DINKsな私たち。クルマを持つなら、カーシェア?マイカー?おすすめ車種は?

「子どもがいない共働き夫婦」としての私たち──いわゆるDINKs(Double Income No Kids)という、新しい価値観のライフスタイルが、近年増えてきています。
DINKs世帯の私たちは、日々の暮らしにおいて自由度の高い選択ができることに大きな魅力を感じています。そんな私たちにとって、自動車のあり方──つまり「持つべきか、借りるべきか」は、ライフスタイルそのものを左右する重要なテーマです。
この記事では、DINKsならではの視点から、カーシェアとマイカー所有のどちらが私たちの暮らしにフィットするのかを検討してみたいと思います。

クルマ勉強中の旅行好きライター
目次
「自由に使えるお金」と「体験を重視する価値観」
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【外部ライター】水嶋サキ
DINKs世帯は、夫婦共働きで子どもを持たないライフスタイルを送っています。私もそのうちの一人です。
また、DINKs世帯では、世帯あたりの1ヵ月間の支出合計金額は25万円〜40万円程度といわれており、食費や交際費、交通・通信費が多い傾向にあるそう。
子どもにかかる費用がない分、世帯年収が高い傾向にあり、自由に使える経済的余裕が豊富だと感じる世帯が多いのも特徴。経済的なゆとりがあるからこそ、自分たちや夫婦のための消費を活発にし、旅行や外食など二人の時間を大切にする世帯が多く存在しています。
DINKs世帯の消費行動の大きな特徴は、「自己投資」と「経験消費」への優先順位が高いこと。単なるモノの消費に留まらず、自身の成長や夫婦の絆を深めるための「経験」に価値を見出す傾向が強くあります。
例えば、夫婦で年収700万円以上の「パワーカップル」と呼ばれる世帯では、国内旅行はもちろん、海外旅行や外食、趣味、自己啓発といった高額な消費も活発に行われています。
そんな私たちだからこそ、クルマ選びでは機能性やコストだけでなく、ライフスタイルに合うか、趣味の幅を広げられるか、夫婦の体験価値を高められるかといった、情緒的な側面は重要です。
自動車を所有することで、体験の幅が広がる?
DINKs世帯は、旅行や趣味、自己啓発への支出が活発。そして、クルマはこれらの活動を支える重要なツールとなり得ます。例えば、週末にキャンプや山登りに出かける際、公共交通機関ではアクセスしにくい場所へも、クルマがあればフットワーク軽く行くことができます。
このことからも、DINKs世帯にとってクルマは単なる「移動手段」ではなく、アクティブな週末や趣味などの「やりたいこと」を実現するための不可欠な「ツール」であり、情緒的な価値を持つライフスタイルの象徴的な存在にもなり得ることがわかります。
都市部に暮らすDINKsの自動車保有状況と購入検討理由は?
私たちが住むような都市部に居住する30〜40代の世帯を対象とした調査では、49%が自動車を未所有であり、特に東京23区では67%が未所有と、都市部での自動車保有率が低い傾向が見られました。(地域SNS「ピアッザ」調べ)
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【外部ライター】水嶋サキ
都市部に暮らすDINKs世帯では、クルマの必要性を感じつつも、なかなか所有に踏み切れない方々も多くいるのではないかと推察できる結果ですね。
所有の障壁になるのは、高額な駐車場代や維持費なのではないでしょうか。
このような障壁を解消できるカーシェアサービスは、私たちの潜在ニーズに応える有力な選択肢となり得ます。必要なときだけクルマを利用し、それ以外のコストや手間を排除することで、経済的合理性と時間的自由を追求するというライフスタイルに合致します。
次からは、「カーシェアリング」と「マイカー所有」について、それぞれに考えていきます。
「カーシェアリング」という選択肢を考える
私たちは東京23区内に住んでいるので、公共交通機関も充実しています。そのため、日常生活において「クルマが毎日必要になる」というわけではありません。でも、週末の買い物やドライブ、急な遠出など、クルマがあると便利なシーンは多くあります。
