【トヨタ アクア】根強い人気の理由と中古車を選ぶ時に気をつけるべきこととは?

ハイブリッドコンパクトカーの先駆けとして、2011年に登場して以来、根強い人気を誇るトヨタ アクア。ハイブリッドカーの普及を支える主役となった車種のひとつでもあり、中古車市場でも、トヨタブランドへの信頼性や優れた燃費性能から、ハイブリッドカーを探す時の第一候補に選ばれることが多い車種です。
この記事では、アクアの人気が長く続く理由から、購入時に注意したいポイントまでを整理。アクアを中古車で購入する際のおすすめの年式・グレードなどもご紹介します。

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目次
アクアの人気を支える特徴とは?
トヨタ アクアは、2011年にハイブリッド専用のコンパクトカーとして登場して人気となり、ロングセラーを続けているクルマです。
発売当初から世界トップレベルの燃費性能を誇り、コンパクトカーならではの運転のしやすさやコスパのよさから、個人はもちろん営業車などとしても広く使われています。まずは、アクアの人気を支える特徴を詳しく見ていきましょう。
アクアの人気の理由とは?4つの特徴
群を抜く燃費性能

アクアの最大の特徴は、ハイブリッドカーの中でもトップレベルを誇る燃費性能です。
初代モデルの燃費性能はJCO8モードで最高35.4km/L、現行モデルはWLTCモードで最高34.6 km/L(Xグレード・2WD)と発売から10年以上を経ても高い水準を保っています。
アクアの燃費性能は、日産 ノートe-POWERやホンダ フィットe:HEVといった、後発のハイブリッドコンパクトカーと比べても、遜色のない数値を維持していると言えるでしょう。
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【外部ライター】YA
アクアは、実際の燃費のよさにも定評があります。さらに、コンパクトカーであるため、自動車税や任意保険料も比較的安くなる傾向があり、全体の維持費が低く抑えられるのも人気の理由のひとつとなっています。
街乗りに適した運転のしやすさ

全長4メートル強、全幅1.7メートル未満のコンパクトなボディで、最小回転半径は5.2メートルと、狭い道や駐車場での取りまわしがスムーズにできるサイズ感も、アクアの特徴のひとつ。通勤や日常的な買い物など、街乗りに適しているクルマとして人気があります。
さらに、低重心設計により安定感のある操縦性を実現していることも合わせて、運転に慣れていない人でも扱いやすいのも評価が高いポイントです。
車両価格・中古車相場の手頃感

アクアはトヨタの先進的なハイブリッド技術を、比較的手頃な価格で提供するモデルとして位置づけられていることから、新車価格に手頃感があります。
また、人気の車種だけあって、中古車市場での流通量も多く、結果として中古車の価格相場も安く抑えられています。とくに、2021年に2代目が発売されたことから、初代モデルは相場が落ち着いており、ハイブリッドカーを手頃な予算で手に入れることができるのが大きな魅力になっています。
流通量が多い分、年式、グレード、走行距離、ボディカラーなど、多様な条件の中から、予算やニーズに合う車両を見つけやすいのも、アクアを中古車で購入するメリットのひとつです。
トヨタブランドの信頼性

トヨタブランドが持つ信頼性と耐久性のイメージも、アクアの人気を支える一因です。ハイブリッドカーを中古車で購入する場合は、バッテリーの劣化を初めとする故障のリスクが心配ですが、トヨタ車であれば安心感がありますし、アクア自体も故障が少ないという評価を得ていて、中古車市場での需要が長く続く要因となっています。
アクアの評価がイマイチなポイント
内装と室内空間

初代モデルでよく指摘される弱点が、室内空間の狭さです。とくに後部座席のスペースに余裕がないことを指摘する声が多く、大人が長時間乗るには窮屈に感じる可能性があります。内装のデザインや素材感もシンプルで、「安っぽい」と感じる場合があるようです。また、運転席からの視界の悪さが指摘されることもあります。
走りの洗練性

