自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語る! スバル 新型フォレスター試乗記〜トヨタの技術を得たe-BOXERストロングハイブリッドの実力は?〜

スバル フォレスターが、2025年4月にフルモデルチェンジし6代目となった。6代目となったフォレスター(SL系)で、最大のトピックとなったのは、トヨタからの技術提供を受けて搭載された2.5Lハイブリッドシステムだ。このハイブリッドシステムは「e-BOXER」や「ストロングハイブリッド」などと呼ばれていたり、グレード名では「S:HEV」となり、かなり分かりにくい状態。色々な呼び名があるのだが、要は2.5Lハイブリッドシステムを指す名称だ。本記事においては、e-BOXER(ストロングハイブリッド)と表記する。

そんな2.5Lハイブリッド車が、売れに売れている。車両価格は、先代に比べ大幅アップしたのにかかわらず、フォレスター全体の約70%を占め、大量のバックオーダーを抱えている。S:HEVグレードの納期は2025年8月5日現在で9ヶ月と長期化しているほどだ。

そこで、人気のフォレスター(SL系)と、他の競合車種と比べつつ、試乗記を交えてフォレスターの素性を深堀りしてみた。

【自動車のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

目次

スバル 新型フォレスター(SL系)の競合となる車種と比較する

トヨタ RAV4(50系)/日産 エクストレイル(T33型)とボディサイズを比較

車種 フォレスター(SL系) RAV4(50系) エクストレイル(T33型)
全長 4,655mm 4,600mm 4,660mm
全幅 1,830mm 1,855mm 1,840mm
全高 1,730mm 1,685mm 1,720mm
ホイールベース 2,670mm 2,690mm 2,705mm

ピックアップしたライバル車3台共に、全長4600mm台ということもあり、ボディサイズは、どのモデルも同じような数値となっている。

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    フォレスターのメインマーケットは北米だが日本マーケットでの販売を意識したのか、3車中最も全幅が狭くなっているのが特徴。ただ、全高をやや高めとすることで、大きく見せている。

スバル 新型フォレスター(SL系)と競合車種の価格帯を比較する

*価格はハイブリッド車で4WD車のみ。特別仕様車、カスタマイズ車を除く

車種 フォレスター(SL系) RAV4(50系) エクストレイル(T33型)
新車価格帯 4,202,000~4,598,000円 3,859,900~4,332,900円 3,851,100~4,752,000円

RAV4とエクストレイルのエントリーグレードは、400万円を切った価格設定になっている。

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    これは、価格訴求用のグレードで、実際はほとんど売れていない。そのため、あまり参考にならない。実質的なエントリーグレードは、両車共に400万円台前半の価格帯となっている。

フォレスターは、こうした価格訴求用グレードをもたない。その結果、実質的なエントリーグレードの価格帯、3車共に同等程度といったところだ。最上級グレードでは、エクストレイルがやや高めの価格設定。デビューが最も古いRAV4は、やや安価な設定となっている。

スバル 新型フォレスター(SL系)と競合車種の燃費を比較する

*燃費はハイブリッド車で4WD車のみ。最上級グレードのもの。特別仕様車、カスタマイズ車を除く。すべてWLTCモード

車種 フォレスター(SL系) RAV4(50系) エクストレイル(T33型)
Premium S:HEV EX ハイブリッドG G e-4ORCE
燃費 18.4㎞/L 20.6㎞/L 18.3㎞/L
  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ほぼ同じハイブリッドシステムを積むフォレスターとRAV4。しかし、やや燃費差がある。これは、RAV4の車重がフォレスターより50㎏前後軽いことも影響している。しかも、エクストレイルは、RAV4に対して200㎏前後も重い。

また、3車とも4WDと言っても、それぞれ仕組みが異なる。フォレスターは、プロペラシャフトをもつ機械式4WD。RAV4の4WDは、E-Fourと呼ばれる後輪側にモーターを設置した仕組み。54㎰という中出力のモーターでリヤタイヤを駆動する。そして、エクストレイルもモーターでリヤタイヤを駆動するe-4ORCEというシステムを採用。後輪側のモーター出力は136㎰という高出力モーターを使う。こうした4WDシステムの違いも燃費に影響を与えている。

スバル 新型フォレスター(SL系)で人気のエンジン/グレード/ボディカラーは?

2025年5月にスバルへ取材した時点での内容を元に、エンジン、グレード、ボディーカラーの販売構成比を見てみよう。

新型フォレスター(SL系)で選ばれているエンジンは?

