自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が決めた! プチ神コスパ中古車: E13型日産ノート購入ガイド!ノートの中古車が「買い」である4つのポイント


自動車情報メディア「CORISM」編集長
目次
CORISM大岡が提唱する「神コスパ中古車」の定義とは?
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
神コスパ中古車の定義(1)
中古車市場では需要が少なく、リセールバリューが良いとは言えないモデルである。
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神コスパ中古車の定義(2)
専門家からみて「とても良いクルマ!」と断言できおすすめできるモデルなのに、手頃な中古車価格である。
その中でも、神コスパとまでは言えないが、十分にコスパが高いと言える中古車が、「プチ」神コスパ中古車だ。
E13型 日産 ノートがなぜ「プチ」だけど神コスパ中古車といえるのか?
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
今回、プチ神コスパ中古車としてピックアップしたのは、E13型「日産 ノート」。
E13型ノートは、2020年12月にフルモデルチェンジし3世代目となった。
3代目にあたるE13型「日産 ノート」は、プラットフォームを刷新。日産とルノーのアライアンスにより開発された、上級コンパクトカー用CMF-Bプラットフォームが採用されている。
また、E13型ノートは日本専用のハイブリッド専用車。
そのためガソリン車の設定はなく、第2世代のハイブリッドシステムである1.2Lの「e-POWER」のみとなっている。日産では、シリーズハイブリッドシステムを「e-POWER」と呼んでいる。
この仕組みは、とてもシンプル。エンジンは発電専用で、このエンジンで発電した電力を使つかってモーターを駆動して走る。
このe-POWERは、先代モデルとなるE12型ノートにも搭載されていたが、フルモデルチェンジのタイミングでハイブリッドシステムを刷新。小型・高効率化を図り低燃費化した。
さらに、発電タイミングをより緻密に制御し、より静粛性も高めているのが特徴だ。
E13型 日産 ノート 2021年式 グレード「X」の中古車相場を確認してコスパチェック
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
そんなE13型ノートの中古車相場は以下の通り。
中古車相場は、2025年5月14日調べである。
プチ神コスパ中古車 | 参考比較 | |
車種 | 日産ノート | トヨタ アクア |
型式 | E13型 | MX系 |
年式 | 2021年式 | 2021年式 |
調査グレード | X | G |
駆動方式 | 2WD | 2WD |
新車価格帯 | 約219万円 | 約229万円 |
中古車相場 | 約130~185万円程度 | 約150~211万円程度 |
調査日 | 2025年5月14日時点 | 2025年5月14日時点 |
価格比 | 約59~84% | 約66~92% |
2025年5月14日現在、4年落ちとなる2021年式のE13型ノートは、すべてのグレードや4WD車を含めると約130~240万円程度とやや幅の広い中古車相場。
高価格帯を支えているのは、オーテックと呼ばれるカスタマイズ車の中古車在庫が中心で、標準的なグレード「X」であれば相場は180万円台くらいまで下がってくる。
E13型 日産 ノート 2021年式でグレード「X」の中古車相場は、新車との価格比で約59~84%とややワイド。
これに対して、競合となるであろう同じ2021年式のMX系 トヨタ アクアでグレード「G」の中古車相場は、新車との価格比で約66~92%。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
E13型ノートは「2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しており、クルマとしての基本性も評価も高く、それでいて中古車はライバル車種よりも安価でコスパが光る。そのため、今回は「プチ」ではあるが神コスパ中古車とした。
中古車になるとグッと買い得感があるモデルといえる。
E13型 日産 ノートがプチ神コスパな中古車となるワケは「燃費性能」の差と「ブランド」の差?
