最新の中古車市場と相場情報をプロから学ぶ 中古車のプロに聞いてみた(第18回):2026年の中古車市場を占う〜相場高騰は続く?終わる?〜

リセバ総研所長 床尾一法

リセールバリュー総合研究所 管理運営者

中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。

【中古車相場のプロ】〝OKB〟

中古車マーチャンダイジング部門管理職

大学生時代は自動車研究部でジムカーナや耐久レースに没頭し、2009年入社に旧ガリバーインターナショナル(現IDOM)入社。 ガリバーの店舗で営業職を2年経験した後、本社に異動。電話によるクルマ買取サービスを2年担当する。その後、マーチャンダイジング部門で中古車買取価格の設計、オークションでの売却担当などを歴任。 現在はマーチャンダイジング部門の管理責任者として、中古車の仕入れや商品構成の設計を統括する。お客様のご来店を促進させる在庫構成を設計する、中古車のスペシャリストだ。

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「高騰した相場は、いつか必ず下落する」そのトリガーになるのは海外市況

  • リセバ総研所長 床尾一法

    さて、今回は2026年の相場予想を伺ってい行きましょう。

    まずは中古車相場について、2026年の前半はどのように動くと予想していますか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    しばらくは、流通価格の高止まりは続くと考えています。

    少なくとも3月くらいまでは続くでしょう。

    そして、その後は6月に掛けて、おそらく下がる可能性は高いのでは?という見立てです。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    繁忙期の終わりとなる3月から中古車相場は下がると?

    例年通りの動きでしょうかね。2025年は4月から輸出需要の要因もあって上昇に転じていますが。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    まず中古車相場が下落するタイミングというのが、そこしかないんですよね。

    1月から3月はディーラーの決算期ということもあり需要期なので、昨年から続く相場が下がることはあまり考えられない。

    ですが、新年度(4月)に入っても好調が続くかと言われると・・・ちょっとそこはわからない。

    中古車市場の相場に「なにか」が起きるとするならば、そのタイミングになってしまうのではないかな、と。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    決算で在庫が活発に動く2月までは例年通りの動きでしょうが、その後は読みにくいですね。

    近年は過去の例とは異なる相場の動きが目立ちますから。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    それに最近は決算だからといって新車も中古車も特別な動きは少ないんですよね。

    業界を見渡しても、年度の予算はほとんど達成してしまっているため、次年度に回すという動きが多い傾向に感じます。

    いずれにしても、このまま中古車相場が高止まりのままで続くというのはないかなと。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    好調はいつまでも続くものではないと。

    まとめると、3月までは決算需要があるから下落する要因が見当たらないが、中古車の高い相場と流通の好調が長期に渡って続いているので、4月以降はなにかしらの変動が起きるのではないか?という読みですね。

    その後の中古車市場の展開としては、このコーナーで頻繁に出る『何かが起きる〝7月〟』といったところでしょうか。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    今年もなにかがあるんじゃないでしょうかね?

    半年も先なので何とも言えませんが(笑)

今年も『何かが起きる〝7月〟』とともにヨーロッパの動きにも要注意?

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ちなみに、改めて『何かが起きる〝7月〟』という現象ですが、海外の場合は学校が9月始まりその前の8月はサマーバケーション、7月はそれまでの総決算というか、いろいろ片付けておこうとか、そういう風土みたいなものが。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    それもあるんじゃないでしょうかね?

  • リセバ総研所長 床尾一法

    Geminiさん(LLM)にたずねてみたところ、要約すると下記のような回答でした。

※以下はGeminiの回答より抜粋

おっしゃる通り、欧米の「9月新学期・新年度」という社会システムと、それに伴う「長い夏休み(バケーション)」の文化は、7月の金融市場における変動(ボラティリティ)を生む大きな要因となっています。

(中略)

「7月に駆け込みで動き、8月は空白になる」という傾向は、政治や地政学の世界でも極めて顕著であり、その推論は正しいと言えます。

(中略)

ご推察通り、世界情勢においても**「7月はデッドライン(締め切り)」として機能しています。

7月:
議会の閉会や休暇前に案件を処理しようとするため、政治的な決定や変化が起きやすい(能動的な変動)。

8月:
主役が不在となるため、監視の目が緩んだ隙を突くような軍事行動や危機が起きやすい(受動的な変動)。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    スポーツ界でいうところの「ストーブリーグ」(オフシーズンに来期の編成を組み直す)のようなもので、7月から8月の間に次への準備として色々な物事が動くんでしょうね。

    夏ですからクーラーリーグといいますか。

    ところで、日本市場について見た場合、クルマを取り巻く市場環境での変化の予測というのはありますか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    日本については大きな変化はないと思いますね。

    やっぱり海外の動きじゃないですかね、何かしらが必ずあると踏んでますが。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    やはり海外の話になりますか。

    どんなことが予想されますか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    関税政策に関する動きが多いでしょうね。

