中古車購入ガイド:高価なスライドドアは不要?ヒンジドアのミニバン&ハイトワゴン10選

ミニバンやハイトワゴンを買おうと思っている方は“スライドドア”をイメージされていますでしょうか?
利便性の高さから圧倒的人気を誇るスライドドアですが、普通に開け閉めするタイプの“ヒンジドア”も選択肢に入れると満足感の高いマイカーに出会えるかもしれません。
 
本記事では「実はスライドドアじゃなくてもいいかも?」という視点から、この時代にあえてヒンジドアを選ぶメリットや、“非スライドドア”のおすすめ車種をご紹介します。

【外部ライター】KY

中古車派のドライブ好きライター

家族を持ったことがきっかけで自家用車を購入し、子どもの誕生などライフスタイルに合わせて買い替えて今は3台目。旅行先ではレンタカーを借りて、いつもと違う車でのドライブを楽しんでいます。安全性と運転のしやすさ、デザイン重視。新車だと手が出ない車種に乗れるので中古車派。リセバ総研で書き始めてからは街で走っている車についつい目が行きます。日常とレジャーで年間1万キロほど走っている、一般的なカーユーザーの視点をお届けします。

スライドドアは意外といらない!? 今あえて“ヒンジドア”を選ぶメリット

利便性の高さから「ミニバン=スライドドア」というイメージが定着するなか、中古車市場では今、あえてスライドドアではない“ヒンジドア”の車種を選ぶ人が増加傾向にあります。

その理由を詳しく調査してみると、非スライドドア車が持つ、次のような「3つの強みとメリット」が見えてきました。

車両価格を抑えやすい

スライドドアは、複雑な開閉機構や開口部の補強などのため、ヒンジドアでは必要のないパーツを追加しなければならず、その分のコストが車両価格に上乗せされます。特に電動スライドドアになると、かかる費用はさらに高額です。

一方のヒンジドア車はシンプルなドア構造で車両本体価格を抑えられる傾向があることから、「できる限り安くミニバンやハイトワゴンを買いたい」という方にとって、有力な選択肢のひとつになり得ます。

故障リスクが低い

電動スライドドアは便利ですが、長く乗っていると、将来的にモーターやレール部分の整備が必要になるリスクがゼロではありません。万が一開閉機構が故障した場合は、その修理費用が高額になるケースも。
ヒンジドアの「構造がシンプルで故障リスクが低い」という点は、長期的に安心して乗り続けたいと考える方にとって、特に大きな強みになっています。

軽量で燃費性能に優れる

スライドドアの部品は意外と重いため、ヒンジドア車には“スライドドア車よりも軽量化が図りやすい”という強みもあります。
車両重量は燃費性能に直接影響することから、軽量なヒンジドア車は、車の維持費をできる限り抑えたい方にとっても選ぶメリットが大きくなるでしょう。

  • 【外部ライター】KY

    非スライドドア車は、購入費や維持費をとにかく抑えながら、長く快適に乗り続けたい!と考える人にぴったりの選択肢だと言えそうです!

【車種一覧】軽自動車も!スライドドアじゃないミニバン・ハイトワゴンを大調査

ただ、「ヒンジドア、案外アリかも!」と思っても、スライドドア全盛期の現代、特に“ミニバンやハイトワゴンの非スライドドア車”はなかなか見つけにくいのが実際のところです。

そこで今回は、人も荷物もたっぷり乗せられるミニバンや軽ハイトワゴンの中から、ヒンジドアを採用している人気のおすすめ車種を調査してみました!

ヒンジドアの「ミニバン・コンパクトミニバン」おすすめ車種6選

トヨタ プリウスα

プリウスαは、高い燃費性能が特徴のハイブリッドミニバンです。
5人乗りと7人乗りの2モデルが展開され、3列シートの7人乗りモデルでは特に広い室内空間と、ステーションワゴンに近いスタイリッシュなデザインも魅力のひとつになっています。

トヨタ ウィッシュ

同じくトヨタのウィッシュは、流れるようなフォルムとスポーティな走りが特徴のミニバンです。
3列シートでありながら、車高を低く抑えたシャープなデザインと、運転のしやすさを兼ね備えた点が、特に走行性能を重視する方のなかで人気のポイントになっています。

ホンダ ジェイド

ジェイドは、ホンダが展開するミニバンシリーズのひとつです。
名車として名高いストリームの後継として発売され、低重心で美しいフォルムと上質な内装が最大の特徴になっています。セダンとミニバンを融合させたようなコンセプトは、低く安定した走りを求める方におすすめです。

ホンダ ストリーム

ストリームは、同じくホンダが2014年5月まで製造・販売していたヒンジドアのミニバンです。
車高が抑えられているためセダンのような感覚で運転でき、ウィッシュと並んで、スポーティな走りを求める層に人気があります。狭い路地や立体駐車場などでも取り回ししやすい、コンパクトな車体も魅力です。

