CORISM編集長とリセバ総研所長のクルマ放談:年末総ざらい!2025年の新車を振り返って本音トーク!
自動車業界で日々生まれる様々なトピックスについて、リセバ総研の“ご意見番”であり日本カー・オブ・ザ・イヤーの運営にも関わっている自動車webサイトCORISM編集長の大岡智彦と、リセバ総研所長の床尾一法が本音で語り合う「クルマ放談」。今回は、年末年始スペシャルとして、2025年の自動車業界のトピックスや登場した新車を振り返るとともに、2026年の注目トピックスを本音で語り合いました。前編では2025年の振り返りトークの様子をお送りします。
自動車情報メディア「CORISM」編集長
リセールバリュー総合研究所 管理運営者
当記事における発言内容は、床尾一法と大岡智彦の個人的な主観・考察によって構成されています。公式の見解ではございませんのでご注意ください。
目次
フォレスターとプレリュードの一騎打ちとなったCOTYを振り返る
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リセバ総研所長 床尾一法
まずは、今年の日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)を振り返りたいと思います。
大岡さん今年の結果に対するご感想は?
事前の予想、結構当たっていましたね!
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【自動車のプロ】大岡智彦
まぁまぁ、予想通りで(笑)
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リセバ総研所長 床尾一法
選考会をリアルタイムで観た感想としては、COTYを受賞したスバル フォレスターに対する選考委員のコメントの大半が「(他者に)おすすめしやすくなった」という趣旨のものだった印象で。
スバルってそんなに今まで人に勧めにくかったんでしょうかね?※
※リセバ総研所長はインプレッサWRXを2台乗り継いだ元スバリスト
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【自動車のプロ】大岡智彦
スバルのクルマって、走りや安全性能は高いんだけど、燃費性能が物足りなかったからねぇ。
新型フォレスターは燃費性能が大幅にアップしたし、総合力が大幅に上がって誰にでも勧められるクルマになったのかなとは思いますよ。
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リセバ総研所長 床尾一法
あと、今回はホンダ プレリュードとの大接戦でしたね。
プレリュードの評価で気になったのは、票を投じた選考委員のコメントがノスタルジックな感情が先行していたように感じたところです。
未来志向というよりも、懐古的な評価が多かったなぁと。
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【自動車のプロ】大岡智彦
選考委員のひとりが「懐かしい未来」といういいコメントを残してたよね。
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リセバ総研所長 床尾一法
あー、ありましたね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
ただね、プレリュードを見て「懐かしい未来」と感じることができるのは年配のクルマが好きな人たち。
若い人たちはプレリュードも知らなければ「デートカー」という流行語も聞いたことがない。
だから、COTYではプレリュードを懐かしむ人たちのコメントも多かったけれど、若い人には理解できない内容も多かったかもしれないね。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうかもしれませんね。
ライブ配信を最初から最後まで観ていましたが・・・あくまで個人の感想ですが、かつての自動車業界の空気というか、変わらず麗しき80〜90年代的な価値観がそこにあるなと。
選考委員の方々の構成もあるのかもしれませんが。
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【自動車のプロ】大岡智彦
確かに、選考委員の中には古参の方も多々いらっしゃる。
床尾さん的に80年代のころから変わらないように見えてしまっているのは理解できます。
ただね、「いいクルマ」の価値基準って今も昔も大差ないと私は思っています。
過去のカー・オブ・ザ・イヤーを振り返っても「いいクルマ」ばかりですから。
その上で、選考委員が自分自身にどんな選考基準を与えるかという点で、時代に合わせた若干の変化があるくらいなのかなと。

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リセバ総研所長 床尾一法
たしかに。
おっしゃるとおりですね、普遍的なクルマの価値基準というものがあって、それは時代の変化のなかでも変わらない。
そういう解釈なら理解できます。
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【自動車のプロ】大岡智彦
もちろん、これまでにもハイブリッドシステムが登場したり、衝突軽減ブレーキが登場したり、技術的に大きな変化を迎えたポイントがあった。
今年は国内外で電気自動車へ向けた動きが本格化し始めたし、自動車のトレンドは時代ごとにあるとは思います。
それでも、クルマとしての本質的な走る楽しさだったり実用性だったりについては、今も昔もそんなに変わらないですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
