日本カー・オブ・ザ・イヤー2025-2026を受賞したスバル フォレスター
日本カー・オブ・ザ・イヤー2025−2026は、ホンダプレリュードと大接戦の末、スバルフォレスターが受賞した。2025年4月にフルモデルチェンジして6代目となったフォレスターはトヨタからの技術提供を受けて搭載された2.5Lハイブリッドシステムが大好評でヒット車種となった。車両価格は先代に比べ大幅アップしたのにかかわらず大量のバックオーダーを抱え、ハイブリッドの納期はかなり長期化している。
目次
スバル 新型フォレスターの特徴
ボディ・シャシー構造の進化
新型フォレスターの最も大きな構造的進化は、プラットフォームの改良による車体剛性の向上だ。
フルインナーフレーム構造の採用
従来の工法から一新し、ボディ全体の骨格部材を組み立ててから外板パネルを溶接する工法(フルインナーフレーム構造)を採用。これにより、車体のねじれ剛性が大幅に向上、サスペンションの動きの自由度も向上させている。
進化したSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)をベースに上記フルインナーフレーム構造を適用し、プラットフォームの持つポテンシャルを最大限に引き上げた。
車体結合部には、構造用接着剤を広範囲に採用することで、車体の強度アップと振動・騒音抑制に寄与しているという。
最大の特徴は大幅に進化したパワートレーン
新型フォレスターのラインナップには、ガソリンターボと、より強力になったハイブリッドシステムが用意されている。
大幅に進化したe-BOXER (S:HEV) ストロングハイブリッド
トヨタの技術をベースとしたスプリット(動力分割)式ハイブリッドをスバルの縦置き水平対向エンジンに適合。モーターをメインに、エンジンがモーターの苦手な領域をカバーする設計となり、燃費性能とトルク性能が大幅に向上した。
伝統のシンメトリカルAWD(AWDシステム)
水平対向エンジンとトランスミッション内に動力分割機構、発電用モーター(MG1)、駆動用モーター(MG2)を組み込み、スバル伝統のシンメトリカルAWDレイアウトを維持。左右対称(シンメトリカル)なパワートレーンレイアウトによる低重心かつ優れた重量バランスを継承している。
また、電子制御で4輪へのトルク配分を最適化し、安定した高い走破性を実現している。
1.8L BOXER 直噴ターボ“DIT”エンジン(CB18型)
コンパクト化と軽量化を実現した最新の水平対向ターボエンジンを搭載。低回転域からトルクが充実し、軽快でスポーティな走行性能を実現している。
安全性能と快適性の進化
安心感と快適性を高めるため、構造的にさまざまな手が加えられている。
視界性能の徹底追求
ボンネットやAピラー付け根部分を低く抑えることで、斜め前方の視界を拡大し、車両感覚を掴みやすくしている。また、ワイパーが視界に入らない設計とし、運転時の前方視界をクリアに確保。
静粛性の向上
ロントドアガラスの板厚アップ(先代比1mmアップ)。「高減衰マスチック(弾性接着剤)」をルーフパネルとブレース間に採用し、ルーフの共振音を抑制。これらの対策により、静粛性が大幅に向上している。
疲れにくい構造のフロントシートを採用
長時間運転でも疲れにくいよう、仙骨を押さえて骨盤を支える構造のシートを採用。頭の揺れを抑え、快適な乗り心地を追求している。
サイクリスト対応歩行者エアバッグ(世界初)
「サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ」は、フォレスター(日本仕様車)で世界で初めて採用されたもので、サイクリスト(自転車乗員)の頭部保護にも対応している。
歩行者保護エアバッグがAピラー上部までカバーする構造で、安全性能を一段と向上させている。
