神コスパ中古車:レクサス RZの中古車は新車のほぼ半額で「買い」だ!BEVの中古車が欲しくなる3つの理由

レクサス初のBEV専用車「RZ(10系)」の中古車が、新車価格の約56~68%と大幅に値下がりしている。高級ブランドならではの走行性能と上質な内外装を備えながら、「神コスパ」で手に入る注目のモデルを徹底解説する。
電動4WDシステム「DIRECT4」がもたらすスポーティな走りと圧倒的な安定感、BEVならではの静粛性と広い室内空間など、レクサスRZの魅力は尽きない。にもかかわらず、BEV市場の低迷や認知不足の影響で中古車相場は驚くほど安価に推移しており、同じレクサスのハイブリッドSUV「RX」と比較しても価格差は歴然だ。

【自動車のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

レクサス RZ(10系)ってどんなクルマ?

レクサス RZ(10系)は、2023年3月に発売されたレクサス初のBEV(バッテリー電気自動車)だ。GA-Kプラットフォームをベースに新開発されたBEV専用プラットフォーム(e-TNGA)を採用している。このプラットフォームは、トヨタ bZ4Xやスバル ソルテラと共通。電動パワーユニットなど、多くの部分でbZ4Xとソルテラと共通化されている。

デビュー時には、DIRECT4と呼ばれる電動4WD機能をもつRZ450eのみの設定だった。DIRECT4は、前輪と後輪のトルク配分を100:0~0:100の間で制御。走行状況に応じて緻密なトルク配分を行うことで、走行安定性や走る楽しさを高めている。その後、2023年11月に前輪駆動(FF)モデルであるRZ300eが追加された。

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    レクサス RZのエクステリアは「スピンドルボディ」という新たな手法を採用している。

    BEVはグリルが必要ないからこそ、レクサスの象徴であるスピンドルを立体の塊で表現した新しいアプローチだ。

    インパネデザインはとてもクリーンで開放感があり、ダイヤル式シフトノブを採用。大型タッチ式ディスプレイとあわせて、先進的な雰囲気が漂う。

RZ450eとRZ300eの2グレードを設定

RZ450eとRZ300e共に、搭載バッテリーの容量は71.4kWh。RZ450eの航続距離(一充電走行距離)は494km、RZ300eは599kmと十分なレベルを確保している。

RZ450eのシステム最高出力は313ps、システム最大トルクは435Nmと強大。2,100kgというやや重い車重を感じさせないくらい、グイグイとスムーズに加速する。RZ300eの最高出力は204ps、最大トルクは266Nm。RZ450eのような速さはないものの、最大トルクを瞬時にアウトプットできるモーター特性により、低・中速域ではアクセルレスポンスに優れ力強い走りが楽しめる。

荷室容量は522L。大容量とは言えないが、後席を倒さずに9.5インチゴルフバッグが3個積載可能だ。デッキサイドには、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)を1つ設置。キャンプなどの屋外電源として、停電時の緊急電源としても活用できる。

なお、レクサス RZは2025年12月にフルモデルチェンジ並みの大幅改良が行われた。BEVシステムを全面刷新し、高出力化や航続距離のアップなどが図られている。型式も20系となり、まったく別モノに進化した。

レクサス RZ(10系)450e バージョンLの中古車相場を確認してコスパチェック

レクサス RZ(10系)に限らず、多くのBEVはリセールバリューが低い傾向にある。大きな要因のひとつが、新車時に支給される多額の補助金だ。中古車マーケットでは、補助金相当分を差し引いた金額が実際の車両価格とみなされるため、リセールバリューは低くなる。中古BEVには補助金が出ないこともあり、結果として非常に購入しやすい価格帯になっている。

「中古のBEVってバッテリー大丈夫?」と、駆動用バッテリーの残量に不安を感じる人も多いだろう。これは短期間でバッテリーが劣化するスマホのイメージが影響していると思われる。近年のBEVでは、技術の進化によりバッテリーの劣化はかなり低く抑えられている。さらに手厚い保証も用意されているので、過度な心配は不要だ。最新のレクサス RZでは、バッテリー保証期間は10年20万km/容量70%(メーカー保証:8年16万km/容量70%+BEVバッテリーサポートプラス:2年4万km)。車両のメーカー保証が5年10万kmなので、車両保証よりバッテリー保証の方が長い。これなら、中古BEVでも安心して乗れるだろう。

