トヨタ ハイラックスのリセールバリューは? トヨタ 新型ハイラックス発表!現行型の中古車相場や買取価格の相場もチェック!

トヨタ自動車株式会社は2025年11月10日、タイ・バンコクで新型「ハイラックス」を発表した。今回の発表ではカーボンニュートラルの実現に向けたトヨタの電動化戦略「マルチパスウェイ」が強調されており、さまざまなパワートレーンでの展開が予定されている。

リセバ総研所長 床尾一法

リセールバリュー総合研究所 管理運営者

中古車情報誌の最大手での制作、自動車メディアの立ち上げ責任者などを経験。20年以上マーケティングのインハウスやコンサルタントで活動。2017年に人材開発へ転向。対話空間や学習空間の設計、言語化と構造化設計を得意とする。CompTIA CTT+ Classroom Trainer Certification取得。2023年より、マーケティングに復帰。中古車マーチャンダイジングの研究とともに、メディア運営設計を担っている。実は元カメラマン。

カーボンニュートラルの実現に向けたマルチパスウェイを進む新型ハイラックス

トヨタ ハイラックスは、日野自動車の「コンテッサ」を源流とするトラック「ブリスカ」が1968年にフルモデルチェンジする際に車名を変更する形で登場した。今回の新型ハイラックスは日本国内での未発売のモデルを含め、9代目に当たる。
ハイラックスは世界中の荒野を駆け回り、どんな環境でも壊れにくい車種の代表格でもある。

2004年にはIMVシリーズとなって生まれ変わり、トヨタの「町いちばん」の考え方とものづくりを象徴するグローバルプラットフォームとして発展した。

ハイラックスは、タイにおいてIMVプラットフォームを代表する車種であり、現在では「タイの国民車」と呼ばれるほどの存在となっているとのことだ。

新型ハイラックスでは、既存のディーゼルモデルに加え、BEVモデル(バッテリー式電気自動車)、そして今後開発が進められるFCEVモデル(燃料電池電気自動車)の3つのパワートレーンが展開される。

トヨタは、パワートレーン、ボディタイプ、カスタマイズ性に至るまで、さまざまな顧客の特性に対応して「誰一人取り残さない」ことを目指しているという。

BEVモデル(プロトタイプ・タイ仕様)の主要諸元

動力は前後に高出力タイプのeAxleを採用し、進化した制御システムにより優れた悪路走破性を実現。バッテリーパックは、フレーム幅を最大限生かしつつ床下に収まるように搭載されている。

バッテリー リチウムイオンバッテリー
総電力量 59.2kWh
航続距離 300km以上(NEDCモード値、開発目標値)
システム最高出力 144kW(トヨタ自動車算定値)
駆動方式 4WD
全長 5,320mm
全幅 1,855mm
全高 1,800mm
ホイールベース 3,085mm

市場への投入計画

新型ハイラックスの各モデルは、グローバルで順次展開が予定されている。

アジア 2026年以降順次発売予定
日本 ディーゼルエンジンのモデルを2026年年央に導入予定
欧州/オセアニア FCEVモデルを2028年以降に投入予定

現行型のトヨタ ハイラックス(GUN125型)を振り返ってみよう

現行型のトヨタ ハイラックス(GUN125型)は、2015年にタイとオーストラリアで導入された。
日本国内向けは遅れること2年、2017年にタイから輸入される初のトヨタ車としてデビューした。

ボディタイプは4ドアのダブルキャブのみ、エンジンは2.4Lディーゼルターボを搭載。ハードな環境に耐える足回りはもちろん、トラクションコントロールに優れた4WD機構も加わり、歴代モデルの評価に違わず当然のごとく高い悪路走破性を誇る。

トヨタとしては採算性の問題から日本への導入に消極的だったようだが、雪国での「働く車」としての要望もあり、時間をかけて準備を行い導入に踏み切った。

しかし、価格の高さから、業務用途での販売は業務用途での販売はそれほどでもなかったらしく、大柄なボディやSUVらしい逞しさを持つスタイリングと相まって、レジャー用途での購入が多かったようだ。

2024年には日本国内向けの販売が休止となった。

トヨタ ハイラックスの中古車販売価格はどれぐらい?相場は?

それではトヨタ ハイラックス(GUN125型)の中古車相場を見ていこう。2025年の第3四半期(2025年7〜9月)にガリバーで販売、成約となった中古車の支払総額(※オプションなどは含まれない乗り出しの金額)の平均を集計してみた。

なお、中古車情報メディアに掲載された公開在庫を基準とし、販売成約に至った中古車(※成約後のキャンセルも含む)を集計している。運営会社である株式会社IDOMの帳簿上の販売台数とは異なるため、販売台数はシェア(割合)のみの表記としている。

集計期間:2025年10月12日(日)〜2025年11月8日(土)
トヨタ ハイラックス(GUN125型)
年式 査定件数シェア 平均売却予想額(買取相場) 平均走行距離
2024年式 10.0% ¥4,180,000 17,561 km
2023年式 19.2% ¥3,831,739 25,294 km
2022年式 21.7% ¥3,638,077 38,481 km
2021年式 19.2% ¥3,430,435 51,326 km
2020年式 12.5% ¥3,383,333 39,010 km
2019年式 11.7% ¥3,179,286 71,365 km
2018年式 5.8% ¥3,032,857 71,267 km

