軽EV ホンダ N-ONE e:の補助金を含めた実質価格を試算したら驚きの結果が!

本田技研工業は9月11日、軽乗用車として同社初となる電気自動車「N-ONE e:」を9月12日に発売すると発表しました。「N-ONE e:」は、電気自動車を対象とした各種補助金の対象となります。そこで今回は、ホンダ N-ONE e:を新車購入した場合、どれくらいの補助金が適用されるのかを試算してみましょう。
目次
ホンダ N-ONE e: はどんなクルマ?
ホンダ N-ONE e: は、ガソリンエンジンの軽自動車「N-ONE」の特徴を継承した軽EVで、「e:Daily Partner」というグランドコンセプトのもと、日々の暮らしを生き生きと活発にしてくれる“日常のパートナー”となるクルマを目指して開発されたといいます。
N-ONEの特徴でもある室内の広さと使い勝手の良さは、N-ONE e: でも健在。フロア下に搭載するバッテリーを薄型化することで、大人4人が快適に乗車できる空間を確保しています。また、リアシートを倒すことで荷室から続くフラットな床面を実現するとともに、座面をはね上げると背の高い荷物が積載可能になるなど、室内後部の積載性も十分に確保されています。

ホンダの発表資料によると、一般的にEVはバッテリー配置の制約から車高が高めに設計される傾向があるといいますが、N-ONE e:の全高はN-ONEと同等。多くの立体駐車場に駐車が可能で、走行時の空気抵抗が少なくEVにおける燃費にあたる「電費」の向上にも寄与しているとのこと。WLTCモードでの航続距離は295kmで、充電時間は普通充電で約4.5時間、出力50キロワット以上で行った急速充電で約30分を実現しています。ディーラーオプションのAC外部給電器を使うことで、最大1,500Wまで外部給電することが可能です。
安全装備については、ホンダの安全運転支援機能「Honda SENSING」を全車に標準装備。ホンダの軽自動車として初めて「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」を搭載したほか、衝突事故での二次被害軽減を支援する技術である「衝突後ブレーキシステム」を採用しています。
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【クルマ大好きライター】井口裕右
モデル構成はスタンダードな「e: G」と9インチHonda CONNECT ディスプレイや14インチアルミホイールなどを搭載した上位モデル「e: L」の2種類で、急速充電機能は「e: L」のみ標準装備(e: Gではメーカーオプション)されています。
ホンダ N-ONE e: に適用される補助金は?
過去にこのリセバ総研で紹介したエコカー補助金の解説記事でも触れていますが、電気自動車を対象としたエコカー補助金は「国」「都道府県」「市区町村」の3階建て構造になっており、最大で3種類の補助金が受けられます。
ひとつは、国が全国で推進している「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」。これは車種ごとに補助金の金額が定められており、ホンダ N-ONE e: には「57万4000円」の補助金が適用されています。
そして、次に都道府県による補助金ですが、これは各都道府県によって補助金がある場合とない場合があります。市区町村による補助金も同様です。地方自治体の補助金については、お住いの自治体に確認してみるとよいでしょう。
ちなみに、東京都では「ゼロエミッションビークル(ZEV)車両購入補助金」というエコカー補助金制度があり、補助金額はメーカーごとに設定されています。ホンダ車の場合は、給電機能がついている電気自動車の場合で「50万円」の補助が受けられます。
補助金を適用すると、ホンダ N-ONE e: の実質価格は?

これらを踏まえて、「東京都足立区に在住」の場合を想定した、ホンダ N-ONE e:の補助金シミュレーションをしてみましょう。選択したモデルはスタンダードグレードの「N-ONE e: G」で、ボディーカラーは「フィヨルドミスト・パール」。オプションをつけない状態で、メーカーの公式サイトにおける見積金額は「282万2,970円(税込)」です。

この試算はメーカーが公表している購入シミュレーションによる2025年9月現在の価格をもとに、国、東京都、足立区が公表している補助金の金額をまとめたものです。
補助金の内容については各事業主体の判断によって変更される場合がありますので、必ず各補助金の公式な情報をご確認ください。また、東京都の補助金には適用条件があるため、条件を満たすために必要なオプション(外部給電機能など)についてはカーディーラーに必ずご確認ください。
CEV補助金の対象車種一覧
https://www.cev-pc.or.jp/hojo/pdf/R6ho/R6ho_meigaragotojougen_2.pdf
東京都ゼロエミッションビークル(ZEV)車両購入補助金
https://www.tokyo-co2down.jp/wp-content/uploads/2025/03/ZEV_Topics_20250331_Ver3.pdf
https://coolnet.tokyo/zev_subsidy_calculator/(補助金シミュレーション)
足立区電気自動車等購入費補助金
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kankyo/kurashi/kankyo/denkijidousya.html
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【クルマ大好きライター】井口裕右
補助金を含めた実質価格は、なんとガソリン車の「N-ONE」の価格(税金・諸費用込でおよそ183万円から)を下回ってしまうおよそ164万円で、新型モデルの電気自動車でありながら非常にコスパのいい値段で買える印象を持ちました。ただし、注意すべきはあくまでこれは「実質価格」であって、新車購入時にはまず見積り金額通りにクルマを購入する必要があるという点です。
エコカー補助金は「あとで手元に戻って来るお金」、予算上限にも注意を!
試算を見る限りでは、かなりコスパよく買えるイメージを抱きがちですが、注意すべき点は国や自治体が展開しているエコカー補助金が「クルマを購入して納車(車両のナンバー登録)が完了したあとで、自分で申請する」のが原則であるという点。つまり、クルマそのものは見積額の満額で購入する必要があり、オートローンも満額で組む必要があります。補助金は「クルマの購入後に手元に戻って来るお金」となっているため、エコカー補助金を新車値引きと勘違いしないように十分に注意しましょう。
まとめ
今回は、新発売となるホンダ N-ONE e:について、国や地方自治体の補助金を適用した場合の実質価格を調べてみました。
ちなみに、国のCEV補助金制度、地方自治体の補助金制度ともに、補助金の予算には上限があります。国、地方ともに補助金は「先着順」が原則で、予算が尽きたら受付終了です。今年度の補助金は多くの場合で来年3月までが受付期間ですが、年度末になると予算終了で申請できない場合もあるため、年末年始から来春にかけて購入を検討している場合には各補助金の受付状況を必ず確認するようにしましょう。