ダイハツ 新型ムーヴ発売!新モデルのポイントは?旧モデルの中古車相場は?リセールバリューは?

ダイハツは6月5日に人気の軽自動車「ムーヴ」をフルモデルチェンジし、発売しました。1995年以来30年にわたって軽自動車で代表的な人気車種の一角を担ってきたムーヴは、11年ぶりのフルモデルチェンジでどのような進化を遂げたのでしょうか。また型落ちとなった旧モデルの中古車相場やリセールバリューはどのような状況になっているのでしょうか。
 
今回は、ダイハツ ムーヴに関する情報をまとめてみました。

小さい頃からのクルマ好きで、大学生で免許を取ると貯めたバイト代で中古車をすぐに購入。以来、年間数万キロを走り回って無事故を維持していることを密かな誇りにしている。趣味は、ドライブ旅行とモータースポーツ。カメラを持ってサーキットに行くと流し撮りに命を懸ける。一般ドライバーの視点で、カーライフとリセールバリューの「これってどういうこと?」を紐解いていきます。

ダイハツ ムーヴの歴史

ダイハツ ムーヴが登場したのは、今から30年前となる1995年。いまでは人気ジャンルとなっている広い室内空間と使い勝手の良さが特徴の「スペース系軽自動車」として、同じくダイハツの「ミラ」をベースに開発されました。現在も続く「軽トールワゴン」人気の火付け役となったクルマのひとつです。

1998年に登場した2代目では、軽自動車の規格改定に伴って全長と全幅が拡大。日本やヨーロッパの衝突安全基準に合わせた安全ボディや安全装備の拡充などを行い、安全性能が向上しました。そして2014年には、先代となる6代目のフルモデルチェンジ。「次世代ベストスモール」をコンセプトに開発されボディの安全性がさらに向上したり、バックドアが横開き式から跳ね上げ式になったほか、「ムーヴカスタム」や「ムーヴキャンバス」など派生モデルも登場して人気となっています。

同社によるとこれまでの累計販売台数は340万台を超え、同社にとっては基幹車種という位置づけとのこと。また一般社団法人 全国軽自動車協会連合会が発表している車種別新車登録台数ランキングでも、2024年こそ8位だったものの、2023年以前は常にトップ5にランクインするなど、根強い人気となっています。

7代目ダイハツ ムーヴ、モデルチェンジの主なポイントは?

「今の私にジャストフィット 毎日頼れる堅実スライドドアワゴン」というコンセプトのもと開発された7代目のムーヴは、コンセプトにある通り後席ドアが前モデルのヒンジドアからスライドドアに変更になった点が大きなポイントです。

また、安全性能に関しては17種類の予防安全機能を採用した「スマートアシスト」が搭載(グレード別設定・一部メーカーオプション)されたほか、車線変更時に後方車両の存在を検知して警告するブラインドスポットモニターや、ペダル踏み間違いによる急アクセルを回避するための急アクセル時加速抑制システムもディーラーオプションで設定が可能。スマートフォンと連動して安全運転を促す通知やメンテナンス時期の通知を行うコネクティッドサービス「ダイハツコネクト」も利用することができます。

気になる燃費性能はWLTCモードで最大22.6km/L。車両本体価格は、自然吸気エンジンモデルで135万8500円(「L」2WDモデル)から184万2500円(「G」4WDモデル)。ターボエンジンモデルの「RS」は2WD モデルが189万7500円、4WDモデルは202万4000円となっています。なお、先代モデルで派生モデルとして登場したムーヴキャンバスは、モデルチェンジ後も併売されている模様です。

  • 【クルマ大好きライター】井口裕右

    なお、ダイハツはメーカーが納車時期の目安について公表していませんが、一部のディーラーはムーヴの納車時期を公開しており、なかには納期を「10月上旬」としている販売店もあるようです。新車の納期目安についてはお近くの販売店に確認するのがよいでしょう。

6代目と7代目のダイハツ ムーヴ、違いはどこにある?

11年ぶりとなり話題となっているダイハツ ムーヴのフルモデルチェンジですが、自動車の専門家は先代との違いについてどのように見ているのでしょうか?

