日産 エクストレイル 購入ガイド!初代から4代目までモデルごとの中古車選び徹底解説!

日産の国内販売において、重要な役割をもつエクストレイル。2024年には、約3.2万台を販売し、登録車販売台数ランキングで24位となっている。日産車で一番売れているのは、ノートでランキング4位、2番目がセレナでランキング7位、そして3番目に売れているのがエクストレイルとなっている。エクストレイルの売れ筋グレードは400万円オーバーなので、収益的にも重要な車種。
エクストレイルが属するのは、MクラスSUVカテゴリー。ライバル車はハリアーやRAV4、ZR-V、フォレスター、CX-5など。強力なライバルが多いMクラスSUVカテゴリーにおいて、エクストレイルは2024年で3番目に売れているSUVとなっている。
そんな人気MクラスSUVであるエクストレイルの歴代モデルと中古車選びのポイントをレポートする。

自動車情報メディア「CORISM」編集長
エクストレイル、車名の由来は?
「X」は X-treme(=extreme) sports(スノーボード、スケ-トボード等、人気のスポーツ競技)のX。未知のものに対してチャレンジするX、4×4のXなど、挑戦的でアクティブなイメージを象徴。「TRAIL」は、足跡、オフロード、荒れた道などを表している。
「X-TRAIL」は、その2つの言葉をかけ合わせた、4×4のイメージとしての造語。好きなフィールドへさらに近づくための、新しい発想の4WDであることが込められている。
初代 日産 エクストレイル(T30型)
軽快感あふれる高コスパSUV
発売時期:2000~2007年
新車価格帯(最終モデル):2,016,000~3,024,000円

初代T30型エクストレイルのコンセプトは、「4人が快適で楽しい、200万円の【使える4駆】。アウトドアスポーツを楽しんでいる20代~30代をターゲットに開発された。
T30型エクストレイルは、コンパクトなボディサイズで、全長4445×全幅1765×全高1675mmだった。コンパクトなボディサイズながら、クラストップレベルの荷室空間を誇っていた。
この広い荷室を思う存分アウトドアで使えるようにと、取り外して直接水洗いできる「ウォッシャブルラゲッジボード」を採用。さらに、シートには撥水加工を施し、水や汚れを簡単に拭き取れるようにするなど、徹底して使い勝手にこだわった。
T30型エクストレイルの外観デザインは、直線基調のカジュアルなスッキリ系。シンプルで、飽きのこないデザインともいえる。
インパネデザインは、なかなか個性的だった。水平基調の直線的なインパネデザインを採用。ところが、なんとセンターメーターとした。当時、斬新さはあったものの、単純にメーターをセンターに移動しただけのようにも見えた。
T30型エクストレイルに搭載されたエンジンは、QR20DE型2.0Lガソリンと、やや遅れて2001年2月に搭載されたSR20VET型2.0Lターボガソリンの2タイプ。このターボエンジンは、280㎰を発揮し強力な加速力が話題となった。当時のクルマは車重が軽いため、まさに直線番長的だった。
T30型エクストレイルの販売は、日本だけでなく世界的にも好調だった。1999年に社長に就任したカルロス・ゴーンが実施した「日産リバイバルプラン」を後押ししたモデルでもあった。
ちなみに、2003年6月のマイナーチェンジで、ステアリングが上部に跳ね上がって乗り降りをしやすくする、ユニークなポップアップステアリングを採用したが、その後の歴代モデルに採用されることは無かった。
初代 T30型エクストレイル 中古車選びのポイントは?
背徳感タップリのターボ車を狙え!?