順位 エンジン 構成比
1位 e-BOXER(ストロングハイブリッド)*S:HEV 約70%
2位 1.8Lターボ 約30%

ハイブリッド車の比率が70%以上ということから、スバリストも低燃費車が欲しかった、もしくは期待値が高いということが分かる。

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    6月に入りってからは、ハイブリッドの比率が8割近くという報道もあった。

    一方で、直近では1.8Lターボの受注も伸びてきているという。

    あまりのe-BOXER(ストロングハイブリッド)の人気で、納期が長期化していることもあり、比較的納期が短く安価な1.8Lターボ車にシフトしていると予想できる。

新型フォレスター(SL系)で選ばれているグレードは?

フォレスター人気グレード ベスト6と構成比

順位 グレード 構成比
1位 Premium S:HEV EX 約50%
2位 SPORT EX 約20%
3位 X-BREAK S:HEV EX 約15%
4位 Premium S:HEV 約6%
5位 X-BREAK S:HEV 約5%
6位 SPORT 約4%
  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    新型車のデビュー直後は、最上級グレードが一番売れるというのが自動車販売の定説。その通りの結果となった。ただ、最上級グレードPremium S:HEV EXが約50%を占めたというのは、やや高めといった印象だ。

その一方で、純ガソリン車で1.8Lターボを搭載するSPORT EXが2位に入ったのは注目ポイント。価格も安価ということもあるが、日本人が好むスポーツ系グレードがe-BOXER(ストロングハイブリッド)車にないことも影響していると思われる。

新型フォレスター(SL系)で選ばれているボディカラーは?

フォレスター人気ボディカラー ベスト5と構成比

順位 ボディカラー 構成比
1位 クリスタルホワイト・パール 約30%
2位 リバーロック・パール 約15%
3位 マグネタイトグレー・メタリック 約10%
3位 クリスタルブラック・シリカ 約10%
3位 カシミアゴールド・オパール 約10%
  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    フォレスターは、アウトドア系のデザインをもつSUV。こうしたこともあり、アウトドアに似合うモノトーン系カラーが見事なくらい上位を占めた。クリスタルホワイト・パールは、全グレードから選択可能ということもあり1位となった理由のひとつだろう。

また、1位を除く、売れているボディカラーは分散傾向。ボディカラーが、とても豊富であることが影響していると予想できる。より、自分好みのボディカラーを選びやすい。

スバル 新型フォレスター(SL系)の外観デザイン

フォレスターは、デザインファーストで開発されたという。一般的に、開発は設計がある程度決まってからデザインを行うケースが多い。そのため、ボディサイズなど一定の制約がある。だが、フォレスターは、早い段階から設計チームとデザインを共有。理想のデザインを目指した。

そんなフォレスターのエクステリアデザインコンセプトは「「SUVらしいボリュームのある堂々としたプロポーション」。「量感と頑丈さの追求」をモチーフに、SUVらしいボリュームのある堂々としたプロポーションを目指した。

フォレスターのプラットフォームは、インナーフレーム構造のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用された。インナーフレーム構造になったとはいえ、先代フォレスター(SK系)のSGPがベースとなっている。そのため、Aピラーの角度など、全体のシルエットは先代フォレスターと似ている。
だが、見事なくらい先代フォレスター(SK系)のイメージを消し、SUVらしいタフで重厚感あるデザインとした。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    また、一般的にボンネットの位置を高くすると、より顔が大きくなり迫力や重厚感が出しやすい。しかし、あまり上げ過ぎると視界を悪化させる。運転のしやすさを重視するスバルでは、視界を悪くしないギリギリまでボンネットを上げるなど、安全性もデザインに取り入れている。

スバル 新型フォレスター(SL系)のインテリアデザイン

「SUVの本質的価値を表現し、タフ(頑丈)で安心感あるたたずまいのインテリア」が、インテリアのデザインコンセプト。センターコンソールには、大型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを全車に標準装備。武骨な厚みのあるインパネデザインで、タフネスさをアピール。洗練されたオシャレ感はないが、機能的にまとめられたデザインといえる。

フロントシートは、先代(SK系)同様ややゆったりとした大きめのサイズで、リラックスして運転できる。
シートの構造は、仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造を採用した。腰回りをしっかりと支えてくれるので、上半身の揺れも抑えられ、ロングドライブでも疲労軽減に役立っている。
また、装備面では、プレミアムグレードにメーカーオプションでフロントシートベンチレーションが本革シートとセットで選択可能。より快適性が向上している。