大岡さんにとっても、今回は結構妥当な結果だったということでしょうか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
もちろんそう。
ただ、デザイン・オブ・ザ・イヤーで新車価格が1000万円のフォルクスワーゲンの「ID.Buzz」が入ったのは、結構すごいなと思った。
インポートカー・オブ・ザ・イヤーとのダブル受賞でしょ。ここまで注目されたというのは意外でしたね。
逆に、ヒョンデの「インスター」が伸び悩んだ。これもびっくりしましたね。
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リセバ総研所長 床尾一法
インスターは票が伸びなかったですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
あの大きさで、あの価格で、EVでとなったら、ネガティブなポイントを探すのが大変なくらいと思っていましたが。
ただ、4人乗りである点や最小回転半径が大きい点などが気になったのかも。
あと意外性という点では、BMW 2シリーズ グラン クーペの評価が高かった。
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リセバ総研所長 床尾一法
それ、私も思いました。
これはBMWが好きな大岡さんも納得なんじゃないですか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
BMWのスポーツモデルって、街中では硬い乗り心地が際立って「ちょっと微妙」って感じになりがち。
本質的な良さが伝わりにくい部分がある。
でもね、今回のCOTYは最終選考会(選考委員が10ベストカーに選ばれた全てのクルマに試乗できる機会)がサーキットで行われたんですよね。
そんなところでBMW 2シリーズ グラン クーペに乗ったら、そりゃあ「いい!」ってなるに決まってる(笑)
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リセバ総研所長 床尾一法
BMWの本領発揮というところですね(笑)
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【自動車のプロ】大岡智彦
そうそう。
もうね、笑いが止まらん!ってくらい気持ちよく走れましたから。
街乗りとサーキットで走りの印象や楽しさが大きく変わるクルマって結構あって、BMW 2シリーズ グラン クーペはまさにソレ。
もちろん、その逆もあるし、単純にサーキットで気持ち良ければそれでいいってワケではありませんけどね。
このサーキットでの試乗で、選考委員の評価が見直されたんじゃないかな。BMW側としては10ベストカーに残れるか危機感すら持っていたのに、実際の評価はとても高かったと思います。
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リセバ総研所長 床尾一法
他にCOTYの結果で気になった点はありましたか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
スズキ eビターラがあまり伸びなかったね。
価格を考えたら、日産 リーフの上に行ってもいいくらいだと思ってたのに。
最高点(25点)を入れた選考委員もいたけど、ポイント獲得は伸び悩んでしまいましたね。
2025年に発表・発売された新車・モデルチェンジを振り返る
アグレッシブな改良を連発したものの全体的に落ち着いていた印象のトヨタ
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リセバ総研所長 床尾一法
次は2025年に登場した新車や人気車種のモデルチェンジを中心に振り返ってみたいと思います。
まずは、業界ダントツTOPを独走するトヨタから見ていきましょうか?
アルファード/ヴェルファイアのPHEVモデル追加、ランドクルーザーの一部改良、アクアの一部改良、bZ4Xの一部改良、新型クラウンエステートの登場といったところが主なところでしょうか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
トヨタは今年は少し大人しかったですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
一部改良やマイナーチェンジは多かったですが、完全な新型モデルは少ない年でした。
カローラクロスのGRスポーツは印象に残ってます。
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【自動車のプロ】大岡智彦
カローラクロスのGRスポーツ追加などは話題になったし、マイナーチェンジでも一部改良でもフロント周りのデザインを一新したり、攻めた改良や個性的な印象への転換は増えたかな、という印象。
トヨタは来年が凄いんじゃないかな。
(ジャパンモビリティーショーで公開した)ランクルFJも出てくるだろうし、新型RAV4も来年です。そろそろフルモデルチェンジを控えている車種もいくつかあると思います。
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リセバ総研所長 床尾一法
ちょうどこの前に行われた、ガリバーの中古車仕入れ担当のOKBさんのインタビューで出でた話題なんですが、これからの新車の売り方は、コストを抑えてクルマを作って、生産台数を絞って損失を出さないように売るという戦略になるという話です。
販売量や生産量にこだわるのではなく、顧客との関係の質を高めていく、やはりこれからはそういう方向になるんでしょうか?

