自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語る! マツダCX-5大研究!買うならエンジン・年式・グレードはどれがいい?

2代目となるKF型マツダCX-5は、2017年2月に発売が開始された。マツダにとって、CX-5は重要な基幹車種でもある。モデル末期ながら、国内では、CXシリーズ中、最も売れている車種であり、2024年上期国内登録車販売台数ランキングでは34位だ。マツダのグローバル販売台数では、約3分の1がCX-5となっている。

自動車情報メディア「CORISM」編集長
目次
マツダ CX-5(KF型)の特徴
初代のKE型CX-5は、カジュアル系のSUVだった。しかし、2代目のKF型CX-5では一気にコンセプトを転換。上質感あるラグジュアリーSUVへと舵を切った。
デザインは「洗練された力強さ」をキーワードに掲げ、「魂動(こどう)デザイン」のコンセプトをより高い次元へと昇華し上質感あるスタイルに仕上げた。同様にインテリアの質感も、クラストップレベルの実力を誇る。
KF型CX-5のボディサイズは、全長4545×全幅1840×全高1690mm。ややワイドながら、全長はやや短め。
そのため、最小回転半径は5.5mと小さく、狭い駐車場などが多い日本でも扱いやすい。
そして、エンジンはマツダ車を除く国産SUVで唯一のディーゼルターボエンジンが用意されている。
優れた低燃費性能と力強い加速を両立したモデルなのだ。このディーゼルターボエンジン車の比率が、なんと7割前後と多いのも特徴である。
圧倒的パワフルさと低燃費を誇る2.2Lディーゼルターボエンジン
KF型のCX-5に搭載されているエンジンの種類を見てみると、2.2Lディーゼルターボエンジンの燃費が突出してガソリンエンジンを上回っていることが分かる。出力も2.5Lガソリンターボ車にそれほど劣らず、トルクも上回っている。
KF型CX-5の最新モデルに搭載されているエンジンの種類
搭載エンジン | 2.2Lディーゼルターボ | 2.0Lガソリン | 2.5Lガソリン | 2.5Lガソリンターボ |
---|---|---|---|---|
FF車の燃費 | 17.4㎞/L | 14.6㎞/L | 13.8㎞/L | 12.6㎞/L |
4WD車の燃費 | 16.6㎞/L | 14.6㎞/L | 13.0㎞/L | 12.2㎞/L |
最高出力 | 200㎰ | 156㎰ | 188㎰ | 230㎰ |
最大トルク | 450Nm | 199Nm | 250Nm | 420Nm |
これだけ燃費や最大トルクが違うと、やはりディーゼルターボエンジンがおすすめになる。
また、ディーゼルエンジンは、燃料に軽油を使う。
軽油はレギュラーガソリンより20円/L前後も安価。そのため、燃費値ではハイブリッド車に敵わないものの、燃料費視点では同等近くになるメリットもあり経済的だ。
この2.2Lディーゼルターボエンジンは、2018年2月の改良で175㎰&420Nmから190㎰&450Nmへパワーアップ。
さらに、2020年12月の改良では、190㎰から200㎰とパワーアップしている。よりパワフルさを重視するのであれば、2020年12月の改良を受けた2.2Lディーゼルターボエンジンがおすすめだ。
マツダ CX-5(KF型)を新車で買うならおすすめのグレードは?
2.0L ガソリン車 |
2,909,500円(20Sスマートエディション FF)~ 3,657,500円(20S レトロスポーツエディション 4WD) |
---|---|
2.5L ガソリン車 |
3,581,600円(25S スポーツアピアランス FF)~ 3,812,600円(25S スポーツアピアランス 4WD) |
2.2L ディーゼルターボ車 |
3,228,500円(XD スマートエディション FF)~ 4,225,100円(XD エクスクルーシブモード 4WD) |
KF型CX-5には、3タイプのエンジンと多くのグレード設定があり、より好みにあった仕様が選べる。選択肢が多いので、まずは3タイプのエンジンから選ぶとよい。
ただ、ガソリンとディーゼルターボ共に電動化技術が投入されておらず、カーボンニュートラル時代には、少々物足りない。燃費と力強さを兼ね備えた2.2Lディーゼルターボエンジンが、ギリギリ合格点でおすすめになる。
2.0Lガソリン車と2.2Lディーゼルターボの価格差は約32万円となるが、多少無理してでも2.2Lディーゼルターボ車を選択した方が満足度は高い。また、2.2Lディーゼルターボ車の方が、燃料費も安価になりリセールバリューが高くなるメリットがある。
ラグジュアリーSUVらしさを満喫したいのなら
XDエクスクルーシブモード

CX-5のグレードの中で、最も豪華な仕様がエクスクルーシブモード。ナッパレザーと呼ばれる高品質なレザーを使用したシートが標準装備されている。また、シートヒーターだけではなく、シートベンチレーションも運転席・助手席に標準装備。そして、オーディオも高級オーディオであるボーズサウンドシステムも標準装備。クラスを超えた快適さが魅力だ。さらに、高リセールバリュー傾向だ。
スポーティさを重視するなら
XDスポーツアピアランス

