自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長によるトヨタのSUV大研究!特徴や違いは?おすすめグレードはどれ? トヨタSUV購入ガイド&リセールバリュー(1)ハリアー/RAV4/カローラクロス/ヤリスクロス

トヨタは、国内最多SUV車種を誇っているメーカーだ。国内で販売されているトヨタの乗用SUVは、なんと11車種にもある。
ちなみに、トヨタのカテゴリー別車種数(2025年1月調べ)を見てみると、コンパクト4車種、ミニバン6車種、セダン5車種、ワゴン2車種となっていて、圧倒的にSUVの車種数が多いことが分かる。
これだけ車種が多いと「なにがどう違うのか? よく分からない?」という人も多いはず。

トヨタSUV購入ガイド&リセールバリュー(1)では、トヨタのハリアー/RAV4/カローラクロス/ヤリスクロス各車種の特徴や違い、中古車相場からリセールバリュー、おすすめグレードなどを徹底解説する。ライズ、ヤリスクロスなど、他のトヨタSUVについては別記事を参照いただきたい。

【自動車情報のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

「トヨタのSUV」の特性比較

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    トヨタのSUVは、ランドクルーザー系を除き、とくに一貫性はない。だが、下記の図のように、デザイン面では都会派、アウトドア系と車種をうまく分散して、色々な顧客ニーズを受け止めている。これが、トヨタの最大の強みともいえる。
    また、11車種のラインアップ中、8車種が300万円を楽々と超える価格帯であるのも特徴。

さらに、ランドクルーザー系とBEV(バッテリー電気自動車)のbZ4Xを除き、全車ハイブリッドシステムを搭載したモデルを用意。どのモデルもクラストップレベルの燃費性能を誇る。

*ボディサイズは人気グレード。搭載エンジンは、販売終了のものも含める。燃費はすべてWLTCモードでAT、MT車、4WD車含。最高出力・最大トルクは、最新モデルの数値。価格帯は、最新の新車価格帯。中古車相場は、2025年1月調べ。

トヨタ ハリアー(80系)について

ボディサイズ(全長×全幅×全高):4740×1855×1660mm
搭載エンジン種類 最高出力(㎰)/最大トルク(Nm) 燃費(㎞/L): ・2.5Lハイブリッド システム最高出力218㎰(FF) 21.6~22.3  ・2.0Lガソリン 171/207 14.7~15.4
新車価格帯:3,128,000~5,148,000円
中古車相場:2020年式 約290~430万円

トヨタ ハリアー(80系)の特徴(PHEV除く)

4代目となる80系トヨタ ハリアーは、2020年6月に発売が開始された。1997年に初代ハリアーが登場して以来、ラグジュアリーSUVの代名詞的存在で高い人気を得てきた。
80系ハリアーは、見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く感性品質を重視して開発された。当時、最新のFF(前輪駆動)用プラットフォームであるGA-Kを採用。低重心で優れた運動性能と高い静粛性、快適な乗り心地にこだわった。そのため、同じGA-Kプラットフォームを採用するRAV4と比べると、静粛性と乗り心地は1段上となっている。

搭載されたパワーユニットは、2.5Lガソリンと2.0Lガソリンの2タイプ。2.5Lハイブリッドは、クラストップレベルの低燃費性能。EV走行中の静粛性は、とても高くラグジュアリーSUVであるハリアーに相応しい。

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    2.0Lガソリンは、燃費性能に優れるもののアイドリングストップ機能が装備されていない点が残念なポイント。また、高回転まで回すと少々賑やかになるエンジンだ。そのため、おすすめはハイブリッド車だ。

それぞれ、4WDも用意されているが、2.5Lハイブリッド車は、後輪側にモーターを設置した電動4WDであるE-Fourとなる。
ハリアーは、2022年10月に改良された。ポイントは以下の通り。
・交差点右折時の対向直進車及び右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加した予防安全パッケージ「トヨタ セーフティセンス」を全車に標準装備。
・コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを採用。12.3インチの大画面ディスプレイを設定したほか、車載ナビを搭載。クルマがWi-Fiスポットになる、「車内Wi-Fi」を採用。
・12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを採用。

80系トヨタ ハリアーのおすすめ中古車は?

