ガリバー「ライブコマース」の仕掛け人・石川淳一さんに聞く 【インタビュー】ガリバー初の試み！中古車をライブ配信で紹介する「ガリバーライブ」の舞台裏（1）

世の中でSNSを通じたコミュニケーションが小売業の中で行われるようになってきて、私たちもこうした新しいツールを活用していかなければならないという課題意識は以前からありました。しかし、実際にどう活用していくのかという方法の考案については、ファッションなどと違い中古車は価格が高額であることから難しい課題だったのです。

そうした中で、SNSやYouTubeで行うライブ配信を通じて商品の特徴をお客様にプレゼンテーションするという「ライブコマース」の手法がファッションや家具などの分野で広がってきて、これならば中古車の分野でも活用できるのではないかと考えました。業界でいち早く新しい手法を活用することで、消費者のメディア接触のトレンドに乗り遅れたくないという思いが強いです。

そうですね。クルマを購入したことのない若い方、これから免許を取る予定の方や免許を取ったばかりの方に、まずは「ガリバーのお店に行く」という敷居を下げてあげたいですね。

若い人たちにガリバーのお店に足を運んでいただけるようにするためにも、まずはガリバーではどんな人がどんな風にクルマを提案しているのか、どんな雰囲気で商談が進んでいくのかを知っていただきたいのです。ライブコマースを通じてこのような“ガリバーの雰囲気”を知っていただくことで、「まずは見るだけでもお店に行っていいんだ」「こういう相談もしていいんだ」という安心感を持っていただきたいですね。

来店されるお客様を年齢層で分けると、若いお客様は少ないですね。加えて、中古車販売店というのは入るのに結構勇気がいるんじゃないかと思っていて、私たち販売店の側からすると「ちょっと車を見にくるだけでも気軽に来て欲しい」という思いはいつもあるのですが。

「ちょっと入るのに抵抗がある」というイメージを覆し安心感を持ってもらえるようなブランディングが必要なのではないかと考えています。

そうですね。ウィンドウショッピングをする感覚で気軽に立ち寄れるかというと、ちょっと難しいと思います。

であるならば、ライブ配信を通じて「ガリバーではどんな人が働いているの？」「どんな相談ができるの？」という雰囲気を感じてもらったり、実際にライブ配信上で質問してコミュニケーションをとってみることで、ガリバーのお店に興味を持ってもらえればという思いがあります。

もちろん、私自身は「ライブ配信で中古車は売れる」と思っていて、お客様にとって必要な情報を提供できて、かつお買い得感がしっかりと打ち出せれば、販売チャネルのひとつとして成り立つのではないかと期待しています。

そもそも「ライブコマースってどうやるんだ？」というところから準備を始めました。

ライブコマースは何を目的にやるのか。どこに目標を置くのか。常に私たちがライブコマースをやる意義に立ち返りながら、どのような準備が必要なのか、どのような内容のライブ配信にするべきなのかを考えていきました。知れば知るほど、「あ、ライブ配信ってそんなに畏まらなくていいんだ」ということもわかってきて。それこそ様々な業界のライブ配信を実際に拝見して勉強させてもらいました。

そうですね。特にSNSでは発信する人と視聴する人の波長が合う合わないであるとか、キャラクター性や趣味・嗜好性に共感できるとか、発信する人のことが「いいね」と思える方がフォローしてくれたりチャンネル登録してくれたりするものだと思います。私たちの発信するコンテンツを気に入ってくれたファンの方々を着実に掴んでいければと思っています。

まずは幅広く人気のカテゴリーから紹介していこうと考えています。もちろん、回数を重ねていく中でライブコマースに向くクルマ、不向きなクルマ、ライブコマースに最適なクルマの価格帯が見えてくると思いますので、まずはトライアンドエラーでやっていきたいですね。それこそ、ライブコマースなのでお客様からのリアルタイムな反応を見ながら試行錯誤していきたいと考えています。

2025年からはライブコマースで紹介する車種の選定にコンセプトを持たせたり、事前に紹介する車種を予告したりする構想もありますので、ぜひ楽しみにしてください。