    特にユーロ圏の動きに注目していて、これまでは電動化政策を一気に推し進めていましたが、それが限界を迎えてガソリン車の需要が復活し、メーカー各社の方針も激変しました。日本の中古車もヨーロッパからの需要が増加しています。

    ただしユーロ圏の各国としては、海外からの輸入が増えることはあまり望ましくないでしょうし、関税を強化する可能性があります。

    ユーロ圏への中古車輸出についてはまだ中小の輸入業者が中心なのですけど、そこに大手が参入したり米国の企業が参入したりすると、(ユーロ圏の自動車貿易に関する)パワーバランスは大きく変わるのではないでしょうか。

    もしユーロ圏で関税が上がるようなことがあれば、日本の中古車流通業者も「海外に輸出するよりも国内に流通させたほうがいい」という判断になるかもしれません。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    今後のユーロ圏の政策によっては、国内の在庫流通が潤沢になっていく可能性もあるということですね。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    あるかもしれませんね。

    2025年はトランプ関税がいろいろな現象を巻き起こしましたが、海外の場合「え、いきなりそんなことするの?」「そんなこと今まで何も言ってなかったじゃん」というようなことが起きたりします。

    そうした「世の中の動きを先んじて読む」人たちはそれこそ世界中にたくさんいて、いまこうやって日本のクルマが海外から買われているのも「日本車が今いいぞ」「2026年はこうなるから今は日本のクルマを買っておけ」と仕掛けている。2025年はそれで日本市場の在庫を食いつぶされた。

    2026年もまたそういった人たちが円安で「安い」日本の中古車市場にいろいろと仕掛けてくるでしょう。また大きな変化がありそうな気がしています。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    そうした情報は、実際に聞こえてきたりするんでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    ええ、情報はちょっとずつ入ってきていますね。

    実際に日本の中古車オークションにもユーロ圏のバイヤーが入ってきていますから。

    最近オークションの会員になった新顔の輸出業者が1ヶ月に何億円も使って買い付けている

    「中国系なのかな?」といろいろ関係者に聞いてみると「いやいやユーロ圏です」と。

    まぁそれが今後のユーロ圏の自動車政策と関係があるかまでは流石にわかりませんが・・・

  • リセバ総研所長 床尾一法

    何かしらの情勢の変化を予感させる空気が流れているということですね。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    見ていると「ちょっと無謀なんじゃないか?」と感じるような買い方をしていますね。

物価高で「高額な軽を新車で買うなら中古車でいい」となる選択が増える?

  • リセバ総研所長 床尾一法

    それでは視点を2026年の自動車業界にまで広げてみて、OKBさんはどのような変化が起きると思いますか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    生活手段としてのクルマに対する需要は変わらず続きます。

    ただ、消費者の視点でみると、ガソリン価格は下がったとはいえ依然として物価高で厳しい状況が続いていて、新車販売も積み上げられなさそうです。新車販売の低迷は中古車の供給に直接影響します。

    こうした「自動車業界どうするの?」という状況なかで、好転させるような変化が市場でも政策レベルでもあるといいなとは思っています。予想というより希望になってしまいますが。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    予測というよりは、希望として変化を期待しているといったところですね。

    2026年の中古車のトレンドについてはどうでしょう?2025年は新車も中古車も軽自動車の好調が目立ちましたが。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    軽自動車の需要はどうなんでしょうかね・・・

    自分のなかでは、もう一巡してしまった印象もあるんです。

    それに軽自動車は新車の車両価格がどんどん値上がりしていて、新車の軽自動車を買うのであれば中古の普通自動車を買ったほうがいいくらいに感じます。

    ガソリン価格も値下がりしましたし、2026年はそうした動きが普通自動車の中古車需要を後押しするような気がします。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    軽自動車の装備も過剰になり高価になった反動で普通自動車に需要が戻ってくる可能性もあるでしょうね。

    自分も軽自動車ユーザーなので言うのもアレですが、ユーザー視点で見ても最近の軽自動車はちょっと装備や機能が過剰なんじゃないかなと思っているところもあります。その快適さを享受してますけど・・・

    装備や機能を充実させるくらいなら(装備を削ってでも)価格を抑えてくれたほうがいいという顧客もいるでしょうし。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    恐らく(基本装備の状態では)利益率が高くないからなんでしょうね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    そうでしょうね。

    オプション装備やオプションパッケージなどをつけたグレードになると、新車価格が300万円に近づいていきます。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    ですよね。

    軽自動車はランニングコストが抑えられるのがメリットなので、毎日クルマを使わないといけない人の視点で見れば、色々な装備がついた軽自動車を新車で買うのが一番いいんです。

    ですが、お金の事情が厳しくて新車が買えないとなると、高年式の軽自動車は中古車でも高価になることが多いので、だったら軽自動車じゃなくて普通自動車でいいんじゃない?という判断になる方も増えるでしょう。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    そういう選択になっていきますね。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    おそらく、それがもっと広く認知されていくのではないでしょうか。

    軽自動車の新車購入を検討していたユーザーが国産登録車の中古車に流れてくる、という動きは増えていくのではないかと予想しています。

(新年第19回につづく)

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