ハリアーは、超人気ラグジュアリーSUVということもあり、リセールバリューが高いため、中古車価格も高値を維持し続けている。5年落ち(2025年比)の2020年式でも、中古車価格は約290~430万円と非常に高い。新車より、少し安価な程度だ。
まず、ハリアーの中古車選びでは、ハイブリッド車かガソリン車かという選択になる。パワーユニット別の中古車価格は以下の通り。

・ハイブリッド車中古車相場2020年式:約320~430万円
・ガソリン車中古車相場2020年式:約290~390万円

ハリアーらしさを十分に感じることができる「ハイブリッドZレザーパッケージ」がおすすめ

このように、ハイブリッド車とガソリン車の価格帯は大きく被っている。こうした状況なら、積極的に燃費のよいハイブリッド車を選びたい。

そこで、おすすめグレードは、ハイブリッドZレザーパッケージ。上級グレードのZに対して、レザーシートやステアリングヒーター、助手席パワーシート、快適温熱シート+シートベンチレーション(運転席・助手席)などがプラス装備されている。高級SUVであるハリアーらしさを十分に感じられるグレードだ。

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    予算次第だが、できれば2022年10月の改良後モデルがよい。予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」やディスプレイオーディオなどのコネクティッド系が進化しているからだ。

その他のグレードは、基本的にエントリーのS、中間のG、上級のZが用意されている。Zレザーパッケージだと予算オーバーの場合、Zグレードという選択もよい。中間のGでも十分な装備となっている。だが、ハリアーは高級SUVということもあり、多くのグレードがZレザーパッケージかZ。Gグレードの中古車を探すのは難しい。

トヨタ RAV4(50系)について

※以下 PHEV除く
ボディサイズ(全長×全幅×全高):4610×1865×1690mm(アドベンチャー)
搭載エンジン種類 最高出力(㎰)/最大トルク(Nm) 燃費(㎞/L): ・2.5Lハイブリッド システム最高出力222㎰(E-Four) 20.3~20.6  ・2.0Lガソリン 171/207 15.2
新車価格帯:3,237,300~4,532,000円
中古車相場:2020年式 約230~330万円

トヨタ RAV4(50系)の特徴

5代目となるトヨタRAV4(50系)は、2019年4月に登場した。初代RAV4は1994年にデビュー。元SMAPの木村拓哉氏がCMに起用され話題となった。5代目RAV4(50系)は、北米マーケットを支える超人気モデルでもある。そろそろフルモデルチェンジ時期でもあり、6代目となる新型RAV4の登場が期待されている。

そんなRAV4の開発コンセプトは「Robust Accurate Vehicle With 4 Wheel Drive(SUVらしい力強さと使用性へのきめ細かな配慮を兼ね備えた4WD)」。4WDへのこだわったモデルで、ガソリン車のアドベンチャー、G Zパッケージグレードには、走行状況に応じ、前後トルク配分に加えて、後輪トルクを左右独立で制御。旋回時の車両安定性を高める「トルクベクタリング機構」、4輪駆動が不要な時にはプロペラシャフト前後で動力伝達を切断し燃費性能向上を図る「ディスコネクト機構」を採用した「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を装備。

この「ダイナミックトルクベクタリングAWD」により、オンロードではSUVとは思えないキレのあるハンドリングを実現。また、ピタッと安定した姿勢でカーブを抜けることができる。多くの人が運転しやすいと感じるはずだ。他のガソリン車は、一般的な4WDシステムである「ダイナミックトルクコントロール4WD」が採用されている。

そして、ハイブリッド車は、後輪をモーターで駆動する「E-Four」と呼ばれる電動4WDとなっている。今となっては平均的な4WDシステムだが、デビュー時はやや出力を高いモーターを使用したことで、悪路での走破性を大幅に高めた。

