【知っておきたい】同じ名前のクルマなのに、見た目や内装が違う!?型式とグレードについて解説

クルマには「型式」や「グレード」という、車両や仕様を分類するための枠組みがあります。
この「型式」や「グレード」の意味や違いを把握しておくことで、クルマをスムーズに探せるようになるでしょう。

そこで今回は、型式やグレードについて詳しく解説していきます。
同じ名前のクルマなのに型式やグレードが異なることで、見た目や内装が変わります。
クルマ探しで困らないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

クルマの「型式」って何?

型式とは

型式とは、年式やモデル・エンジンの種類などを分類するために、国土交通省が指定した指標です。 国土交通省から型式という分類指標を付けられることで、年式やエンジンの種類がわかるだけでなく、該当モデルの大量生産が可能となるのです。 自動車メーカーは国土交通省に認可されるために、衝突安全性能や対応排出ガス規制などが、基準値に達しているかをテストし申請する必要があります。 申請したテスト結果が認可された車両のみに、型式という分類指標が付けられ、大量生産が可能となります。 型式が無いと大量生産できないため、どのクルマにも型式が付けられているのです。

型式の表示方法

型式の表示方法は「○○○ー△△△」という形式で、アルファベットと数字を組み合わせたものです。 ○○○には、排ガス規制の識別記号が入り、△△△には、メーカーが決めた記号が入ります。 例えばダイハツ「タント」の型式は、「6BAーLA650S」※と表記されます。 ※モデル年式によって異なる

上記のようにアルファベットと数字が組み合わさって、型式と表記されるのです。 排ガス規制の識別記号の組み合わせは数多くあり、その中の一部を紹介します。
ABA 平成17年規制に適合させたもの
CBA 平成17年基準排出ガス50%低減レベルのもの
DBA 平成17年基準排出ガス75%低減レベルのもの
DAA 平成17年基準排出ガス75%低減レベルのハイブリッドクルマ

型式はアルファベットや数字を見るだけで、クルマの仕様がわかるようになっています。

型式の調べ方

型式の調べ方は、以下の2通りです。

  • ・車検証の型式欄を確認する
  • ・コーションプレートを確認する
型式は車検証に記載されているため、型式欄を見ることで調べられます。 また、車検証には「型式指定番号」や「原動機の型式」も記載されており、同じように「型式」と書いてありますが、「型式(車両型式)」とは異なるので認識に注意が必要です。 コーションプレートとは、車台番号やエンジン型式などさまざまな情報が記載された金属板です。 車両本体に付いていますが、メーカーや車種によって付いている場所が異なります。 見つけるのが難しい方は、車検証から型式を確認する方が、わかりやすいかもしれません。 その他にもメーカーカタログや主要諸元表といった車種情報にも記載されているため、クルマ探しのときに参考にしてみてください。
車検証の「型式(車両型式)」という項目をチェック
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/about/)
コーションプレートのMODELやTYPEという項目をチェック
出典:ガリバー第二京浜鶴見店の店舗ブログ(https://221616.com/shop/kanagawa/yokohamashitsurumiku/G00075/blog/twitter/G000751592803960752/)

型式から分かること

型式からわかることは以下の通りです。

  • ・メーカー
  • ・車名
  • ・車体の形状
  • ・エンジンの種類や型式(排気量)
  • ・駆動形式
  型式を見るだけで、車両のモデルや仕様がわかります。 しかし、型式は一般的にクルマを探す際は使わない人の方が多いと言えます。 型式を主に使用する場合は、クルマに興味がある人が使用するか、自動車屋もしくは保険屋くらいでしょう。 一般的には車名やグレード名で呼ばれる方が多い傾向です。

同じ車種でも型式が違う場合

モデルが違う

型式が違うと、同じ車種でもモデルが異なります。 クルマは発売されてから数年でフルモデルチェンジが行われ、クルマの見た目や仕様が時代に合わせて進化します。 フルモデルチェンジが行われると、同じ車種でも型式が変わるのです。 クルマを探す際には、車種名だけでなく型式やモデル年式からも好みの車種を見つけることがおすすめです。 型式や年式を絞り込んでおくことで、好きな車種の中から良い程度のものを見つけやすいでしょう。

デザインや装備が異なる

同じ車種でも型式が違うとモデルが異なることに加え、デザインや装備も変わります。 フルモデルチェンジすると、時代に合わせてデザインや装備内容が異なります。 昨今安全性能が重視される中で、ドライバーの運転支援性能や安全性能などの装備は、大きく変化しているのです。 安全性能などの装備やデザインで、希望があれば満たす車種を探して型式を把握しましょう。 希望を満たす車種の型式を把握することで、欲しい装備が搭載されたクルマを購入できます。

ホンダの「N-BOX」のJF1(上の2枚)とJF5(下の2枚)。同じ「N-BOX」という車種でありながら、外装・内装ともにデザインが異なる。

車種名は型式が由来となることも

車種名は型式が由来となることもあります。 代表的な車種はトヨタの「GR86」です。 「86」は、昔のカローラ レビン・スプリンター トレノの通称型式「AE86」からきています。 「AE86」のようにお客様に愛され、育てていただきたいという思いから付けられた車名という話もあります。 多い話ではありませんが、型式が車種名の由来となることもあるのです。

クルマのグレードとは何?

