最新の中古車市場とプロから学ぶ 中古車のプロに聞いてみた(第16回):先代アルファードの相場動向にもコロナ禍の影響が

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コロナ禍の影響で新車生産量が減少した影響が中古車市場を直撃

  • リセバ総研所長 床尾一法

    前回、コロナ禍の影響でクルマの生産ができなかった影響で、(約5年後にあたる)現在の中古車在庫が減少し、価格が高騰するという話がでましたが、中古車相場の状況はいかがでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    例えば、ミニバンですね。

    アルファードについては、現行モデルは相場が下落していますが、先代モデルは上昇傾向にあります。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    確かに、先代モデルのほうが良いという方もいますし、人気ですよね。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    その先代モデル、特にその最終モデルがコロナ禍の影響を受けているゾーン。

    そもそもこの先代30系の「最終モデル」は販売期間が短くて希少なのですが、それにコロナ禍の影響も加わって、やはり中古車市場には出回りにくくなっています。

    同じように、トヨタのノアやヴォクシー、ハリアーあたりも(コロナ禍渦中の年式の在庫は)なかなか出てきていませんね。

    とにかく、コロナ禍の影響は非常に大きいんです。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    だから手に入るうちに在庫を確保しておく必要がある、ということなんですね。

    需要に大きな変化はないけれど、そのあたりの年式の商品棚を空にしておくわけにはいかない、と。

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうです。

    中小の中古車販売店でしたら在庫入手困難でも(数台を仕入れておけば)いいかもしれませんが、私たちガリバーは全国に400店舗もあるので200台、300台と在庫を集めていかないと各店舗に在庫を並べられないわけです。

    とにかく早めに在庫確保に動くというのは重要なポイントですね。

中古車輸出市場は来年1月初旬からすぐに動き出す!

  • リセバ総研所長 床尾一法

    10月中旬あたりから12月は輸出市場が年内の取引を終了する影響で中古車相場は下降していきますが、輸出業者の買付はいつ頃から再開するのでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    12月のオークション市場は例年なら全く動きませんが、

    (※2025年は状況が異なる。次回「第17回」で詳しく触れる。)

    年が明けて1月2週目(正月休み明け)からはもう市場が動き出しますね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    1月上旬にオークションで仕入れて、船便に乗せて3月頃に輸出先にデリバリーするイメージでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうですね。

    更に言うと、1月よりも相場が下降する3月のほうがさらに盛り上がるでしょう。

    カーディーラーが決算期に入るため、試乗車や展示車あたりをオークション市場に一気に出してくるんです。それで相場が落ちるんですね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ちなみに、年間を通して輸出のピーク時期というのはあるんですか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    最繁忙期は7月、8月ですね。

    4月、5月も盛況ですが、輸出業者が確保した在庫が最も動く時期が1年の真ん中にあたる7月、8月あたりになります。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    輸出スケジュールとの兼ね合いみたいなものでしょうか?

  • 【中古車相場のプロ】〝OKB〟

    そうですね。

    4月になると日本国内の年度が変わって、各国に出せる輸出台数が決まってきます。

    そこから一気に在庫確保に走ると、6月から7月には各国の年度変わりにあたる9月に向けて規制が新しくなったりして世界情勢が変わってきます。

    ただ、この各国の年度変わりを待ってからでは在庫確保は遅すぎるので、5月から9月にかけて一気に在庫を動かしていくと。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    なるほどね。

    海外では9月が年度始まりの国が多いですものね。だからいつもOKBさんがおしゃっている「7月に何かが起きる」という話は、日本では1月に次の年度の方針が次々と発表されることに近いんですね。

    今回も貴重なお話をありがとうございました!次回は2025年の総括と2026年の展望をインタビューでお伺いさせてください!

(第17回につづく)

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