レクサス RZ(10系)の新車価格と中古車価格を比較

ここで、主力グレードである「RZ450e バージョンL」の価格を見てみよう。

レクサスRZ 450e バージョンL 価格
新車価格(2023年当時) 約880万円
中古車相場(2023年式)※2026年2月時点 約490~600万円
新車価格に対する中古車価格比 約56~68%

レクサス車はリセールバリューが非常に高いことで有名だ。それにもかかわらず、さすがのレクサスもBEVのRZでは高リセールバリューの維持に苦労しているようだ。わずか3年落ち(2026年比)の2023年式中古車が、新車価格の約56~68%にまで下がっている。人気のレクサスSUVの高年式中古車がここまで安価になるというのは、まさに「神コスパ中古車」と呼ぶにふさわしい。

レクサス RZ(10系)の中古車相場は、新車販売の低迷を受け中古車流通台数がとても少ない。そのため、中古車相場がややワイドになっているのが特徴だ。約600万円前後の価格を付けている中古車店は、主にディーラー系。一般的な中古車店では、約550万円以下の値付けが多い印象である。より安価に購入したいなら、ディーラー系以外の中古車店で探すのがよいだろう。

レクサスRX350h バージョンL(FF)とリセールバリューを比較

このレクサス RZ(10系)のリセールバリューがいかに低く、中古車で買うべきクルマなのか。同じレクサスのハイブリッド車と比べてみよう。

<参考>レクサスRX350h バージョンL(FF) 価格
新車価格(2023年当時) 約758万円
中古車相場(2023年式)
※2026年2月時点
約660~720万円
新車価格に対する中古車価格比 約87~95%

上記のように、RX350h バージョンLの新車価格に対する中古車価格比は約87~95%と非常に高い結果となった。高価格帯の車両の中には、新車価格超えの中古車も散見されるほどだ。

一方、レクサス RZ450e バージョンLの新車価格に対する中古車価格比は約56~68%。いかにRZ450e バージョンLが安価なのかが分かる。レクサス RZ(10系)は、レクサス初のBEV専用車として登場。それだけに走行性能はこだわり抜かれ、高いレベルにある。レクサス車らしい上質感のある内外装デザインは、欧州ラグジュアリーブランドにも引けを取らない。そんな神コスパ中古車であるレクサス RZ(10系)は、まさに中古車で買うべきモデルといえる。

レクサスRZ(10系)が「神コスパ」な中古車となるワケ、それは・・・

中古車価格やリセールバリューは、基本的に需要と供給のバランスで決まる。人気があり供給が少ない車は高く、その逆は安くなる。レクサスRZのリセールバリューが低い(=中古車が安い)主な理由は以下の通りだ。

認知・アピール不足 レクサス初のBEV専用車であることなど、一般ユーザーへの訴求が十分ではない。
根強く残る「不安」 BEV特有のバッテリー劣化、航続距離、充電環境への懸念が払拭されていない。
割高な車両価格 RZ450e バージョンL(2023年時)の新車価格が880万円からと高価。補助金があってもイニシャルコストが高い。

不人気BEV=ダメなクルマではない。リセールバリューはあくまで需要と供給で決まるもので、クルマの性能とは関係がない。新車では手が出にくい高級BEVが、中古車市場では不人気ゆえに手頃な価格で手に入る。これこそが、神コスパ中古車の醍醐味なのだ。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    BEV=神コスパ中古車! という実態が浸透し、中古BEVが売れるようになれば、中古車相場も上昇してリセールバリューが上がるかもしれない。