プラットフォームは、当時最新でハリアーと共通のGA-Kを採用。2.5Lハイブリッドシステムや2.0Lガソリンエンジンなどもハリアーと同じ。ただし、駆動用バッテリーは、ハリアーが高価なリチウムイオンバッテリーを使用するのに対して、RAV4はコストが低いニッケル水素バッテリーを使用している。

2020年10月には、ガソリン車によりオフローダー的なデザインで人気のグレード「アドベンチャー」に、最低地上高をベース車比で10mmアップ(専用サスペンション、18インチオールテレインタイヤ装着)するなどした特別仕様車「アドベンチャー オフロードパッケージ」を設定。
2021年12月には、ハイブリッド車にも人気グレード「アドベンチャー」を用意。
2022年10月には、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車、および右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加するなど、「トヨタセーフティセンス」の機能を向上。コネクティッドナビ対応の10.5インチディスプレイオーディオなどを採用している。
さらに、「アドベンチャー」グレードに、艶消しバンパーなどを装備し、よりオフローダーテイストを強めた特別仕様車「アドベンチャー オフロードパッケージⅡ」を設定した。

トヨタ RAV4(50系)のおすすめ中古車は? 

プラットフォームやパワーユニットなどを共用するハリアーがラグジュアリーSUVなのに対して、RAV4(50系)は、オフローダー色を強めたSUV。こうしたキャラクターをより色濃く反映させたグレードが「アドベンチャー」だ。

デビュー時は、ガソリン車しか設定がなかったのだが、2021年12月にハイブリッド車にもアドベンチャーが追加されたこともあり、アドベンチャーの中古車流通台数も増え選びやすくなってきた。中古車流通台数が少ないのが悩みどころだが、最低地上高を+10mmとしたアドベンチャー オフロードパッケージであれば、さらにおすすめだ。

より高リセールバリューが期待できるハイブリッド アドベンチャー系

最近では、こうしたオフローダー系SUVの人気が高いこともあり、今後のリセールバリューが高くなることも予想できお勧めだ。パワーユニットは、ガソリン価格高騰時代ということもあり、ハイブリッド車がよい。

このアドベンチャー系車両に、メーカーオプションだったパワーバックドアやパノラミックビューモニターが装備されている車両であれば、さらにおすすめだ。
より安全性能を重視するのなら、2022年10月の改良後モデルがよい。予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能が大幅に向上しているからだ。

ハイブリッド車で、アドベンチャーグレードの設定が無い前期モデルでは、最上級グレードのハイブリッドGがおすすめ。エントリーグレードのハイブリッドXは、価格重視のグレードといった印象で、予防安全装備などがやや物足りない。Gグレードであれば、合成皮革シートやステアリングヒーター、運転席パワーシート、シートヒーターなど十分な装備内容となっている。

トヨタ カローラクロス(10系)について

ボディサイズ(全長×全幅×全高):4490×1825×1620mm
搭載エンジン種類 最高出力(㎰)/最大トルク(Nm) 燃費(㎞/L): ・1.8Lハイブリッド システム最高出力140㎰ 24.5~26.4  ・2.0Lガソリン 170/202 16.6
新車価格帯:2,184,000~3,459,000円
中古車相場:2022年式 約250~340万円

トヨタ カローラクロス(10系)の特徴

トヨタ カローラクロス(10系)は、Cセグメントと呼ばれるクラスに属するコンパクトSUV。車名からも分かる通り、基本骨格やパワートレインなどカローラをベースとし、2021年9月にデビューした。

カローラクロス(10系)は、カローラシリーズと同じGA-Cプラットフォームを採用するが、リヤのサスペンション形式が異なる。他のカローラシリーズは、乗り心地や操縦安定性に優れるダブルウィッシュボーン式を採用するが、カローラクロスのFF(前輪駆動)車はコストが低いトーションビーム式となった。こうしたコストダウンもあり、カローラクロスの新車価格は比較的安価なのが特徴となっている。

気になる乗り心地は、ダブルウィッシュボーン式には敵わないものの、大型ブッシュを採用するなどの工夫により、速度域が高くなければややソフトで十分快適だ。
また、使い勝手面では、荷室が広く使いやすい。荷室容量は、487Lとクラストップレベルだ。多くの荷物を積むことが多い人にはピッタリだ。

