「トヨタ アクア」が一部改良で“プリウス顔”に激変!旧モデルの中古車在庫状況は?

トヨタ自動車は9月1日、コンパクトハイブリッドカー「アクア」を一部改良したと発表しました。一番の衝撃は、そのフロントマスク。「プリウス」や「クラウン」などと同じ「ハンマーヘッド」をモチーフとしたフロントデザインを採用し、エクステリアのイメージが一新されたのです。今回は、このフルモデルチェンジと言っても過言ではないほどのデザイン刷新を行った「トヨタ アクア」を取り上げます。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

“プリウスの弟分”としてスタートした、トヨタ アクアの歴史

初代アクアが登場したのは、2011年12月。「トヨタの新しいハイブリッド」をコンセプトに、日本のハイブリッドカーの先駆け的存在の1台である「プリウス」よりもコンパクトなハイブリッド専用車として発売されました。JC08モード燃費でリッター35.4kmという燃費性能は、当時としては世界トップレベル。その燃費性能の高さとコンパクトなボディサイズ、そしてプリウスよりもリーズナブルな価格設定が功を奏し、高い人気を獲得しました。初代プリウスは、一部改良やマイナーチェンジを繰り返しながら、2021年のフルモデルチェンジまで約10年も販売されるというロングセラーモデルとなりました。

2021年7月、約10年ぶりに満を持してフルモデルチェンジを行ったアクア。エクステリアのデザインは初代の雰囲気を残しながら洗練されたものとなり、機能的にも当時のトヨタの最新技術を惜しみなく投入しています。プラットフォームとエンジンは一新されて乗り心地や走行性能が大幅に向上したほか、一部のモデルではハイブリッド車の駆動用バッテリーとして世界初(当時)となる「バイポーラ型ニッケル水素電池」を採用し、アクセル操作に対するレスポンスが向上。また、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備したほか、アクセサリーコンセント(AC電源)と非常時給電モードも装備しています。

歴代のアクアについてはこちらの記事もチェック

トヨタ アクア、一部改良でなにが変わった?

今回発表された2代目プリウスの一部改良では、「エクステリア」「インテリア」「安全装備」の3つで大きなトピックスがあります。

まずエクステリアは、冒頭でもご紹介した通りハンマーヘッドをモチーフとしたフロントデザインを採用し、エクステリアのイメージを一新。「マッドバス」「グレイッシュブルー」という新色も追加され、ツートンカラーのバリエーションも増えています。

またインテリアでは、7インチの大型マルチインフォメーションディスプレイを全車に標準装備したほか、HDMI入力端子も搭載。「G」「X」「U」グレードのディスプレイオーディオは、モニターサイズを8インチに拡大しています。安全装備については、プリクラッシュセーフティー、レーダークルーズコントロール、アドバンストパーク(駐車・出庫支援機能)、ロードサインアシスト(道路標識や信号の読み取り機能)など様々な機能について改良・性能向上が行われています。

ちなみに、このトヨタのハンマーヘッドデザインは、最近のトヨタ車の大きなデザイントレンドのひとつ。現行型のプリウスをはじめ、現行型のクラウンシリーズ、電気自動車のbZ4X、年内に発売を予定している新型RAV4なども、このハンマーヘッドデザインを採用しています。

トヨタ プリウスの現行モデル
トヨタ プリウスの中古車在庫をチェック
トヨタ クラウンスポーツの現行モデル
トヨタ クラウンの中古車在庫をチェック

自動車webサイトCORISM編集長の大岡智彦はこの大胆なデザイン変更をどう見る?

【自動車のプロ】大岡智彦

自動車情報メディア「CORISM」編集長

自動車情報専門のWebサイト「CORISM」編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポート、カスタムカーまで幅広くこなす。クルマは予防安全性能や環境性性能を重視しながらも、走る楽しさも重要。趣味は、コスパの高い中古車探しと、まったく上手くならないゴルフ。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    60系プリウスや30系クラウンシリーズなど、「ハンマーヘッドデザイン」を採用したモデルは人気の的です。アクアも今回のデザイン変更でスポーティさがグッと増しています。ですが、「ハンマーヘッドデザイン」が増えれば増えるほど、デザインの賞味期限が短くなって、飽きてしまう人も出てくるのではないかとも感じます。

トヨタ アクア、旧デザインのクルマは在庫車か中古車の2択

トヨタの発表内容によると、今回のエクステリアの変更は全グレードが対象となるため、一部改良前の旧デザインのクルマはラインナップから消えることになります。アクアの紹介サイトでも、モデル一覧に旧デザインのクルマはありません。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    新しいハンマーヘッドデザインのアクアも未来的でカッコいいですが、親しみやすい雰囲気のデザインから大きくイメージが一新されたことで、なかには「旧デザインのアクアのほうがよかった」と感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