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【自動車のプロ】大岡智彦
基本的にクルマは、とにかくたくさん生産して、たくさん売れればコストはドンドン下がる。
なので、生産台数を絞るというより需要に合わせて供給が過剰にならないような戦略は、今後も継続されるでしょう。
一方で、売れているからといって急遽生産ラインや工員を増やすというような短期的な設備投資はあまりしない。モデル末期になると供給が過剰になり、未使用車をたくさん生み出してきましたからね。
ただ、トヨタに関してはトランプ関税や国策の一環だと思うけど、米国で生産して日本へ輸入する車種がある。カムリやハイランダー、タンドラの3車種は2026年から日本市場への導入を目指すそうだし。
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リセバ総研所長 床尾一法
話を戻すと、トヨタの2025年は一部のモデルでアグレッシブな改良がありつつも、全体的に静かな1年だったということですね。
それでも新車が売れている、王者トヨタすね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
もう、国産登録車(軽自動車を除く)の市場シェアは50%を超えているんじゃないかな。
(※超えています)
もう、ほぼ寡占状態と言えると思いますね。
2025年4月~2025年9月の登録車新車販売台数ランキングのベスト10は、10台中8台がトヨタ車ですから。それほど強い。
この勢いが衰えることはなさそうだし、他のメーカーは今後国内販売を続けていけるのか? と、思うほどです。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうですね。
この12月には純然たるスポーツカーの「GR GT」を突然発表したり。
モビリティーショーは終わったし、東京オートサロンには早いし、ちょっとこの時期に発表した意図が見えてこないんですよね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
なんにせよ、売れないと言われるスポーツカーのカテゴリーに、これだけの新車を出すことを考えたら凄いことだよね。
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リセバ総研所長 床尾一法
トヨタは業界の流れなんて気にせず、唯我独尊で自分たちの進むべき道を突き進みながら、ちろん利益も出しているということですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
資金力があるって、いいよねぇ。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうですね。
好きなことを好きなタイミングで、好きなだけ自分たちの考えるクルマのあり方が提示できるというのが、トヨタの強みなのだと考えています。
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【自動車のプロ】大岡智彦
うん、そうだと思う。
もはやマーケットのトレンドは自分たちで作るという強い意思を感じる。
自分たちが自動車業界を牽引していくというプライドのようなものだと思います。
CX-60、フォレスター、エクストレイル、eビターラ・・・各社のSUVを振り返る
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リセバ総研所長 床尾一法
その他のメーカーも見ていきましょうか。ホンダは新型プレリュードやN-ONE e:など電動車が目立ちました。
マツダは・・・大岡さんが気になったクルマはありましたか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
CX-60の一部改良モデルかな。
4WDモデルに装着されていたリアスタビライザーが廃止されてしまったんですよね。
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リセバ総研所長 床尾一法
大幅改良がありましたね。
ハンドリング性能を維持しながら乗り心地を向上させたという。
リアスタビライザーとは?
リアスタビライザーは、車の後輪の左右サスペンションをつなぐ「U字型をしたバネ鋼の棒」。 カーブを曲がる際に発生する車体の傾き(ロール)を抑え、走行を安定させる役割を持つ。

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【自動車のプロ】大岡智彦
確かに乗り心地はよくなったと思うけど、何もスタビを外さなくてもなぁと・・・
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リセバ総研所長 床尾一法
コーナーリング時のロール(曲がる方向へのクルマの傾き)が大きくなった?
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【自動車のプロ】大岡智彦
ロールスピードそのものは抑えられているからグラグラするような動きはないんだけど、ある程度の速度で旋回しようとすると結構ロールが大きくなる印象。
スタビがついていたモデルは足回りがガチガチで全くロールしていなかったので、極端なくらい。
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リセバ総研所長 床尾一法
だからちゃんとロールさせてクルマを曲げる方向にチューニングを変えたんですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
ある程度はロールさせないと乗り心地が悪くなるからね。
サスペンションの取り付け位置も変えて、足回りを刷新するような大規模な改良でした。
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リセバ総研所長 床尾一法
同じSUVでは、今年のCOTYを獲得したスバル フォレスターが登場したのは、今年の4月でしたね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
改めてだけど、試乗した印象はとてもよかったですね。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうですよね。私もスバルから遠のいていましたが、欲しくなりました。
ウチの近所でもよく見かけますし、売れていますね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
足回りのセッティングが他社のSUVとは少し違ってる。
滑りやすい道のカーブでステアリングを切っていくと、リアが流れてノーズが内側に切り込んでいく。
ノーズが内側に切れ込むということはスピン状態に陥りやすくなるから、他社のSUVではその状況を避けるめにリアを滑らせず、速度が落ちるまで曲がらない仕様が多い。
なんでこんなに味付けが違うのか聞いてみたら、カーブで(速度超過など)曲がれなくなった場合、まっすぐ壁に突っ込むのをできるだけ避けたいと(スバルのエンジニアが)言っていた。
ノーズが内側に切れ込ませれば、後はドライバーのテクニックでカウンターステア(※曲がる方向と逆方向にハンドルを切ること)を当てるなりして、衝突を回避してくれというメッセージなのかなと解釈してるけど。
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リセバ総研所長 床尾一法
うーん、なんともスバルらしいエピソードですね・・・
いろいろな意味で。
まぁ、つくづくメーカーによって足回りの味付けに対する考え方はが違うもんですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
開発思想が違うというか、
メーカーによってこういう違いがあるのも楽しい。
ある程度運転技術がある人なら、ノーズが内側に切れ込んでリアがちょっと滑っている状態で少しカウンターステアを当ててアクセルを踏めば、インへの切込みも収まってスッとコーナーをクリアできる。
意外と面白いドライビングができるじゃんって。
アンダー傾向が強い他社のSUVだと、曲がろうとしてもコーナーの外側に膨らんでしまうんだけど、フォレスターはそこの味付けが結構スポーティー。ドライバーがコントロールしやすいクルマになっていると感じたね。

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リセバ総研所長 床尾一法
続いて同じSUVから取り上げると、日産 エクストレイルには新グレード「ROCK CREEK」が追加されましたね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
エクストレイルって、どちらかというと都会派SUVという印象が強かったけど、本格的なアウトドア志向の人も選べるという意味では、選択肢の幅がすごく広がったね。
こうしたオフローダー的なデザインは人気だから、売れそうですよね。
軽自動車に“過剰な装備”は必要なのか?