デビュー時のパワーユニットは、1.8Lハイブリッドと1.8Lガソリン。1.8Lハイブリッドのシステム最高出力は122ps、燃費は26.2㎞/L(FF)と優秀。1.8Lガソリン車の最高出力は140㎰、燃費は14.4㎞/L(FF)。アイドリングストップ機能が無いため、少々物足りない燃費値となった。

1.8Lハイブリッドのスペックでも十分なレベルだが、2023年10月の改良で最新の1.8Lハイブリッドシステムを搭載。システム最高出力は18psアップ140㎰へ。燃費値は26.4km/Lへと向上した。よりモータードライブ感が強くなり、とても力強い走りが可能となっている。
また、1.8Lガソリン車は2.0Lガソリンへ変更。最高出力は170㎰と大幅にアップ。排気量をアップしたのに、燃費値も16.6㎞/L(FF)と向上している。
この2023年10月の改良では、他に下記の改良が行われている。

・ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストや、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車および右左折時の対向方向からの横断歩行者検知機能を追加するなど、「トヨタセーフティセンス」の機能を拡大。

・コネクティッドナビ対応の10.5インチディスプレイオーディオを設定。車内Wi-Fiを設定。

・メーターパネルをフル液晶化。12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイをZグレードに標準装備。

パワーユニットの変更や「トヨタセーフティセンス」の機能向上などにより、改良前のモデルから大幅な進化を遂げている。

トヨタ カローラクロス(10系)のおすすめ中古車は?

トヨタ カローラクロス(10系)の中古車は、非常に高い。人気に加え、受注停止もあり超長期納期になったこともあり、中古車価格は新車価格を超えているケースが目立つ。とくに、未使用車がその傾向がより強い。

例えば、2024年式カローラクロス ハイブリッドZの中古車相場は、約340~390万円。新車価格が325万円なので、新車価格に対して約105~120%という異常値となっている。こうなると、中古車の魅力であるリーズナブルさに欠けている。

しかも、2025年にはカローラクロスがマイナーチェンジする、との噂もあるので、新車価格越えの中古車は手が出しにくい。現状のカローラクロスの中古車は「どうしても、今すぐカローラクロスに乗りたい!」という人向けといえるだろう。
中古車価格が、これだけ高いということはリセールバリューも高い。現在、カローラクロスに乗っているのであれば、早急に売却することをお勧めしたい。マイナーチェンジしたモデルが登場すれば、一旦、リセールバリューがガクッと下がる可能性が高いからだ。

高価だが改良後モデルのハイブリッド車一択?!

最新カローラクロスのグレード体系は、1.8Lハイブリッド車が3グレード構成。エントリーグレードのS、中間グレードのG、最上級グレードのZとなっている。
ガソリン車は、エントリーグレードのGX、中間グレードのG、最上級グレードのZとなっている。

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    現在、ガソリン価格高止まり状態であり、おすすめはやはり1.8Lハイブリッド車のZグレードになる。予算次第だが、2023年10月の改良後モデルであれば、さらにお勧め。パワーアップし燃費も向上、予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能向上と、大きな差があるからだ。

ハイブリッドZグレードには、18インチアルミホイール、パワーバックドア、本革+ファブリックシート、運転席パワーシート、シートヒーターなどが標準装備されている。十分に満足できる仕様だ。ガソリン車であっても、同様にZグレードがおすすめとなる。

トヨタ ヤリスクロス(10系)について

ボディサイズ(全長×全幅×全高):4180×1765×1590mm(ハイブリッドZ)
搭載エンジン種類 最高出力(㎰)/最大トルク(Nm) 燃費(㎞/L): ・1.5Lハイブリッド システム最高出力116㎰ 25.0~30.8  ・1.5Lガソリン 120/145 17.1~19.8
新車価格帯:1,907,000~3,156,000円
中古車相場:2022年式 約190~280万円

トヨタ ヤリスクロス(10系)の特徴

トヨタ ヤリスクロス(10系)は、コンパクトカーであるヤリスのプラットフォームやパワーユニットなどを共用したBセグメントのコンパクトSUVとして2020年8月にデビューした。