クルマのグレードを把握しておくことで、希望の見た目や装備が搭載されたモデルを購入できます。

グレードとは、同じ車種内でのランクを表す用語です。 「N-BOX G・Lパッケージ」や「プリウス S」など、車種名の後ろに付いている文言がグレードです。 同一車種でもグレードによって装備内容や仕様・デザインなど、あらゆる面で違いがあります。 また、車両本体価格や中古車市場での流通台数も異なり、グレードはクルマを選択する上でとても重要と言えます。 クルマを選ぶ際は、狙っている車種のグレードにおける装備内容を正確に把握することが大切です。

グレードによるクルマの違い

同一車種でもグレードによって見た目や内装が異なります。 車種によって違いは異なりますが、一般的に異なる点を紹介します。

  • ・標準装備
  • ・オプションで選択できる装備内容
  • ・エンジンや排気量
  • ・外観
  • ・内装
  • ・選択できるカラー
  • ・価格
上記7項目は、グレードによって違いが生まれやすい項目です。 ランクの高いグレードであれば、標準装備やオプションで選択できる装備が多い傾向です。 また、フォグランプが付いたりエアロが付いたりと、外観の見た目も異なります。 さらに、内装の質感や装飾なども異なるため、使用感も変わります。 このようにグレードによって見た目や使用感が異なるため、狙っている車種のグレードを細かく調べておきましょう。

N-BOXの場合、グレードによるボディサイズやエンジンなどの車両スペックに違いはありません。 装備の違いを見ると、「カスタムG・Lグレード」の方がフォグランプやアルミホイールが装備されており、豪華な仕様です。 また、新車時の車両本体価格に加え、中古車相場も異なるため、購入費用も変わってきます。 予算が大きく変わるため、クルマを選ぶ際は、使用用途や好みに合わせたグレードを選択しましょう。

N-BOX Gグレード カスタムG・Lグレード
車両本体価格
(税込)FF
1,385,640円 1,698,840円
中古車相場(税込) 298,000円~1,744,000円 523,000円~2,080,000円
インテリアカラー ベージュ×ブラウン ブラック
ヘッドライト フルLED フルLED9灯式
フォグランプ なし LED付き
ホイール 14インチ(ホイールキャップ) 14インチアルミホイール
エアコン フルオート フルオートプラズマクラスター搭載
充電用USB なし 2個付き


【実例】グレードによる装備の違い

グレードによる装備の違いを軽自動車の人気車種「N-BOX」で紹介します。 モデル年式は2017年9月発表、2019年9月終了モデルです。

N-BOXの場合、グレードによるボディサイズやエンジンなどの車両スペックに違いはありません。 装備の違いを見ると、「カスタムG・Lグレード」の方がフォグランプやアルミホイールが装備されており、豪華な仕様です。 また、新車時の車両本体価格に加え、中古車相場も異なるため、購入費用も変わってきます。 予算が大きく変わるため、クルマを選ぶ際は使用用途や好みに合わせたグレードを選択しましょう。

グレードによってクルマの価格は異なる

グレードによって車両本体価格は異なります。 ここからは価格について以下の2つの項目を解説します。

  • ・購入価格
  • ・リセール(買取価格)
  グレードにおける価格の付き方を理解し、使用用途や好みから、予算と装備のバランスを整えましょう。

購入価格

新車と中古車どちらにも当てはまることですが、グレードによって購入価格は異なります。 上位グレードの場合は購入価格が高額となり、下位グレードになると同一車種の中でも安価になっていきます。 予算に余裕がある場合は、上位グレードや装備などを自由に決められるでしょう。 一方で予算に余裕がない場合は、使用用途やデザインの好みなどから、自分に最適なグレードを選択する必要があります。

リセール(買取価格)

グレードによって、売却時のリセールも異なります。 リセールバリューは、中古車市場の需要と供給で決まります。需要に対して供給が少なければ中古車価格が上がり、リセールバリューはアップするのです。 しかし、新車時に売れていたからといって、中古車でもリセールバリューがよいということにはなりません。 中古車市場の動向が大きく影響することを前提として、一般的に新型×最上級グレードはリセールが高い傾向です。 例外もありますが、旧型は新型よりリセールバリューが高くなることはほとんどありません。 このようにモデル年式も関係してきますが、上位や下位グレードによっても、リセールバリューに影響してくるのです。

まとめ

クルマの型式やグレードについて詳しく解説してきました。
同じ車種名でも見た目や内装が違う理由は、型式やグレードにあります。
型式は主に自動車屋や保険屋が使用する言葉となっており、クルマを探している方は覚えなくても希望のクルマを見つけられます。
重要なのは、車種や年式・グレードです。
特にグレードは、購入価格や売却時のリセールに大きく影響するため、自分の好みや使用用途に合わせることが大切です。
クルマ選びで「型式」や「グレード」という用語は、必ず目にします。

本記事で紹介した内容を参考にしていただき、「型式」や「グレード」という用語に困惑することなく、最適なクルマを見つけてください。