軽自動車で車中泊するとコスパがいい?[前編]軽自動車の維持費と車中泊にかかる費用

新しい旅のスタイルとして人気が高まっている「車中泊」、その魅力をご存知ですか?車中泊は一般的な旅行よりも費用が安く抑えられることも魅力の一つとされていますが、特に軽自動車を使えば、思いのほか高コスパで自由な旅が実現できるかもしれません。でも、実際にどれくらいの費用がかかるのか、気になりますよね。ガソリン代、食費、必要な装備やグッズにかかる費用……本当に家計に優しいのでしょうか?前編では、軽自動車の維持費と車中泊にかかる費用を徹底的に解剖していきます。車中泊の魅力と現実的な費用について、一緒に探っていきましょう!

クルマのことを調べならが学ぶライター
目次
軽自動車での車中泊の魅力と基本の費用
軽自動車で車中泊するメリットとは?
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【外部ライター】YA
軽自動車で車中泊をすることには、さまざまなメリットが考えられます。
まず、軽自動車なら車中泊の費用を安く抑えることができるのが大きなメリットです。軽自動車は普通車と比べて、税金や保険料が低めため、維持費を大幅に抑えられます。また、車両価格も普通車よりも比較的に安価に買えるため、初期投資やローンの負担も低く抑えることができます。さらに、燃費がよいため、長距離を移動する場合も経済的で、車中泊の費用を安く抑えるためにも役立ちます。
次に、軽自動車の運転のしやすさもメリットの一つです。軽自動車は小回りがよいため、市街地や山間部などの狭い道でも運転しやすく、たとえ駐車スペースが狭くても楽に駐車できます。大型のクルマは運転に慣れていないと不安が大きいものですが、軽自動車なら誰でも気軽に運転できます。
車中泊にかかる基本的な費用
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【外部ライター】YA
車中泊に出かけている間にかかる基本的な費用は、主に食費、入浴代、移動費に分類できます。
■食費
食材や調理器具を用意して車内で調理するなら、食費は1日3食でも1500~2000円程度で済みますが、外食を取り入れると5000~6000円ほどに増加します。もちろん、出かける人数や外食の内容によっては、さらに費用がかかります。
■入浴代
車中泊で入浴したい時は、道の駅やPA・SAに併設されたコインシャワーや、日帰り温泉や銭湯などの入浴施設を利用することになります。それぞれの施設のおおまかな料金は以下のようになります。
・コインシャワー(PA・SA)…ほとんどの場所で10分300円
・コインシャワー(道の駅)…5分100円、3分200円など、施設によってまちまち
・日帰り温泉…600~2000円程度(※スーパー銭湯などの大型施設では高くなる傾向がある)
・銭湯…500円前後(※都道府県によって入浴料が違う)
ここでご紹介した料金は一例です。お出かけ先にシャワーがあるかどうか、近くに温泉や銭湯があるかどうか、事前によく調べておきましょう。
■移動費
ガソリン代などの燃料費や高速道路の料金を含む、移動にかかる費用です。軽自動車の燃費をおよそ20㎞/Lと仮定して、ガソリンが170円/Lとした場合、50㎞先のスポットに出かけるなら、ガソリン代は往復850円と概算できます。これに加え、高速道路の料金も軽自動車は安く設定されているため、普通車よりも安く利用することができます。
例えば、「大人2人」「1泊2日」「移動距離約100㎞」「食事は3食自炊」「入浴はコインシャワー」というシンプルなプランの車中泊では、5千~1万円もあれば十分足りる計算になります。
ただし、ここで紹介した費用は、あくまで基本的な費用です。人数や移動距離によっても変わりますし、温泉や外食にこだわるなら、よりお金がかかります。また、滞在先でテーマパークやアクティビティを利用したり、お土産を購入したりするなら、プラスアルファの予算を用意する必要があります。さらに、車中泊をこれから始めるという場合は、必要な装備やグッズを揃えるための費用も必要です。
軽自動車での車中泊の費用を考えるなら、人数や移動距離に合わせて、滞在先での過ごし方もイメージして、必要な費用をリストアップしてみましょう。
軽自動車と普通車の維持費比較
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【外部ライター】YA
では、軽自動車の1年間の維持費は普通車と比べて、どのくらい差があるのでしょうか。
クルマの維持にかかる主な費用には、自動車税、保険、車検代、ガソリン代、メンテナンス代などがあります。このほか、ローンを組んでいれば、毎月ローンの支払いが発生します。これらの維持費を概算して比較すると、軽自動車と普通車で、年間で20万円以上もの差が出ることがあります。
■自動車税(軽自動車税)
毎年自治体に納める軽自動車税は一般的には年間一律で10,800円です。一方、普通車の自動車税は排気量によって差があり、最も排気量が少ない1.0リットル以下では25,000円、ミニバンのミドルクラスに相当する2.0リットル以下では36,000円になります。
