どうなる?!日本カー・オブ・ザ・イヤー2025大予想!:CORISM編集長とリセバ総研所長のクルマ放談

自動車業界で日々生まれる様々なトピックスについて、リセバ総研の“ご意見番”であり日本カー・オブ・ザ・イヤーの運営にも関わっている自動車webサイトCORISM編集長の大岡智彦と、リセバ総研所長の床尾一法の二人が本音で語り合う「クルマ放談」。11月の後半では、今年のジャパンモビリティーショーの会場で発表された、「日本カー・オブ・ザ・イヤー2025-2026」の大賞候補「10ベストカー」をチェックします。今年の大賞にはどのクルマが輝くでしょうか?皆さんも予想しながらご覧ください。

【自動車のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

リセバ総研所長 床尾一法

リセールバリュー総合研究所 管理運営者

中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。
10ベストカー予想の記事はこちら!

「日本カー・オブ・ザ・イヤー2025-2026」の10ベストカーはこちら!

自動車評論家、ジャーナリスト、有識者などで構成される選考委員によって行われた「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の第一次選考会で、全35台のノミネート車の中から選出された、最終選考会に進む上位10台「10べストカー」(ノミネート番号順)はこちら!この中から、今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が決定します。

「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカー(ノミネート番号順)

スズキ eビターラ
スバル フォレスター
ダイハツ ムーヴ
トヨタ クラウン(エステート)
日産 リーフ
ホンダ プレリュード
BMW 2シリーズ グラン クーペ
ヒョンデ インスター
プジョー 3008
フォルクスワーゲン ID.Buzz
日本カー・オブ・ザ・イヤー公式サイト

ピュアガソリン車がわずか1台となった、今年の10ベストカー

  • リセバ総研所長 床尾一法

    (上記の通り)今年の「10べストカー」が発表されましたね。10月に行った予想から2台が外れちゃいました。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    意外と当たったんじゃないですか?9台くらいは当たってるかなと思ったんですが(笑)

    私が予想したポルシェ 911 カレラ GTSとBYD シーライオン7が入りませんでしたね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    大岡さんが予想していなかったところとしては、プジョーの「3008」。

    ノミネートの要因としては?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    デザイン性が優れている点と、価格帯として買いやすいという点もあったかもしれませんね。

    ポルシェ 911 カレラ GTSは2000万円を超える価格なのでさすがに(10べストカー候補としては)厳しかったかと。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    それでも、8台も的中させるのはさすが。

    この中で、今年のカー・オブ・ザ・イヤーはどのようになりそうでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    と、その前に!

    この10べストカーのラインナップを見て、なにか気がつくこと、ない?

  • リセバ総研所長 床尾一法

    んいきなり謎かけからですかい。

    ん?

    ・・・あ!

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    そう。

    ピュアなガソリン車がダイハツ ムーヴしかないの。

    あとはBEVかハイブリッドか、何かしらモータードライブになっているんです。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    確かに、過去の10べストカーを振り返ると、昨年くらいからこの潮流が来ていますね。

    いよいよ今年はほぼモータードライブということなんですね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    そうだね。う純粋なガソリン車は出てこないのかもしれません。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    軽自動車のマイルドハイブリッドに乗っても(モーターの性能向上で)快適でパワフル。高速道路での合流加速や追い越し加速も全く不満がありません。

    今後のクルマ選びも、モーターが入ったクルマであることが前提になってきました。

    これからの時代はますますモータードライブのクルマが中心になっていくのかもしれませんね。

本命は?大穴は?日本カー・オブ・ザ・イヤー大予想!

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ではこの10べストカーのラインナップのなかで、大岡さん的にはどのクルマが今年のカー・オブ・ザ・イヤーに輝くと思いますか?「本命」「対抗」「大穴」を決めていきましょう。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    まず本命は、スバルの「フォレスター」かな。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ほうほう。その理由は?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ん〜・・・なんとなく(笑)

  • リセバ総研所長 床尾一法

    まさかの雰囲気で決定(笑)

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    フルハイブリッドを搭載したという点は大きいですね、走りがかなり進化しました。

    一方でAWDは(モーター制御にせず)機械式にすることで、スバルらしさを出しながら低燃費も実現できたという点は、評価が高いのではないかと思います。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    AWDのシンメトリー配置を活かしたフルハイブリッドというですね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    そして、対抗になるのはホンダの「プレリュード」でしょう。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    プレリュードの復活は話題にもなりましたね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    (SUVや軽自動車が主流の)この時代にあえて出したという心意気も評価できますし、乗った印象も結構ハンドリングマシーンでよく曲がる。

    走るのが好きな選考委員からの評価も高いのではないかと思います。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    当初の予想に反して、かなり売れているみたいですね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    そうですね。

    確か、発売1ヶ月で月間販売目標の約8倍の受注だったかな。

    ただ、若い人はあまり買っていないみたい。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ホンダにとっては世界戦略車でしょうし、海外市場がメインかも。

    今の時代、こういうクルマを出してきたことの価値は評価したいですね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ただ、「売れるクルマ」ではないのは確か。

    月間販売目標の約8倍を受注したといっても、国内の月間販売台数って約300台なんですって。

    ホンダのディーラーって全国に2000店舗以上あるので、1店舗あたりにすると月に1台売れていないわけです。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    まぁ・・・でしょうね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    この販売ペースを念頭に入れてでも頑張って開発したという点は評価できるし、結果を見てすぐに撤退せずに売り続けて欲しいなという期待はありますね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    やっぱ、売れないからやーめた、なんて、ならないといいですね・・・

    さて、「大穴」はいかがでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    フォルクスワーゲンの「ID.Buzz」を挙げたいですね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    あ〜確かに。かなり高額なクルマですけどね。