コンパクトカーの場合、中古車流通台数が多いと中古車相場が下がる傾向がある。ノートとアクアの中古車流通台数を比べると、中古車情報サイトなどを見る限りではノートの方が多いものの、それほど差があるわけでもない。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
ノートの中古車流通台数が多いため、E13型ノートの中古車相場が下がったとは考えにくい。
では、なぜE13型ノートの中古車相場はMX系アクアの中古車相場より安価なのか? 端的に言えば、中古車市場での人気の差である。
その人気を左右する要素のひとつが「燃費」だと考えられる。
プチ神コスパ中古車 | 参考比較 | |
車種 | 日産ノート | トヨタ アクア |
型式 | E13型 | MX系 |
年式 | 2021年式 | 2021年式 |
調査グレード | X | G |
駆動方式 | 2WD | 2WD |
燃費(WLTCモード) | 28.4㎞/L | 33.6㎞/L |
コンパクトカー選びで競合した場合、燃費でこれだけ差が付くのであれば、実用面でMX系アクアを選択したくなるだろう。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
それに加え、やはり「トヨタ」のブランド力は圧倒的。
苦しい状況が続く日産のブランド力との差も影響しているだろう。
E13型 日産 ノートのプチ神コスパ中古車を買いたくなる!4つの良いところ
*スペックなどは、最新モデルのもの。
(1)新技術を惜しまず投入!パワフルなシリーズハイブリッド「e-POWER」!
先代となる2代目E12型ノートe-POWERは、画期的なモデルだった。
当時、このクラスにハイブリッド車のラインナップが無かった日産の国内販売は大苦戦。
しかし、日産技術陣は、なんとBEV(バッテリー電気自動車)の「リーフ」用モーターや技術を応用し、シンプルなシリーズハイブリッド方式のe-POWERを開発。
苦労の末、なんとか先代E12型ノートに搭載することを可能とした。
リーフ用モーターを使ったこともあり、とてもパワフルでスムースな加速力。発進から加速、そして停止までアクセル操作だけで可能としたe-Pedalなど、ユニークな機能が評価され、瞬く間にBセグメントのコンパクトカー販売台数でトップを争うモデルへと成長した。

(2)静粛性も大幅に向上!粗さもあった2代目E12型ノートの弱点を徹底改善!
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
ただ、この第1世代e-POWERは、短期間での開発ということもあり、粗さも目立った。
そこで、3代目となるE13型ノートe-POWERは、第1世代で物足りなかった部分を一掃し大幅に完成度を上げてきたのだ。
その進化は、まず軽量・コンパクト化。
第2世代のe-POWERでは、インバーターを40%小型化、30%軽量化を実現。さらに、エンジンの効率も高めた。トルクを10%、出力を6%向上させた。こうした進化により、より力強く、そしてスムースな走りが楽しめるようになった。
それ以上に驚きだったのが、静粛性の向上。
第1世代のe-POWERは停車中でもお構いなくエンジンが発電し、なかなか賑やかだった。しかし第2世代e-POWER搭載のE13ノートでは、停車中はできるだけ発電しない制御となった。
発電は主に走行中に行うが、ロードノイズが大きい路面だとエンジン音が目立たなくなるため、こうしたタイミングでも積極的に発電できるよう、路面状況に応じて発電を制御するシステムを搭載している。その結果、停車中などでの静粛性は大幅に向上している。

(3)走る楽しさを感じるe-POWERのモーター駆動「4WD」
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
そして、第2世代のe-POWERを搭載したE13ノートには、後輪側をモーターで駆動するe-POWER 4WD(SNE13型)が設定された。
ノートはあくまでコンパクトカーなのだが、FF車と共通のフロントのモーター(最大出力82PS/最大トルク103Nm)に加え、4WD車のリアモーターは最大出力68㎰/最大トルク100Nmという出力の大きなものを搭載している(※カタログ等に掲載されているエンジン出力と異なる)。
これが、とても楽しい走りを生む。
加速時などでは、後ろから押される後輪駆動的なフィーリングになり、優れた操縦安定性と走る楽しさが加わった。もちろん、モーター駆動なので前後のトルク配分をよりきめ細やかに制御。滑りやすい道などでの減速時も、とても安心感がある。

(4)新開発プラットフォームの恩恵で、快適な乗り心地に
プラットフォームも新開発されている。E13型ノートに採用されたのは、日産とルノーのアライアンスにより開発された上級コンパクトカー用CMF-Bプラットフォーム。
ステアリング剛性が+90%、ボディ剛性が+30%、サスペンション剛性が+10%と向上している。