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リセバ総研所長 床尾一法
今年は軽自動車も様々なクルマがフルモデルチェンジやマイナーチェンジを行いました。
我が家の愛車も先代のスズキ スペーシアギア(MK53S型 2020年式) ですから、気になるジャンルです。
個人的には安全装備を拡充したスズキ ジムニーの一部改良が気になったところですが、大岡さんが気になった軽自動車はありましたか?
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【自動車のプロ】大岡智彦
日産 ルークスと、兄弟車の三菱 デリカミニかな。
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リセバ総研所長 床尾一法
かわいくて気になりますね、デリカミニ。
価格が高いです(笑)
車両本体価格はノンターボ車で196万円から、ターボ車で204万円から。最も高いモデルでは274万円。
実は、最近の軽自動車って、装備が過剰になってきてるんじゃないか?という疑問を持っているんです。その装備の快適さを享受していながら言うのもなんですが、この5年でますます充実してきているので。
価格の急上昇とともに。
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【自動車のプロ】大岡智彦
それでも欲しいと思う人がいるから、この価格設定でも勝負できるんでしょう。
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リセバ総研所長 床尾一法
デリカミニは路面状況に合わせてドライブモードを切り替えられるんですよね。
軽自動車にはあまりついてない機能ですが、ある意味で競合といえるスズキ ハスラーも同様の機能がありますね。
ハスラーは4WDの前後トルク配分も行い、デリカミニは4輪の均等配分に徹しているようです。両者ともカタログを見る限りですが。
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【自動車のプロ】大岡智彦
これはどうなのかなぁ。
そもそも選べるドライブモードが多すぎるという意見もある、オートで切り替えれば十分ではないかって。
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リセバ総研所長 床尾一法
このドライブモードの切り替えって、本家の日産 ルークスにはついてない機能なんですよね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
こういう機能って、実は使うのは買った直後の最初だけってパターンが多いんじゃないかな。
最終的には、オートやノーマルモードでいいよねって話になっちゃう気もするけど、でもまぁこういう機能があること自体も大事。
「選べる」ということ自体が付加価値になるし、そういう走行性能にこだわったクルマに乗っているという優越感みたいなものが、クルマの所有感や満足度になるのかもしれません。
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リセバ総研所長 床尾一法
そうですね。
そこに開発費を投じて、(他社の兄弟車と)差別化をはかっている点は評価したいですね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
こういう機能が好きな人の心理をわかっているんですよね。
合理的に考えればオートモードだけあればいいのに、こういう機能があること自体に意義がある。
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リセバ総研所長 床尾一法
そんな高機能化の流れもあり、軽自動車を300万円で買うようになった時代。
軽自動車に求められるものってなんだろうと、ふと考えます。
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【自動車のプロ】大岡智彦
そうだよね。
300万円なら、諸費用込みでもうちょい頑張ればヤリスクロスのハイブリッドが新車で買えちゃう(笑)
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リセバ総研所長 床尾一法
そうなんですよ(笑)
それに300万円あれば、中古車でも相当に良い選択肢の幅が広がるわけです。
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【自動車のプロ】大岡智彦
とかいいながら、三菱の人が言うには「価格がネックで売れない」という感じはないみたい。
売れ行き好調。
軽自動車だからという選び方じゃなく、ワイルドでかわいいコンパクトカーとして指名買いの方も多いでしょうしね。
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リセバ総研所長 床尾一法
最近の軽自動車は、そもそも軽自動車志向の人だけがターゲットではなく、元々は大きなクルマに乗っていた人が小さいクルマに乗り換えたいというニーズもあるという話ですね。
私自身がそうです。住環境や利用頻度、使い方を考えるとベストだという選択でしたから。
なにより可愛らしさやデザインに惚れてました。
ホンダ N-ONE e:はどうして“面白み”に欠けるのか
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リセバ総研所長 床尾一法
ところで、軽自動車のEVとして登場したホンダのN-ONE e:
思ったよりも話題になりませんでしたね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
こういうと怒られるかもしれないけど・・・
いい意味でも、悪い意味でも、普通のクルマなんだよね。
個人的には、EVのシステムの良さはホンダが勝る印象だけど、乗り味は日産 サクラのほうが好き。
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リセバ総研所長 床尾一法
ホンダEVシステムの評価ポイントは?