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    ベンチレーションシートは、夏場の快適性を大幅に向上させてくれるアイテムだけに、もう少し装着できるグレードを増やして欲しいところだ。

前席、後席共に室内スペースは、先代(SK系)とほぼ同等レベルとなっている。

そして、荷室容量はe-BOXER(ストロングハイブリッド)、ターボ車共に、若干だが小さくなった。e-BOXER(ストロングハイブリッド)の荷室容量は484L(前代比-25L)、ターボ車512L(先代比-8L)となっている。

ストロングハイブリッドを手に入れて死角なしとなった新型フォレスター

新型フォレスターには、トヨタの技術提供を得て開発された2.5L e-BOXER(ストロングハイブリッド)、が搭載された。スバルのFB25型水平対向4気筒エンジンをベースとして、システム最高出力は194hp(北米仕様)をアウトプットする。

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    フィーリングは、ほぼトヨタのハイブリッド車と同じ。モータードライブ車らしく、スムースな加速と、良好なアクセルレスポンスを誇る。普通に走行している状態では、水平対向エンジンらしさ感じることは無かった。

ハイブリッドと名が付くものの、先代(SK系)のe-BOXER(マイルドハイブリッド)とはまったく別モノ。モーターで走行できるシーンは、とても多い。
パワーも格段に違う。e-BOXER(ストロングハイブリッド)の0-100㎞/h加速は9.4秒。先代(SK系)e-BOXER(マイルドハイブリッド)よりも2.8秒も速くなっている。加速やクルージングなど、すべてにおいて余裕がある。

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    しかも、エンジンが停止している時間も長いことや、吸音材と遮音材を増やし、フロントガラスの厚みを1mm増やして5mmとしたことで、静粛性が大幅に増している。通常に走行していると、いつエンジンが始動したのか分からないほどだった。

燃費は、さすがe-BOXER(ストロングハイブリッド)。グレードにより異なるが、18.4㎞/L(WLTCモード以下同)もしくは18.8㎞/Lとなった。スバリストは、あまり燃費を気にしない? と言ったイメージがあったが、e-BOXER(ストロングハイブリッド)が全体の約7割を占める。スバリストも、燃費がよい方がうれしいという結果になった。

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    燃費が弱点ともいえたフォレスターだったので、まさに弱点が無くなったといえる。

実用性を重視したスバル 新型フォレスター(SL系)の1.8Lターボ

そして、CB18型1.8Lターボエンジンは、先代(SK系)からのキャリーオーバー。スポーツと呼ばれる2グレードに搭載されている。スポーツ系グレード用のエンジンだが、それほどスポーツと呼べるようなエンジンではない。実用性重視のエンジンだ。純ガソリン車ということもあり、燃費重視型。

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    アクセルをグッと踏み、少しエンジンの回転が高くなるとターボの過給が急激に高まり、1600回転で300Nmという大トルクを発揮する。一瞬、「おっ、パワフル!」と感じる。だが、エンジン回転が高くなっても、伸びのある加速は続かない。まぁ、最高出力は170㎰なので仕方ないといった印象だ。

    とはいえ、0-100㎞/h加速は8.6秒。e-BOXER(ストロングハイブリッド)より0.8秒も速い。

    1.8Lターボエンジンの燃費は、13.6㎞/L。さすがに、e-BOXER(ストロングハイブリッド)と比べると物足りなさを感じてしまう。

とにかく、良く曲がる、曲がる!新型フォレスターの秀逸なハンドリング! 

走行性能に大きな影響を与えるプラットフォームは、レヴォーグやクロストレックなどに採用されているフルインナーフレーム構造を採用。構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取り付け部の剛性向上などにより、車体のねじれ剛性は+6%向上した。
パワーステアリングには、応答遅れが少ない2ピニオン電動パワーステアリングを採用。

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    このパワステの恩恵もあり、新型フォレスターのハンドリングは、とてもスポーティだ。ステアリング操作に対して、車体が俊敏に反応。クルリと向きを変えていく。正直、SUVなんだから、ここまでスポーティじゃなくても・・・、と試乗直後は思ったものの、乗り続けると不思議なくらいスポーティなハンドリングが体に馴染んでいき、思わず笑顔になる。先代(SK系)も応答遅れの少ないハンドリングだったが、新型フォレスターは一段と車体の動きが早くなっている。

そして、1.8Lターボエンジンを搭載したスポーツ系グレードは、さらにキレが加わった印象。パワステの制御がよりスポーティな仕様になっている。スポーツ系グレードだと、ハイブリッド車より、車体半分くらい早くイン側に切れ込んでいくイメージだった。