CX-5にスポーティなエッセンスをプラスしたラグジュアリースポーツ仕様といえるグレード。標準装備であるブラックのレザーシートには、レッドのステッチが入りスポーツマインドをアップ。インテリア全体がブラック&レッドの人気カラーでコーディネイトされている。さらに、運転席・助手席パワーシートにシートヒーター、ベンチレーションも標準装備されており快適なドライブが楽しめる。また、高級オーディオであるボーズサウンドシステムも標準装備だ。このグレードも高リセールバリューが期待できる。
マツダ CX-5(KF型)を中古車で買うならおすすめのグレードは?
*中古車価格は2024年8月調べ
2017年8月改良以前のモデルは選択肢から外したい
KF型CX-5は、毎年のように改良が加えられ深化してきたモデル。そのため、年式が新しいほど完成度が高い。
それだけに、選択肢から外したいのが2017年8月の改良前のモデル。
2017年8月の改良では、歩行者検知式自動ブレーキなど予防安全装備が大幅に進化している。この改良前のモデルだと、やや予防安全装備が物足りないからだ。
熟成された完成度を重視する場合は、なるべく新しい年式の中古車を選ぼう。
前期モデルのおすすめは2018年2月改良後のモデル
この改良では、2.2Lディーゼルターボエンジンの出力が175㎰&420Nmから190㎰&450Nmへパワーアップ。
2.0Lと2.5Lガソリンエンジンも改良され、実用燃費が向上。2.5Lガソリンエンジンは、気筒休止システムが追加された。その他、インテリアの質感なども改良されている。
おすすめグレード:CX-5 XDエクスクルーシブモード

CX-5 XDエクスクルーシブモード(2018〜2021年式)の中古車相場
支払総額 約180~310万円(※2025年4月15日時点)
XDエクスクルーシブモードは、2018年11月に発売された特別仕様車で、KF型CX-5の実質最上級グレードに位置するモデル。
とくに、インテリアの質感がとても高い。シート生地には、上質なナッパレザーを使用。インパネなどには、本杢加飾などのこだわり抜いたマテリアルを採用している。ドアを開けた瞬間、その上質さに驚くほどだ。ただ、中古車流通量は少な目だ。
予算が厳しい場合、レザーシートなどを標準装備したLパッケージもおすすめだ。
後期モデルは2021年8月改良後モデルがおすすめ
2021年8月にKF型CX-5は、大幅改良な改良が施された。外観では、フロントフェイスやランプ類が変更されている。
そして、顧客の多様化するニーズに対応するため、分かりやすく3つのグレードが設定された。
その3グレードとは、よりラグジュアリー感を主張する「エクスクルーシブモード」、スポーティさを前面に出した「スポーツアピアランス」、そして、オフローダーテイストをプラスした「フィールドジャーニー」だ。
この3グレードを主軸に「スマートエディション」や「ブラックトーンエディション」といった、コスパに優れたグレードも従来通り用意されている。
また、走行性能面ではハンドリングや乗り心地、静粛性を改善。より熟成された上質な乗り味となった。
この大幅改良により、KF型CX-5の総合性能はグッと引き上げられている。予算に余裕があるのであれば、2021年8月改良後モデルの中古車が最もおすすめになる。
おすすめグレード:CX-5 XDスポーツアピアランス

CX-5 XDスポーツアピアランス(2021年式以降)の中古車相場
支払総額 約240~340万円(※2025年4月15日時点)
マツダ車らしいスポーティなイメージを前面に出しながら、CX-5のラグジュアリー感もしっかりと残したラグジュアリースポーツ仕様が「スポーツアピアランス」。
ブラックのレザーシートに、レッドのステッチをプラスした定番のブラック&レッドのコーディネイトは、とても高い人気を得ている。
さらに、運転席・助手席パワーシートにシートヒーター、ベンチレーション、高級オーディオであるボーズサウンドシステムも標準装備。ラグジュアリー感たっぷりの豪華仕様となっている。人気上級グレードなので、高リセールバリューが期待できるのも魅力だ。
また、好みもあるが、高級ナッパレザーシートなどを装備した最上級グレード「エクスクルーシブモード」もおすすめだ。
高リセールバリューが期待できるマツダ CX-5(KF型)の装備やグレードは?
今や世界的ブームになっているカテゴリーがSUV。KF型CX-5を含め、ほとんどのSUVが高リセールバリューになっている。
ただKF型CX-5の場合、2017年2月に登場してから7年以上が経過し、完全にモデル末期状態。
人気モデルとはいえ、徐々に販売台数も低下。2024年上半期の販売台数では、前年比64.8%にまで落ちている。
リセールバリューは、あくまで中古車マーケットでの需要と供給で決まる。
次期モデルを待つ顧客が増えて現行型の新車が売れなくなると、中古車マーケットでの人気が下がり気味になり、リセールバリューも下がるケースも少なくない。
そのためKF型CX-5のリセールバリューは、徐々に下落傾向にあると考えた方がよい。
3代目となる新型CX-5の噂が聞こえ始めている中、さらにリセールバリューがグッと下がる恐れがあるので注意が必要。早期の売却がおすすめなモデルだ。
リセールバリューが期待できるグレードはXDスポーツアピアランス
日本マーケットでは、スポーツグレードの人気が高く高リセールバリューにケースがほとんど。それは、SUVであるKF型CX-5でも同じ。豪華な装備とスポーティな内外装をもつスポーツアピアランスが、最もリセールバリューが高いグレードになるのではないかと予想する。
そんなスポーツアピアランスでも、搭載エンジンも重要なポイントだ。2.2Lディーゼルターボを搭載したXD系がよりリセールバリューが有利になるだろう。
このスポーツアピアランスに次ぐ高リセールバリューになるグレードは、エクスクルーシブモードと予想できる。プラス査定が期待できそうなオプションは、サンルーフくらいだろう。スポーツアピアランスは上級グレードということもあり、もはやサンルーフくらいしかオプションの設定がないからだ。
また、スポーツアピアランスで注意したいのはボディカラー。より高リセールバリューを意識するのであれば、白・黒などのモノトーン系がよいだろう。
スポーツアピアランスやエクスクルーシブモードは中古車流通量が少ない。「マツダと言えば赤系」とイメージ色になっているが、こうした流通量が少ないグレードの中古車では赤系の人気が低いことも多く、リセールバリューが下がる可能性がある。