リセバ総研リサーチ:中古車買取経験者の約6割が「不信感を抱いた経験あり」、その具体的な理由とは?

長年愛用してきた愛車を手放す際、どのような選択肢を検討するでしょうか?新車ディーラーや中古車販売店で次のクルマを購入する際の下取り、中古車買取専門店での買取、廃車専門業者での買取・処分など様々な選択肢がありますが、一般の消費者は買取業者に対してはどのような印象を抱いているのでしょうか?リセールバリュー総合研究所では、全国の自家用車保有者464人を対象に「中古車売却・ 買取査定に関する意識調査」を実施しました。

買取査定経験者の半数以上が「不信感を抱いたことがある」

回答者のうち、中古車の買取査定を経験したことのある283人を対象に、買取査定において「不信感を抱いた経験がある」と回答したのは、55.1%。なかでも、13.1%は「何度もある」と回答していることがわかりました。

 

具体的にどのような点に不信感を抱いたのかを複数回答で聞いたところ、「後出しで(査定金額が)減額された」が最も多く40.4%に。また、「査定額の根拠が不明瞭」という回答は39.7%、「手数料・条件などの説明が不十分」という回答は30.1%となり、説明の透明性やプロセスへの納得感が欠けていると感じる点が、不信感につながっていることが示唆されました。また、「相場より明らかに安いと感じた」という回答も30.8%ののぼり、査定金額に対する納得感が得られていない点も不信感に繋がっていることがわかりました。

一方で、「この対応なら信頼できる」と感じた体験をしたことのある回答者は52.3%という結果も。不信感を抱いた経験をしている人が多い一方で、約半数が信頼に足る対応も実際に経験していることがわかりました。

 

具体的に信頼できると感じた経験としては、「相場情報を開示してくれた」が54.1%と最も多く、次いで「査定額の理由を丁寧に説明してくれた」が53.4%という結果に。査定内容に対する納得感が得られる説明を受けることで、買取業者に対して信頼感を持てることが示唆されました。加えて、「即決を迫らなかった」(35.8%)、「他社比較を認めてくれた」(35.1%)という回答の上位に挙がり、売却判断をユーザーに委ねる姿勢も、信頼感に繋がっていることがわかりました。

自動車オーナーの約半数が「中古車相場の傾向を把握していない」

クルマの売却は人生において何度も経験することではありませんが、大きなお金が動くだけあって事前の情報収集は非常に大切です。しかし実際のところ、自動車オーナーは中古車の相場やトレンドなどについてあまり敏感ではないようです。「中古車相場やトレンドをどこまで掴んでいるか?」という質問に対して、「よく知っている」と回答した人は8.0%にとどまり、46.8%の人は「まったくわからない」と回答。半数近くの人が中古車相場の傾向などを把握していない状況がわかりました。

 

一方で、「相場が下がるかもしれない」と思うと売却判断に「かなり影響する」「多少影響する」と回答した人は合計で64.5%にのぼり、相場のトレンドを正確に把握していないが価格下落への懸念だけは強く意識しているという矛盾する実態が浮き彫りになりました。

約半数の人が中古車相場について全く把握していないという実態がわかりましたが、同じように自分のクルマの価値=リセールバリューについても、把握している人は多くないようです。「自分のクルマのリセールバリュー(残価)を把握していると思うか」という質問に対して、「正確に把握している」と回答したのはわずか9.1%にとどまり、「だいたい把握している」という回答を含めても34.3%に。一方で、「あまり把握していない」「まったくわからない」と回答した人は65.7%にのぼり、およそ3人に2人の人が自分のクルマの価値を十分に把握できていないことがわかりました。

 

その上で、実際に査定を受けた経験がある人に査定額に対する印象を聞いた質問では、「想定より低かった」と回答した人は38.5%と、「想定より高かった」 (14.4%)を大きく上回る結果に。自分のクルマの価値に対する事前のイメージと実際の査定額との間にギャップを感じる人が少なくないことがわかりました。

2026年の中古車相場は上がる?下がる?消費者の印象は?

また、2026年の中古車相場に対してどのような印象を持っているか聞いた質問に対しては、相場価格が「上がりそう」と回答した人は25.9%、「下がりそう」と回答した人は6.5%、「横ばい」と回答した人は最も多く26.9%という結果に。一方で、「わからない」と回答した人は40.7%となっており、日頃から中古車相場に対して情報のアンテナを張っていないことから判断が難しいようです。

 

この回答の根拠を尋ねた次の質問では、「わからない/直感でそう思った」が42.9%と最も多かったですが、「物価上昇の問題」(30.8%)、「世界情勢の問題」(16.2%)、「円安の問題」(9.5%)が上位に挙がっており、経済情勢や社会情勢の様々な問題が中古車の相場価格にも影響を与える可能性を感じていることが浮き彫りになりました。

アンケート結果の内容について詳しくはこちら

参考:中古車査定には業界団体のガイドラインがあります

今回のアンケートでは、中古車査定を経験した人のうち55.1%の人が「不信感を抱いた経験がある」と回答し、そのなかで「査定額の根拠が不明瞭」という回答が39.7%という結果になりました。しかし、中古車買取に関する業界団体である「一般財団法人日本自動車査定協会」では中古車査定に対する消費者の不安を解消するために、買取査定に関するガイドラインを公開しています。

 

具体的には、外装・内装が無傷であること、エンジン・足回りが良好であること、事故歴や改造がないこと、過走行でないこと、タイヤの残り溝が十分であることなどの条件を満たしていることを「標準状態」と呼び、この標準状態における「査定基準価格」を日本自動車査定協会が策定。これをベースに、それぞれの買取業者では整備コストや粗利益などの事情を加味した「基本価格」を車種・グレードごとに定めています。そして、この基本価格に基づいて実際に査定するクルマの状況を確認して、外装・内装の状態、走行距離、エンジンや足回りの状態などの査定項目に応じて加点・減点を行い、最終的な査定価格を決定します。

 

このように、買取査定の価格には明確な根拠があるため、提示された査定価格に納得感が得られない場合には、その査定根拠について買取業者に尋ねてみることをおすすめします。

一般財団法人日本自動車査定協会のウェブサイト