■保険と車検代
クルマの保険として、自賠責保険のほかに任意で加入する任意保険は、軽自動車のほうが相手に与える損害が少ないとされていることなどから、保険料が安くなる傾向があります。
また、2年に一度受けることが義務付けられている車検の費用も軽自動車は安く設定されていることがほとんどです。車検の料金には、法定費用として自動車重量税や自賠責保険の保険料などが含まれます。この自動車重量税は車検時に2年分をまとめて支払うのが一般的ですが、標準的な税額で比較すると、軽自動車では6,600円、1トン以下の普通車は16,400円、1.5トン以下の普通車は24,600円と差が大きく、軽自動車の車検費用が低く抑えられる要因となっています。これらの法定費用のほかに、車検を行う業者に支払う車検基本料金の相場は3~8万円と言われています。
■ガソリン代
車両重量が軽い軽自動車は、燃費がよく、ガソリン代も安く済みます。仮に燃費を軽自動車は20㎞/L、普通車は15㎞/Lとし、ガソリンを170円/L、年間走行距離を1万㎞とした場合、ガソリン代は軽自動車で85,000円、普通車で113,220円となり、年間で2万円以上の節約になる場合もあるという計算になります。
■ローンの支払い
軽自動車は、普通車に比べ車両価格も低価格に抑えることができるため、ローンの負担も軽く済みます。6年ローンを組んだとして、金利を除いて仮に計算してみると、180万円の軽自動車は年間30万円、300万円の普通車は年間50万円の支払いとなります。
このように軽自動車の維持費は、普通車と比べて経済的と言えます。車中泊のコスパをよりよくしたいという人にとって、軽自動車は魅力的な選択肢になるでしょう。
車中泊に適した軽自動車の選び方と装備
車中泊に向いている軽自動車の選び方
クルマで寝起きすることになる車中泊では、大人が横になって眠れるスペースを作れるかどうかが必須の条件になります。軽自動車を選ぶ際は、室内空間が広い車種を探し、フルフラットのシートアレンジができるかどうかをチェックしましょう。さらに高さがある車種なら、荷物の積み下ろしや着替えなども楽になり、快適に過ごすことができます。
広い室内空間を優先するなら、スーパーハイトワゴンやハイトワゴンと呼ばれる、天井が高いボディタイプの軽自動車を選ぶのがおすすめです。人気の車種には、ホンダ N-BOX、ダイハツ タント、スズキ スペーシアギアなどがあります。
そのほかに車中泊に適した軽自動車として、ワンボックスタイプのスズキ エブリイワゴンやホンダN-VAN、SUVタイプのスズキのハスラーやジムニーなども人気があります。ワンボックスタイプは荷室の広さを活かして、広々とした室内空間が利用できます。SUVタイプはアウトドアも楽しみたい人におすすめです。
これらの車種は、ほとんどがフルフラットシート対応です。ただし、完全フルフラットになるものと、多少の段差が出てしまうものがあるため注意が必要です。人気車種は、専用のベッドキットなどの車中泊グッズが豊富に販売されているのもメリットの一つです。
また、収納スペースや燃費性能などもチェックしておけると安心です。床下収納などの収納スペースや、軽自動車のハイブリッドシステムの基本仕様となるマイルドハイブリッドに対応しているかどうかもチェックしてみましょう。
快適な車中泊のための必須アイテムとコスト
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【外部ライター】YA
快適な車中泊を実現するに欠かせない装備には、サンシェード、車中泊用マット、寝袋、ポータブル電源などがあります。
窓を覆うサンシェードは、車内のプライバシーを守るために欠かせません。また、夏は日差しを遮り、冬は車内の熱が逃げるのを防いでくれるため、車内温度の維持にも役立ちます。カーテンや断熱シートでも代用できますが、断熱効果のあるサンシェードを用意したほうが便利でしょう。フロントのみなら1,000円〜3,000円程度で購入できますが、車種専用ですべての窓をカバーできるタイプは15,000円程になります。
快適な睡眠のために用意したいのが、車中泊用のマットです。厚さのあるマットは、フルフラットにした際の段差や隙間をカバーし、床からの冷気を防いでくれます。価格帯は5,000円〜15,000円程度です。マットと合わせて用意したい寝袋は、人気のアウトドアブランドで冬用のものは10,000円〜30,000円ほどです。
ポータブルエアコンや電気調理器具を使うためには、ポータブル電源も必要です。宿泊数や人数、使いたい家電に合った容量のポータブル電源を選びましょう。信頼のおけるメーカーのものを購入しようと思うなら、容量が1,000w/h程度のもので10~15万円程度の予算をみておくと安心です。
夏は冷蔵庫や扇風機、冬は電気毛布など季節によっても必要な装備は変わります。また、料理のための調理器具、映画を観るためのデバイスなど、車内での過ごし方によっても必要なものが出てくるでしょう。車内でどのように過ごしたいかをイメージしながら、初期投資の予算とのバランスを考えて、自分に合った装備をリストアップしてみてください。