中古車相場(2000~2007年式):約20~140万円 ※2025年3月時点
T30型エクストレイルの中古車は、かなり年式が古くなっていることから、中古車流通量は非常に少ない。さらに、マニアックなファン用として本格的なカスタマイズされたモデルが主流。こうした車両の中には、シート表皮まで張り替えたモデルもある。T30型エクストレイルのファンであれば、こうしたカスタマイズ車を選ぶのもありだろう。ただし、車両価格は高い。
-
-
【自動車情報のプロ】大岡智彦
T30型エクストレイルのお勧めグレードは、2.0Lターボエンジンを搭載したGT。280㎰という大出力により、最新T33型エクストレイルにも負けない加速力を誇る。ただし、年式がかなり古いので、なるべく走行距離が少なく、点検整備記録簿があり、しっかりと整備されている車両がお勧めだ。
そして、注目したいのは燃費。GTの10・15モード燃費は9.5㎞/L! 大昔の燃費計測モードであることを含めると、実燃費は驚くような数値になることは確実。ガソリン価格高騰時代であり、まさに背徳感タップリのモデルと言えるだろう。また、13年超の自動車税となるため、自動車税も高くなる。
初代 日産 エクストレイル(T30型):主要諸元
代表グレード | GT |
---|---|
全長×全幅×全高 | 4510×1765×1750mm |
ホイールベース | 2625mm |
定員 | 5名 |
車両重量 | 1460kg |
エンジン種類/型式 | 直4 DOHCターボ/SR20VET |
最高出力 | 280ps/6400rpm |
最大トルク | 309N・m/3200rpm |
総排気量 | 1998cc |
燃費 | 9.5㎞/L(10・15モード) |
駆動方式 | 4WD |
ミッション | 4速AT |
2代目 日産 エクストレイル(T31型)
SUVらしい力強さも増したデザイン
発売時期:2007~2013年
新車価格帯(最終モデル):1,990,800~ 3,333,750円

T31型エクストレイルは、「アウトドアスポーツを最大限満喫するためのタフ・ギア」をコンセプトに開発され2007年8月に登場。外観は、SUVらしい重厚感あるデザインになり、先代T30型と比べると、よりタフネス感が強まった。
インテリアは、先代T30型で採用されたセンターメーターは廃止された。インパネは、水平基調でボリュームあるデザイン。太いセンターコンソールがSUVらしい力強さを表現している。
搭載されたエンジンは、ガソリン車が2.0LのMR20DE型と2.5LのQR25DE型の2タイプ。初期のモデルには、2.0L車の一部グレードに6MTを設定。その他は、CVTとなる。
オフロードでの走りを支える4WDは、当時、先進の「オールモード 4×4-i (ヨーモーメントコントロール)」を搭載。各種センサーなどのデーターに基き自動的にきめ細かい前後トルク配分を行い、滑りやすい路面でも、自然でなめらかなコーナリングを実現。走行状況に応じて自動制御でトルク配分を100:0から約50:50まで切り替えるAUTOモードや、前後のトルク配分を固定し、エンジントルクや4輪のブレーキを最適に制御して高い走破性を実現するLOCKモードを設定している。
この4WD機能に、10%以上の滑りやすい急勾配の坂を下る時に、車速を約7km/hにコントロール。滑り落ちないようにアシストするヒルディセントコントロールも設定された。
使い勝手も先代T30型エクストレイル同様、こだわった。防水加工フロア、防水加工天井、取り外して水洗いできるウォッシャブルラゲッジボードなど、雪や泥の汚れを簡単に拭き取れるフル防水インテリアを用意。荷室容量は、当時クラストップレベルの603Lを確保している。
2008年9月には、2.0Lのクリーンディーゼルターボエンジンを用意。ただし、6MTのみの設定だった。360Nmという最大トルクを誇り、とても力強い走りを披露した。
2010年7月にマイナーチェンジ。当時、日本の厳しい排出ガス規制「ポスト新長期規制」に世界で初めて適合したクリーンディーゼル「20GT」に6速ATが追加された。
外観デザインは、新形状のフロントグリルやフロントバンパー、ヘッドランプを採用し精悍さをアップ。リヤコンビランプはLEDに変更された。
インテリアでは、大径メーターを採用し、視認性を向上している。
使い勝手面では、「保温保冷機能付グローブボックス」を全車に標準装備。ヒルディセントコントロールの機能を向上。状況に応じて走行速度を設定できる「アドバンスドヒルディセントコントロール(速度設定機能付)」を4WD車に採用した。さらに、よりオフローダーテイストを強めた特別仕様車「エクストリーマーX」を設定した。
2013年12月、3代目T32型エクストレイルが発売されるが、T31型エクストレイルのクリーンディーゼル車は継続販売。2015年2月まで発売された。
2代目 T31型エクストレイル 中古車選びのポイントは?
低燃費でパワフルなクリーンディーゼル車がお勧め!
