ガリバー最大規模の整備施設で中古車のバリューを生み出す整備士インタビュー ガリバー中古車整備工場「関東商品化センター」(2) 中古車整備のプロが100項目以上の箇所を確認

関東地区のガリバーの店舗で販売される中古車の点検・整備・カーケアを行う一大拠点、ガリバー関東商品化センター(千葉県野田市)。お客様に良質なクルマをお届けするため、中古車の新たなバリューを生み出している整備士たちは、どのような思いで日々の作業に向かっているのでしょうか?
※100項目以上の確認は、ケアパック付帯(有償)時になります。

見えないところまで、整備士の目で最初にチェックする

  • (編集部:AK)前回までここガリバー関東商品化センターの規模などについて伺いましたが、ここからは整備やカーケアで最も力を入れているところについても教えてください。

  • (平澤)前のオーナーから買い取ったりオークションで落札したりしてここに来た車は、お客様も店舗のスタッフもまだ見たことのない状態です。私たちが最初に見るからこそ、「この車にはどういう整備やカーケアが必要か」を整備士の視点でしっかりと見極めることが大事だと思っています。

     

    目に見えない部分も含めて、「ピカピカの状態が当たり前」と思ってもらえるような。そんな縁の下の力持ちであることを目指していますね。

  • (加藤)オークションで落札してここに来た車というのは、前のオーナーが動かしていた時から時間が掛かっている場合があり、買い取った時の状態とここに来た状態で車のコンディションが大きく違っていたりすることもあります。

    たとえば、バッテリーやタイヤなどは動かさないとどんどん劣化していってしまう。年式や走行距離では判断できない部分もしっかりチェックして、整備の方針を決めるようにしています。

  • (編集部:AK)ゴムや樹脂のパーツなど、動かさないことで劣化する部品にも注目しているのですね。ちなみに、整備で必ず交換している部品はあるのでしょうか?

  • (加藤)ガリバーで購入時にケアパック(有償)をお付けいただいた場合は、エンジンオイルとオイルフィルターについては100%交換しています。またブレーキ液も24ヶ月点検(※注)では必ず交換するというルールになっています。加えてワイパーのラバーについても交換必須になっていますね。

    そしてバッテリーについても、当社の基準に基づく点検の結果、使用年数が経過していたり劣化が見られたりする場合には、必ず交換するようにしています。

    ※12か月点検の場合は補充になります。

     

関東商品化センター工場長 加藤将行さん
  • (平澤)ガリバーには「クオリティチェックシート」というものがあり、このシートをもとに、ガリバーの品質基準のチェックを行なっています。

    「整備しないと売ってはいけない」という必須項目については必要な整備を行い、電装品の不具合など販売店で交換・修理の判断が必要なものなどについてはこのチェックシートを通じてフィードバックを行なったり、新品交換、中古交換などの見積もりを提示したりしています。

  • (編集部:AK)これはレアなケースだと思いますが、ガリバーの基準で点検を行った結果、「これは店頭に出せない」と判断した車というのはあるのでしょうか?

  • (加藤)ありますね。明らかに車検に必要な保安基準を満たしていないことがわかったクルマについては、必要な整備内容を検討した上で、店頭に出すことを見送るケースもあります。

    また、オークションで落札したクルマの中にごく稀に「無事故車のはずがフレームに損傷が見られた」というケースもあります。こういう場合も、整備内容によっては販売を見送る場合もあります。

  • (平澤)そこは整備コストと販売価格のバランスを考慮して判断していますね。たとえば、板金修理をしないと車検を通せない、販売できないという車や(車の下回り部分など)錆がひどくボルトも回せないなど整備が困難な車にについては、整備コストを考慮して商品化を取りやめる場合もあります。

    入庫する車は“蓋を開けてみないとわからない”という性格もありますので、レアなケースですがこういうこともあります。

副工場長 平澤諒さん
  • (編集部:AK)将来車の買い替えなどを検討している方に向けて、クルマのリセールバリューを高めるための日常的な点検・整備のアドバイスがあればぜひ教えてください。

  • (平澤)まずはクルマを綺麗にしておくことを心がけて欲しいですね。

    たとえば、ボディーについては小傷や色褪せなどを抑えるために洗車やコーティングはこまめにしておいたり、室内についてはなるべくペットを入れたりタバコを吸ったりしないようにする。

    ファミリーの場合、お子様が室内を汚してしまうのは避けられないと思いますが、たとえば汚れを防ぐシートカバーなども販売されていますので、そういったものを活用されるといいと思います。

  • (加藤)エンジンや駆動系については、適切なオイル管理をした上で定期点検を受けていただいて、クルマの健康状態をしっかり維持していただくことに尽きます。売却を前提に購入された場合には、“次のオーナーのことを考えて乗る”という意識を持つことが大切なのではないかと思います。

  • (編集部:AK)なるほど、ありがとうございます。リセールバリューを高めるには、日頃のメンテナンスが重要なんですね。(つづく)