2025年の貿易統計が発表:中古車輸出先で地域別首位はアフリカ、国別首位は中東UAEに

財務省は2025年分の輸出・輸入の情況をまとめた「貿易統計」を発表し、自動車(新車+中古車)の輸出台数は前年比1.7%増の589万6261台に。全ての輸出品目に対する比率は15.9%という結果になりました。輸出額は17兆6,121億9,100万円となり、前年比1.7%の減少となっています。

また、中古乗用車の輸出台数は前年比9.3%増の149万0242台で、1兆6079億3093万円(前年比17.4%増)という結果に。自動車全体では台数ベースで前年比微増、輸出額は微減となっていますが、中古乗用車については台数・輸出額ともに増加という結果になりました。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

“安い中古車”が大量に輸出されるアフリカが地域別輸出先でトップに

地理圏別の中古乗用車輸出台数を見てみると、輸出台数が最も多かったのはアフリカで、37万台。次いでアジアで31万台、中東が22万台という結果になりました。ただ、輸出金額ではアジアが最も多く、アジアが6478億円だったのに対して、アフリカは2603億円という結果に。アフリカ圏へ輸出されるクルマが他の地域と比較して安価であることが示唆されています。

過去には中古車のプロがアフリカ市場の躍進を予測

ちなみに、北米は年間で1万台となっており中南米が17万台であることと比較すると非常に少ないですが、これは米国への中古車輸出には米国の安全基準・環境基準への適合という条件があり、生産から25年以上経過して条件の対象外にならないと輸出することが困難であるという事情によるものです。なお、米国は新車を含む自動車全体の輸出台数では国別首位になっており、米国は新車の自動車輸出で最大の相手国であることに変わりません。

地域別中古乗用車の輸出台数・輸出金額(財務省「貿易統計」より引用)

輸出台数 輸出金額
アフリカ 37万8385台 2603億2902万円
アジア 31万0006台 6478億4291万円
中東 22万4042台 1116億2228万円
中東欧・ロシア 20万2724台 2274億3111万円
中南米 17万5427台 1420億3358万円
大洋州 10万6514台 928億6546万円
西欧 8万0683台 1068億3891万円
北米 1万2461台 189億6763万円

中東で輸出先の大部分を占めるUAEが国別輸出先で首位に

国別の中古車輸出情況を見てみると、輸出先で最も多かったのはUAE(アラブ首長国連邦)で、22万台。中東地域の輸出台数のほぼ全てがUAE向けということがわかりました。日本貿易振興機構(JETRO)は2026年2月3日掲載の「ビジネス短信」のなかで「日本からアフリカへの自動車輸出は、UAE経由も多い」としており、UAEが中東やアフリカなどの各国に中古車を流通させる「ハブ」の機能を果たしていることを示唆しています。

 

そして、2位はロシアで18万台。こちらも中東欧地域のほとんどの中古車輸出がロシア向けとなっています。ちなみに、現在ロシアに対する中古車の輸出には厳しい規制が掛かっていますが、その対象となっているのは、車両価格が600万円を超えるクルマ、排気量1.9リッターを超えるクルマと、全ての電気自動車・ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車。規制対象となる排気量を下回る小排気量のクルマは輸出が制限されていない情況です。こうした厳しい規制が掛かっている状況下でも国別輸出先の2位に入るということは、日本の中古車に対するロシアからの需要が依然として非常に高いことがわかります。

 

なお、3位はアフリカのタンザニアで、10万台。アフリカの輸出台数37万台のうち4分の1近くがタンザニア向けであることがわかります。国別輸出先の上位10カ国を見てみると、アフリカからはタンザニア(3位:10万台)、ケニア(5位:7万台)、南アフリカ(9位:5万台)の3カ国がランクインしました。

国別中古乗用車の輸出台数・輸出金額(財務省「貿易統計」より引用)

輸出台数 輸出金額
アラブ首長国連邦(UAE) 22万3999台 1114億8068万円
ロシア 18万6582台 2163億4935万円
タンザニア 10万5250台 623億0006万円
チリ 7万3337台 274億5572万円
ケニア 7万0325台 866億5859万円
ニュージーランド 6万8903台 528億3129万円
モンゴル 6万3366台 746億9737万円
スリランカ 5万8566台 1372億2774万円
南アフリカ共和国 5万2024台 197億8264万円
パキスタン 4万4911台 726億8952万円

ちなみに、ランキングのトップ10に入ったOECD加盟国は、ニュージーランドのみ。西欧の国では15位にイギリスがランクインしている情況で、ランキングの上位はほぼ全ての国が新興国という結果に。日本から輸出される中古車が新興国の経済発展を支えている様子が伺える結果となりました。なお、アジアは輸出台数でアフリカに次ぐ2位となりましたが、中国は国内自動車産業の保護を目的に中古乗用車の輸入を原則として禁止しており、国別のランキングでは香港が29位(1万台)、中国が47位(0.3万台)となっています。

まとめ

今回は、財務省が公表した2025年の貿易統計をもとに、中古車の輸出情況をまとめてみました。2025年は前年比で大きな増加となった中古車の輸出ですが、一方でこうした輸出需要の高まりは日本国内の中古車市場にも影響を与えており、需要増を背景した中古車の市場売却予想額の上昇といったメリットもあれば、店頭在庫の不足や仕入れ価格の高騰などの悪影響も招いています。2026年、中古車の輸出需要はどのように変化していくのか。今後の動向にも注目です。