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    残念だったのは、全車オールシーズンタイヤが標準装備だったこと。ちょっと、ハードな走りになると、タイヤがスグに音を上げた。車体側は余裕タップリなだけに、新型フォレスターの走りを楽しみたいのなら、サマータイヤが欲しくなる。

    また、スバルによるとe-BOXER(ストロングハイブリッド)は、ツアラー的なセッティングでドッシリとした安定感を狙ったという。とはいえ、e-BOXER(ストロングハイブリッド)でもスポーツ系のようなキレのあるハンドリングが欲しいと感じる顧客は多いはず。
    いずれ設定されそうな感じもあったが、e-BOXER(ストロングハイブリッド)にも、スポーツ系グレードの設定が欲しかった。

スバル車っぽくない快適な新型フォレスターの乗り心地

驚いたのは、e-BOXER(ストロングハイブリッド)の乗り心地。足回りの専用チューニングや剛性アップ、ダンパー作動時の内部圧力の発生プロセスを見直した。その結果、小さな凹凸でもダンパーがスムースに減衰力を発生。微低速でも、ゴトゴト感ない快適な乗り心地を実現している。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    スバル車といえば、ややカッチリとした操縦安定性の高い乗り心地というイメージが強かった。そのため「スバル車らしくないなぁ」とは思ったものの、乗り心地が快適になったことで失ったこともなかったので、これが正常進化ということなのだ。

スポーツ系グレードは、e-BOXER(ストロングハイブリッド)より少し硬めの乗り味で、先代(SK系)に近い乗り心地になる。こちらも、快適な乗り心地だった。

機械式+モーターでより進化した悪路走破性を誇る新型フォレスターのAWD

歴代フォレスターは、優れた悪路走破性に定評のあるモデル。もちろん、新型フォレスターもそれを継承。悪路走破性の指標となる最低地上高は、先代(SK系)と同じクラストップレベルの220mmを確保。アプローチアングルやデパーチャーアングルも十分な設定となっている。

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    注目は、やはりe-BOXER(ストロングハイブリッド)用に開発された新AWDシステム。

ハイブリッド車の多くは、後輪を駆動するモーターを設置した電動4WDシステムを使うケースがほとんど。プロペラシャフトが無いため、軽量でコストダウンも可能。だが、設置するモーターの最大トルクにより、駆動力が制限されてしまうデメリットもある。小さなトルクしか出せないモーターだと、あくまで滑りやすい道でのアシスト程度となってしまう。

そこで、スバルはプロペラシャフトを用いたメカニカル式のAWDシステムを開発。モーターによるレスポンスよさと、エンジンからの十分な駆動力、両方を使うことで悪路走破性を高めている。片輪が浮くような走行シーンでも、モータートルクが瞬時に立ち上がるので、想像以上にスムースに走り抜けていく。悪路でより走行がより簡単に感じる。

スバル 新型フォレスター(SL系)のグレード選び。お勧めは?

新型フォレスターのグレードは、e-BOXER(ストロングハイブリッド)搭載モデルが4グレード設定。ラグジュアリー感をアピールするプレミアムS:HEVと最上級グレードのプレミアムS:HEV EX。アウトドア色を強めたグレード、XブレイクとXブレイクEXとなっている。

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    1.8Lターボエンジンを搭載したモデルは、2グレードを設定。スポーツとスポーツEXになる。より、スポーティな走りを重視すると、1.8Lターボ車しか選べないのが残念なポイントだ。

グレード名で知っておきたいのが、各グレードでEXと付くモデルの違い。大きな特徴は、スバルの高度な運転支援システム「アイサイトX」の有無だ。

アイサイトXが装備されると、渋滞時ハンズオフアシスト/渋滞時発進アシスト/アクティブレーンチェンジアシスト/カーブ前速度制御/料金所前速度制御が使えるようになる。3つのカメラを使い優れた予防安全性能をもつアイサイトの機能をさらに高めてくれる装備。アイサイトXを装着することで、より安全で快適な移動が可能になる。

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    ちなみに、新型フォレスターでは、計9つのエアバッグを標準装備し安全面では万全といえるレベル。

それだけでなく、スバル車初となるサイクリスト対応エアバッグも標準装備。歩行者エアバッグよりAピラー後方まで幅広く展開し、サイクリストの命を守る装備も標準装備。安全にこだわるスバルらしい仕様になっている。

