【調べてみた】新型が発表されたトヨタ RAV4の歴代モデルと中古車相場／リセールバリューを徹底調査！

トヨタ RAV4が登場したのは1994年。それまで、SUV（スポーツ・ユーティリティ・ビークル）という言葉はトヨタ ランドクルーザーや三菱 パジェロ、スズキ ジムニーに代表される悪路走破性の高いオフロード四駆車に使われるのが一般的で、“無骨で野性味にあふれるアウトドア志向のクルマ”というイメージがありました。

そうしたなかで登場したRAV4は、「アウトドアでも街乗りでも楽しい」というイメージをSUVにもたらし、現在まで続く“日常使いできるクロスオーバーなクルマ”としてのSUV人気を牽引してきました。ちなみに、「RAV4」という名前は「Recreational Active Vehicle 4WD」という言葉の頭文字をつなげたものです。

「見て、乗って、楽しいクルマ」というコンセプトのもと開発された初代RAV4は、これまでSUVのボディ構造で主流だったラダーフレーム構造ではなく、一般的な乗用車と同じモノコック構造を採用。
スズキ ジムニーなどに代表されるオフロード四駆が採用するラダーフレーム構造はオフロードを走行する際に優位である一方、モノコック構造は普通乗用車と同じ感覚で運転ができ乗り心地もよいという特徴があり、コンパクトな5ナンバーサイズとお手頃な価格設定と相まって大人気となりました。

乗用車とSUVのクロスオーバーとなったRAV4の登場は、SUVを“無骨なオフロード車”から“日常使いからレジャーまで対応できるスタイリッシュなクルマ”へと再定義し、クルマの購入を検討している人にとってSUVがより身近な存在となったのです。

現在のRAV4は3ナンバーサイズで5ドアのSUVですが、実は初代RAV4は3ドアで5ナンバーサイズのコンパクトなSUVでした。初めて5ドアモデルが登場したのは発売の翌年となる1995年のことです。

当時のトヨタ自動車は販売店ブランド（トヨタ店、カローラ店、トヨペット店など）によって取り扱うクルマが異なっていて、カローラ店では「RAV4 L」、オート店（現在のネッツ店）では「RAV4 J」と車名やフロントマスクの意匠がちょっと異なっていたのも、当時を知る方によっては懐かしいと感じる方もいるのではないでしょうか。

994年から2000年まで販売された初代モデルは、残念ながらガリバーでは中古車在庫がありませんでした。一方でリセールバリューは、新車価格に対して0.0％〜13.3％（SXA10G型）。

スタイリッシュなコンパクトSUVという新ジャンルを開拓したRAV4は、2代目からグローバル展開を見据えた開発が行われ、初代の基本的なコンセプトは踏襲しつつボディサイズやエンジンなど様々な進化を遂げていきます。

ボディサイズは全幅が5ナンバーサイズから3ナンバーサイズへと大型化し、ホイールベースも延長することで居住性を向上。初代と同様に3ドアモデルと5ドアモデルが設定されていましたが、3ドアのクルマから始まったRAV4は、この2代目から5ドアのモデルが販売の中心になっていきます。

ボディのデザインは、初代モデルの雰囲気は残しつつ、より上品で洗練された印象に。内装の質感も向上しました。またホイールベースが長くなったことで居住性が増し、荷物スペースも拡大。軽量で脱着可能なリヤシートは5対5分割可倒式でスライド＆リクライニング機構を備えており、様々な利用シーンに対応できるようになりました。

2000年から2005年まで販売された2代目モデルは、残念ながらガリバーでは中古車在庫がありませんでした。一方でリセールバリューは、新車価格に対して3.9％〜11.6％（ACA21W型）。

2005年に登場した3代目モデルのRAV4は、海外市場（主に北米市場）をメインターゲットとしたクルマに進化します。ボディサイズは前モデルからさらに拡大し、本格的なミドルサイズSUVに。海外市場向けにホイールベースを延長したロングボディモデルも開発されました。そして、初代から続いてきた3ドアのモデルはこの世代でついに廃止されます。デザインはより都会的でスタイリッシュな方向に大きく舵を切ったことも印象的でした。

