リセバ総研リサーチ:若者たちは本当に“クルマ離れ”しているのか?調査データから見えてきたリアル

リセバ総研では、18歳から35歳の男女603名を対象に自動車に関する意識調査を行い、その結果を公開しました。「若者のクルマ離れ」が自動車業界の課題として顕在化してからかなりの年月が経過しましたが、現在の若者層はクルマに対してどのような興味関心や志向性を持っているのでしょうか?

ライター
半数以上が「クルマに興味なし」、しかし自動車所有者・購入意欲層も半数を超える
回答者603名のうち、「クルマに興味がある」と回答したのは45.9%。過半数を超える54.0%が「クルマに興味がない」と回答しています。その差8.1ポイントをどのように見るかは人によって異なりますが、「クルマ離れ」といわれている割には大差がついていないとも見ることができます。
一方で、「クルマを欲しいと思うか」という質問に対しては、「既に持っている」という回答者が27.5%。「すぐにでも欲しい」が18.5%、「将来的に欲しい」が15.1%となり、回答者の半数を超える57.1%がクルマを所有、あるいは将来購入する意欲があることがわかりました。一方で「欲しくない」と回答した人は28.5%にとどまっており、このふたつの質問から「クルマには興味がないが、移動の道具としてクルマは欲しい」と考えている人が多いことが示唆されました。

これは、クルマに「興味がある回答者」と「興味がない回答者」を分けてクロス集計した結果でも示唆されています。クルマに興味がある回答者のうち、「クルマが欲しい」と回答したのは83.6%と「欲しくない」の7.3%を大きく上回る結果になりましたが、一方でクルマに興味がない回答者のうち、「クルマが欲しくない」と回答したのは64.6%にとどまり、クルマに興味がない層の33.5%は「クルマが欲しい」と回答しています。

アンケートで見えてきた、若者たちのクルマ選びのリアル
調査によると、クルマを選ぶ際に最も重視するポイントとして最上位に挙がったのは「価格」で31.7%。ついで「デザイン」が21.6%、「燃費」が16.1%と続き、ブランドやメーカー、搭載されている技術や環境性能、安全性能などで選ぶ人は少数派であることがわかりました。また、1位に「価格」が挙がっているのに対して「維持費(保険・税金・車検)」については3.6%と少数派である点も、興味深い結果となりました。

「若者のクルマ選びにとって、クルマのブランドやメーカーは関係ない」という結果は、メーカーやディーラーの担当者にとってはなかなかショッキングですが、これは「好きな自動車メーカー」を聞いた質問でもはっきりしています。メーカー別の人気1位は「トヨタ」で28.9%、2位が「ホンダ」で20.9%となりましたが、それを大きく上回る41.3%が「特にない」と回答。これは、「デザインが好みで予算の範囲に収まるコスパの良さがあれば、メーカーやブランドは問わない」という若者の志向性を示唆しているのではないでしょうか。

ちなみに、クルマを探す際に利用する情報源として興味深いのは、「メーカーやディーラーの公式サイト」(49.8%)に次いで、Instagram、TikTok、YouTubeなどの「SNS」が30.8%で上位に挙がっている点。ガリバーをはじめとした「中古車検索サイト」(23.5%)を上回る結果となりました。昨今の若者たちは、最新の時事ニュースもSNSを通じて認知する傾向がありますが、クルマを検討する上での情報収集にも身近なSNSを活用しているようです。
このアンケート調査では、そのほか「もしクルマに“夢の機能”を追加できるなら、欲しい機能は?」や「好きなナンバープレートをつけるとしたら、どんな番号を選びたい?」といった質問も行っています。アンケート結果の詳細は、ぜひリセバ総研のニュースリリースからご確認ください。