中古車相場(2013年式):約30~130万円 ※2025年3月時点
2代目T31型エクストレイルも、かなり低年式化が進んでいることから中古車流通量は少ない。そのため、走行距離も多い車両が多く、程度のよい車両を探すことが難しくなってきている。とくに、最終の年式となる2013年式でも安価な価格帯の車両は、走行距離10万㎞越えが当たり前の状態だ。傾向として、走行距離7万㎞以下位になると車両価格が100万円を超えてくる。この先何年乗れるか分からない12年落ち(2025年比)のクルマに100万円以上の投資となると、少々微妙な選択にもなってくる。なので、SUV以外のモデルも含めて再検討する必要もあるだろう。
-
-
【自動車情報のプロ】大岡智彦
それでもT31型エクストレイルが欲しいというのであれば、2.0Lディーゼルターボエンジンを搭載したGT系グレードがお勧めだ。その理由は、360Nmという大トルクがもたらす余裕ある走りと良好な燃費性能。燃費はJC08モードで13.8㎞/L(AT)と、この時代のモデルとしては優秀だ。
ただ、人気グレードということもあり、中古車価格は高めとなる。最終の2013年式で中古車相場は約60~140万円となっている。ディーゼル車ということもあり、走行距離が多いモデルがほとんど。100万円以下だと、ほぼ10万㎞前後走っている車両ばかりになる。
2代目 日産 エクストレイル(T31型):主要諸元
代表グレード | GT |
---|---|
全長×全幅×全高 | 4635×1790×1700mm |
ホイールベース | 2630mm |
定員 | 5名 |
車両重量 | 1690kg |
エンジン種類/型式 | 直4 DOHCディーゼルターボ/ M9R |
最高出力 | 173ps/3750rpm |
最大トルク | 360N・m/2000rpm |
総排気量 | 1995cc |
燃費 | 13.8㎞/L(JC08モード) |
駆動方式 | 4WD |
ミッション | 6速AT |
3代目 日産 エクストレイル(T32型)
初のハイブリッド車を設定したロングセラーモデル
発売時期:2013~2022年
新車価格帯(最終モデル):2,482,700~4,125,000円

2013年12月に販売が開始された3代目T32型エクストレイル。2022年まで約9年間も販売され続けたロングセラーモデルでもある。
外観デザインは、従来の四角いボディデザインから、ややシャープなスポーティなデザインへ変更。当時、日産デザインのアイコンであるVモーショングリルが特徴的だ。
インパネは、羽ばたく鳥をモチーフとした水平基調のデザインとし広さをアピール。インパネ周り質感もアップ。全体的に高級感も増した。
そして、T32型エクストレイルには、7人乗車を可能とする3列シート車も用意された。
ただ、さすがにミニバンのような広さではなく、あくまで短距離移動、もしくは子供用といった広さだった。
4WDモデルには、前後トルク配分を100:0から約50:50に切り替えるALL MODE 4×4システムを搭載。走って楽しいというタイプではなく、あくまで安定感重視の4WDシステムだ。
デビュー時の搭載エンジンは、2.0LガソリンのMR20DD型のみで、ミッションはCVTのみの設定。ECOモーター式のアイドリングストップをもつ。
そして、T32型エクストレイルから、予防安全装備が飛躍的に向上。歩行者と車両を検知し、衝突回避もしくは衝突時の被害軽減が可能なエマージェンシーブレーキを一部グレードに標準装備した。
さらに、車線変更時など隣接する車線に接触の可能性がある場合に警報を発するBSW(後側方車両検知警報)をオプション設定。車両に設置されたカメラ映像を、車両を真上から見た映像に変換し、車両周辺の障害物がひと目で分かるようにしたアラウンドビューモニター(MOD〔移動物検知〕)を設定。さらに、モニター画面外から接近する人や車両も検知できうっかり衝突リスクを下げてくれる。