このCMF-Bプラットフォームを得たことで、操縦安定性が飛躍的に向上。ハンドリングは、穏やかで、やや大きく車体が傾くが、とにかくコントローラブル。
スポーティではないものの、安心感は抜群だ。
また、E12型ノートの乗り心地お世辞にも快適とは言えなかっただったが、E13型ノートではややソフトなセッティングで、快適な乗り心地は高いレベルにある。

燃費以外はクラストップレベルの実力派
このように、E13型ノートは多くの新開発の技術やパーツが投入され、日産の気合を感じさせるモデル。
とても完成度の高いコンパクトカーといえるのだが、一方で燃費性能が惜しいところ。
協調回生ブレーキが装備されていないことや、車重がやや重いこともあり、アクアやヤリスなどと比べると物足りなく感じる。
3代目日産ノート(E13型)の主な改良など歴史・概要
2020年12月
発売開始。
2021年10月
より上質な内外装にカスタマイズし、最低地上高を25mmアップした「オーテック クロスオーバー」を設定。
2021年11月
新内装色のエアリーグレーを設定し、駐車をアシストする「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」や、全方位の運転支援(360°セーフティサポート)先進安全技術も標準装備した特別仕様車「Airy Gray Edition」を設定。
2021年12月
2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2022年8月
新ボディカラー、新内装色を投入。Fグレードを廃止。
2022年12月
よりSUVテイストを強めたノート「AUTECH CROSSOVER +Active(プラスアクティブ)」を設定。
2023年2月
原材料などの高騰により、価格改定。
2023年12月
マイナーチェンジ。フェイスデザインを一新。フロントグリルに新時代のデジタルVモーションを採用。インテリアは、インストルメントパネルに水引をモチーフにしたデザインとした。
90周年車を設定。デジタルVモーショングリルをカッパー色へ変更。カッパーストライプの入ったブラックドアミラー、メーカーオプションの16インチアルミホイールをブラック化。シートは、「テーラーフィット」にカッパー色のステッチを施した。
2024年12月
裏返したデニムを再現したシートカバーを全モデルに採用しました。ビンテージデニムの特徴である、通称“赤耳”と呼ばれるほつれ止めをあしらったアクセントを座面に入れ、ビームスのピスネーム(タグ)や、大小のシートポケットなど、ジーンズのデザインをインテリアに落とし込んでいます。
2023年12月
特別仕様車「ビームスエディション」を設定。裏返したデニムを再現したシートカバーを採用。一目でビームスとわかるオレンジや、デニムカラーのネイビーを基調としたさりげないアクセントを取り入れた。
日産ノート(E13型)の中古車を選ぶときの注意点
メーカーセットオプションが装備されているモデルを選ぶ
デビュー時のE13型ノートのグレードは、エントリーのS、中間のF、最上級のX。他にもオーテックの特別仕様車がある。その後、Fグレードが廃止された。
マイナーチェンジ後は、Xグレードとオーテック/オーテッククロスオーバーの特別仕様車のラインナップに絞られている。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
さらに、そのXグレードでもオプションの装備が悩ましい。
ライバル車では、標準装備されている全車速追従式クルーズコントロール(車線維持機能付き)と、同様なプロパイロットがオプション。
同様に、エアバッグが展開するような衝撃を受けると、専門のオペレーターに自動通報。救急や警察の手配なども行ってくれるSOSコールなどもオプション設定。色々な装備がセットオプションいなっている。
そのため、こうしたセットオプションを装備していないと、最上級グレードのXでも、物足りない仕様になる。
中古車の場合、より多くのセットオプションを装備した車両を選びたい。とくに、装備されているか確認した方がよいメーカーオプションは下記の通り。
・プロパイロット
・インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)
・インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)
・BSW(後側方車両検知警報)
・RCTA(後退時車両検知警報)
・統合型インターフェースディスプレイ
・プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)
・SOSコール
・NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)
日産ノート(E13型)中古車のオススメのグレードと年式は?