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    さて、ガソリン高騰やリセールバリューを重視すると、やはりe-BOXER(ストロングハイブリッド)がお勧めだ。アウトドアテイストが好きならば、Xブレイクとう選択になる。

ただ、注意したいのは、Xブレイクには、パワーシートが標準装備されていない。パワーシートは、XブレイクEXで標準装備になるので注意が必要。400万円以上のクルマでパワーシートが無いというのは、少々寂しくなるのでXブレイクEXがお勧めとなる。

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    そして、最もお勧めなグレードはプレミアムEX。

このグレードでは、全グレードで唯一、ベンチレーション機能付きレザーシートがオプション選択可能。ベンチレーションシートは、一度使うと、その快適性に病みつきになるのでお勧めのオプション。

そのため、プレミアムEXに、ベンチレーションシートのオプションを選択した仕様が、新型フォレスターのグレードでイチオシといえる。
ハーマンカードンサウンドシステムや大型サンルーフは好みで選ぶといいだろう。

スバル 新型フォレスター(SL系)のリセールバリューはどうなる?

先代(SK系)フォレスターの中古車相場と新車価格比

車種 スバル フォレスター(SK系) 日産エクストレイル(T32型)
年式 2020年式 2020年式
グレード アドバンス(ハイブリッド) 20Xi ハイブリッド(4WD)
新車価格 約316万円 約351万円 ※2020年1月モデル
中古車相場 約200~286万円 約200~235万円
新車価格比 約63~91% 約56~67%
*2025年8月13日調べ

まず、先代(SK系)フォレスターの中古車相場を振り返ってみよう。2025年8月現在で5年落ちに当たる2020年式のアドバンス(ハイブリッド車)をピックアップし、競合となる日産 エクストレイルで似た条件のグレード(4WD)と比較してみた。

先代(SK系)フォレスターの新車価格に対する中古車相場の比率は、5年落ちでも約91%を維持している。エクストレイル(T32型)の新車価格比も高い水準にあるのだが、先代(SK系)フォレスターは、エクストレイル(T32型)のリセールバリューを大幅に上回っている。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    これから新型フォレスターの納車が進み、下取に入った先代(SK系)フォレスターが中古車マーケットに多く流通するようになると、少しリセールバリューは下がると予想できる・・・

    のだが・・・

    実は先代(SK系)フォレスターの中古車は輸出の需要が非常に高いようで、リセールバリューの相場も上昇傾向にある。
    下取り車が日本の中古車市場に潤沢に出回るかどうかは不明瞭で、しばらくは先代(SK系)フォレスターの相場が維持される可能性も高い。

  • 平均売却予想額
  • 査定件数
  • 平均走行距離

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    さて、本題の新型フォレスターだが、待望のストロングハイブリッドということもあって、熱心なスバルファン以外の顧客層も広がるだろう。

    ハイブリッド車を前提にSUVの中古車選びをしているユーザーにとっても、今後は有力な選択肢になりえる。

     

    e-BOXERの販売面も好調で、納期が長期化している現状を考えると、新型フォレスターのリセールバリューは先代(SK系)を超える高いレベルのリセールバリューが期待できる。

さらにリセールバリューのアップが期待できそうなメーカーオプションは、本革シートにハーマンカードンサウンドシステム、サンルーフになるだろう。

スバル フォレスター新車価格

グレード 価格
SPORT 4,048,000円
SPORT EX 4,191,000円
X-BREAK S:HEV 4,202,000円
X-BREAK S:HEV EX 4,477,000円
Premium S:HEV 4,488,000円
Premium S:HEV EX 4,598,000円

スバル フォレスター スペック一覧

代表グレード フォレスターPremium S:HEV EX
全長×全幅×全高 mm 4,655×1,830×1,730
ホイールベース mm 2,670
車両重量 kg 1,750
駆動方式 4WD
最小回転半径 m 5.4
エンジン型式 FB25型
エンジンタイプ 水平対向4気筒DOHC 16バルブ+ハイブリッドシステム
排気量 cc 2,498
エンジン最高出力 kW(ps)/rpm 118(160)/5,600
エンジン最大トルク N・m(kgm)/rpm 209(21.3)/4,000-4,400
モーター型式 MC2型
モーター最高出力 kW(ps) 119.6(88)
モーター最大トルク N・m(kgm) 270(27.5)
燃費(WLTCモード ㎞/L) 18.4
動力用主電池種類 リチウムイオン電池
サスペンション 前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン
タイヤ前後 235/50R19