クルマ購入の補助金制度や仕組みを徹底チェック 【知っておきたい】新車購入時に得する「補助金」のお話(2024年11月版)

新車を購入する際に、数年後手放すことを考えて将来売却する際に見込まれる価値=リセールバリューを考慮される方も多いと思いますが、一方で新車購入時に掛かるコストを少しでも減らすために活用したいのが「補助金」です。今回は、新車購入時に知っていて欲しい補助金制度や仕組みについてご紹介します。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

新車購入に活用できる補助金は「CEV補助金」のみ

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    2024年11月現在、全国一律で利用できる補助金は、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」になります。

これは、国が電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)など、電気で動く自動車の拡大とカーボンニュートラルの目標達成を目的にした補助金で、2024年度は予算の上限を1,291億円に拡充しています。

詳しくは「一般社団法人 次世代自動車振興センター」のHPをチェック

補助金の対象となるのは、新車登録されたEV(軽を含む)、FCV、PHEVで新車登録された日から1ヶ月以内の補助金申請が原則です。注意すべき点は、「プラグインハイブリッド車」は補助の対象ですが「ハイブリッド車」は対象外であるところ。

たとえば、トヨタの「プリウス」や「クラウンスポーツ」には、ハイブリッド車のグレードとプラグインハイブリッド車のグレードが両方設定されているので、補助金の活用を検討している場合には選択するグレードが補助金の対象かを確認するようにしましょう。

また、補助金の対象となるのは「新車登録されたクルマ」のため、中古車での購入は対象外となる点にも注意しましょう。

「CEV補助金」の補助金額は車種・グレードによって異なる

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    では、次に気になるのは対象となるクルマはどれくらいの補助金が出るのかという点です。補助金は車の種類によって異なり、電気自動車(EV)は最大85万円、電気軽自動車(軽EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)は最大55万円、燃料電池自動車(FCV)は最大255万円と設定されています。

しかし実際には各メーカーの車種・グレードごとに補助金額が定められていて、CEV補助金を所管する一般社団法人次世代自動車振興センターがそのリストを公開しています。

特に、本体価格が840万円以上の高額な自動車については補助金額が減額されていますので、注意が必要です。
たとえば、日産「アリア」についてはほとんどのグレードで85万円の補助金が出ますが、本体価格が850万円を超える「NISMO B9 e-4ORCE」というグレードのみ、補助金が68万円となっています。海外メーカーの補助金対象車の場合、本体価格が高額であるために補助金が少なく設定されている場合もありますので、購入検討時に確認するようにしましょう。

詳しくは「一般社団法人 次世代自動車振興センター」のHPをチェック

補助金対象の新車を購入したらすぐに申請を!保有期限や予算上限にもご注意を

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    次に知っておきたいのは、補助金の申請方法についてです。大前提として、CEV補助金は新車購入時にカーディーラーで手続きしてもらうものではなく、売買代金の支払い(ローン契約を含む)と車両登録(ナンバーの取得)が完了した時点から原則1ヶ月以内に購入者が自分で行わなければならない点です。

そのため、補助金を「新車の値引き」と誤解される方もいらっしゃいますが、新車代金を100%支払った後に「返ってくる」のが補助金だとイメージするとわかりやすいでしょう。もちろん申請にあたってはカーディーラーでもサポートしてくれる場合がありますので、相談してみましょう。

申請に必要となるのは、

・申請書
・本人確認書類
・車検証
・領収書
・ローン契約の契約書
・注文書
・売買契約書

詳しくは一般社団法人次世代自動車振興センターの資料をご確認ください。申請は郵送で受け付けているほか、オンラインでの申請も可能です。なお、個人向けカーリースで新車を購入(リース契約)した場合も補助金の対象となり、契約者本人による申請が必要です。

詳しくは「一般社団法人 次世代自動車振興センター」のHPをチェック

なお、注意したいのがこの補助金には「予算の上限」が設定されているという点。つまり、補助金が予算上限に達すると受付を終了してしまいます。一般社団法人次世代自動車振興センターではこの予算上限到達時期の目安を公開していて、2024年度の補助金については「2025年2月13日頃」を受付終了見込みとしています。もちろん、この見込みよりも前倒しで受付を終了する場合もありますので、補助金を活用して新車を購入したいと考えている人は駆け込み申請にならないよう注意しましょう。

ちなみに、CEV補助金には「補助金を受けた車両の保有義務期間」というものは設定されています。これは新車を購入・補助金を受領してから4年(乗用車の場合)は「処分制限期間」に設定されており、4年以内に売却などの処分を行った場合には受領した補助金を返納しなければなりません。「リセールバリューが高いうちに手放そう」と処分制限期間に売却してしまうと、補助金の返納を求められる場合がありますので十分にご注意ください。

地方自治体がエコカー購入の補助を行っているケースも

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    今回ご紹介したCEV補助金は国のエコカー購入補助制度となっていますが、地方自治体が独自の購入補助を行っている場合があるので要チェックです!

たとえば、東京都には「ゼロエミッションビークル車両購入補助金」という制度があり、CEV補助金の対象となる新車に対して補助金を出しています。補助金の金額は給電機能があるEVとPHEVで45万円、給電機能がない場合で35万円。これにメーカーごとに5万円から10万円の上乗せ補助が行われているほか、その他にも再生可能エネルギー電力を導入している場合の上乗せ補助や充電設備を設置している場合の上乗せ補助なども行なっています。

国のCEV補助金に加えてこうした自治体独自の補助金も活用すると、補助金の総額はかなり大きなものになりそうです。お住まいの都道府県・市区町村で車両購入補助金制度があるかどうか確認してみるようにしましょう。

詳しくは「東京都のゼロエミッションビークル車両購入補助金制度」のHPをチェック

車両購入時にチェックしたい「エコカー減税」と「グリーン化特例」

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    今回は電気自動車やプラグインハイブリッド車の新車購入を対象とした補助金についてまとめてみましたが、クルマの購入を検討する際に意識したいのが「エコカー減税」です。

エコカー減税は電気自動車やクリーンディーゼル車、ハイブリッド車や燃費基準・排ガス規制の条件をクリアしたガソリン車を対象にした減税で、環境性能の高さによって車両購入時の「自動車重量税」が減税・免税されます。ちなみに、新車登録時の車検が残っている中古車もエコカー減税の対象になる場合がありますので、お店で確認してみましょう。

また、クルマを購入したら課税される「自動車税」についても、エコカーを対象とした減税制度があります。それが「グリーン化特例」と呼ばれるもので、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、燃費基準・排ガス規制の条件をクリアしたガソリン車が対象。こちらも、購入しようとしているクルマが減税対象になっているかはお店で確認してみることをおすすめします。

まとめ

ご紹介した通り、環境負荷の低い電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車、低燃費・低排出ガス車などの普及を目指して、国や自治体では様々な補助制度を設けています。クルマの購入を検討されている方は、検討しているクルマのリセールバリューと共にこうした補助制度についても調べてみるようにしましょう。