    “可愛い”に1000万円出せるかどうか。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ある意味、アルファード/ヴェルファイアの対極にいるクルマだよね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    その視点で見てなかった、確かに対局ですわ。

    もう試乗はされました?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    しましたよ。

    確かに可愛いデザインは特徴的ですが、使い勝手、シートアレンジ、高級感という点ではアルファード/ヴェルファイアには敵わない。

    ラグジュアリーという点では、やはりアルファード/ヴェルファイア。

    ID.Buzzのほうがフロア(床面)が結構高いので、どちらかというとちょっとハイエース的な印象です。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    フロアが高いのは、やはりバッテリーの影響ですか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    バッテリーの影響もだけど、考え方そのものが元々「バン」なのかも。だからフロアが高めなのかなと。

    全高も結構高いけど、ただ走り出すとあまり大きさを感じさせなくて、運転はしやすいなとは感じました。

全てのノミネート車が選考対象の各部門賞も大胆予想!

  • リセバ総研所長 床尾一法

    次は部門賞の予想をしてみましょう。

    テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー
    (革新的な環境・安全その他技術を備えたクルマ)

    デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー
    (秀でた内外装デザインを持つクルマ)

    インポート・カー・オブ・ザ・イヤー
    (日本車がカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した場合に10ベストカーのなかから最高得点を獲得した輸入車が受賞)

    という3賞がありますが、まずはテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーはどうでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ポルシェ 911 カレラ GTSに搭載された「電動ターボ」は推したいな。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    改めて、「電動ターボ」ってどのような技術なんでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    簡単に言うと、ターボチャージャーのタービンを電気で回しているということですね。

    ターボチャージャーというのはエンジンの排ガスを使って圧力を高めてタービンを回しますが、それを電気の力に置き換えています。

    従来型のターボチャージャーは圧力が高まるまでにターボラグが生じていまい、加速のスムーズさや乗り心地を損ねていたけど、そこをモーターに置き換えることでアクセルを踏んだ瞬間からすぐに鋭い加速を実現して、より気持ちいいドライビングを楽しむことができる。

    本来は燃費効率の向上に使うはずのモーターをドライビングプレジャーに全振りして活用している、大したものです。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ターボの機能そのものを完全にモーターに置き換えてしまうと、超高回転ですからモーターにかなりの負荷がかかってしまいそうですが。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    あくまで従来型のターボチャージャーの機能はそのままにして、タービンを回す力が不足するところをモーターがアシストするという考え方みたい。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    モーターはあくまでアシスト役なんですね。

    いずれにしても、用途的にモーターは専用設計だと思うんですけど、よくやりましたね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    特許の問題などがあるかもしれませんが、他のクルマにもどんどん採用されていくといいよね、この技術。

    それこそ、他のスポーツカーも電動ターボを採用していったり。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    普及するとエンジンの効率がさらにステージアップしそうですね。

    軽自動車や小型のクルマにもメリットが大きそう。

    続いて、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーはいかがでしょう?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    デザインは感性の問題だから、予想が難しいよね・・・。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    印象的なデザインというと、やはりフォルクスワーゲンの「ID.Buzz」でしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    可能性は高いと思いますね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ところで、歴代のデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーってどういう傾向で選ばれているのでしょうか?

    やはり挑戦的なデザインが選ばれるのでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    わかりやすいデザインが多いかな。

    人によってデザインの好き嫌いの基準って異なるけど、その好き嫌いがはっきりと分かれるようなデザインのクルマはあまり選ばれていない傾向があると思いますね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    選考委員の皆さんが全員カーデザインに精通しているわけではないですし、多くの人が投票するなかで好みによって評価が分かれると得点も伸びませんね。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    点数制度で評価する以上、(評価が割れないデザインが選出されるのは)避けられないね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    最後に、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーはいかがでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    ここも難しい。甲乙つけがたい。

    テスラの「モデルY」もいいクルマだけど、マイナーチェンジモデルなのであまりカー・オブ・ザ・イヤーでは(新型車ではないので)評価されにくい。

    デザイン性を加味すると、プジョーの「3008」は評価が高いかも。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    ここは来るかもしれませんね。デザインがとても美しいしと感じますし、私も欲しい1台です。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    かっこいいよね。

    インテリアのデザインもとてもいいです。

    ただ、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーの本命という点では、ヒョンデの「インスター」が来るんじゃないかと。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    どのような点が評価できるでしょうか?

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    このクルマのサイズ感。

    インスターは全長が3830mmと4メートルを切っていて、全幅も1610mmでどちらかというと軽自動車に近いサイズのクルマ。

    価格も200万円台からと、補助金に頼らなくても手が届く価格帯のクルマなので、そこも評価できる点ですね。

    道路事情や価格の相場感も、日本市場のニーズにしっかりマッチしているクルマだし、小さくて、走りもいい。バッテリーもフル充電で400キロは走れるので。

    唯一の悩みどころは、最小回転半径が5.3メートルとCセグメントのクルマ並に大きい点ですね。

  • リセバ総研所長 床尾一法

    あ〜・・・それは厳しい。小さいけれど、軽自動車のように取り回しがいいというわけではないんですね。

    道路環境がよくないところだと、ちょっと購入は躊躇してしまうかもしれませんね。

    ウチの駐車場の区画は結構きつい回転半径です。

まとめ

今回は、日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞と各部門賞を予想してみましたが、果たして当たっているでしょうか?今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーの発表は、2025年12月4日を予定しています。最終選考階の模様はYouTubeでライブ配信もされますので、ぜひ予想が的中しているかチェックしてみてくださいね。