燃費性能を優先した設計のため、とくに加速が必要なシーンでパワー不足を感じるという声が多くあります。また、一部のユーザーからは、ロードノイズが大きい、残り心地が硬いといった評価も。力強い走りや、洗練された走りを求める人は、アクアの走行性能に不足を感じる可能性があります。
グレードによる装備の違い
アクアは、グレードによって装備の違いが大きいことに注意が必要です。とくに、古い年式のものやグレードによっては、後席のパワーウィンドウが省略されるなど、装備が大幅に簡略化されています。また、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備の搭載状況や機能も、年式やグレードによって異なるため、中古車を選ぶ際は確認が欠かせません。
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【外部ライター】YA
アクアに対するマイナスの評価もありますが、あくまで一部の声。燃費性能や車両価格を優先した設計であるため、シンプルな機能や装備となっていると考えると、手頃なハイブリッドカーとして必要最低限の機能は備わっていると捉えることもできます。
中古車でアクアを選ぶ時のチェックポイント
アクアは2011年に登場して以来、改良やマイナーチェンジを重ねながら、約10年のロングセラーとなり、2021年にはフルモデルチェンジにより2代目が登場しました。中古車市場でアクアを賢く選ぶためには、まず、世代・年式・グレードによる性能や装備の違いを知ることが大切です。
初代アクアのグレードと特徴

初代モデル:約10年間のロングセラー
2011年12月~2021年7月の間販売されていたのが、初代モデルと呼ばれるアクアです。約10年間のロングセラーとなったため、中古車市場での流通量が圧倒的に多く、価格が手頃である一方、室内空間の狭さや、簡素な内装といった弱点が指摘されることがあります。
価格と装備のバランスがよいのは、2018年以降のGグレード
初代アクアの主なグレードには、エントリーモデルの「L」、ミドルモデルの「S」、最上位モデルの「G」の3種類があります。中古車で検討するなら、手頃な価格帯でありながら、Sグレードより内装の質感や室内の快適性がアップしている「G」グレードがおすすめです。
また、2018年4月発売モデルからGグレードには、先進安全装備「Toyota Safety Sense」が標準装備、他グレードではオプション装備となっています。安全性能を重視するなら、2018年4月以降のアクアから選びましょう。
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【外部ライター】YA
中古車で検討するなら、手頃な価格帯でありながら、Sグレードより内装の質感や室内の快適性がアップしている「G」グレードがおすすめです。
また、2018年4月発売モデルからGグレードには、先進安全装備「Toyota Safety Sense」が標準装備、他グレードではオプション装備となっています。安全性能を重視するなら、2018年4月以降のアクアから選びましょう。
最大限のコスパを求めるなら、中期から後期のSグレード
コストを最も重視するという場合は、エクステリアや内装の改良が進んだ初代アクアの中期から後期モデル (2014年~2017年頃)のSグレードが有力な候補になります。装備や内装は基本的なものになりますが、車両価格は比較的安価でありながら燃費性能は特化しているため、コストパフォーマンスを最大限活かすことができます。
デザインや走りにこだわりがあるなら派生グレードもチェック
そのほかのグレードには、派生グレードである「G’s 」「 Crossover」などがあります。「G’s 」は、スポーティーな内外装と走りが特徴、「 Crossover」はSUV風のデザインが特徴となっています。デザインや走行性能にこだわりがあるなら、検討しておきたいグレードです。
マイナーチェンジ前後の変化にも注目
初代アクアは、約10年の間にマイナーチェンジを重ねていて、デザインや装備に細かな変化があることも注目したいポイントです。
基本的には、年式が新しいほど、より洗練されたエクステリアのデザイン、快適性を高めた内装になっており、年式によって表情や質感に違いがあります。
また、発売時期によって先進安全装備の搭載状況も異なります。2015年11月以降のモデルでは従来の安全装備「Toyota Safety Sense C」、2018年4月以降のモデルでは最新の「Toyota Safety Sense」を搭載したグレードを選ぶことができます。
安全性能の有無や搭載状況を確認することも、中古車でアクアを選ぶときの基準のひとつになります。
2代目アクアのグレードと特徴

