自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語る! 中古車選びの奥義:神コスパ中古車!日産 スカイラインハイブリッド

自動車情報メディア「CORISM」の大岡編集長が語るオトクな特選中古車選び!2024年上半期は伝統的かつ伝説のセダン、日産 スカイラインハイブリッドの中古車がオトクな理由に迫ります。

【自動車情報のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

神コスパな中古車とは?

リセールバリューを知ればオトクな中古車が見えてくる

中古車のリセールバリュー(残価)や売却価格、査定価格といった金額がどう決まるのか?これを知らないと、神コスパな中古車とは出会えない。
中古車購入のメリットとは、例外を除き新車より安い価格であること。
さらに新車の場合は、予算が決まれば選べる車種やグレードもほぼ自動的に決まってしまう。選択肢はわずかだ。

ところが、中古車の場合、予算が決まっても年式や走行距離、色、グレードなどの組み合わせにより、多種多様な選択肢がある点が特徴であり魅力のひとつだ。
選択次第では、1クラス上以上のクルマも狙えるようになる。
こうした中古車価格のベースとなっているのが、リセールバリュー(残価)や売却価格、査定価格といった金額である。
リセールバリューや売却価格、査定価格などが高ければ、中古車価格は高価になり、安いと中古車価格は安価になる。

中古車価格はマーケットの需要と供給で決まる

では、中古車価格を決める指標になるリセールバリューや売却価格、査定価格などは、何を基準として決められているのか?
これが重要だ。
リセールバリューや売却価格、査定価格などは、中古車マーケットでの需要と供給で決まる。代表的な例として、クルマの競り市でもあるオークション会場での価格が、大きな指標となっているのだ。

中古車価格は、需要と供給で決まるが、勘違いしないでほしいことがある。それは、新車時の販売台数や人気だけではないということだ。
例えば、新車時にとても人気があって売れたモデルでも、中古車流通量が多すぎると、人気車なのに中古車価格は安くなることもある。とくに、コンパクトカーはその傾向が強めである。

また逆に、新車販売台数は少なくても、マニアック層に熱烈な支持を得ているモデルは、新車販売台数が少なく中古車流通量も少ないため、中古車価格は高くなるのだ。さらに、中古車の場合、海外への輸出も大きな影響を与えている。最近では、円高の影響もあり輸出用中古車の価格が高騰している。こうした傾向が強いのが、トヨタ ランドクルーザーなどだ。

リセールバリューが高ければ良い中古車である・・・とは限らない

また、日本ではまったく売れなかったコンパクトセダンであるトヨタの「プレミオ」「アリオン」などは、アジアの一部地域でとても人気があり、新車価格に近い価格で売られていたりする車両もあるほど。

さらに、知ってほしいことがある。リセールバリューや売却価格、査定価格などが高いクルマであっても、必ずしも良いクルマとは限らないということだ。
専門家から見ると、ライバル車と比べてもやや劣るようなクルマであっても、高値になっているクルマはよくあること。

逆に、クラストップレベルの実力をもつクルマであっても、安値になることも・・・。
今回はこうしたもったいないモデルを「神コスパ中古車」としてピックアップした。
良いクルマなのに安価。今回はそんな魅力的なモデルを紹介する。

大岡が選ぶ2024年上半期の神コスパ中古車は日産スカイラインハイブリッド

日産 スカイラインハイブリッド(V37型)

リセールバリューが低くてオトク?

まず、V37型のスカイラインハイブリッドはリセールバリューが低めである。理由は、端的に言えば不人気のセダンだから。

ここしばらく、全世界的にSUVブームが続き、多くのメーカーが新型車を投入した。
元々セダンは人気薄だったが、SUVブームの影響も受け、さらに人気は低迷している。こうしたことが影響して、V37スカイラインハイブリッドのリセールは低くなっている。この傾向は日産だけではなく、他の国産車や輸入車も同様だ。

ゆえに上質な中古車の価格もオトクであると言える。
スカイラインと言えばクルマに詳しくない人でも知っているぐらい、伝統を持った車名だ。それだけにメーカーの日産も設計には気合が入る。人気が低迷するセダンとはいえ、スカイラインの名を冠したクルマの走りを中古車で美味しく味わうことができるのだ。

日産 スカイラインハイブリッド(V37型)
おすすめ年式 2019年9月発売の大幅マイナーチェンジ後のハイブリッド車
おすすめグレード タイプP
中古車価格相場
(2019年式タイプP)
約270~340万円(2024年6月現在)
新車価格(当時) 約582万円

発売当時は世界初!「プロパイロット2.0」が凄くてオトク!

