。

当店の場合は購入時と買い替えのときの差額が小さいこともありますし、それどころか逆に高くなっているケースもあります。そうすると数年乗ったのに得をして新しい中古車に買い替えられることもあります。

(編集部:AK)所有していたのに価格が高くなっているのはうれしいですよね。でも、クルマの価値が高い「買い替え時」を見極めるのは、簡単ではなさそうです。

(高橋)そうですね。当店はリセール目的のお客様が多いので、クルマの価値が高くなっている時には、こちらからアナウンスをするようにしています。

この見極めは一般の方がネットで情報を得るだけでは難しいところがあるので、中古車販売店の信頼できる営業マンと日ごろから関係性をつくっておくのがおすすめですね。

(編集部:AK)「信頼できる営業マン」は、どのように見つけたらいいですか?

(高橋)初対面のときに良いことだけではなく、悪いことも言ってくれる営業マンは信用できると思います。

僕もそこははっきり言いますし、部下に対しても「悪いものは悪いと伝えないとお客様の不利益になってしまう」と徹底して指導しています。言いづらいことも言わなければならないのがプロの仕事だと思いますので。

当店のトップセールスは僕もそこまで言うかというほど言いますよ。

(編集部:AK)トップセールスの方はどんなことをお客様に言うんですか?

(高橋)輸入車を買いたいという若い年齢のお客様がいたのですが、「維持費のことを考えていないから売れません。壊れたときに払えなくて困るのが目に見えているので、そこをちゃんと考えてください」と。

さらに、「今の状態でどうしても買いたいなら僕は売れないので他の人から買ってください」とまで言っていました。普通の営業マンだったらそのまま売って終わりですよね。でも、私達はアフターサービスを中心にお客様が買った後のことまで真剣に考えているので、「購入したら損をする可能性がある」と思ったら、お客様にとって悪いことでもちゃんと言います。

中古車をお得に購入したければ、国内企業の動向や海外情勢もチェックすべし

(編集部:AK)どの時期に中古車を購入したら「お得」、または「損」をするというのはありますか?

(高橋)一般的には、1~3月の企業の決算期に買うのがお得と言われています。

その理由は、決算は企業にとって一大イベントで、買い替えを検討したり、その際にお財布が緩くなったりすることがあり、結果として中古車市場に多数の良質な中古車が出回るからです。そうなると需要と供給の関係でリーズナブルになる傾向があります。

ほかに「裏技」的なポイントとしては、クルマをたくさん所有する会社の株価が下がったときも狙い目ですね。株価が下がる=財務体制が悪くなるとクルマを売却してキャッシュに替えることが少なくないので、そういうときも中古車が市場に出回ったりします。

 

(編集部:AK)裏技、とても面白いですね。ほかに「新規オープンの店」はどうでしょうか?

(高橋)狙い目ですね。広告的に目玉商品として品質がよいものを安い値段で出すことがあり、ガリバーも新店ではそうすることがあるので、チェックしてみてください。

(編集部:AK)逆に、この時期に買うと「損」な時期はありますか?

(高橋)今はあまりないですね。以前は4月と12月が中古車業界の閑散期と言われましたが、最近は決まった時期がなく、掴みづらくなっています。

国内だけでなく海外情勢ともリンクするから複雑なんですよね。日本のクルマは海外にとってはお宝で、少し前まではこの店にも中国の富裕層がたくさん買い付けに来ていました。でも、不動産バブルがはじけてピタッと止まって。そういう世相とも中古車市場はリンクしているので、ニュースを見ることも損をしないポイントになるかもしれません。

「このぐらいのお値段まで頑張れるかもしれません」と言う営業マンには要注意!?

(編集部:AK)「このワードには気を付けたほうがいい」という中古車買取業者とのやり取りはありますか?

(高橋)価格一辺倒で買う方はだいたい失敗していると思います。

これは本当にぶっちゃけた話になりますが、私達も人間なので無理な値切り交渉や「担当はいらない、この価格で買えればいいから」などと言われると、対応したくなくなるものです。

私達は購入後のお客様のことまで真剣に考えて取り組んでいますが、お客様の言動によっては最善を尽くしたいと思いが薄れてしまうこともあります。お客様も店員に対して、ある程度のマナーは必要だと私は考えていますね。

(編集部:AK)ネットで検索して一方的に情報を収集しているのとはわけが違いますよね。店舗ではリアルなコミュニケーションがありますから。

(高橋)そうなんですよ。うちはリセール目的のお客様が多いので、じつはそういう態度をとる方が少なくないんです。

だから私はいつもはっきり言います。「そういう言葉を使うのであれば私は売りません」と。でも、結局そういう方も、こちらの気持ちを率直に伝えると謝ってくださって、何年にもわたって長くお付き合いが続いているというケースが少なくありません。

私も「きっとあのときは仕事で忙しかったんだな」と後から思ったりして、察することができずに反省したりもします。

(編集部:AK)中古車売買は「人と人」がキーワードですね。

(高橋)本当にそうです。それは中古車に限った話ではなくて、居酒屋でも店員に横柄な態度を取っていると、相手は良い接客をしようと思わないから結局良い時間を過ごせないですよね。こちらがちゃんとした対応をすれば、向こうも丁寧に対応してくれるから良い時間を過ごすことができます。

私がこの店でいろいろなお客様や従業員と接してきて、たどり着いたのはそこです。

商品やサービスが何であれ、販売するのは人で、購入するのも人です。「人と人」、そこに尽きるのかなと思います。

(編集部:AK)今回のインタビューでも終始一貫して、「人を大事にする」という高橋店長の姿勢を実感しました。

(高橋)結局、私達ガリバーが一番頑張っているところ、企業努力をしているところはそこなんです。

販売や買取をして終わりではなく、長くお客様と良い関係を築いていけるために、従業員に研修を行い、全てのお客様に満足していただけるように購入後のご対応を重視して取り組んでいます。そうやって取り組んでいると、本当にお客様はまた戻ってきてくれるんです。

(編集部:AK)――長い時間のインタビューありがとうございました。私も中古車を購入する際は八王子みなみ野店で、高橋店長にお願いしたいと思いました。