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    ヤリスクロスは、走行性能や燃費、使い勝手など、すべての面において高いレベルにまとめられている。とくに優れているのが燃費性能。1.5Lハイブリッドの燃費性能は27.8㎞/L(Zアドベンチャー FF)と、トップレベルの実力をもつ。燃費性能だけで買ってもいいと思えるレベルだ。

この1.5Lハイブリッドのシステム最高出力は116㎰。少し控えめに感じるが、十分な動力性能があり、モータードライブ車らしいスムースな走りが魅力。また、1.5Lガソリン車も用意されている。軽快さを感じるエンジンだが、高回転域では少々賑やかだ。
また、4WDモデルは、悪路走破性にもこだわった。1.5Lハイブリッド車は、後輪側にモーターを設置したE-Four。それほどパワフルなモーターではないものの、トレイルモードと呼ばれる機能があり、片輪が浮くような悪路でも走行できるほど。

1.5Lガソリン車には、路面状況に応じMUD&SAND/NORMAL/ROCK&DIRTの3つのモードから選択できるマルチテレインセレクトを用意した。
そして、使い勝手も良好。一部グレードを除き、国産コンパクト系では珍しい4:2:4分割可倒式リヤシートを設定。さらに、荷室床面の高さを2段階に調節でき、6:4で左右分割することもできる6:4分割アジャスタブルデッキボードを用意。色々な使い方が可能だ。

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    ヤリスクロスで、唯一気になる点は、プラスチック部分の質感が少々物足りないくらいだ。

こうした全方位高いレベルにあるヤリスクロス。性能だけでなく、売れているも理由のひとつとなっているのが選択肢の豊富さ。基準車の他、よりアクティブなデザインとした「アドベンチャー」、スポーティ仕様の「GRスポーツ」が用意され、より自分好みの仕様が選べる。

トヨタ ヤリスクロス(10系)のおすすめ中古車は?

ヤリスクロスの中古車選びは、年式により大きく選択肢が異なる。それは、2022年7月改良後か改良前かによる。改良前のモデルは、選択肢が基準車しか無かった。ところが、改良後になるとアクティブなデザインを施した「アドベンチャー」、スポーティ仕様の「GRスポーツ」が加わった。

  • 【自動車情報のプロ】大岡智彦

    予算次第になるが、より好みの仕様を選びたいのであれば、改良後のモデルがお勧めになる。改良前後で共通でお勧めなのは、やはり1.5Lハイブリッド車。ガソリン価格高騰やリセールバリュー面でもメリットがある。中古車になると、1.5Lハイブリッド車とガソリン車の価格差が縮まっていることもあり、1.5Lハイブリッドがおすすめとなる。

2022年の改良前後で選択肢が変わる!?

改良前のおすすめ中古車は、最上級グレードの「ハイブリッドZ」。ハイブリッド車は、エントリーグレードのX、中間グレードのG、最上級グレードであるZの3グレード構成。コンパクトカー系は、グレードが下がるとどうしても装備が物足りなくなるので、Zグレードがお勧めだ。Zグレードは、18インチアルミホイールやLEDヘッドライト、合成皮革+ファブリックシート、運転席パワーシート、シートヒーターなど、十分な装備が標準装備されている。2022年式のハイブリッドZグレードの中古車相場は、約230~280万円だ。

改良後のおすすめは、スポーティ仕様の「ハイブリッドGRスポーツ」。剛性アップパーツ、サスペンション、電動パワーステアリング制御、パワートレーン制御&ドライブシャフト(ハイブリッド車)、ラジエーターグリル&リヤバンパーロアカバー、アルミホイール、スポーティシート&シート表皮など、細かいところまで専用チューニングされている。その走行性能は格別。乗り心地は、基準車より快適と感じるほど。ステアリング操舵に対して、正確でスポーティなハンドリング秀逸だ。2023年式の中古車相場は、約260~300万円。2023年式のハイブリッドZの中古車相場は、約250~300万円。それほど、中古車相場は変わらない。