2015年5月には、待望の2.0Lハイブリッドモデルを投入。
エンジンは、ガソリン車と同じMR20DD型にやや小さい1つのモーターを組み合わせた。1モーター2クラッチ式と呼ばれるシンプルなハイブリッドシステムだった。やや小さなモーターだが、燃費値はJC08モードで20.6㎞/L(FF)と良好。モーターのみでの走行も可能だ。
同時に、衝突被害軽減ブレーキであるエマージェンシーブレーキ標準装備化され、全グレードが安心して乗れるようになった。
2017年6月にマイナーチェンジ。外観デザインは、Vモーショングリルがより存在感を増し、迫力がアップ。インパネデザインも変更し、より上質感をアップした。
そして、このマイナーチェンジで話題を集めたのが「プロパイロット」が設定されたこと。当時の先進技術で、全車速追従式クルーズコントロール機能に車線維持機能が加わり、高速道路ではドライバーがステアリングやアクセル、ブレーキ操作から解放されるというもの。こうした技術の進歩は早く、現在ではこうした機能が軽自動車でも標準装備化されたモデルもあるほどだ。
3代目 T32型エクストレイル 中古車選びのポイント
パワフル&低燃費なハイブリッド車がお勧め
中古車相場(2020年式):約170~240万円 ※2025年3月時点
T32型エクストレイルは、2013~2022年まで発売されたことから、非常に中古車価格帯がワイドなのが特徴。中古車相場の価格幅は約60~280万円となっている。これだけ幅が広いと、予算に合わせて色々な選択肢がある。
-
-
【自動車情報のプロ】大岡智彦
前期モデルでお勧めなのは、ブラックエクストリーマーX エマージェンシーブレーキパッケージ。2.0Lガソリン車をベースに、アンダーガードなど、オフローダー色を強めた外装パーツを装備した特別仕様車。最近のSUVは、こうしたオフローダー色の強いモデルが人気。現在見ても、あまり古臭く見えないのもメリット。2016年式で中古車相場は、約110~160万円。中古車流通台数が少ない点が悩みどころだ。
後期モデルでお勧めなのは、パワフルで低燃費なハイブリッド車。2020年1月の改良後モデルがよい。この改良では、衝突被害軽減ブレーキであるエマージェンシーブレーキの夜間性能とプロパイロットの性能が向上している。グレードは、プロパイロットや予防安全装備が氷筍装備されているハイブリッド20Xiがお勧め。20Sハイブリッドは、少々装備が物足りない。
2020年式ハイブリッド車の中古車相場は、約180~250万円。この中で、エクストリーマーX系があれば、さらにお勧めだ。中古車相場もそれほど下がっておらず、最新T33型エクストレイルが出ているものの、高めのリセールバリューを維持している。
3代目 日産 エクストレイル(T32型):主要諸元
代表グレード | 20Xiハイブリッド |
---|---|
全長×全幅×全高 | 4690×1820×1730mm |
ホイールベース | 2705mm |
定員 | 5名 |
車両重量 | 1610kg |
エンジン種類/型式 | 直4 DOHCガソリン/ MR20DD |
最高出力 | 147ps/6000rpm |
最大トルク | 207N・m/4400rpm |
総排気量 | 1997cc |
モーター最高出力 | 41㎰ |
モーター最大トルク | 160Nm |
燃費 | 15.0㎞/L(WLTCモード) |
駆動方式 | FF(前輪駆動) |
ミッション | CVT |
4代目 日産 エクストレイル(T33型)
e-POWERにe-4ORCEと先進技術が満載!