マイナーチェンジ後のV37型スカイラインの内装

V37型スカイラインは、2019年9月に大幅マイナーチェンジし発売が開始された。このモデル化から、当時、世界初となる運転支援技術である「プロパイロット2.0」が搭載された。
このプロパイロット2.0は、まずナビで目的地を設定。高速道路上を走行中、システムが一定条件を満たすと手放し運転が可能になるというものだ。

制限速度内で車線を維持しながら先行車に追従走行し、カーブなどでは自動でステアリング操作を行ってくれる。遅い車を追い越すときは、ステアリングに手を添える必要があるが、簡単な操作で車線変更も自動で行ってくれる。こうした運転操作は、ベテランドライバーや自称運転が上手いと思っているドライバーよりも格段に運転上手。慣れてくると、自分で運転しているより安心感があるほどの先進技術なのだ。

現在、高速道路などの渋滞時(低速走行)には、手放し運転が可能になる車種が徐々に増えてきているものの、高速道路を制限速度で走行中に手放し運転が可能なモデルは非常に少ない。

DASで疲労感の少ない運転が可能でオトク!

マイナーチェンジ後のV37型スカイラインの運転席

DASとは「ダイレクト・アダプティブ・ステアリング」のこと。
一般的なステアリングは、機械的に前輪とつながっている。だが、DASはステアリングと前輪が機械的につながっていない。ステアリング操作をすると、電気信号に置き換えステアリングアングルアクチュエーターを作動させてタイヤを操舵する。この機能は2014年に登場し、こちらも当時世界初の技術だった。

このDASのメリットは、色々なシーンで得られる。例えば凸凹した道では、通常ならステアリングが取られ、クルマの進行方向が変わることがよくある。ドライバーは、無意識のうちにステアリングを操作し進行方向を修正している。

だがDASだと、路面状況の影響を受けずにガッチリと直進状態を維持できる。ドライバーは無駄な修正舵から解放されるので、疲れず安心して走行できるのだ。
また、路面状況によって進行方向が乱されないということは、直進安定性にも優れているということで、こちらもドライバーの疲労軽減になる。

パワフルなハイブリッドシステムでセダンが嫌いでなければオトク!

マイナーチェンジ後のV37型スカイラインのエンジン

V37型スカイラインは、3.5Lハイブリッドシステムを搭載している。システム出力は、364㎰とかなりパワフルだ。スポーティで余裕のある走りも楽しめる。
現在、セダンは人気のないカテゴリー。セダンが嫌いというのでなければ、中古車ならば300万円前後の予算で、現在でも高いレベルにある世界初の技術が注ぎ込まれたモデルを十分に楽しめる。

大岡編集長が「日産スカイラインハイブリッド」について解説した、こちらの記事にもご注目!

日産 スカイラインハイブリッド(V37型)の中古車購入アドバイス

2019年式中古車相場は、新車価格の約47~58%程度にまで落ちている。これは、なかなか買い得感がある。
中古車流通量が少ないため、中古車相場は多少バラつきがあるものの、まさに神コスパといえるモデルでおすすめだ。

マイナーチェンジ後のV37型スカイラインのグリルデザイン

・中古車流通量がとても少ないため、ジックリ探すとよい。慌てて買うのはNG。

・短期間で売却するかもしれない場合、不人気の赤系のボディカラーは避ける。

・中古車価格にバラつきがあるため、年式を決めず探すと意外に掘り出し物がある。

・オプションだったボーズサウンドシステムが装着されていれば、さらにおすすめ。

V37型日産スカイラインハイブリッド スペック

代表グレード:ハイブリッドGT タイプP

全長×全幅×全高 4,800×1,820×1,440mm
ホイールベース 2,850mm
車両重量 1,830kg
総排気量 3,498cc
エンジン最高出力kW(ps) /rpm 225(306)/6,800
エンジン最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
350(35.7)/5,000
モーター最大出力[kw(ps)] 50(68)
モーター最大トルク
[N・m(kg-m)]
290(29.6)
ミッション 7速AT
WLTCモード燃費 12.4km/L