E13型ノートは、2023年12月にマイナーチェンジしているが、このマイナーチェンジはほぼデザインのみの変更となっており、機能面ではあまり変化はない。
そうなると、クルマの性能という面ではマイナーチェンジ前後でほぼ差が無い。デザインの好き嫌いでマイナーチェンジ前後を選択すればいい。予算が重要なのであれば、古めの年式を選ぶとよいだろう。
日産 ノートのグレード選びは「X」の一択
E13型ノートのお勧めグレードは、特別仕様車とオーテックモデルを除くと、「X」グレード一択。特に、マイナーチェンジ後のモデルはXグレードしかないので、コスパ基準でも「X」となる。
初期のモデルにしても、SやFグレードに関しては装備が貧弱で、中古車流通台数も少ないので選びにくい。選択肢から外し、はじめからXに絞り込むのが無難。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
新車の場合は、この「X」グレードに必要なメーカーオプションセットを選ぶ買い方なので、いかに多くのオプションが付いているかが中古車選びのポイントになる。
とくに、必要なメーカーオプションは、先述の通りだ。中古車価格が新車価格比60%以下(2021年式)なら、プチ神コスパ中古車といえそうだ。
予算は高くなるがオーテッククロスオーバーもオススメ
ところで、予算が高めになるが、おススメなのが「オーテック クロスオーバー」。
より上質な内外装デザインへとカスタマイズされ、最低地上高が25mmアップしたSUVテイストの特別仕様車だ。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
サスペンションも専用チューニングが施されているため、乗り心地や操縦安定性を含め、標準仕様のノートよりもさらに良くなっている。より上質で個性的なE13型ノートが欲しいという人に推したい。
中古車相場を調べてみたが、「オーテック クロスオーバー」は2021年10月に追加されたので、調査対象は2022年式とした。また「オーテック クロスオーバー」の中古車は4WDの流通が多いため、比較対象の「X」も4WDで調べてみた。
日産 ノート 2022年式 4WDでオーテッククロスオーバー とXの中古車相場を比べてみた
日産 ノート | 日産 ノート | |
型式 | E13 | E13 |
調査年式 | 2022 | 2022 |
調査グレート | X | オーテック クロスオーバー |
駆動方式 | 4WD | 4WD |
新車価格帯 | 約247万円 | 約283万円 |
中古車相場 | 約137〜200万円 | 約220〜270万円程度 |
調査日 | 2025年5月14日時点 | 2025年5月14日時点 |
価格比 | 約55~81% | 約78~95% |
2022年式の4WDで「X」と「オーテックク ロスオーバー」で中古車相場を比較すると、約70万円ほどの開きがある。「オーテックク ロスオーバー」のリセールバリューも95%と高めだ。
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【自動車情報のプロ】大岡智彦
「オーテックク ロスオーバー」はリセールバリューが高めで(新車オーナーとしては良いことだが)、中古車を狙っている人にとってはプチ神コスパ車とはならないのが残念なポイントだ。
日産ノート(E13型)のリセールバリューは?
E13型ノートは、2023年12月にマイナーチェンジを行ったこともあり、モデル後期に入っている。2024年の新車販売台数は約10.2万台で、前年比99.3%と好調を維持。登録車販売台数ランキングでは4位で、日産車で一番売れているモデルとなっている。そのため、突然急激にリセールバリューが下がることは無いと予想できる。
とはいえ、モデル後期に入っていることもあり、今後、徐々に新車販売台数が減り、前年比割れが続くと、新車値引きが拡大すると予想される。新車値引きが大きくなると、リセールバリューが下がる傾向になる。そのため、E13型ノートのリセールバリューは、ゆっくりと右肩下がりとなっていくだろう。E12型ノートの売却を考えている場合は、なるべく早めがよい。
E13型日産ノートの燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード | ノートX |
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ボディサイズ[mm] | 4045×1695×1520 |
ホイールベース[mm] | 2580 |
最小回転半径[m] | 4.9 |
車両重量[kg] | 1505 |
エンジン型式 | HR12DE型 |
総排気量[cc] | 1198 |
エンジン種類 | 直3DOHC |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 60(82)/6000 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 103(10.5)/4800 |
モーター最高出力[kw(ps)/rpm] | 85(116)/2900-10341 |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 280(28.6)/0-2900 |
ミッション | - |
駆動方式 | FF(前輪駆動) |
WLTCモード燃費[km/l] | 28.4km/l |
バッテリー 種類 | リチウムイオン |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム式 |
タイヤサイズ | 185/60R16 |