7年で10万km走っても価値は死なず!「1kmあたりの売却額」で算出した買取タフネス車ランキング2026
自動車は、購入した瞬間から価値の減損が始まり、走行距離計の数字が増えるたびにその市場価値は減少していく。中古車にまつわる、逃れられない物理法則だ。しかし、この重力に逆らい「どれだけ走っても価値を維持し続けるクルマ」と「それほど走しらなくても価値が落ちていくクルマ」もある。
目次
中古車は走れば走るほど価値は落ちる?
今回、昨年2025年のガリバー年間査定データにおける査定件数上位50車種を用い、「1kmあたりの査定額(円/km)」という新たな指標を算出した。計算式は極めてシンプルだ。査定で算出された平均売却予想額(買取相場)の総額を、それまでの総走行距離で割る。
つまり、「あなたが走った1kmに対して、市場があとから幾らキャッシュバックしてくれるか」を示す、いわば「走行距離の換金レート」である。
算出式 =
また、あまり使用されていない低走行車を除外するため、年間平均1万km以上という「実用車」としての使われ方をした個体に絞り込み、特に価値の暴落が起きやすい「7年落ち(3回目の車検タイミング)」時点でのデータを分析した。
そこから見えてきたのは、頑強なリセールバリューを持つ「資産としての車」の正体だ。
7年落ちで8万キロ以上走っても買取相場が高値を叩き出すクルマたち
一般的に、新車から7年が経過し、走行距離が7〜10万kmに達した車両は、新車価格の20%〜30%程度まで価値が落ち込む。しかし、このランキングの上位車種は、その常識に当てはまらない数値を記録している。以下が、7年落ち時点での「タフネス車」TOP5である。

第1位:トヨタ ランドクルーザー プラド(1kmあたり48.6円)
圧倒的な1位はリセバ王のプラド。7年落ちであっても、1km走るごとに約50円の価値が残存している計算になる。 驚くべきは、3年落ちや5年落ちの一般的な乗用車と比較しても、この数値が勝っている点だ。
ラダーフレーム構造による物理的な耐久性と、中東やオーストラリアなど世界中の悪路で必要とされる海外需要が、走行距離による劣化評価を無効化していると言える。
第2位:ホンダ ステップワゴン(1kmあたり24.8円)
ミニバンカテゴリーの中で、7年目という長期戦においてステップワゴンが驚異的な粘りを見せた。一般にミニバンはファミリー層での消費が激しく、内装の汚れや使用感から敬遠されがちだが、この車種はロシアをはじめ海外への輸出でも人気の実用車であり、底堅い需要があるようだ。
第3位:トヨタ ハリアー ハイブリッド(1kmあたり22.8円)
人気のSUV王者とも言えるハリアーもランクイン。特にハイブリッドモデルは、燃費性能とトヨタ車の持つブランド力の双方が評価され、年数が経っても価値が崩れにくい。
第4位:トヨタ ハイエースバン(1kmあたり20.3円)
4位は商用車の王者、ハイエースバン。減価償却の曲線が緩やかで、新車価格がプラドやハリアーほど高額ではないにも関わらず、この単価を維持しているのは驚異的だ。
「現場御用達」で人気の番であることはもちろんのこと、カスタムカーやキャンピングカーとしても非常に人気であり、走行距離と比例しない需要の高さがうかがえる。
20万km、30万km走っても値段がつく唯一無二の存在であり、「仕事で使い倒しても価値がある」実用車であることをデータが証明している。
第5位:スバル フォレスター(1kmあたり20.0円)
リセールバリュー的には注目を浴びる機会が少ないスバルだが、フォレスターはTOP5に食い込んだ。AWD(全輪駆動)性能への信頼感が高く、降雪地域などでの指名買い需要があり、ロシアをはじめ旺盛な輸出需要も7年落ち以降の相場を下支えしていると考えられる。
ただし、ロシアでは2025年12月より最高出力160馬力(118kW)を超える車種に対する リサイクル税(廃車税)が大幅に引き上げられるなど、中古車輸出(仕向国にとっての輸入)に関する規定や政策は日々変わっていくので、価値が今後も維持されるかどうかは注意が必要だ。
まとめ
クルマ選びは「燃費」や「新車価格」だけでなく、売却時の価値である「リセールバリュー」も大いに気になる。
例えば、カタログ燃費がリッター30kmの車でも、売却時に価値がゼロになっていれば、トータルコストは高くつく。逆に燃費が悪くとも、プラドのように1kmあたり50円近くが戻ってくるならば、実質的な移動コストは下がっていく可能性が高い。
「長く乗るつもりだからリセールは関係ない」と考える方も多いだろうが、長く乗るからこそ7年後や10年後に手元に残る「資産価値」の差は、数十万、数百万単位で家計に直撃する。車種にこだわりがなく、クルマ選びに悩んだときは、将来的な乗り換えの「出口戦略」の視点で選んでみるのも良いだろう。