そこで注目したのがカーシェアサービスでした。スマホ一つで予約・解錠ができ、利用料金にはガソリン代や保険、メンテナンス代も含まれているため、維持費の心配がない点などは合理的です。また、月額無料プランもあり、たまにしか使わない場合にも、ちょうど良い仕組みでした。
カーシェアリングのメリットとデメリットは?
カーシェアリングの最大のメリットは、クルマの購入費用や駐車場代、ガソリン代、保険料、車検費用、メンテナンス費用といった多岐にわたる維持費が一切かからない点です。マイカーを所有する場合と比較して、初期費用や月々の固定費を大幅に抑えることができます。
利便性においても、24時間365日いつでも好きな時間に利用可能で、手持ちのデバイスから手軽に予約ができたり、短時間でも利用が可能だったりと、手軽さもあります。また、予約から利用、返却まで全て利用者だけで完結できるため、煩雑な手続きが不要なことも嬉しいポイントです。さらに、マイカー所有とは異なり、メンテナンスに関しても一切の手間がありません。これにより、クルマの管理にかかる時間や労力を大幅に削減することが可能です。
その一方で、いくつかのデメリットも存在します。
まず、利用には事前の予約が必要になるため、人気の車種や時間帯は予約が取りにくい場合があります。また、週末に急に「ドライブに行こう!」と思っても、必ず空いているとは限りません。そして、ステーションによっても利用できる車種が異なるため、カーシェアができる車種に制約があります。
主要なカーシェアサービスとおおよその料金体系
主要なカーシェアサービスには、タイムズカー、オリックスカーシェア、トヨタシェア、dカーシェアなどがあります。これらのサービスは、月額料金、時間料金、距離料金、そしてパック料金(6時間、12時間など)で構成される多様な料金体系を提供しています。
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【外部ライター】水嶋サキ
各サービスの料金体系は複雑で多岐に渡りますが、カーシェアリングを利用する際には、ライフスタイルに合わせて、以下の3つのパターンで検討することをおすすめします。
利用頻度が低い場合:月額無料のサービス
定期的に利用する場合:月額有料でも、無料利用分があるサービス
週末の遠出が多い場合:6時間・12時間パックがお得なサービス
カーシェアは、「経済的合理性」と「時間的自由」を両立できる手段だともいえます。特に都市部では駐車場代が高額になりがちなことに加え、公共交通機関が発達しているので、クルマを毎日使う必要がないDINKs世帯が活用するのは、ライフスタイルを充実させる上でも重要な選択肢の一つになりそうですね。
「マイカーを所有する」という選択肢を考える
クルマ好きにとっては、いつでも乗れる自分たちだけのクルマを所有しているというのも捨てがたい選択肢の一つ。
好きなクルマを所有する喜び、クルマに合わせて旅行を計画する楽しみなど…。マイカーは人生の相棒にもなり得るため、マイカーを所有すること自体が自己表現の一つにもなるような大きな存在です。
マイカーを所有することのメリットとデメリットは?
マイカーを所有するメリットとして、まずは物理的な行動範囲が格段に広がる点が挙げられます。公共交通機関が発達していない郊外や、自宅から目的地まで直接アクセスしたい場合に、時間や場所の制約なく自由に足を延ばすことができるようになります。
緊急時の移動手段としても、マイカーは役立ちます。深夜に急に体調が悪くなり、病院へ行かなければならない場合や、災害時など公共交通機関がストップしてしまっている場合などでも移動が可能です。また、レンタカーやカーシェアとは異なり、事前の予約や利用時間の制限がないため、いつでも必要な時に利用できる安心感があります。
また、自分たちだけのクルマを所有することは、カーシェアとは異なり、クルマに愛着を持つことにも繋がります。マイカーを所有する場合、カスタマイズなども含めて自由度が高く、クルマを自己表現の一つとして考えている方も多く存在します。
このように、マイカーを所有することは、DINKs世帯が求めるような計画外の自由を満たす選択肢となり得ます。旅行や趣味などでの突発的なお出かけや、キャンプなど荷物が多くなる趣味活動にも対応できるマイカーをいつでも使える自由は大きな魅力です。
