リセバ総研リサーチ:クルマを買うときに選ぶ支払い方法、約6割の人が“現金一括派” 〜 クルマ選びは「貯金の範囲内で」
リセバ総研では、男女650人を対象にした「お金とクルマに関する意識調査」と、自家用車を保有している男女361人を対象にした「自動車購買行動に関する調査」をそれぞれ実施し、結果を公開しました。クルマの購入を検討する際には、「どんなクルマがほしいか」を考えるだけではなく、「どれくらいの予算を用意するか」「どのような支払い方法にするか」「貯金やボーナスをどのように活用していくか」など、お金に関することを決めておくことも非常に大切です。アンケートの結果からは、「クルマはローンで買うもの」というこれまでのイメージに反して、堅実な消費者の実態が見えてきました。
残クレやサブスクの利用者は少数派、消費者は意外と堅実だった!
「お金とクルマに関する意識調査」では、現在自家用車を所有、あるいは過去の所有していた人460人を対象に、自動車を購入した際の支払い方法について聞いています。その結果、半数を大きく上回る63.9%が「現金一括払い」を選択していることが明らかになりました。続いて、「自動車ローン(ディーラーローンなど)」は19.6%、「銀行や信販会社のマイカーローン」は5.7%という結果に。“残クレアルファード”という言葉まで生み出した「残価設定型ローン」の利用者は3.5%と少数派で、各社が広告に力を入れる「クルマのサブスク」といわれるカーリースや自動車サブスクリプションの利用者はごくわずか。世の中の印象と相反して、消費者は非常に慎重かつ堅実な選択をしていることが示唆されました。

では、なぜ現金一括派が多いのでしょうか。その理由は、現在クルマを保有している361人を対象に行った「自動車購買行動に関する調査」で明らかになっています。「支払い方法で重視すること」を聞いた質問に対して、40.7%が「一括払いでの割安感(現金特価・割引)」を選択。現金一括払いでは、分割手数料やローン金利などを支払う必要がないため、自動車ローンを組んだときよりも支払総額を抑えられます。そうした点を踏まえて、“借りて支払う”より“今払って終わらせる”という志向が強まっているのではないでしょうか。

多くの消費者が「欲しいクルマ」ではなく「買えるクルマ」を買うという選択
現金一括派が多いということは、購入予算の検討もおのずと現在の手元資金を基準に決めていくということになります。「自動車購買行動に関する調査」で購入予算の決定方法について聞いた質問についても、44.3%が「貯金額・手持ち資金から逆算した」としており、一方で「欲しいクルマの価格に合わせた」というクルマそのものへの憧れや希望から予算を検討した人は19.7%となりました。このことからも、多くの消費者が「欲しいクルマを買う」よりも「買えるクルマを買う」という選択をすることが示唆されています。

ちなみに、「お金とクルマに関する意識調査」では、今後の自動車購入における支払い方法の意向についても聞いています。ここでも「現金一括」は42.5%と最も多く、「自動車ローン」は12.0%となっていますが、それ以外の選択肢はいずれも5%を下回る結果に。堅実な選択をしていくという消費者の意向は今後も変わらないことが示唆されました。一方で、「わからない/特に考えていない」という回答は35.7%となっており、実際にクルマの購入を検討することになるタイミングまで判断を保留している人も多いことがわかりました。

今年のボーナスの使い道は?男性と女性でその傾向に違いが!
今回ご紹介した結果だけでなく、「お金とクルマに関する意識調査」ではボーナスの使い道について男性と女性の考え方の違いや、ガソリン代や交通費の高騰によるカーライフへの影響などについてのアンケート結果もご紹介しています。詳しい調査結果については、下記のリンクをご覧ください。
まとめ
今回は、リセバ総研が行った調査をもとにして「クルマを買うときの支払い方法」や「クルマの購入予算の決め方」などについて消費者の実態をご紹介しました。世の中では「残価設定型ローン」や「クルマのサブスク」などの広告宣伝が多いことから「どれくらいの人たちが利用しているんだろう?」と気になっていましたが、実際のところは非常に少数派だったということに驚かされました。リセバ総研では今後もクルマにまつわる消費者の様々な実態をリサーチしていきます。