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【自動車のプロ】大岡智彦
冷却システムがしっかりしている。
リチウムイオンバッテリーって、かなり面倒なヤツでね。暑いだ、寒いだ、うるさいんですよ。
適温でないと、充電スピードが落ちたりパワーダウンしたりと、まぁ面倒。なので、ホンダは液冷式でバッテリー温度を緻密にコントロールしている。
もちろん日産も対策はしているんだけど、コストをかけずに空冷式です。
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リセバ総研所長 床尾一法
安心できる国産の軽EVとして、もっと話題になってもいいはずなんだけどなぁ。
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【自動車のプロ】大岡智彦
でもね、N-ONE e:は、やっぱり走りがあまり面白くないなって感じてしまう。
EVっぽくないの。
サクラはアクセルをドンと踏み込んでいくとモーターの強いトルク感が得られて、いかにもEVっぽい走りをしてくれる。
だけど、N-ONE e:は、床まで踏み込んでもドンと強烈なトルクの立ち上がりがあまりなく、とても紳士的で滑らかな加速重視。
その滑らかさがEVっぽくないように感じる。
乗り心地は良いし、カーブでは低重心で安定感あるし、いいクルマではあるんだけど・・・。あえて、乗り味をガソリン車に寄せているんだと思うよ。
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リセバ総研所長 床尾一法
大岡さんとの対談でもよく話題に出ますね。
ホンダは「電動らしさ」を消して「ガソリン車」を演出する傾向という。
さて、軽自動車開発の技術という視点では、スズキが軽乗車を100㎏軽量化するという目標を立てていますね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
スズキは昔から軽量化については積極的。
しかも、今回はかなり高い目標を掲げて軽乗車で100㎏の軽量化だからすごいよね。
軽量化っていうと、なんか少々地味に聞こえるけど、燃費や運動性能もアップする重要な要素。こうしたメーカーの技術の差って、興味深いです。
例えば、かつて三菱が初代ekワゴンで軽自動車に再参入したときに、スズキのクルマよりちょっと車重が重かった。
三菱のエンジニアと話した際に、同じ車重にしたらその分だけ燃費が良くなるのでは?という会話の中で、
「三菱とスズキで軽量化技術って、そんなに差があるものなの?」
と聞いてみたところ、
「三菱はしばらく軽自動車の開発をしていませんでした。その間、正直差が付いたと思っています。なので、地道にノウハウを積み重ねてきたスズキさんの技術レベルには、残念ながら急には追いつきません。」
と返ってきた。そんなに難しい話なのかと聞いてみると、
「スズキさんは、それはもう1g以下の単位で重さを削る勢いで軽量化をやっているので、見えないノウハウが至る所にある。」
と語っていた。こういった技術的な優位性は、たとえ地味で地道な内容でもメーカーのプライドでもあるし、他社が簡単に真似できない秘伝のタレみたいなものなのかもしない。
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リセバ総研所長 床尾一法
スズキの軽量化技術は部材から徹底してますね。
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【自動車のプロ】大岡智彦
ネジを入れて1ミリ、2ミリ出っ張りがあったら、それを削れというレベル。
もう零戦を作るようなストイックさなんだよね。
地道に積み上げてきた技術って、なんかカッコよくない?
軽量化技術とは全く関係ないんだけど、スズキの社員と交換した名刺にも薄い用紙や簡素な印刷からコストダウンが見て取れる。こうしたところにも、車両を少しでも安くするためにコストを徹底的にカットするスズキの哲学を感じますね。
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リセバ総研所長 床尾一法
それでは、2025年の振り返りはこれくらいにして。
次回は2026年に登場する注目の新車を中心に本音トークしていきましょう!
2025年は大変お世話になりました。2026年もよろしくお願いいたします!
(つづく)