    ・・・が、その可能性は非常に少ないだろう。しばらくは低迷が続くと思われる。

    ともかく、レクサスという高級ブランドのBEV中古車が、新車の半額近くで手に入るのは、まさに「買い手市場」ならではの神コスパ状態なのだ。

神コスパ中古車「レクサス RZ(10系)」を買いたくなる3つの良いところ

1. レクサスらしいユニークでスタイリッシュなデザイン

プラットフォームの関係で、長いノーズをもつレクサスRZ。内燃機関車と違和感のないシルエットに、レクサスならではのユニークな「スピンドルボディ」と呼ばれる塊造形が与えられた。空力も重視されたデザインは、エッジの効いたスピード感あるスポーティさが魅力だ。

注目すべきは、RZが前後異サイズのタイヤを履く点だ。フロントが235/50R20、リヤが255/45R20と後輪側が太い。まるでFR(後輪駆動)ベースのスポーツカーのような迫力あるスタイリングとなっている。

2. 低重心でスポーティな走行性能

大きく重い駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に設置しているため、背の高いSUVでありながら、車体の重心高は内燃機関車と比べかなり低くなっている。そのため、カーブでの安定感はとても高いレベルにある。とくに速度の高いカーブでは、まるで路面にピタッと張り付いたような安定感を保ちながら走り抜ける。多くの人が安心して運転できるだけでなく、爽快感も味わえる。

加えて、モーターは瞬時に最大トルクを発揮できる特性をもつ。アクセルを踏んだ瞬間から電光石火のごとく反応し、ドライバーとクルマの一体感が高まる。走ることが楽しくなるBEVだ。

RZ450eは後輪側にもモーターを設置した電動4WD「DIRECT4」を採用。前後のトルク配分を走行状況に合わせて0:100~100:0の間で自在にコントロールする。カーブの出口では50:50~20:80とリヤ寄りの駆動力配分にすることで、後輪駆動車のようなトラクション性能を確保。アクセル操作で車両をコントロールできるので、雪道で後輪をスライドさせる走りも楽しめる。

さらに、RZ450e バージョンL(10系)の最低地上高は205mmもある。本格SUV並みの最低地上高を確保しているので、見た目以上に悪路走破性にも期待できるモデルだ。

3. 静粛性と余裕ある快適な室内空間

BEVの魅力のひとつが、エンジンという騒音源がないことによる静粛性の高さだ。レクサス車は高級車ブランドとして静粛性の高いモデルが多いが、BEVであるRZの静粛性は群を抜いている。床下の駆動用バッテリーに遮音壁としての機能を持たせ、フード開口の全周にシールを設定するなど、風切り音対策も徹底されている。

BEV用プラットフォームの採用により、2,850mmというロングホイールベースを実現。1,000mmのカップルディスタンスを確保し、ゆとりのある後席空間を提供している。長距離ドライブでも快適に過ごせる、上質な移動空間が魅力だ。

レクサス RZ(10系)の中古車を選ぶときに気をつけるべき5つの注意点

中古BEVならではのチェックポイントを押さえておこう。

1. 迷わず「DIRECT4」搭載の4WDモデルを選びたい

レクサスRZの楽しい走りを支えているのが、電動4WDシステム「DIRECT4」だ。航続距離こそFF(前輪駆動)モデルより短くなるものの、走りの質には大きな差がある。優れた走行安定性に気持ち良さもプラスされているため、滑りやすい路面を走る機会がなくても、あえて「DIRECT4」搭載の4WDを選びたい。

2. 充電環境の確認

BEVは自宅での充電が基本となる。そのため、自宅に充電用200V電源が必要だ。100Vでも簡単な工事で200Vにすることができる。多くの場合、戸建てで自宅スペース内に駐車場があることが前提になる。最近ではマンションなどの集合住宅でも200V電源が使える物件が増えているが、まだまだ数少ない状況である。月極駐車場などでは充電が困難なため、購入前に充電環境のチェックは欠かせない。

3. 新車保証継承の確認

レクサスRZの駆動用バッテリーは高い信頼性があるとはいえ、もしものときに保証がないと高額な出費になりかねない。新車時の保証が継承できるかどうかが重要なポイントだ。保証継承ができれば、バッテリー保証期間は10年20万km/容量70%(メーカー保証:8年16万km/容量70%+BEVバッテリーサポートプラス:2年4万km)という手厚いサポートが受けられる。購入前に、保証継承が可能かどうかを必ず確認しよう。