発売時期:2022年~
新車価格帯(最終モデル):3,601,400~5,332,800円

4代目となるT33型日産エクストレイルは、2022年7月に登場した。従来モデルから継続されてきた「タフギア」というコンセプトを引き継ぎながらも、大きく方向性を変えてきた。従来モデルは、カジュアル系デザインだったが、T33型エクストレイルからは、ラグジュアリー系デザインに変更。重厚感と高級感が大幅にアップしている。
技術面でも大きく進化した。シリーズハイブリッドシステムのe-POWERは、第2世代の「VCターボ」を採用。VCターボは、1.5L直3 KR15DDTエンジンを使用。世界初量産化に成功した可変圧縮比エンジンだ。低燃費性能はもちろん、静粛性やサウンドにも優れている。
燃費性能は、18.3~19.7㎞/L(WLTCモード)と良好だ。T33型エクストレイルには、ガソリン車は無くe-POWERのみ設定となっている。
そして、e-POWERになったこともあり、4WDシステムも刷新。後輪をモーターで駆動するe-4ORCEを採用。前後のモータートルクとブレーキ制御により、4輪のトラクションを最適化。滑りやすい路面では、抜群の安定感と走りやすさ、そして気持ち良い走りを実現した。路面状態を問わず、多くの人が、運転がしやすいと感じるだろう。e-POWER車は、前後のモーターで走行するため、とてもスムースで静粛性が高いのも特徴だ。
予防安全装備は、360°全ての方向の安全を確保する「360°セーフティーアシスト(全方位運転支援システム)」を採用。エアバッグが展開するような大きな衝撃が車体に加わった場合、ドライバーの意識が無くても専門のオペレーターに通報。救急車の手配や警察への通報を行ってくれるSOSコールも設定されている。
T33型エクストレイルも歴代モデル同様、使い勝手にこだわった。メーターは、2種類の表示モードを選択できる12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイを採用し優れた視認性を確保。センターディスプレイは、12.3インチのNissanConnectナビゲーションシステムは、自然な言葉で操作できるボイスアシスタントやAmazon Alexaを搭載。
荷室容量は、560~575L(2列シート車)とクラストップレベル。荷室の開口幅を広げることで、荷物の積み下ろしが容易としている。そして、100V AC電源(1500W)を設定。この機能は、ハイブリッドシステムを使うことで、クルマが電源車にすることが可能。1500Wまでの家電製品が使えるようになる。アウトドアではもちろん、災害時などの停電時にも電力を供給できる便利な機能だ。
また、先代モデルと同様に7人乗りが可能な3列シート車も設定した。
4代目 T33型エクストレイル 中古車選びのポイント
装備充実のG e-4ORCE系がお勧め
中古車相場(2022年式):約360~420万円 ※2025年3月時点
T33型エクストレイルは、FFと4WD、2列車と3列車、そしてオーテックと複雑。グレードは、エントリーのS、中間のX、最上級のGという構成。それぞれに、4WDのe-4ORCEとFFから選択できる。ただ、3列シート車は、X系グレードしかから選べない。
-
-
【自動車情報のプロ】大岡智彦
装備を見ると、まず装備が物足りないS系は選択肢から外した方が無難。そうなると、X系かG系かという選択になる。だが、X系にはナビやプロパイロット緊急停止支援システム、SOSコール、ETC2.0、ワイヤレス充電、プロパイロットパーキングなどが装備されておらず、高級SUVとしはやや物足りなさを感じる。こうなると、選択肢はG系グレード一択といった印象だ。
-
-
【自動車情報のプロ】大岡智彦
また、FFか4WDかという選択だが、4WDのe-4ORCEはなかなか魅力的に仕上がっていて、雪道やオフロード以外でも十分にその機能を体感でき快適。予算の関係もあるが、積極的に選びたい機能だ。こうしたこともあり、T33型エクストレイルのお勧めグレードはG e-4ORCEとなる。
さらに、このG e-4ORCEをベースとしたオーテックe-4ORCEアドバンスドパッケージは、少々高価になるがさらにお勧め。ハンドリングや乗り心地、質感などG e-4ORCEより1ランク上で満足度は非常に高い。ただし、中古車流通台数が少ないのが難点だ。
お勧めグレードの中古車相場は以下の通り。
・T33型エクストレイルG e-4ORCE中古車相場(2022年式):約360~420万円
・T33型エクストレイル オーテックe-4ORCEアドバンスドパッケージ中古車相場(2022年式):410~420万円
T33型エクストレイルG e-4ORCE中古車相場に対する新車価格比は、約80~93%。約3年落ち(2025年比)でこの価格を維持しているのであれば、T33型エクストレイルのリセールバリューはなかなか高いレベルを維持しているといえるだろう。
4代目 日産 エクストレイル(T33型):主要諸元
代表グレード | G e-4ORCE |
---|---|
全長×全幅×全高 | 4660×1840×1720mm |
ホイールベース | 2705mm |
定員 | 5名 |
車両重量 | 1880kg |
エンジン種類/型式 | 直3 DOHCガソリンターボ/ KR15DDT |
最高出力 | 144ps/4400~5000rpm |
最大トルク | 250N・m/2400~4000rpm |
総排気量 | 1497cc |
フロントモーター最高出力 | 204㎰ |
フロントモーター最大トルク | 330Nm |
リヤモーター最高出力 | 136㎰ |
リヤモーター最大トルク | 195Nm |
燃費 | 18.4㎞/L(WLTCモード) |
駆動方式 | 4WD(e-4ORCE) |