自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語る! マツダ CX-30 大研究!エンジン・年式・グレードはどれがいい?
マツダ CX-30は2019年10月に発売を開始したCセグメントのコンパクトSUVである。マツダのデザイン哲学である「魂動デザイン」を継承しながら、日本独自の「引き算の美学」を取り入れ、シンプルながら光の当たり方次第で、色々な表情を見せてくれる美しいSUVだ。
自動車情報メディア「CORISM」編集長
目次
マツダ CX-30の特徴
CX-30は都会派のSUVとして開発され、都市部のマンションなどに多い立体駐車場(全高1,550mm、全幅1,800mm以内)にも入るように、CX-30は全高1,540mm、全幅1,795mmというボディサイズとなっている。
全高を抑えながらも、最低地上高は175mmを確保。SUVに求められる優れた悪路走破性も得ている。
デビュー時にエンジンは、2.0Lガソリンと1.8Lディーゼルターボ、そして世界初の技術となるSPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」を採用した2.0Lガソリンエンジン(スカイアクティブX)が採用された。
その後、最新モデルでは、e-スカイアクティブX搭載車が姿を消し、2022年8月の改良時から2.0Lガソリンに代わり、2.0Lマイルドハイブリッドが設定されている。
ハイブリッド車並みに経済的な1.8Lディーゼルターボ
2.0Lガソリン (デビュー時) |
15.4~16.2㎞/L(FF) | 14.8~15.6㎞/L(4WD) |
---|---|---|
1.8Lディーゼルターボ (最新) |
19.5㎞/L(FF) | 18.7㎞/L(4WD) |
2.0Lガソリン (e-スカイアクティブX デビュー時) |
16.8~17.0㎞/L(FF) | 15.8~16.4㎞/L |
2.0Lマイルドハイブリッド (最新) |
16.2㎞/L(FF) | 15.5㎞/L(4WD) |
CX-30のガソリン車は、とくに燃費に優れたモデルではない。マイルドハイブリッド車でも、クラス平均レベルといったところ。
燃費面と経済性でメリットがあるのは、1.8Lディーゼルターボ。
ガソリン車より大幅に燃費に優れているだけでなく、使用燃料が軽油なので、レギュラーガソリンに対して20円/L前後も安価。ガソリン代視点では、ハイブリッド車に近くなる。
マツダ CX-30を新車で買うならおすすめグレードは?
まず、CX-30のグレード選びでは、エンジンの選択から始めたい。
2024年7月現在のCX-30は、2.0Lマイルドハイブリッドと1.8Lディーゼルターボの2種類。
マイルドハイブリッド車の燃費はそれほど良くないので、おすすめは1.8Lディーゼルターボ車だ。
1.8Lディーゼルターボ車の場合、マイルドハイブリッド車の新車価格より約28万円高価になるが、燃費や走行性能面での満足度が高い。
1.8LディーゼルターボのXDプロアクティブツーリングセレクション
2.0L ガソリン車 |
2,556,400円(20S FF)~ 3,403,400円(20Sレトロスポーツエディション4WD) |
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1.8L ディーゼルターボ車 |
3,051,400円(XDプロアクティブ)~ 3,678,400円(XDレトロスポーツエディション4WD) |
そして、おすすめグレードは、XDプロアクティブツーリングセレクション。
上質な内装に運転席助手席シートヒーターや運転席パワーシート、10.25インチセンターディスプレイなどが標準装備。もちろん、自動ブレーキなどの予防安全装備も充実している。特別仕様車を除けば、最上級グレードになる。
マツダ CX-30を中古車で買うならおすすめグレードは?
CX-30を中古車で買う場合も、新車と同様に1.8Lディーゼルターボエンジン車を中心に選びたい。
ただし、注意したいのが中古車の年式だ。CX-30は幾度となく改良が加えられているため、年式が新しいほど完成度は高い。
2020年式12月以降の改良モデル
その上で注目したいのは、2020年式12月の改良だ。このときの改良では、2.0L e-スカイアクティブXの最高出力が180㎰から190㎰に上がった。最大トルクも、224Nmから240Nmへそれぞれ向上している。
おすすめの1.8Lディーゼルターボも、最高出力が116㎰から130㎰へアップしている。
また、2021年4月の改良では、乗り心地の改良が施されている。
CX-30のリヤサスペンションは、トーションビーム式が採用されていたが、デビュー時のモデルは、荒れた路面だとゴトゴトとやや突き上げ感があった。改良後モデルでは、かなり乗り心地が改善され、より気持ちよく快適に走れるモデルへ深化している。
そのため、CX-30おすすめ中古車は2021年4月の改良後モデルとなる。
2021年の改良後なら2022年式1.8Lディーゼルターボ XD Lパッケージ
この改良後のモデルでおすすめしたいグレードは、2022年式の1.8Lディーゼルターボエンジンを搭載したXD Lパッケージ。(※編集部注釈:2022年8月の改良でLパッケージは廃止されプロアクティブ ツーリングセレクションに統合)
当時(※2022年8月まで)の上級グレードで、レザーシートやパワーバックドアなど豪華装備が標準装備され、十分に満足できる仕様となっている。
新車価格もリセールバリューも高いため、中古車価格も高めになっている。CX-30全体の中古車相場約230~260万円だが、XD Lパッケージに限定すると約250~280万円と高めになる。予算面で厳しいのであれば、マイルドハイブリッド車の20S Lパッケージがおすすめだ。中古車価格はディーゼルターボ車より少し安価で、約230~260万円となる。
マツダCX-30中古車相場(2024年7月調べ)
・2022年式(2021年4月改良後モデル) 約230~260万円
リセールバリューが期待できるマツダ CX-30の装備やグレードは?
マツダCX-30は、人気絶頂のカテゴリーであるSUV。いまやかつてのセダンに代わる「クルマの標準形」スタイルと言っていい。そのため、コンパクトカーやセダン、ハッチバックなどのモデルと比べて高めのリセールバリューとなる。
しかし、CX-30と同じテイストの都会派SUVは競合する車種も多い。加えて、最近では都会派SUVよりもワイルド系のアウトドアSUVに人気が集まっている。
そのためクラスもテイストも同じ「トヨタ車」であるカローラクロスと比べると、リセールバリューは低めの傾向。CX-30にはハイブリッド車が無いのもマイナス要因だろう。
リセールバリューを意識するなら「レトロスポーツエディション」
現在新車で売られているCX-30のグレードで、高リセールバリューが期待できるグレードは、特別仕様車「レトロスポーツエディション」だ。エンジンはマイルドハイブリッドと1.8Lディーゼルターボが設定されている。
ブラック塗装で精悍さを増した外観に、テラコッタ×ブラック内装が組み合わされ、かなり個性的なモデルに仕上がっている。いかにもマツダ車らしい上質感があり、今後リセールバリューも高くなる可能性を秘めている。よりリセールバリューが高くなると予想できるのは、やはり人気の1.8Lディーゼルターボ車だ。
その他のグレードでは、「プロアクティブツーリングセレクション」も高リセールバリューが期待できそうだ。このグレードに、オプションのレザーシートやボーズサウンドシステムが装備されていれば、さらに査定価格はアップする可能性も高い。