4. 過走行車には注意

BEVの充電は普通充電が基本と考えたい。急速充電はあくまで長距離移動のサポートとして最低限の使用にとどめる方がよい。急速充電は駆動用バッテリーに負荷がかかり、劣化を加速させるケースが多いからだ。そのため、年間2万km以上走行しているような過走行車は要注意である。頻繁に急速充電を繰り返している可能性が高く、バッテリーの劣化が進んでいるリスクがある。

反対に、極端に走行距離が少ない車両にも注意が必要だ。長期間乗ることなく、バッテリーの自然放電状態が続いた車両も劣化が進む場合がある。どちらのパターンも見た目や走行距離だけでは判断しにくいので、購入前に販売店でバッテリー容量のチェックをしてもらうことをお勧めする。

5. リコール対応済みか要チェック

レクサスRZ(10系)は、エアコン関連のリコールやサービスキャンペーンが行われている。対応済みの車両かどうか、しっかり確認しておきたい。リコール未対応の場合は、購入を見送るか、リコール対応後に納車してもらうなどの対応が必要だ。

レクサス RZ(10系)の中古車はどのグレードと年式を買うべき?狙い目は「RZ450e バージョンL」

大幅改良前のレクサスRZの場合、特別仕様車や限定車を除くと、RZ450e バージョンLかRZ300e バージョンLの2グレードしかない。前述の通り、電動4WDシステム「DIRECT4」を搭載したRZ450e バージョンLがお勧めだ。「DIRECT4」の有無で、走りの質が大きく異なるためである。

両グレードの装備差は少なく、どちらもレクサス車らしく豪華な仕様となっている。RZ450e バージョンLには、RZ300e バージョンLではオプションとなる20インチアルミホイールやパフォーマンスダンパーが標準装備されている。中古車の場合、新車時にオプションだったマークレビンソンやパノラマルーフが装備されていれば、さらにお勧めだ。

レクサスRZ(10系)新車価格(2023年11月時)
グレード 新車価格
RZ450e バージョンL 8,800,000円
RZ300e バージョンL 8,200,000円
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    レクサスRZの中古車を買うなら、多少予算を上積みしてでもRZ450e バージョンLを選びたい。

    「DIRECT4」による走りの質の差は、日常的に感じられるほど大きい。

    新車時にオプション設定だったマークレビンソンのサウンドシステムやパノラマルーフが装備された車両に出会えたら、迷わず手に入れたい一台だ。

レクサス RZ(10系)の主な改良の歴史と概要

2023年3月発売
RZ450e バージョンL/RZ450e バージョンL ファーストエディション発売

2023年11月改良/追加
FF(前輪駆動)モデルであるRZ300e発売。一部改良にて、急速充電速度の向上に寄与する「電池急速昇温システム」を採用。LEXUS BEVオーナー専用の「LEXUS Electrified Program」のサービスも拡充。

2024年1月限定車発売
RZ450e 特別仕様車「F SPORT Performance」を限定100台で発売。

2025年12月改良
BEVシステムを刷新するなど、フルモデルチェンジ並みの大改良モデルを発売。レクサス初の「ステアバイワイヤシステム」を搭載し、さらにパワフルでスポーティなモデルとなった。

レクサス RZ(10系)航続距離やボディサイズなどスペック

代表グレード レクサス RZ450e バージョンL
ボディサイズ[mm] 全長4,805×全幅1,895×全高1,635
ホイールベース[mm] 2,850
最小回転半径[m] 5.6
車両重量[kg] 2,100
フロントモーター最高出力[kW(ps)] 150(234)
フロントモーター最大トルク[N・m(kg-m)] 266(17.2)
リヤモーター最高出力[kW(ps)] 80(109)
リヤモーター最大トルク[N・m(kg-m)] 169(17.2)
駆動方式 4WD
一充電走行距離WLTCモード[km] 494
バッテリー種類 リチウムイオン
バッテリー総容量[kWh] 71.4
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ前後 前235/50R20 後255/45R20