スバル エクシーガ

エクシーガは、スバル独自の水平対向エンジンによる、低重心で安定した走りが魅力のミニバンです。
全席で快適に過ごせる広々とした室内空間を持ちながら、箱っぽくないスタイリッシュなデザインが特徴。スバルの先進運転支援技術であるアイサイト(EyeSight(ver.2))搭載で、高い安全性能を誇る点も人気の理由となっています。

なお、後継モデルである「エクシーガ クロスオーバー7」にも同じくヒンジドアが採用されているため、よりスポーティな外観が好みの方は、そちらも合わせて検討してみるとよいでしょう。

三菱 グランディス

グランディスは、迫力のあるデザインと、上質でゆとりのある室内空間が魅力のミニバンです。
ボディは5ナンバーではなく3ナンバーに分類される大型サイズで、3列目まで快適に過ごせる居住性の高さが特徴となっています。

日本では2009年に販売終了したものの、その人気の高さから、2025年7月には三菱自動車の欧州法人から、CセグメントコンパクトSUVとして新型グランディスが正式発表される予定です。

ヒンジドアの「軽ハイトワゴン・トールワゴン」おすすめ車種4選

スズキ ワゴンR

軽ハイトワゴンのパイオニア的存在と言える車種が、スズキのワゴンRです。
広い室内空間と使い勝手のよい荷室が魅力で、中古車も多く出回っています。

また、スズキらしい、高い燃費性能も人気の理由。他のハイト系軽自動車との明確な違いとして、マイルドハイブリッドシステムを搭載し、EV走行も可能なモデルが存在する点にも注目です。

ホンダ N-WGN / N-WGNカスタム

N-WGNおよびN-WGNカスタムは、上質で洗練されたデザインと、軽自動車とは思えないほどの高い走行性能が特徴のシリーズです。
人気が高いN-BOXのプラットフォームをベースに、広い室内空間はそのまま、やや全高を抑えて設計されています。
どちらもヒンジドアを採用していますが、N-WGNカスタムはよりスポーティで上質なデザインとなっており、かつターボ付きのエンジンを備えたモデルもラインナップされているため、予算やデザインの好みに応じて選ぶのがよいでしょう。

日産 デイズ

デイズは「アラウンドビューモニター」などの先進技術を搭載し、安全性能にも優れた軽ハイトワゴン(トールワゴン)です。
広い室内空間と取り回しのよいサイズ感が魅力で、買い物や通勤など街乗り用途で特に高い人気を誇っています。
スマートシンプルハイブリッドなどの燃費向上技術が搭載されたモデルもラインナップされており、その燃費のよさも注目したいポイントのひとつです。

ダイハツ ムーヴ

スズキ「ワゴンR」と並ぶ、軽ハイトワゴンの人気モデルがダイハツの「ムーヴ」です。
優れた燃費性能と、広い室内空間を両立している点が最大の特徴。合わせてデザイン性を重視するユーザーからは、その豊富なカラーバリエーションも高い評価を得ています。

なお2025年6月に発売となる新型ムーヴはスライドドア採用となっているため、ヒンジドアを重視する場合は、ドアタイプの仕様に注意してモデルを選定しましょう。

子育て中は不便?非スライドドアの車選びで後悔しないチェックポイント

  • 【外部ライター】KY

    スライドドアの必要性を考えるうえでもっとも気になるのは、「いくら安くても、実際ないと不便じゃない?」「子育て中でもスライドドアはいらないと言える?」などのポイントではないでしょうか。

たしかに、開口部が大きく、荷物を持っていてもワンタッチで開閉できる電動スライドドアは、特に子育て世代から高い人気を誇っています。
ただ一方で「スライドドアの強みが生きるのは、子どもを抱きかかえる必要がある乳幼児期がピーク」という考え方もあるため、その点のみを重視して車を選ぶのは少し早計かもしれません。

ご自身にとってスライドドアが本当に必要かどうかは、予算に加えて、たとえば次のようなポイントを考慮し検討してみることをおすすめします。

【ドアタイプ選びのチェックポイント例】
・日常的に乗せる人数
スライドドアはヒンジドアよりも乗り降りがしやすいため、特にシートの3列目を日常的に使用するならメリットを実感する場面が多くなる可能性がある

・駐車場のスペース
自宅等の駐車スペースが狭い場合、ドアの開閉に無駄なスペースを要さないスライドドアのほうがストレスなく利用できる可能性がある

  • 【外部ライター】KY

    車体価格やメンテナンス費用等の維持費が高額になりやすいデメリットも踏まえて、利便性とコストのバランスを考えるのが賢い選択だと言えそうですね!

まとめ

「ミニバンやハイトワゴン=スライドドア」という固定観念を捨てれば、ヒンジドアの車にも案外多くの魅力があることがわかりました。
 
特に、「車の購入価格や維持費を抑えたい」「長く安心して乗り続けたい」などの希望をお持ちの方にとっては、非スライドドアの車がまさに理想の選択肢になるかもしれません。
 
もし気になる車種があれば、ぜひ一度お近くの販売店等で試乗し、乗り降りのしやすさなどを実際に確認してみるとよいでしょう。