リセバ総研の“ご意見番”で日本カー・オブ・ザ・イヤーの運営にも関わっている自動車webサイトCORISM編集長の大岡智彦さんに意見を求めてみました。

  • 【自動車のプロ】大岡智彦

    今回のモデルチェンジでは後席ドアのスライドドア化とムーヴカスタムの廃止が大きなポイントと見ています。

    スライドドアを搭載したことで重量が若干増加し、燃費や走行性能への影響が気になるところですね。またムーヴカスタムも若々しいデザインが人気でしたので、やんちゃなデザインのクルマがほしい人やキビキビ元気に走る走行性能を求める人には旧モデルの中古車もおすすめです。

大岡さんによると、スライドドアはクルマの重量に大きな影響を与えるのだそうで、一般的なヒンジ式のドアと比較して車重が重くなる傾向があるのだそう。スライドドアは乗り降りのしやすさや荷物の積み下ろしのしやすさなどのメリットがありますが、ドア形状にこだわらず燃費性能などの経済性を求めたい人や軽快な走りを重視したい人にとっては、旧モデルのムーヴカスタムも選択肢に入ってくるのではないでしょうか。

また最近は、どのメーカーもモデルチェンジ直後の新車納車時期が長期化しやすい傾向にありますので、購入時期(乗り始めたい時期)に応じて新モデルを検討するか旧モデルの中古車を検討するかを考えてもよいでしょう。

ダイハツ ムーヴ6代目、中古車相場の傾向は?

それでは、旧モデルとなったダイハツ ムーヴ6代目の中古車はどれくらいの相場感なのでしょうか。

まずはガリバーの納車済み車両の平均支払総額のデータから見ていきましょう。2024年11月から2025年4月まで過去6ヶ月間の推移を見てみると、平均支払総額は85万円から95万円の間で推移しているようです。

ちなみに、7代目新型ムーヴは発表直前となる2025年5月にティザーサイトが公開されたことから、この時点で新型発表の影響が販売データにどれくらい出ているのかはわかりません。

では、このデータを踏まえて平均支払総額85万円から95万円を含む価格条件で、6代目ムーヴの在庫状況をガリバーのウェブサイトで確認してみましょう。

すると、下記のような車両を含む50台ほどの在庫がヒットしました(6月19日時点)。年式は2016年式〜2020年式が中心で、走行距離は3万キロから6万キロ程度の在庫が多い印象で、モデルチェンジで廃止となったムーヴカスタムの在庫も豊富にあるようです。

中古車在庫の例について
・上記は2025年6月19日現在の在庫情報をもとに、支払総額の一例として紹介しています。
・在庫の確保および価格を保証するものではありません。販売状況により変動します。
・購入時にオプションプランやサービスを選択された場合は、支払総額が変わります。
・中古車が展示されている店以外での購入には、車両運搬費がかかります。
・ご購入される店舗によって、車両運搬費や適用されるサービスが異なります。
支払総額について
・支払総額は、閲覧当月、店舗所在地の管轄内登録(届出)で店頭納車の場合の価格です。

6代目ダイハツ ムーヴのリセールバリューは?

一方でダイハツ ムーヴ6代目について買取査定の傾向を見てみると、査定件数は10年落ちにかけて増加していく傾向があり、リセールバリューを重視して早期に手放す人よりもしっかりと日常のカーライフで活用してから手放す人が多い傾向が示唆されました。

平均売却予想額は5年落ちを境にぐっと落ちていく傾向がありますが、10年落ちでも30万円以上の値がついており、中古車としてムーヴの需要が根強いことを示唆しています。

平均売却予想額とは?
買取査定に持ち込まれ査定検査したクルマがオートオークション等で落札または売却される際の金額を予測し、全査定件数で平均化した金額です。

※平均売却予想額は、あくまで中古車流通における売却金額の予測値を平均化した数値であり、ガリバー店頭での買取金額とは異なります。
※ガリバー店頭での実際の買取金額は、クルマのグレードや装備、使用状態によって異なります。

参考までに6年〜8年落ちのリセールバリュー値(RV値)を調べてみると、最小値は8.1%から最大値は43.1%と大きな開きがあることがわかりました。

年式が古くなることで走行距離やクルマの傷などの状態に差が出ることが背景にあると推測されますが、6年〜8年落ちで最大値43.1%は決して悪いRV値とは言えないことから、売却を見据えた場合にはできるだけクルマが傷つかないように注意して車内のカーケアなどもしっかり行うとよいでしょう。

※注:この記事に掲載のリセールバリュー値や残価値での買取を保証するものではございませんのでご注意ください。実際の買取金額は、クルマのグレードや装備、外装・内装の使用状態によって大きく異なります。

まとめ

フルモデルチェンジによってダイハツ ムーヴに再び注目が集まっていますが、コスパ重視のクルマ選びを最優先に考えたい人や廃止となってしまったグレードに興味がある人にとっては、状態のよい中古車を探すという選択肢も十分に候補に挙がるのではないでしょうか。
 
一方で人気のクルマということもあることからリセールバリューは古い年式でも期待できるという側面もあり、長く乗り続ける予定の人もクルマの状態をできるだけきれいに保てるようカーケアをしていくとよいでしょう。