◆ 支払総額について
支払総額は、記事執筆または取材した時点の当月に在庫掲載店舗の所在地で管轄内登録(届出)し、店頭で納車した場合の価格です。

同期間内での販売ランキングは85位(※リセバ総研集計基準)、販売の中心となっている年式は2022年式で、販売数の35%を占めている。支払総額は2025年第3四半期の平均で約446万円。

前年の改良モデルにあたる2021年式の新車価格が車両本体価格で約353万円〜431万円で、諸費用込みの新車乗り出し価格を考慮すると、新車と中古車の価格がほぼ同じ水準。

数少ないピックアップタイプであり、新車の販売台数も少なく中古車市場での流通量も多くないこともあってか、中古車としてはかなり高額な相場といえる。

トヨタ ハイラックスの中古車買取価格はどれぐらい?相場は?

最後に中古車の買取価格、リセールバリューの相場を見てみよう。買取査定の割合(シェア)も中古車販売と同じく2022年式が最多となっている。

平均売却予想額とは?

買取査定に持ち込まれ査定検査したクルマがオートオークション等で落札または売却される際の金額を予測し、全査定件数で平均化した金額です。

※平均売却予想額は、あくまで中古車流通における売却金額の予測値を平均化した数値であり、ガリバー店頭での買取金額とは異なります。
※ガリバー店頭での実際の買取金額は、クルマのグレードや装備、使用状態によって異なります。

トヨタ ハイラックス 年式ごとの査定件数シェアと平均売却予想額(買取相場)
集計期間:2025年10月12日(日)〜2025年11月8日(土)
トヨタ ハイラックス(GUN125型)
年式 査定件数シェア 平均売却予想額(買取相場) 平均走行距離
2024年式 10.0% ¥4,180,000 17,561 km
2023年式 19.2% ¥3,831,739 25,294 km
2022年式 21.7% ¥3,638,077 38,481 km
2021年式 19.2% ¥3,430,435 51,326 km
2020年式 12.5% ¥3,383,333 39,010 km
2019年式 11.7% ¥3,179,286 71,365 km
2018年式 5.8% ¥3,032,857 71,267 km

中古車の販売価格が高額な相場となれば、中古車買取価格の相場もまた高くなる。ましてや海外でも高い需要を誇る、悪路走破性の高いピックアップ。やはりリセールバリューも相当に高い水準であり、グレードや特装車にもよるが、新車価格の85%以上となっている。

もとから稀少性の高い車種であり、年式間での相場差異はそれほど大きくはない。4年落ちの2021年と、販売も査定も最多となる2022年式で差が広がっている程度だ。

走行距離もおおむね年に1.2万Kmを超える程度で、このあたりからも業務用途での所有は少ないのであろうと推察できる。レジャーを中心に丁寧に乗られていた中古車が多いのではなかろうか。

トヨタ ハイラックス 過去12週間の平均売却予想額(買取相場)推移
サンプル年式 集計対象となる型式
2022年式 トヨタ ハイラックス(GUN125型)
集計期間(日曜から土曜) 平均売却予想額(買取相場) 予想額前週比
8月17日〜8月23日 ¥3,200,000
8月24日〜8月30日 ¥3,587,500 112.1%
8月31日〜9月6日 ¥3,818,750 106.4%
9月7日〜9月13日 ¥3,632,500 95.1%
9月14日〜9月20日 ¥3,500,000 96.4%
9月21日〜9月27日 ¥3,750,000 107.1%
9月28日〜10月4日 ¥3,583,333 95.6%
10月5日〜10月11日 ¥3,845,000 107.3%
10月12日〜10月18日 ¥3,575,000 93.0%
10月19日〜10月25日 ¥3,832,000 107.2%
10月26日〜11月1日 ¥3,655,714 95.4%
11月2日〜11月8日 ¥3,540,000 96.8%

過去12週間の平均売却予想額推移を見ても、高値安定。他の車種に比べても、季節要因による激しい上下が見られない。売却タイミングによる相場変動を気にせずに乗ることができる。

日本国内では扱いにくい大柄なサイズの車種ではあるが、ピックアップトラックの荷台に遊び道具を放り込んでレジャーを楽しみ、いずれは売却してタイプの異なる車種へ乗り換える資金にする。そんなコスパの高いカーライフがすごせそうな車種だ。

まとめ

日本からの中古車輸出が爆増中の昨今、悪路の走破性を求める国や地域からの需要も絶えない。円安の状態では、日本の中古車は海外から相対的に価格が安く見えている。
また、やや物騒な背景ではあるが、ハイラックスは紛争地域での軍用車としての需要も高く、輸出市場でも高額で取引されている。
新型が発表されたとはいえ、今後もGUN125型のハイラックスのリセールバリューが下るような要因が見当たらない。型式や年式にかかわらず高いリセールバリューを維持し続けることだろう。