2代目モデル:最新の性能やデザイン
フルモデルチェンジが行われた2代目は、室内空間や内装が改善されたほか、加減速がスムーズな「快適ペダル」や、小型で高出力のバイポーラ型ニッケル水素電池を採用するなどして、走行性能も大幅に改善されています。
初代モデルに比べて、中古車市場の流通量が少なく、相場は高くなります。予算よりも、最新の安全性能、走行性能、デザインを重視する場合の選択肢となります。
2代目アクアのグレードと特徴
2代目アクアの主なグレードには、ビジネスモデルの「B」、エントリーモデルの「X」、ミドルモデルの「G」、最上位モデルの「Z」などがあります。
ビジネス向けのBグレードは最もシンプルな装備で、価格が安いのが特徴。予算を重視する場合は、基本的な装備が備わっていて、価格が抑えられているXグレードを検討しましょう。内外装の質感や快適性を重視するなら、価格と装備のバランスがよいGグレードがおすすめです。Zグレードは、10.5インチ大型ディスプレイ、高性能LED、アルミホイールなどが標準装備され、先進性や高級感が感じられるモデルとなっています。
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【外部ライター】YA
2代目には、そのほかにスポーティーな内外装と走りが楽しめる、「GR SPORT」もラインナップされています。走行性能を重視する人向けのグレードですが、価格は最も高く、他のグレードよりも燃費性能が劣ることに気をつけましょう。
中古車を購入する時の注意点
アクアを中古車で購入する場合、最も注意しなければいけないのは、ハイブリッドシステムの駆動用バッテリーの状態です。購入後のトラブルを避けるため、一般的な中古車購入時のチェックポイントと合わせて、きちんと確認しておきましょう。
駆動用バッテリーの状態
バッテリーは消耗品であり、ハイブリッドカーの駆動用バッテリーも経年劣化は避けられません。万が一、バッテリーに不具合があれば、修理代も高くなりがちです。優先的に、バッテリー状態を確認しましょう。信頼できる整備工場やディーラーで、診断機によるバッテリー状態のチェックを受けるのが理想的です。
また、バッテリーに対する保証の有無や、保証期間が残っているかどうかも確認できると安心です。
一般的な中古車購入時のチェックポイント
一般的な中古車購入時のチェックポイントには、以下のようなものがあります。
・年式と走行距離
・点検整備記録簿のメンテナンス履歴
・ボディの傷や修復歴の有無
・タイヤやブレーキパッドの消耗具合
・内装の劣化具合
・エアコン、パワーウィンドウなど電装品の動作
一般的に年式が新しく、走行距離が短いほど、状態のよいクルマが多いとされます。まずは、年式と走行距離を確認しておきましょう。
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【外部ライター】YA
また、オイル交換などのメンテナンスがきちんと行われていないと、エンジンやモーターに負荷がかかりやすくなると言われています。きちんと整備されているクルマは、年式や走行距離に比べて状態がよい可能性が高くなります。整備点検記録簿に目を通して、メンテナンス履歴を確認しましょう。
さらに、ボディの修復歴、タイヤやブレーキパッドの消耗具合も、安全に乗るためにチェックしておきたい大切なポイントです。内外装の傷や汚れ、電装品の動作確認もしておきましょう。
人気のボディカラーとリセールバリュー

アクアは、ロングセラーであること、モデルチェンジに合わせてボディカラーの展開も変わってきたことなどから、中古車でも選べるボディカラーが豊富です。定番のホワイト・ブラック・シルバー系の他、赤・青・黄色・緑などの鮮やかな色がラインナップされたこともあり、好みの色を選ぶのも楽しみのひとつです。
とくに人気があるのは、「プラチナホワイトパールマイカ」「ブラックマイカ」「シルバーメタリック」などの定番色。また、2代目で登場した「クリアベージュメタリック」も人気が上がっています。リセールバリューを考えるなら、こうした定番色のほうが需要が高く、将来、クルマを乗り換える時には有利になると言えます。
ニーズと予算のバランスがよい一台を選ぼう
中古車市場での流通量が多いアクアは、根強い人気から需要も高く、結果として、手頃な価格でハイブリッドカーを手に入れられる有力な候補となっています。在庫が豊富な分、どの年式やグレードを選べばよいか悩んでしまう人も多いかもしれません。まずは、アクアの世代や年式、グレードによる違いを知ることから始めましょう。
まとめ
価格の手頃感や、優れた燃費性能、運転しやすいコンパクトなサイズ感などが人気のアクア。
「とにかく安く手に入れたい」「内装の質感はあまり安っぽくないほうがいい」「安全性能を重視したい」など、自分が重視したいニーズを見極めて、価格とのバランスがよい理想の一台を手に入れましょう!