そして、この3代目RAV4の海外向けロングホイールベースモデルをベースにした派生車種「トヨタ ヴァンガード」が国内専用モデルとして登場。RAV4よりも大きく高級感のある上位車種として位置づけられました。トヨタ ヴァンガードにはオプションで3列シートが搭載できたほか、当時国内車種の自主規制上限となる280馬力を出力できる3.5リッターV6エンジンを搭載したモデルも登場しました。

3代目RAV4は、海外専用モデルとして開発された4代目モデルが2013年に登場しても販売が継続されましたが、2016年に惜しまれつつ終売。その後トヨタではハリアーなど他のSUVが国内市場をリードしていきました。

2005年から2016年まで販売された3代目モデルは、残念ながらガリバーでは中古車在庫がありませんでした。一方でリセールバリューは、新車価格に対して7.3％〜33.3％（ACA31W型）。

3代目RAV4が販売終了したことによって、日本市場からRAV4は一時的に姿を消すことに。しかし、2013年に海外専用モデルとして登場した4代目RAV4は、海外市場、なかでも北米市場において大ヒットすることになります。

2016年と2017年には世界のSUV販売台数で1位を記録し、日常使いとレジャーを両立できる“家族とともに乗れるSUV”として、アメリカのファミリー層から大きく支持を集めました。デザインはこれまでの歴代モデルから大きな転換をはかり、なかでもフロントマスクはよりシャープな印象となり大幅なイメージチェンジを果たしています。

4代目RAV4の大きなトピックスは、歴代モデルで初めてハイブリッドモデルが登場したことです。前輪はガソリンエンジンと電気モーター、後輪は電気モーターで駆動するAWD「E-Four」を搭載し、運動性能、燃費性能ともに向上しました。

2019年に登場した5代目RAV4（現行型）は、再び日本国内で発売。海外での大成功を引っ提げて凱旋を果たし、各メーカーが熾烈な競争を繰り広げる国内SUV市場に再び参戦します。

パワートレインのランナップには、ガソリンモデルとハイブリッドモデルに加えてRAV4で初となるプラグインハイブリッド（PHEV）モデルを設定。プラットフォームも一新され、低重心化、高剛性化による操縦安定性や乗り心地の向上を実現しました。

5代目RAV4のデザインコンセプトは「Adventure & Refined」。「アクティブで力強いワクドキ感（Adventure）」と「都会にも似合う洗練さ（Refined）」を併せ持つデザインを実現しています。幾何学形状の八角形（オクタゴン）2つを90度ずらしてはめ合わせた「クロスオクタゴン」という造形テーマで、タフさと安定感のある個性的なデザインを表現しているのも特徴です。

また、よりオフロード感を押し出したグレード「Adventure」には、専用のフロントグリルやバンパーが装備されており、よりワイルドな印象を演出しています。

5代目RAV4のAWDシステムには、4代目に初搭載された「E-Four」の新型モデルをハイブリッド車とPHEV車に採用しているほか、ガソリン車には、当時世界初となった「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用。走行状況に応じて、前後のトルク配分に加え、後輪のトルクを左右独立で制御する「トルクベクタリング機構」により、ドライバーの狙い通りのラインを安定した車両姿勢で駆け抜けることができる高い旋回性能を実現しています。

また、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備しているほか、トヨタが提供するコネクティッドサービスも利用することが可能です。

ガリバー公式サイトで登録初年度が2019年以降のRAV4を検索してみたところ、記事制作時点での中古車在庫は300台ほどヒットしました。グレードの傾向としては「Adventure」が多い印象で、特に年式の新しいクルマでは特別仕様車「オフロードパッケージII」の在庫も。パワートレインではガソリン車とハイブリッド車が多く、PHEV車は全国に数台と在庫が少ない印象です。

ガリバーの販売・納車実績データをもとに「トヨタ RAV4」現行モデルの平均支払総額を算出したところ、2019年式と2020年式はおよそ300万円前後、2021年式と2022年式はおよそ340万円前後、2023年式と2024年式はおよそ400万円前後となりました。

2024年から2025年にかけて四半期単位での平均支払総額推移をみると、各年式のクルマでそれぞれほぼ横ばいとなっており、トヨタ RAV4の人気が根強いことがわかります。

ガリバーに持ち込まれた買取査定の実績を元に算出した、RAV4の登録初年度から3年後のリセールバリュー値（RV値）は、新車価格に対して45.7％〜77.6％（2025年5月22日現在）となっています。