一方で、マイカー所有にはデメリットも存在します。
まず、購入費用と維持費用です。車両本体価格に加えて、登録費用、税金、保険料など、まとまった初期費用が必要となる上に、購入後も多額の維持費が年間を通して発生します。
特に都市部では、駐車場代も家計を圧迫する要因となることがあります。
また、定期的なメンテナンスの手間もデメリットの一つです。法定12ヶ月点検や24ヶ月点検、車検に加え、消耗部品の交換など、定期的な点検・整備が必要となり、時間と労力がかかります。
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【外部ライター】水嶋サキ
マイカー所有を検討する際は、初期費用と維持費を具体的に検討し、自分たちの資産計画にどう影響するか考える必要があります。
また、将来的にマイカーが不要になる場合や買い替えなども想定し、リセールバリューの高い車種を選ぶことで、将来的な売却時に費用負担を軽減できる可能性なども考慮することをおすすめします。
車種別のおおよその年間維持費は?
マイカーの年間維持費は、車種のクラスによって大きく異なります。主な内訳は、税金(自動車税、重量税)、保険料(自賠責保険、任意保険)、走行費(ガソリン代)、メンテナンス費用、そして駐車場代です。
参考までに、車種クラス別の年間維持費の目安をまとめると、以下のようになります。
軽自動車
年間約35万~44万円が目安です。自宅敷地内に駐車スペースがある場合、年間約23万円に抑えることが可能です。
小型自動車
年間約40万~53万円が目安です。駐車場代がかからない場合、年間約28万円に抑えられます。
普通自動車(中型クラス)
年間約51万~61万円が目安です。駐車場代がかからない場合、年間約39万円に抑えることができます。
これらの費用は、あくまで目安で、お住まいの地域、任意保険の補償内容、メンテナンスの内容、年間の走行距離、居住地の駐車場料金などによって変動しますのでご注意ください。
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【外部ライター】水嶋サキ
マイカーを検討する際には、ご自身のライフスタイルや予算に合った車種クラスを具体的に検討するために、これらの維持費目安を参考にしながら、カーシェアとの比較検討などをしてみることをおすすめします。
「自分たちにとっての最適解」をみつけるために考えたいこと
結局のところ、「カーシェアリング」と「マイカー所有」のどちらが良いかはライフスタイルと価値観によって変わります。
どちらの場合にもメリットとデメリットがあるため、重要なのは「自分たちにとっての最適解」をみつけること。私たちの場合は、次の3つを重視して考えました。
利用頻度
週1〜2回使用。日常の買い物と月1回程度の旅行や遠出がメイン。
価値観
安全性、デザイン性、運転の快適さ。
愛着
長く大切に乗りたいという想い。
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【外部ライター】水嶋サキ
私が調べたところ、利用頻度が月4回前後であれば、カーシェアの費用の方がマイカーの維持費(軽自動車で年約35万円〜)より割安で済ませられるようでした。
私たちの場合は、いつでもすぐに使える利便性と、長く大切に自分たちだけのクルマを所有するという愛着を重視したため、マイカーを所有することを決めました。
DINKs世帯におすすめの車種は?
マイカー所有を決めた後も、ライフスタイルに合わせたクルマ選びをするために、比較検討を行いました。
例えば、「キャンプなどアクティブな趣味を楽しみたい」「親族との交流や外出など、ファミリーを重視したい」「トレンド感のあるデザインのクルマに乗りたい」「エコを重視したクルマに乗りたい」「運転するときの乗り心地を重視したい」など、それぞれの世帯で重視したいポイントがあると思います。
同じように、車種によって打ち出しているテーマが異なるので、自分たちの価値観にフィットするクルマを探していきました。
また、リセールバリューが高いクルマを選ぶことで、クルマを手放す場合や買い替える場合に、トータルのコストを抑えることも可能になる場合もあるため、リセールバリューの高さも考慮しておくと安心です。
【SUV】トヨタ ランドクルーザー