現在考えられる旧デザインのアクアを手に入れる方法は、「カーディーラーが保有する在庫車を購入する」「中古車を購入する」という2つ。そこで、ここではガリバーのウェブサイトでトヨタ アクアの中古車在庫状況をチェックしてみることにしましょう。

まず探したのは、なるべく高年式で走行距離が短い在庫。「2021年式以降」で「走行距離1万キロ以内」を条件に検索して、走行距離の短い順に並べ替えてみました。在庫数は18台(9月4日時点)と非常に少なく、支払総額は200万円台前半のものが多い印象です。この走行距離を「3万キロ以内」まで拡大してみると、在庫数は81台(9月4日時点)まで増加。価格も200万円を切るモデルが多くなってきます。ちなみに、いわゆる「登録済み未使用車」は今回の検索ではヒットしませんでした。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    条件のどこにこだわり、どこを妥協するかで判断が分かれるところですが、燃費の良いハイブリッドカーで走行距離のあまり多くないクルマを、200万円を切る値段で買えると考えると、悪くない選択肢なのではないでしょうか。

9月4日現在の在庫情報です

◆ 支払総額について
支払総額は、記事執筆または取材した時点の当月に在庫掲載店舗の所在地で管轄内登録(届出)し、店頭で納車したの場合の価格です。

◆ 中古車在庫の例について
・上記の在庫例は、2025年9月4日時点での在庫情報の取材をもとに、一例として紹介しています。
・在庫の確保および価格を保証するものではありません。販売状況により変動します。
・購入時にオプションプランやサービスを選択された場合は、支払総額が変わります。
・中古車が展示されている店以外での購入には、車両運搬費がかかります。
・ご購入される店舗によって、車両運搬費や適用されるサービスが異なります。

「2021年式以降」で「走行距離3万キロ以内」のトヨタ アクアの在庫をチェック

ロングセラーモデルだからできる「トヨタ アクア」中古車の探し方

初代アクアは約10年販売されたロングセラーだというご紹介をしましたが、それは裏を返せば初代アクアは在庫が非常に豊富に存在するということ。つまり、様々な条件をこだわって探すことができることを意味します。例えば、「めちゃくちゃ安い値段で、でも走行距離はそんなに多くないアクアが欲しい」というわがままにも応えてくれるかもしれません。実際に、ガリバーのウェブサイトで検索してみましょう。

試してみた検索条件は、「支払総額100万円以内」で「走行距離5万キロ以内」の在庫。すると、43台(9月4日時点)の在庫が検索にヒットしました。価格が60万円台から80万円台の在庫が多い印象で、9月4日時点の支払総額最安値は59.8万円。もちろん、年式は10年落ちを超えるクルマが多く、内外装の評価点も高年式の在庫と比較してそれほど高くない場合が多いため、「古さは気になる」「小傷や使用感が残っているのは気になる」という方にはあまりおすすめしません。ただ、移動手段と割り切って燃費の良いクルマをとにかくコスパよく手に入れたいという方にとっては、アクアのようなロングセラーモデルの中から条件に見合うクルマを探すのも、ひとつの選択肢です。

9月4日現在の在庫情報です

◆ 支払総額について
支払総額は、記事執筆または取材した時点の当月に在庫掲載店舗の所在地で管轄内登録(届出)し、店頭で納車したの場合の価格です。

◆ 中古車在庫の例について
・上記の在庫例は、2025年9月4日時点での在庫情報の取材をもとに、一例として紹介しています。
・在庫の確保および価格を保証するものではありません。販売状況により変動します。
・購入時にオプションプランやサービスを選択された場合は、支払総額が変わります。
・中古車が展示されている店以外での購入には、車両運搬費がかかります。
・ご購入される店舗によって、車両運搬費や適用されるサービスが異なります。

「支払総額100万円以内」で「走行距離5万キロ以内」のトヨタ アクアの在庫をチェック
  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    ただし、古いクルマを購入する際に注意すべき点はメンテナンスのコスト。10年以上経過すると故障・劣化する部品も増えてきますし、ハイブリッド車はハイブリッドシステム専用のバッテリーを搭載しているため、定期的な点検・整備は欠かせません。検討時点でのクルマの実車チェックも入念に行うようにしましょう。

まとめ

今回は、トヨタ アクアの一部改良をきっかけに、中古車の在庫状況をチェックしてみました。ロンセグラーモデルのよいところは、販売期間が長い分だけ在庫の価格帯やクルマの状態に大きな幅があり、様々な条件で中古車を探すことができる点です。コスパのよい中古車を探したい方は、様々な検索条件で自分の理想に合う1台を探してみてはいかがでしょうか。