本格派SUVの代名詞とも言えるランドクルーザーは、圧倒的な走破性と堅牢なボディで、長距離旅行やアウトドアにも最適です。
圧倒的な人気を誇り、新車価格を上回るリセールバリューを維持することもあり、資産性を意識する層にもおすすめです。特にプラドシリーズは海外人気も高く、長期間にわたって高値で取引される傾向があります。
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【外部ライター】水嶋サキ
女性目線で運転することを考えると、少し車体が大きく感じることもありますが、憧れている方も多いようです!
【SUV】トヨタ ハリアー

都会的で洗練されたデザインと、乗り心地の良さを両立したハリアーは、日常使いから週末の遠出まで幅広く活躍します。静粛性の高い走行性能と高級感ある内装は、落ち着いた大人のカーライフにもマッチ。DINKs世帯の上質な日常を支える一台になり得ます。
デザイン性とラグジュアリーな内装から人気が高く、リセールバリューも高いSUVです。
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【外部ライター】水嶋サキ
街乗りにも馴染むおしゃれなデザインなので、私もぜひ試乗してみたいと思っています。
【SUV】スズキ ジムニー/ジムニーシエラ

無骨でコンパクトな見た目に反して、本格的なオフロード性能を誇るジムニーは、アウトドア好きの方々にぴったり。街乗りでも絵になる個性派で、所有するだけでライフスタイルが引き締まる印象があります。
唯一無二のデザインと高い悪路走破性で根強いファンを持ち、特にジムニーシエラは3年落ちで106%という驚異的な残価率を記録したこともあります。
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【外部ライター】水嶋サキ
コンパクトながらも存在感があり、アウトドア好きの方にはぴったり!デザインもかわいいですね。
【コンパクトカー/ミニバン】トヨタ シエンタ

コンパクトながら広々とした室内空間と高い使い勝手を誇るシエンタは、日常の買い物から小旅行までオールラウンドに対応。友人や親族とのお出かけにも便利で、将来の家族構成変化にも柔軟に対応可能です。また、コストパフォーマンスの高さも魅力の一つ。
コンパクトながら広い室内空間を持ち、複数名での旅行などに利用する際にも適しています。リセールバリューも非常に高く、5年落ちで66%、7年落ちでも56%と高い残価率を維持しています。
【コンパクトカー/ミニバン】ホンダ フィット

取り回しの良さと広い室内空間を両立したフィットは、都心での運転にもストレスが少ない一台。燃費性能も高く、エコ志向の方には理想的なクルマです。休日のドライブや日常の買い物まで、軽快で実用的なカーライフを実現してくれます。
広々とした車内と高燃費性能が魅力で、5年落ちでもRSグレードが77%と非常に高いリセールバリューを維持しています。
【ステーションワゴン】トヨタ カローラフィールダー

実用性と燃費性能、そして荷室の広さが魅力のフィールダーは、キャンプやスポーツなどの荷物の多い趣味を持つ方に最適。堅実さを重視する方にもフィットするクルマです。
ステーションワゴンの中でも特に人気が高く、値落ちしにくい車種です。新車価格が手頃な上、3年落ちでも高い相場を維持します。
【ステーションワゴン】スバル レヴォーグ

走行性能と安全性能を兼ね備えたレヴォーグは、ドライブが好きな方にぴったり。低重心で安定感のある走りは長距離移動も快適で、荷物もたっぷり積めるのもポイントです。上質な旅の相棒として、感性を大切にする方の心に響くステーションワゴン。
スバル独自の走行性能と安全性が魅力で、一定のリセールバリューを維持しています。
これらの車種は、私たちDINKs世帯がクルマに求める多様な価値観(デザイン、安全性、アクティブ性、そして経済的合理性)をバランス良く満たし、かつ将来的な売却時にも高い価値を維持しやすいという点で、賢い選択肢となるでしょう。
クルマとの暮らしは、私たちの“選び方”次第
最終的に私たちは、「都市部に住みながら、週末をアクティブに過ごす」スタイルを重視し、コンパクトSUVの購入を選びました。カーシェアと迷った結果、「好きな時に使える」「自分たちの価値観を反映したクルマに乗れる」という自由と愛着を重視した結果です。
とはいえ、ライフステージや住環境が変われば、またカーシェアを検討する可能性も十分にあります。私たちにとっての「最適解」は、その時々で柔軟に変えていけるもの。今の選択が100点でなくても、納得感を持って選ぶことこそが、DINKs世帯のカーライフにはふさわしいのだと思います。
まとめ
DINKsという自由度の高いライフスタイルだからこそ、私たちはもっと柔軟に、そして戦略的にクルマとの関係を築いていけるはずです。カーシェアでも、マイカーでも、正解は一つではありません。大切なのは、「今の私たちにとって、何が必要か」「どんな暮らしをしたいか」をきちんと考えること。ぜひ、皆さんも素敵なカーライフを送ってくださいね!